『建築用仕上塗材ハンドブック 2007年版』
『公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)』
建築用下地調整塗材
1)建築用下地調整塗材とは
・内外装仕上げ工事の下地調整のために使用する材料で,JIS A6916に建築用下地調整塗材として規格化されている。
〇用途
・建築用仕上塗材,塗料,セラミックタイルなどによる内外装仕上げ工事の下地調整のために使用する。
2)建築用下地調整塗材の種類
●セメント系下地調整塗材
①下地調整塗材C-1
・膜厚(mm):0.5~1程度
・主な適用下地:ALCパネル、コンクリート
・主な適用仕上材:内装薄塗材E、外装薄塗材、複層塗材E、塗料
・施工方法:吹付け、こて塗り、はけ塗り
②下地調整塗材C-2
・膜厚(mm):1~3程度
・主な適用下地:コンクリート
・主な適用仕上材:すべての仕上塗材、塗料
・施工方法:こて塗り
〇合成樹脂エマルション系下地調整塗材 下地調整塗材E
・結合材として合成樹脂エマルションを使用したもの。
・膜厚(mm):0.5~1程度
・主な適用下地:ALCパネル、コンクリート
・主な適用仕上材:内装薄塗材E、外装薄塗材、複層塗材E、塗料
・施工方法:吹付け、こて塗り
●セメント系下地調整厚塗材
・結合材としてセメント及びセメント混和用ポリマーディスパージョン又は再乳化形粉末樹脂を混合したものを使用したもの。
①下地調整塗材CM-1
・膜厚(mm):3~10程度
・主な適用下地:ALCパネル、コンクリート
・主な適用仕上材:内装薄塗材E、外装薄塗材、複層塗材E、塗料
・施工方法:吹付け、こて塗り
②下地調整塗材CM-2
・膜厚(mm):3~10程度
・主な適用下地:コンクリート
・主な適用仕上材:すべての仕上塗材、塗料、陶磁器質タイル
・施工方法:こて塗り、吹付け
・内外装仕上げ工事の下地調整のために使用する材料で,JIS A6916に建築用下地調整塗材として規格化されている。
〇用途
・建築用仕上塗材,塗料,セラミックタイルなどによる内外装仕上げ工事の下地調整のために使用する。
2)建築用下地調整塗材の種類
●セメント系下地調整塗材
①下地調整塗材C-1
・膜厚(mm):0.5~1程度
・主な適用下地:ALCパネル、コンクリート
・主な適用仕上材:内装薄塗材E、外装薄塗材、複層塗材E、塗料
・施工方法:吹付け、こて塗り、はけ塗り
②下地調整塗材C-2
・膜厚(mm):1~3程度
・主な適用下地:コンクリート
・主な適用仕上材:すべての仕上塗材、塗料
・施工方法:こて塗り
〇合成樹脂エマルション系下地調整塗材 下地調整塗材E
・結合材として合成樹脂エマルションを使用したもの。
・膜厚(mm):0.5~1程度
・主な適用下地:ALCパネル、コンクリート
・主な適用仕上材:内装薄塗材E、外装薄塗材、複層塗材E、塗料
・施工方法:吹付け、こて塗り
●セメント系下地調整厚塗材
・結合材としてセメント及びセメント混和用ポリマーディスパージョン又は再乳化形粉末樹脂を混合したものを使用したもの。
①下地調整塗材CM-1
・膜厚(mm):3~10程度
・主な適用下地:ALCパネル、コンクリート
・主な適用仕上材:内装薄塗材E、外装薄塗材、複層塗材E、塗料
・施工方法:吹付け、こて塗り
②下地調整塗材CM-2
・膜厚(mm):3~10程度
・主な適用下地:コンクリート
・主な適用仕上材:すべての仕上塗材、塗料、陶磁器質タイル
・施工方法:こて塗り、吹付け
下地の種類、特徴
1)コンクリート(主成分:セメント、砂、砂利)
〇乾燥
・遅く、厚さと構造に支配される。
〇アルカリ性
・強く、中和に長時間要する。
・内部からの水分はアルカリ性を呈する。
〇表面状態
・粗く、吸込みが大きい。
・巣穴・段差、不陸、レイタンス、エフロレッセンス
2)モルタル(主成分:セメント、砂)
