区分マンション投資、理事会活動の記録

内装仕上塗材の概要

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住宅内装の変遷
1)伝統的な内装
 
〇荒土塗り、しっくい
・竹で編んで作ったこまい壁の荒土塗りの上をしっくいで仕上げるもの
 
2)昭和30年代以降の変遷
 
①ドロマイトプラスター塗り
・木ずり下地の上にドロマイトプラスターを塗るもの
②せっこうプラスター塗り
・下地にせっこうボードを用いこれにせっこうプラスターを塗りつけてそのままで仕上げとする工法
③繊維壁
・その後その上を繊維壁で仕上げる工法が開発され、10年間程大流行。
④せっこうプラスターの上にクロス張り
⑤せっこうボードの上にクロス張り
・せっこうプラスターを省いて、せっこうボードの上に直接クロスを張る。
 
3)シックハウス症候群の問題
 
・クロスの中の代表的なビニルクロスに含まれる可塑剤や、クロス張りに用いる接着剤の防腐剤として用いられるホルムアルデヒド等の有機化学物質によるシックハウス症候群の発症が大きな社会問題になった。
 
●平成以降
①けい藻土塗材
・調湿性が高いのが特長
②無機質系調湿性仕上塗材(内装用)
・調湿性の高い材料をつくる混和材は珪藻土だけではなく、ゼオライト、シラスなどが代表的なものでり、その他にもセピオライト、プライオゾーア(苔虫化石)、麦飯石などが同様の目的に使用される。
③調湿形内装仕上塗材
・2003年のJISA6909(建築用仕上塗材)の改正に際し、珪藻土塗り壁材類については、「調湿形内装仕上塗材」と呼ぶことになった。
内装仕上塗材の概要
1)乾式工法と湿式工法
 
〇乾式工法
・工場で生産されたボードや壁紙などを現場で塗り付ける工法。
・工期は短くて済むが、接着剤が使われることもある。
 
〇湿式工法
・塗料、モルタル、土壁、仕上塗材を現場で塗り付ける工法。
・仕上がりがきれいだが、乾燥の時間が必要。
 
2)内装仕上塗材とは?
 
・内壁及び天井に下地の保護や、室内の美観を保つ為に使用される塗料、仕上塗材、左官材などの塗り材料。
 
〇組成
・主に合成樹脂エマルションやセメント、消石灰などの結合材に骨材、繊維、顔料等を混ぜ合わせたもの。
・水で希釈し内壁、天井に現場で施工される湿式工法の代表的な材料。
 
〇施工
・吹き付け、こて塗り、ローラー塗り、はけ塗りなど多彩な方法で行われている。
・厚塗りや立体模様仕上げによって重厚感が得られるものもあり、多彩なテクスチャーパターンでの仕上げが可能。
・塗装後、乾燥して塗膜を形成する。
 
2)内装仕上塗材の特長
 
〇継ぎ目がない
・現場で塗られるので、ボードやパネルを貼り付ける乾式工法と異なり、継ぎ目のないきれいな仕上がりを得ることができる。
 
〇様々な形状の下地に塗装可能
・様々な形状の下地にも塗装することができるので、室内の構造的デザインを生かした内装仕上げが可能。
 
〇多彩な仕上がり
・独特の凹凸模様(テクスチャーパターン)を表現できる。
・艶、色などの選択を含めると多彩な仕上げが可能。
 
〇長期にわたり風合いを保つ
・乾式工法にはない質感、風合いがあり、長期にわたり風合いを保つ。
 
〇環境にやさしい
・水系の内装仕上材塗材は、溶剤系と異なり、トルエン、キシレンなどは含まれておらず、乾燥工程では水が蒸発する。
内装仕上塗材の機能
1)調湿機能
 
・各種多孔質素材を用いた塗材は調湿効果があり、室内の湿度を一定に保とうとする作用がある。
・けい藻土などを用いた吸放湿性のある塗材で室内の調湿効果がある。
 
〇調湿形
・気密性が高くなった住宅での結露防止や室内の湿度変化を抑制する内装用仕上塗材の機能。
・JISA6909に規定する条件により、湿潤状態と乾燥状態における水分吸収量から吸放湿量が求められる。
・吸放湿量70g/m2以上ある塗材を調湿形と呼ぶ。
 
〇結露、カビ・ダニ対策
・カビ・ダニは、アレルギーを起こすアレルゲンであり、高湿度で増殖する。
・調湿効果により湿度を一定に保ち、結露を防止し、カビ・ダニの発生を抑える効果がある。
 
2)ホルムアルデヒド濃度低減機能
 
・吸着剤や光触媒酸化チタン等の吸着機能や分解機能によって、ホルムアルデヒド等の化学物質濃度を低減する。
 
〇光触媒作用
・光触媒作用によりホルムアルデヒドの分解効果を付加させた塗材。
・光エネルギーを得た光触媒作用によりホルムアルデヒドを水、炭酸ガスに分解する。
 
〇化学吸着形
・塗膜中にホルムアルデヒドを化学的に吸着し、安定化させる機能を付加させた塗材。
 
3)低VOC
 
・水系なので、低VOCに設計されている。
・シックハウスから居住者を守る。
 
〇VOC
・揮発性有機化合物。
・WHOによる分類では、沸点が50~260℃までの有機性物質のことをさす(トルエン、キシレンなど)。
 
4)消臭効果
 
・各種多孔質素材を用いた塗材は、生活悪臭やペットの臭い等を吸着し、消臭する。
 
5)吸音効果
 
・各種多孔質素材を用いた塗材は、その多孔質構造から吸音性を発揮し、反射音を軽減しする。
 
6)防火性
 
・無機質の不燃性素材を主成分とすることにより、防火性に優れ、万一の火災時にも延焼を防ぐ。
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