区分マンション投資、理事会活動の記録

築古のマンション、カーペットからフローリングに交換?

築古のマンションで、現入居者が長期間住んでいる場合、床がカーペットの場合があります。カーペットはあまり入居者から人気が無いようなので次の入居者入れ替わり時には床材を交換する必要が出てくると思います。まずフローリングが思いつきますが、それ以外にも選択肢がありますので、まとめてみました。  
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フローリングの特徴、種類
●フローリングの特徴
 
○長所
・湿気を吸収・放出する湿度調節能力。
・熱伝導率が低く、断熱性に優れる。
・ダニやカビが発生しにくく、紫外線を吸収し、光を乱反射するので衛生的かつ健康的。
・軽量、強度や弾力性に富む。
・切削加工が容易。
・色調が豊富で自然の木目が優しく、工芸的な美しさを持ち、肌触りがソフト。
 
○短所
・湿気を吸うと膨張し、乾燥すると収縮する。
・湿潤な状態では腐敗しやすい。
・虫害を受けやすい樹種がある。
・燃えやすい。
・色・木目が完全には揃わない。
 
●フローリングの工法の分類
 
○根太張
・フローリング材を床組を構成する根太の上に直接貼り付ける工法。
・釘打により貼り付けることが一般的だが、最近では接着剤を併用する場合が多い。
・釘打工法は、下地により根太(ねだ)工法と捨張工法がある。
 
○直張
・フローリング材を接着剤のみで下地に施工する方法。
・下地がモルタル面や捨て張りされている場合等、下地が平面で、強度を有する場合でないと用いえない。
 
●フローリングの種類
 
1)単層フローリング
 
・ブナ・サクラ・ナラ・イタヤなどの一枚板により構成されている自然素材。
・空気中の水分や湿気により伸縮が生じやすく、節に近い部分や乾燥が不十分な物はねじれたり反ったりすることがある。
・一枚板なので傷んできたり、汚れてしまったときに表面を削り、塗装し直せば新規施工と同様に美しくなる。
 
①フローリングボード (根太貼用、直貼用)
通常、一枚の板を基材としたムクの床材をさす。
 
②フローリングブロック (直貼用)
ムクの板を2枚以上並べて接合し、側面加工などを施した正方形のブロック。
 
③モザイクパーケット (直貼用)
長辺が 22.5cm 以下のひき板または単板の小片を2個以上並べて紙・針金などで組み合わせたもの
 
2)複合フローリング
 
・ブナ・サクラ・ナラなどと針葉樹合板で構成されており、膨張や収縮、ねじれや反りなども生じにくい。
・塗装品もあり、短期間での施工が可能。
・耐用年数をさほど必要としないマンションや一般家屋などに多く使われている。
・遮音フローリング、床暖房用フローリング、耐水フローリング、防虫フローリングなど用途に合わせた性能豊かな床材。
 
①複合1種フローリング (根太貼用、直貼用)
合板のみを基材
 
②複合2種フローリング (根太貼用、直貼用)
集成材又は単板積層材のみを基材
 
③複合3種フローリング (根太貼用、直貼用)
複合1種及び複合2種以外の複合フローリング
ビニル系床材の特長、種類
●ビニル系床材の特長
 
①豊富なデザイン性
・ビニル系床材の色・柄は、着色加工技術や印刷技術、エンボス加工技術により、石や木などの床材の柄についても表現することが可能。
 
②用途に応じた多様な弾力性
・発泡層を一体化した積層構造を付与することにより、弾力性を付与しやすい。
 
③用途の多様性
・様々な機能を付与できる。
 
④様々な下地に施工できる
・コンクリート系、木質下地、石質下地、金属下地、プラスック下地などの様々な下地に施工することができる。
 
⑤施工が早い
・乾式工法で施工できる。
・石やセラミックの湿式工法と比べると、施工時間は、約1/20に短縮できる。
 
⑥養生期間が短い
・施工直後から歩行が可能で、通行の規制も、非常に短いことも特長。
 
⑦改修も容易
・下地からの剥離が、他の材料と比べて、容易に剥がせる。
 
⑧リサイクル性に優れる
・建築現場で発生するビニル系床材の端材や余材のリサイクルシステムが構築されており、数多くの製品がグリーン購入法の特定調達品目適合品となっている。
 
●ビニル系床タイルの種類
 
①コンポジションビニル床タイル
・ビニル系樹脂と可塑剤などが総重量の30%未満のもの。
・ビニル系床材の中でも難燃性が高く、耐薬品性、耐水性に優れ,変形や反りも生じにくい
・施工性の良く経済的。
・大理石を思わせる模様や質感、独特な意匠を現出させたものもある。
 