〇乾燥
・表面乾燥は速いが、内部含水率は構造体の作用を受ける。
〇アルカリ性
・コンクリートより強く、内部からの水分はアルカリ性を呈する。
〇表面状態
・粗面・平滑・ひび割れなどがあり、吸込み程度が異なる。
・巣穴・コテ跡、刷毛引き跡
3)PCパネル(主成分:セメント、砂、砂利、軽量骨材)
〇乾燥
・遅く、厚さと構造に支配される。
〇アルカリ性
・強く、中和に長時間要する。
・内部からの水分はアルカリ性を呈する。
〇表面状態
・巣穴、比較的平滑
・吸込みが大きい。
4)押出成形セメント板(主成分:セメント、硅砂、無機質繊維)
〇乾燥
・工場養生されているため早い。
〇アルカリ性
・極めて高く、中和が非常に遅い。
〇表面状態
・平滑又は凹凸造形。表面は滑らかで緻密。
・吸い込みは小さい。
5)ALCパネル(主成分:セメント、硅砂、石灰、発泡剤)
〇乾燥
・早い。
〇アルカリ性
・ほとんどアルカリ性を示さない。
〇表面状態
・粗く、粉化性があり、吸込みが特に大きい。
・下地表面強度が低く損傷を受けやすい。
6)石膏ボード(主成分:羊水石膏、ボード用原紙)
〇乾燥
・早い。
〇アルカリ性
・ほとんどアルカリ性を示さない。
〇表面状態
・平滑。
・吸込みが非常に大きい。
・水のかかる場所、湿気の多い場所に用いることはできない。
〇乾燥
・遅く、厚さと構造に支配される。
〇アルカリ性
・強く、中和に長時間要する。
・内部からの水分はアルカリ性を呈する。
〇表面状態
・粗く、吸込みが大きい。
・巣穴・段差、不陸、レイタンス、エフロレッセンス
2)モルタル(主成分:セメント、砂)
〇乾燥
・表面乾燥は速いが、内部含水率は構造体の作用を受ける。
〇アルカリ性
・コンクリートより強く、内部からの水分はアルカリ性を呈する。
〇表面状態
・粗面・平滑・ひび割れなどがあり、吸込み程度が異なる。
・巣穴・コテ跡、刷毛引き跡
3)PCパネル(主成分:セメント、砂、砂利、軽量骨材)
〇乾燥
・遅く、厚さと構造に支配される。
〇アルカリ性
・強く、中和に長時間要する。
・内部からの水分はアルカリ性を呈する。
〇表面状態
・巣穴、比較的平滑
・吸込みが大きい。
4)押出成形セメント板(主成分:セメント、硅砂、無機質繊維)
〇乾燥
・工場養生されているため早い。
〇アルカリ性
・極めて高く、中和が非常に遅い。
〇表面状態
・平滑又は凹凸造形。表面は滑らかで緻密。
・吸い込みは小さい。
5)ALCパネル(主成分:セメント、硅砂、石灰、発泡剤)
〇乾燥
・早い。
〇アルカリ性
・ほとんどアルカリ性を示さない。
〇表面状態
・粗く、粉化性があり、吸込みが特に大きい。
・下地表面強度が低く損傷を受けやすい。
6)石膏ボード(主成分:羊水石膏、ボード用原紙)
〇乾燥
・早い。
〇アルカリ性
・ほとんどアルカリ性を示さない。
〇表面状態
・平滑。
・吸込みが非常に大きい。
・水のかかる場所、湿気の多い場所に用いることはできない。
下地の管理
1)水分
・仕上塗材仕上げの下地は、乾燥していることが必要で、乾燥が不十分な場合には、塗膜の付着性低下、塗膜表面へのエフロレッセンスの発生、塗膜のひび割れ・ふくれ・はがれなどの原因となることがある。
・乾燥の遅い下地としては現場打ちコンクリート、プレキャストコンクリート部材などがあるが、コンクリート打放し後の含水率の低下は材齢に大きく関係し、打込み後、何日たてば仕上げ施工可能な乾燥状態になるかは種々の条件によって異なるため一概に断定できない。一般的には、コンクリートの含水率10% 以下が良好とされている。
・現場での管理にあたっては非破壊で検査できる表面水分計が用いられている。
2)アルカリ性
・セメント系材料を用いた下地では、アルカリ性が強いと塗膜の変色や塗材の変質の原因となることがあるので、下地のpHも管理する必要がある。
