所有権、地上権、占有権

〇民法:180~248、265~269条
〇過去問
・管理業務主任者 H15樋3、H19問5、H23問2,6
・マンション管理士 H17問7、H22問5、H23問3
 
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所有権
●所有権の内容(206条)
 
・所有者は、法令の制限内において、自由にその所有物の使用、収益及び処分をする権利を有する。
・収益=賃貸、処分=売買、というのが典型例。
 
●相隣関係
 
〇隣地の使用の請求(209条)
イ)隣地の使用請求
・境界又はその付近で、障壁又は建物を築造し、又は修繕するとき
→必要な範囲内で、隣地の使用の請求ができる。
ロ)住家への立入り
・必ず隣人の承諾が必要。
 
〇境界を超える竹木の枝の切除、根の切取り(233条)
イ)枝の越境
・隣地の所有者に、枝を切り取らせることができる。
→自分で切り取ることはできない。
ロ)根の越境
・自分で根を切り取ることができる。
 
〇境界標設置権(223、224条)
イ)境界標の設置・保存の費用
・相隣者等しい割合で負担。
ロ)測量の費用
・土地の広狭に応じて分担。
 
〇境界線付近の工作物築造(234、235条)
イ)建物の築造
・原則として境界線から50㎝以上の距離を保つ。
ロ)境界線から1m未満の距離で、窓・ベランダ等を作る場合
・目隠しをつける。
地上権
●地上権の内容(265条)
 
・物権の一つ。
・他人の所有する土地で、”家を建てたり木を植えたり”してその土地を使う権利。
→青空駐車場として、他人の土地に地上権を設定することはできない。
・存続期間の制限はない(永久地上権も可) ・借地権の一つ。借地権は地上権と賃借権の総称。
・実際に流通している借地権のほとんどすべてが賃借権。
・登記の義務(土地の賃借権の場合は、登記の義務なし)
・賃借料の定めがない。地代がかかる場合もあるが無償の場合もある。
・地主の承諾不要で譲渡・転貸可能(土地の賃借権の場合は、承諾必要)
・抵当権が設定できる
占有権
1)占有権とは
 
・物に対する事実上の支配・所持(占有)そのものを保護する物権。
 占有を法律上正当づける権利たる所有権、地上権、質権等の権利を本権というのに対し、占有権は物に対する事実上の支配という状態そのものに法的保護を与える権利
 
・占有権は自己のためにする意思をもって物を所持することによって取得される。
 
2)占有訴権
 
・占有者は、物の所持そのものを確保するため、占有侵害者に対して、以下の訴えを提起できる。
①占有回収の訴え
②占有保持の訴え
・占有妨害の状態を排除する訴え。立退き請求
③占有保全の訴え
・占有侵害の危険がある場合の、その危険をあらかじめ排除する訴えのこと。
 
・占有の訴えは、本権に基づく訴えとは別個に提起することができる。
 
3)果実収取権
 
〇善意の占有者
・果実を収取できる。
・返還も代価の償還も不要。
〇悪意の占有者
・果実は返還する。
・すでに消費した場合には、その代価を償還する。
 
4)費用償還請求権
 
・占有者が占有物を返還する場合に、占有者は、占有物について支出した必要費・有益費がある場合、占有を回復した者(所有者など)に対し、その費用の償還を請求することができる。

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