②複層ビニル床タイル
・ビニル系樹脂と可塑剤などが30%以上含まれるビニル床タイル。
・チップ(粒状)などをプレスしたタイプと、印刷シート等を積層したタイプがある。
・色彩が鮮明で高級感・意匠性に富み、耐摩耗性、耐薬品性にも優れている。
 
③置敷きビニル床タイル
・剥離・貼替え等が容易な簡易接着工法。
・フリーアクセスフロアの普及に伴って需要が増えている。
 
●ビニル床シートの種類
 
①ビニル床シート汎用品
・一般に長尺塩ビシートと呼ばれているもの。
・高純度の塩化ビニル樹脂による表層は、耐摩耗性、耐薬品性、耐傷性、難燃性、弾力性、柔軟性、下地追随性、防塵性など、多くの優れた性能を有している。
・溶接することで清潔な床に仕上がり、豊かな色彩も表現できる割には廉価。
 
②防滑性ビニル床シート
・主として凹凸(エンボス)を施して防滑性を付与したもの。
・近年は、その耐候性や意匠性から、マンション等の共用廊下および階段では必須品となっている。
 
③クッションフロア
・表層(透明塩ビ層)、印刷層、発泡塩ビ層、バッキング(裏打ち基材)で構成され、表層は耐摩耗性、防汚性など、発泡層は保温性(断熱性)、衝撃吸収性、防音性などに優れている。
・現在では、多くが抗菌性能も付与されている。
・住宅内の水周りに適した床材として根強い需要がある。
フローリング、フロアタイル、クッションフロアの比較
1)フローリング
 
・材質が木の床で、単層フローリングと複合フローリングの種類がある。複合フローリングには、遮音性を高めたものもある。
 
・傷や汚れには比較的強い。
 
・入居者入れ替わり時には、ワックス塗布のみで済む。
 
2)フロアタイル
 
・塩ビ製のタイルで、塩ビタイルとも呼ばれている。
 
・傷や汚れには強い。
 
・クッション性がないので、遮音性はあまりない。
 
・ウッド(木目)調のものは、フローリングと見た目には区別がつきにくい。
 
3)クッションフロア
 
・ビニール系のシートの中に、発泡性のビニールを使ったりしてクッション性を高めている。CFと記載されている事もある。
 
・フロアタイルと同様にウッド(木目)調にして居室に使われる事もある。
 
・ビニール製のため、汚れには強い。
 
・耐久性の面では、引っかき傷に弱く、重い家具等置くと跡が残り易い。
張替え費用
張替え費用については、商品や施工業者によって様々かと思いますが、ある賃貸管理会社の参考の目安価格として下記のように紹介されていました。
 
クッションフロア張替 2500円/m2
フロアタイル張替   7500円/m2
フローリング張替   9800円/m2
 
初期コストだけ見るとクッションフロア、フロアタイル、フローリングの順に高くなるようです。
 
ただし耐久性は順番が逆になり、フローリングの場合は次の退去時にもワックス塗布のみで済むのに対し、クッションフロアは退去の毎に張り替える必要があるかもしれないので、長期的に見るとどちらが経済的かは判断が難しいようです。
フローリングと家賃相場
大半の賃貸サイトでは、こだわり条件などの検索項目の中にフローリングも含まれています。
 
どのくらいの人がこの項目にチェックを入れて検索しているのかは分かりませんが、項目が設けられている以上需要はあるのかと思います。
 
私は定期的に賃貸サイトから情報を収集して賃貸相場を調査していますが、フローリングのあるなしについても調べています。(東京23区ワンルームマンション、フローリングあるなしの家賃相場
この結果からは、フローリングにすると賃料を高く設定できるという効果は無さそうですね。
 
もちろん、カーペットとフローリングと比較するとフローリングの方が高くなるかもしれませんが、フローリングとフローリング以外のその他(フロアタイル、クッションフロアを含む)を比較するとあまり差は出ないようですね。
賃貸管理会社の推奨
私がお付き合いしている賃貸管理会社に限っていうと、3つに分かれてしまいました。メリット・デメリットがそれぞれあり、どこに重きを置くかによってどれが有利か変わってくるので、管理会社毎に推奨が異なるようですね。
 
管理会社毎に得意、不得意もあるかと思いますので、実際に見積もりを出してもらって説明を受けた上で決めるしかないのかなと思っています。
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