シックハウス対策(内装制限、換気設備、天井裏)

〇建築基準法:28条の2、建築基準法施行令:令20条の5,6,7,8
〇過去問
・管理業務主任者 H15問24、H16問24、H23問18、H27問19
・マンション管理士 H15問21、R2問41
 
 
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シックハウス対策の概要
1)シックハウス症候群の概要
 
・住宅の高気密化などが進むに従って、建材等から発生する化学物質などによる室内空気汚染等と、それによる健康影響が指摘され、「シックハウス症候群」と呼ばれている。
・症状は、目がチカチカする、鼻水、のどの乾燥、吐き気、頭痛、湿疹など人によってさまざま。
 
〇原因
・建材や家具、日用品などから発散するホルムアルデヒドやVOC(トルエン、キシレンその他)などの揮発性の有機化合物が原因の一部と考えられている。
①住宅に使用されている建材、家具、日用品などから様々な化学物質が発散。
②住宅の気密性が高くなった。
③ライフスタイルが変化し換気が不足しがち。
 
2)シックハウス対策の概要
 
●居室内における化学物質の発散に対する衛生上の措置(法28条の2第3号)
・建築物は、石綿その他の物質の建築材料からの飛散又は発散による衛生上の支障がないよう、次に掲げる基準に適合するものとしなければならない。
三)居室を有する建築物にあつては、石綿等以外の物質でその居室内において衛生上の支障を生ずるおそれがあるものとして政令で定める(令20条の5)物質の区分に応じ、建築材料及び換気設備について政令で定める技術的基準(令20条の6、7、8)に適合すること。
 
●居室内において衛生上の支障を生ずるおそれがある物質(令20条の5)
・法28条の2第3号の政令で定める物質は、クロルピリホス及びホルムアルデヒドとする。
 
●ホルムアルデヒド対策
①内装仕上げの制限
・内装仕上げに使用するホルムアルデヒドを発散する建材の面積制限。
②換気設備設置の義務付け
・原則として全ての建築物に機械換気設備の設置を義務付け。
③天井裏などの制限
・天井裏などから居室へのホルムアルデヒドの流入を防ぐための措置。
 
〇共同住宅の住戸
①内装仕上げ
・F☆☆☆の場合、床面積の2倍まで
・F☆☆☆☆の場合、制限なし
②換気設備
・換気回数0.5回/hの24時間換気システムを設置
③天井裏など
・次のいずれか
イ)建材:F☆☆☆以上
ロ)気密層、通気止め
ハ)天井裏などを換気
 
●クロルピリホス対策
・クロルピリホスを添加した建築材料を用いない。
クロルピリホス対策(令20条の6)
●クロルピリホスの概要
・常温では無色または白色の結晶。
・もともと、白アリ駆除などを目的とした有機リン系殺虫剤として広く使われていた。
・住宅では、土台や柱などの木部に吹付けたり、床下土壌の全面に散布するといった方法で使用されてきた。
・めまいや吐き気、視力低下や頭痛などを引き起こす可能性があり、毒性が強いと言われている。
 
●建築材料についてのクロルピリホスに関する技術的基準(令20条の6)
・建築材料にクロルピリホスを添加しないこと。
・クロルピリホスをあらかじめ添加した建築材料を使用しないこと。
 
〇適用外
・クロルピリホスをあらかじめ添加した建築材料のうち、建築物に用いられた状態でその添加から5年以上経過しているもの。
ホルムアルデヒド対策(内装仕上げの制限)
・居室の種類及び換気回数に応じて、内装の仕上げに使用するホルムアルデヒド発散建築材料は面積制限を受ける。
 
●内装仕上げの制限の適用除外
・一定の基準(令20条の6第1項1号ハ)に適合する中央管理方式の空気調和設備を設ける居室
・1年を通じて、居室内の人が通常活動することが想定される空間のホルムアルデヒドの濃度を0.1mg/m3以下に保つことができるものとして国土交通大臣の認定を受けた居室
 
●建築材料の区分と制限
 
※JIS(日本工業規格)のFマーク
・建材から発生するホルムアルデヒドの放散速度(または放散量)に応じて等級を区分しているマーク。
 
①建築基準法の規制対象外:F☆☆☆☆等級
・ホルムアルデヒドの発散:5μg/㎡h以下
・内装仕上げの制限:制限なしに使える
②第3種ホルムアルデヒド発散建築材料、F☆☆☆ 0.005~0.02
・ホルムアルデヒドの発散:5μg/㎡h~20μg/㎡h
・内装仕上げの制限:使用面積が制限される
③第2種ホルムアルデヒド発散建築材料、F☆☆
・ホルムアルデヒドの発散:20μg/㎡h~120μg/㎡h
・内装仕上げの制限:使用面積が制限される
④第1種ホルムアルデヒド発散建築材料
・ホルムアルデヒドの発散120μg/㎡h超
・内装仕上げの制限:使用禁止
※建築物の部分に使用して5年経過したものについては、制限なし。
※夏季においてその表面積1㎡につき毎時0.005ミリグラムを超える量のホルムアルデヒドを発散させないものとして国土交通大臣の認定を受けたものについては、これらの建築材料に該当しないものとみなす。(令20条の7第4項)
 