・コンクリートは打込み直後においてはpH12.5程度であるが、アルカリ性は表面から徐々に失われていく。しかしながら、その消失の速度は一般に遅いため、下地の含水率と併せて放置期間に配慮を要する。
・仕上塗材仕上げの下地は、乾燥していることが必要で、乾燥が不十分な場合には、塗膜の付着性低下、塗膜表面へのエフロレッセンスの発生、塗膜のひび割れ・ふくれ・はがれなどの原因となることがある。
・乾燥の遅い下地としては現場打ちコンクリート、プレキャストコンクリート部材などがあるが、コンクリート打放し後の含水率の低下は材齢に大きく関係し、打込み後、何日たてば仕上げ施工可能な乾燥状態になるかは種々の条件によって異なるため一概に断定できない。一般的には、コンクリートの含水率10% 以下が良好とされている。
・現場での管理にあたっては非破壊で検査できる表面水分計が用いられている。
2)アルカリ性
・セメント系材料を用いた下地では、アルカリ性が強いと塗膜の変色や塗材の変質の原因となることがあるので、下地のpHも管理する必要がある。
・コンクリートは打込み直後においてはpH12.5程度であるが、アルカリ性は表面から徐々に失われていく。しかしながら、その消失の速度は一般に遅いため、下地の含水率と併せて放置期間に配慮を要する。
既存塗膜等の除去,下地処理
1)サンダー工法
①劣化膜除去
・ぜい弱化した塗膜の表面及びふくれ等をサンダー,スクレーパー等により除去する。 ②下地処理(下地のひび割れ部等の補修)
・特記による。
③下地調整、水洗い・清掃
・粉化物,付着物等は,高圧水洗機を使用して除去し,清掃を行う。
④下地調整材塗り
・サンダー等により部分的に除去した箇所を,セメント系下地調整塗材を充填し,段差のないよう全体を調整する。
〇注意点
・高圧水洗機は,粉化物,付着物等の除去に適したものとする。
2)高圧水洗工法
①既存塗膜及び下地の劣化部の除去
・高圧水洗機を使用し,既存塗膜及び下地コンクリートの劣化部を除去する。
②下地処理(下地のひび割れ部等の補修)
・特記による。
③下地調整
・高圧水洗機により除去した箇所を下地調整塗材でしごき塗りを行い,平らに仕上げる。
〇注意点
・高圧水洗機の加圧力は,コンクリート表面及び既存塗膜の付着強度により異なるため,試験施工を行い確認する。
・厚付け仕上塗材仕上等の場合は,工程③を省略する。
3)塗膜はく離剤工法
①塗膜の除去
・塗膜はく離剤を使用し,スクレーパー等により既存塗膜をすべて除去する。
②下地処理(下地のひび割れ部等の補修)
・特記による。
③下地調整、水洗い
・塗膜,粉化物等の除去,清掃を行う。
④下地調整材塗り
・全面下地調整塗材でしごき塗りを行い,平らに仕上げる。
〇注意点
・塗膜はく離剤は,試験施工を行い,確認する。
・既存塗膜を除去する場合は,はく離剤等が残り,新規塗膜に影響を与えることのないよう除去する。
・厚付け仕上塗材仕上等の場合は,工程④を省略する。
4)水洗い工法
①下地処理(下地のひび割れ部等の補修)
・特記による。
②水洗い・清掃
・粉化物,付着物等をデッキブラシ等を用いて水洗いし,除去・清掃する。
〇注意点
・水洗いで,デッキブラシによる水洗いに代えて高圧水洗機を使用する場合は,粉化物・付着物等の除去に適した加圧力のあるものとする。
①劣化膜除去
・ぜい弱化した塗膜の表面及びふくれ等をサンダー,スクレーパー等により除去する。 ②下地処理(下地のひび割れ部等の補修)
・特記による。
③下地調整、水洗い・清掃
・粉化物,付着物等は,高圧水洗機を使用して除去し,清掃を行う。
④下地調整材塗り
・サンダー等により部分的に除去した箇所を,セメント系下地調整塗材を充填し,段差のないよう全体を調整する。
〇注意点
・高圧水洗機は,粉化物,付着物等の除去に適したものとする。
2)高圧水洗工法
①既存塗膜及び下地の劣化部の除去
