マンション給排水管の調査・診断

マンション給排水管の調査・診断の方法、技術についてまとめました。  
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給排水管の調査・診断の概要
・配管の腐食状況は水質、水温等により異なり、特にねじ部の劣化が著しい場合が多い。
・目視調査、抜管調査、内視鏡検査、超音波検査(管の肉厚調査)、X線調査(レントゲン撮影による劣化度合いの判定)などを行う。
・配管の材質、配管の場所により調査方法箇所を決めて劣化診断の調査を行う。
・調査費用は、調査量や調査方法により異なるが、100戸ぐらいのマンションの場合は30~50万程度。
 
1)一次診断
 
〇目視調査
・劣化の位置、範囲、程度等の状況を確認する。
・保温材の湿り、弁類・配管継手部からの漏水を確認する。
・排水桝廻りで埋設排水管の勾配不良、段差による排水障害の有無などを確認する。
 
2)詳細調査
 
●非破壊検査
・超音波肉厚測定
・内視鏡調査
・X線調査等
・流速、流用測定(末端器具側のみ)
 
●破壊検査
・サンプリング(抜管)調査(半割酸洗い)
 
超音波肉厚調査
・配管の腐食による減肉を測定する。
 
〇測定方法
・配管に測定器の探触子をあて、配管に超音波のパルスを送り、反対側の配管表面(錆こぶの界面)で反射されてくるまでの時間から、配管肉厚を算出する。
 
〇注意点
・配管の管種が鋼管に限定される。
→ライニング鋼管等は適用が困難。
・直管部のみ観察できるため、継手部は他の方式による。
・配管の保温材、塗装などを剥がし、表面を平滑に加工する前処理が必要。
内視鏡調査
・配管内に内視鏡を挿入して、給排水管の内部の劣化状況を確認する。
 
〇測定方法
・配管内に内視鏡(ファイバースコープ)を挿入し状況を観察する。
・写真やビデオにより、映像を記録する。
 
〇注意
・給排水管の調査時に調査対象となる系統の断水を伴う。
X線調査
・給排水管の内部の劣化状況を確認する。
 
〇測定方法
・配管にX線を照射し、透過したX線の強度変化をフィルムの白黒濃淡影像として観察する。
・減肉部分の濃度とその近傍の減肉部分が少ない部分との白黒コントラストから、配管肉厚の減少やさびこぶの状態を観察できる。
・配管の保温材・ラッキングなどを剥がし露出させる必要あり。
 
〇注意点
・一般的に口径125Aまでが適用可能。
・断水の必要はないが、周囲に放射線が漏洩するてめ、作業半径5m以内は立入禁止となる。
 
サンプリング(抜管)調査(半割酸洗い)
・サンプリング資料を採取し、腐食や減肉の状況を観察、配管系統全体の腐食状況を推定。
・サンプルの最小肉厚を計測し、残存寿命を求めることができる。
 
〇測定方法
・配管の腐食状況の観察については、主要部位を抜管してサンプリング調査を実施する。
・配管抜管→酸洗い→マイクロメーターにより最小肉厚を測定
 
〇注意点
・最適な抜管箇所の選定には統計処理を導入することが望ましい。
・既存配管の接続部分は鋼管と鋼管の接続部、銅管と鋼管の接続部においては、腐食状況が異なるため、別々にサンプリングを行うことが望ましい。
給水方式の変更

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