管理会社に工事部門があって、元請けとして受注する意向を持っている場合は、利益相反等の懸念で管理会社側から断られることもあるのですが、相見積を取得して理事会で報告を受けた段階で初めて管理会社が元請けとして見積に参加していることを知らされ、相見積の内容も疑念を抱くようなものでした。
以下、いくつかその事例を紹介します。
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競合会社の見積内容がほとんど同一
約30戸のマンションのインターホン設備の更新の事例です。
管理会社の担当者は、各候補会社の見積書をそれぞれ配布し、比較表などは作成していませんでした。理事が合計金額だけを比較して一番安い施工会社を選定するだろうと思っていたようです。
以前から管理会社の対応に不信感を持っていた私は、事前に候補会社の見積書をメール送信してもらうようにし、以下のような各詳細項目を並べた比較表を作成しました。
すると一目瞭然で、競合A社と競合B社の詳細見積金額が、二つの項目を除いて1円単位まで同一、という極めて不自然な内容となっていました。
私以外の理事は管理会社を信用しているようでしたが、この比較表によって管理会社とは別ルートからの見積取得の提案を了承してもらうことができ、その別ルート会社から約420万の提案を受けることができました。
管理会社の担当者は、各候補会社の見積書をそれぞれ配布し、比較表などは作成していませんでした。理事が合計金額だけを比較して一番安い施工会社を選定するだろうと思っていたようです。
以前から管理会社の対応に不信感を持っていた私は、事前に候補会社の見積書をメール送信してもらうようにし、以下のような各詳細項目を並べた比較表を作成しました。
すると一目瞭然で、競合A社と競合B社の詳細見積金額が、二つの項目を除いて1円単位まで同一、という極めて不自然な内容となっていました。
私以外の理事は管理会社を信用しているようでしたが、この比較表によって管理会社とは別ルートからの見積取得の提案を了承してもらうことができ、その別ルート会社から約420万の提案を受けることができました。
項目名 | 管理会社 | 競合A社 | 競合B社 |
---|---|---|---|
インターホン機器類 | |||
室内親機 | 3,340,000 | 4,884,000 | 4,884,000 |
化粧パネル | 109,000 | 188,000 | 188,000 |
子機 | 120,000 | 227,800 | 227,800 |
ロビーインターホン | 250,000 | 445,000 | 445,000 |
制御装置 | 257,400 | 478,000 | 478,000 |
管理室親機 | 134,200 | 234,000 | 234,000 |
共用警棒盤 | 58,300 | 116,000 | 116,000 |
親機・共用部パネル | 46,200 | 40,000 | 40,000 |
インターホン電源 | 277,200 | 250,000 | 250,000 |
小計 | 4,592,300 | 6,862,800 | 6,862,800 |
撤去取付結線 | 891,000 | 825,000 | 990,000 |
機器取付 | 124,000 | 110,000 | 110,000 |
調整費 | 101,800 | 20,000 | 20,000 |
消耗品・機材 | 54,700 | 20,000 | 20,000 |
現場経費 | 168,000 | ||
諸経費 | 575,000 | 200,000 | 250,000 |
値引き | -306,800 | -1,687,800 | -1,752,800 |
合計 | 6,200,000 | 6,350,000 | 6,500,000 |
屋上防水の単体工事なのに塗装の専門会社が候補の中に
●相見積の依頼の経緯
大規模修繕工事とは別に、屋上防水工事のみ先行で行った事例です。
この時は見積を取得する前の段階で、管理会社の担当者から”理事の皆様から施工業者の推薦はありますか?”と聞かれていました。
私は大規模修繕工事の元請け業者は知っていましたが、防水工事の専門業者は知りませんでした。大規模修繕工事の元請け業者も防水工事単体の工事を請けてもらうことはできますが、中間マージンが発生して高くなるかと思っていました。
管理会社は、理事がネットで調べても探すことができないような防水工事の専門業者を知っているだろうと思って、管理会社に相見積の取得をお願いすることに賛成しました。
●相見積の結果
・私が理事になって間もなかったせいか、管理会社が工事の元請けをするということを知っておらず、管理会社が元請けとして参加していることに驚きました。事前に何の説明もありませんでした。
・競合A社は、資本金1億円の大規模修繕工事の元請け業者として有名な会社でした。防水工事を得意としているようでしたが、今回は屋上防水の単体工事なので、このようなゼネコン的な会社に依頼するのは中間マージンが発生して高くなる傾向があるかと思います。
・競合B社は、ホームページを見る限りは、戸建てメインの塗装専門会社のようでした。管理会社の工事担当の説明では、大規模修繕工事の元請けも行っていて取引実績がある、とのことでした。
・インターホンの事例のような見積書の内容自体には怪しい点は気づきませんでしたが、候補業者の選定においては、管理会社が有利となるような業者を選定しているように感じました。
管理会社自身は、自社で職人を抱える防水工事の専門業者を下請けとし、競合会社は大規模修繕工事の元請けメインの大きな会社や塗装の専門業者を選んで自社の見積価格が一番低くなるようにしたのではないかと。
他の理事も管理会社の見積価格に不満を持っていたようで、理事が推薦する業者に再依頼したところ、約850万円の提案を受けることができました。
大規模修繕工事とは別に、屋上防水工事のみ先行で行った事例です。
この時は見積を取得する前の段階で、管理会社の担当者から”理事の皆様から施工業者の推薦はありますか?”と聞かれていました。
私は大規模修繕工事の元請け業者は知っていましたが、防水工事の専門業者は知りませんでした。大規模修繕工事の元請け業者も防水工事単体の工事を請けてもらうことはできますが、中間マージンが発生して高くなるかと思っていました。
管理会社は、理事がネットで調べても探すことができないような防水工事の専門業者を知っているだろうと思って、管理会社に相見積の取得をお願いすることに賛成しました。
●相見積の結果
・私が理事になって間もなかったせいか、管理会社が工事の元請けをするということを知っておらず、管理会社が元請けとして参加していることに驚きました。事前に何の説明もありませんでした。
・競合A社は、資本金1億円の大規模修繕工事の元請け業者として有名な会社でした。防水工事を得意としているようでしたが、今回は屋上防水の単体工事なので、このようなゼネコン的な会社に依頼するのは中間マージンが発生して高くなる傾向があるかと思います。
・競合B社は、ホームページを見る限りは、戸建てメインの塗装専門会社のようでした。管理会社の工事担当の説明では、大規模修繕工事の元請けも行っていて取引実績がある、とのことでした。
・インターホンの事例のような見積書の内容自体には怪しい点は気づきませんでしたが、候補業者の選定においては、管理会社が有利となるような業者を選定しているように感じました。
管理会社自身は、自社で職人を抱える防水工事の専門業者を下請けとし、競合会社は大規模修繕工事の元請けメインの大きな会社や塗装の専門業者を選んで自社の見積価格が一番低くなるようにしたのではないかと。
他の理事も管理会社の見積価格に不満を持っていたようで、理事が推薦する業者に再依頼したところ、約850万円の提案を受けることができました。
項目名 | 管理会社 | 競合A社 | 競合B社 |
---|---|---|---|
資本金 | 1億円 | 4,000万円 | |
特徴 | 大規模修繕工事の元請け会社 | 塗装の専門業者 | |
見積金額 | 約1,000万 | 約1,250万 | 約1,150万 |