・高圧水洗機を使用し,既存塗膜及び下地コンクリートの劣化部を除去する。
②下地処理(下地のひび割れ部等の補修)
・特記による。
③下地調整
・高圧水洗機により除去した箇所を下地調整塗材でしごき塗りを行い,平らに仕上げる。
〇注意点
・高圧水洗機の加圧力は,コンクリート表面及び既存塗膜の付着強度により異なるため,試験施工を行い確認する。
・厚付け仕上塗材仕上等の場合は,工程③を省略する。
3)塗膜はく離剤工法
①塗膜の除去
・塗膜はく離剤を使用し,スクレーパー等により既存塗膜をすべて除去する。
②下地処理(下地のひび割れ部等の補修)
・特記による。
③下地調整、水洗い
・塗膜,粉化物等の除去,清掃を行う。
④下地調整材塗り
・全面下地調整塗材でしごき塗りを行い,平らに仕上げる。
〇注意点
・塗膜はく離剤は,試験施工を行い,確認する。
・既存塗膜を除去する場合は,はく離剤等が残り,新規塗膜に影響を与えることのないよう除去する。
・厚付け仕上塗材仕上等の場合は,工程④を省略する。
4)水洗い工法
①下地処理(下地のひび割れ部等の補修)
・特記による。
②水洗い・清掃
・粉化物,付着物等をデッキブラシ等を用いて水洗いし,除去・清掃する。
〇注意点
・水洗いで,デッキブラシによる水洗いに代えて高圧水洗機を使用する場合は,粉化物・付着物等の除去に適した加圧力のあるものとする。
下地調整
1)コンクリート
〇注意点
・コンクリートの打継ぎなどでは不陸・ 段差が生じる場合がある。この場合、JASS 15 により下地が均一に仕上がっているか確認することが必要である。
・コンクリートの下地調整は、小さなひび割れ・気泡穴・表面凹凸・木繊維の付着・露出鉄筋・目違い欠陥部などの項目を対象に、セメント系下地調整塗材などで調整処理する。
〇工程
①目違いは,サンダー掛け等により取り除く。
②下地面の清掃を行う。
③下地調整塗材C-2を,1~2mm程度全面に塗り付けて,平滑にする。ただし,スラブ下等の見上げ面及び厚付け仕上塗材仕上げ等の場合は,省略する。
④下地の不陸調整厚さが1mm以下の場合は,③の下地調整塗材C-2に代えて,下地調整塗材C-1を平滑に塗付けることができる。
⑤下地の不陸調整厚さが3mmを超えて10mm以下の場合は,③の下地調整塗材C-2に代えて,下地調整塗材CM-2を平滑に塗り付ける。
2)モルタル,プラスター及びPCパネル
〇注意点
・モルタル塗りの表面状態には金ごて、木ごて及びはけ引きの3種類があるが、仕上塗材の種類に応じた仕上げ方法とする。
・プレキャストコンクリート部材の下地調整は、小さなひび割れ・気泡穴・表面凹凸・木繊維の付着・露出鉄筋・目違い欠陥部などの項目を対象に、セメント系下地調整塗材などで調整処理する。
・せっこうボードの湿潤、乾燥に伴う長さ変化は比較的小さく、したがって目地は突付けとすることが多い。この場合の目違い、くぎ穴などは合成樹脂エマルションパテを用いて地付けし、硬化後サンドペーパーなどで平滑にしておく。
〇工程
①下地面の清掃を行う。
②合成樹指エマルションシーラーを全面に塗り付ける。ただし,仕上塗材の下塗材で代用する場合は,省略することができる。
3)ALCパネル
〇注意点
・欠け,穴等は,ALCパネル製造所の指定する補修用モルタル(既調合のもの)で平滑にする。
・ALCパネル面は仕上塗材の種類や、要求される仕上精度に適した条件にセメント系下地調整塗材や合成樹脂エマルション系下地調整塗材などで下地調整する。
・ALCパネル面をセメント系下地調整塗材で下地調整する場合、セメントの水和反応に必要な水分が、急激に下地に吸収されて強度の小さい下地調整となり、仕上塗材の凝集によるはく離などが生じることがある。必ず下地調整時に合成樹脂エマルションシーラー又は吸水調整材を塗付しておく。
〇工程
①下地面の清掃を行う。
②合成樹脂エマルションシーラーを全面に塗り付ける。ただし,下地調整塗材Eで代用する場合は,省略することができる。