〇規制対象となる建材
・木質建材(合板、木質フローリング、パーティクルボード、MDFなど)、壁紙、ホルムアルデヒドを含む断熱材、接着剤、塗料、仕上塗材など
・これらには、原則としてJIS、JAS又は国土交通大臣認定による等級付けが必要となる。
 
●第2種・第3種ホルムアルデヒド発散建築材料の使用面積の制限
・第2種ホルムアルデヒド発散建築材料及び第3種ホルムアルデヒド発散建築材料については、次の式を満たすように、居室の内装の仕上げの使用面積を制限。
 
N2S2 + N3S3 ≦ A
S2:第2種ホルムアルデヒド発散建築材料の使用面積
S3:第3種ホルムアルデヒド発散建築材料の使用面積
A :居室の床面積
 
〇住宅等の居室
・換気回数:0.7回/h以上、N2:1.2、N3:0.2
・換気回数:0.5~0.7回/h、N2:2.8、N3:0.5
〇上記以外の居室
・換気回数:0.7回/h以上、N2:0.88、N3:0.15
・換気回数:0.5~0.7回/h、N2:1.4、N3:0.25
・換気回数:0.3~0.5回/h、N2:3.0、N3:0.5
ホルムアルデヒド対策(換気設備設置)
・原則として機械換気設備の設置が義務付け。
・ホルムアルデヒドを発散する建材を使用しない場合でも、家具からの発散があるため、原則として全ての建築物に機械換気設備の設置が義務付けられる。
 
〇住宅の場合
・換気回数0.5回/h以上の機械換気設備(24時間換気システムなど常時運転のもの)の設置が必要。
〇住宅以外の場合
・0.3回/h以上
 
●一般的な機会換気設備が不要な場合
〇開口部・隙間による換気が確保される居室(換気回数0.5回/h相当)
・”常時外気に開放された”開口部と隙間の換気上有効な面積の合計が、床面積1㎡あたり15cm2以上設けられた居室
・就寝系用途の居室(住宅の居室、ホテル・旅館・下宿の宿泊室等)以外の居室で、”使用時に外気に開放される”開口部と隙間の換気上有効な面積の合計が、床面積1㎡あたり15cm2以上設けられた居室
 
〇1年を通じて、居室内の人が通常活動することが想定される空間のホルムアルデヒドの量を空気1m3につきおおむね0.1mg以下に保つことができるものとして、国土交通大臣の認定を受けた居室。
ホルムアルデヒド対策(天井裏等の制限)
・天井裏等は、下地材をホルムアルデヒドの発散の少ない建築材料とするか、機械換気設備を天井裏等も換気できる構造とする必要がある。(平成15年国土交通省告示274号第1第3号)
 
・機械換気設備を設ける場合には、天井裏、床下、壁内、収納スペースなどから居室へのホルムアルデヒドの流入を防ぐため、次の①~③のいずれかの措置が必要となる。
①下地材、断熱材その他これらに類する面材について、次に掲げる材料を使用しないことにより、天井裏等におけるホルムアルデヒドの発散を抑制し、ひいては居室へのホルムアルデヒドの流入を抑制すること。
・第1種ホルムアルデヒド発散建築材料
・第2種ホルムアルデヒド発散建築材料
・令第20条の5第2項の規定により国土交通大臣の認定を受けた建築材料(第2種ホルムアルデヒド発散建築材料とみなされる建築材料)
 
②気密層又は通気止めにより、居室へのホルムアルデヒドの流入を抑制すること。(対策を講じたこととなる部分は次のとおり。)
・間仕切り壁以外の部分で、気密材を用いた連続した気密層により居室と区画された屋外側の部分
・気密材又は居室へのホルムアルデヒドの流入の抑制に関して気密材と同等以上に気密性を有する材料(石膏ボード等)により、居室との間で通気が生じないよう必要な部分の全てについて通気止めを行った壁等の部分
 
③①又は②の対策を講じていない天井裏等の部分について、居室の空気圧が当該天井裏等の部分の空気圧以上となるよう機械換気設備等による措置を講じ、空気圧により居室へのホルムアルデヒドの流入を抑制すること。
住宅性能表示制度における性能項目
・シックハウスの原因のひとつとされているホルムアルデヒドが含まれている建材の使用状況や換気設備を評価する。
・建築工事が完了した時点でホルムアルデヒド等の化学物質を測定することも可能。
 
①ホルムアルデヒド対策
〇等級
・等級3:F☆☆☆☆
・等級2:F☆☆☆・第3種建材
・等級1:F☆☆・第2種建材
〇評価対象となる建材の種類
・建築基準法と同じ
〇評価の対象となる住宅の部分
・内装だけでなく、天井裏等についても評価する。
 
②室内化学物質の濃度等
・住宅の完成段階で、室内の化学物質の濃度について実測し、その結果を測定条件とともに表示するもの。
・この項目は「選択事項」として位置付けられている。
・測定の対象となる化学物質:ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、アセトアルデヒド

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