③屋外は,仕上塗材製造所の仕様により下地調整塗材C-1又は下地調整塗材Eを全面に塗り付けて,平滑にする。ただし,外装薄塗材S及び防水形複層塗材RS仕上げの場合は,下地調整塗材C-2を全面に塗り付けて,平滑にする。
4)押出成形セメント板
〇注意点
・欠け,表面の傷等を押出成形セメント板製造所の指定する補修材料で平滑にする。
〇工程
①下地面の清掃を行う。
②日本建築学会材料規格JASS 18 M-201 による塗料に塗り付ける。なお,仕上塗材製造所の仕様により,下塗材をJASS 18 M-201 による塗料の代用とすることができる。
〇注意点
・コンクリートの打継ぎなどでは不陸・ 段差が生じる場合がある。この場合、JASS 15 により下地が均一に仕上がっているか確認することが必要である。
・コンクリートの下地調整は、小さなひび割れ・気泡穴・表面凹凸・木繊維の付着・露出鉄筋・目違い欠陥部などの項目を対象に、セメント系下地調整塗材などで調整処理する。
〇工程
①目違いは,サンダー掛け等により取り除く。
②下地面の清掃を行う。
③下地調整塗材C-2を,1~2mm程度全面に塗り付けて,平滑にする。ただし,スラブ下等の見上げ面及び厚付け仕上塗材仕上げ等の場合は,省略する。
④下地の不陸調整厚さが1mm以下の場合は,③の下地調整塗材C-2に代えて,下地調整塗材C-1を平滑に塗付けることができる。
⑤下地の不陸調整厚さが3mmを超えて10mm以下の場合は,③の下地調整塗材C-2に代えて,下地調整塗材CM-2を平滑に塗り付ける。
2)モルタル,プラスター及びPCパネル
〇注意点
・モルタル塗りの表面状態には金ごて、木ごて及びはけ引きの3種類があるが、仕上塗材の種類に応じた仕上げ方法とする。
・プレキャストコンクリート部材の下地調整は、小さなひび割れ・気泡穴・表面凹凸・木繊維の付着・露出鉄筋・目違い欠陥部などの項目を対象に、セメント系下地調整塗材などで調整処理する。
・せっこうボードの湿潤、乾燥に伴う長さ変化は比較的小さく、したがって目地は突付けとすることが多い。この場合の目違い、くぎ穴などは合成樹脂エマルションパテを用いて地付けし、硬化後サンドペーパーなどで平滑にしておく。
〇工程
①下地面の清掃を行う。
②合成樹指エマルションシーラーを全面に塗り付ける。ただし,仕上塗材の下塗材で代用する場合は,省略することができる。
3)ALCパネル
〇注意点
・欠け,穴等は,ALCパネル製造所の指定する補修用モルタル(既調合のもの)で平滑にする。
・ALCパネル面は仕上塗材の種類や、要求される仕上精度に適した条件にセメント系下地調整塗材や合成樹脂エマルション系下地調整塗材などで下地調整する。
・ALCパネル面をセメント系下地調整塗材で下地調整する場合、セメントの水和反応に必要な水分が、急激に下地に吸収されて強度の小さい下地調整となり、仕上塗材の凝集によるはく離などが生じることがある。必ず下地調整時に合成樹脂エマルションシーラー又は吸水調整材を塗付しておく。
〇工程
①下地面の清掃を行う。
②合成樹脂エマルションシーラーを全面に塗り付ける。ただし,下地調整塗材Eで代用する場合は,省略することができる。
③屋外は,仕上塗材製造所の仕様により下地調整塗材C-1又は下地調整塗材Eを全面に塗り付けて,平滑にする。ただし,外装薄塗材S及び防水形複層塗材RS仕上げの場合は,下地調整塗材C-2を全面に塗り付けて,平滑にする。
4)押出成形セメント板
〇注意点
・欠け,表面の傷等を押出成形セメント板製造所の指定する補修材料で平滑にする。
〇工程
①下地面の清掃を行う。
②日本建築学会材料規格JASS 18 M-201 による塗料に塗り付ける。なお,仕上塗材製造所の仕様により,下塗材をJASS 18 M-201 による塗料の代用とすることができる。