7. 給水管の口径決定
参考資料 表-4 p16、4.2.2 集合住宅 p37
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計画使用水量
・計画使用水量は、給水装置の計画の基礎となるもので、建物や水の使用用途、使用人数、給水栓数等を考慮した上で決定する。
〇給水方式との関連
・管内流量の変動は給水方式(直結給水、受水タンク方式)によって異なるので、計画使用水量も給水方式別に設定する。
・直結給水方式は水栓での使用変動がそのまま管内流量の変動となり、受水タンク方式は、水栓の使用変動がタンクに貯留された水によって平均化され、管内流量はほとんど一定となる。
1)直結給水方式
・使用変動がそのまま管内流量の変動となる。
・同時使用水量(l/分)から求める。
・同時使用水量とは、給水栓、給湯器等の末端給水用具が同時に使用された場合の使用水量であり、瞬時最大使用水量に相当する。
●集合住宅等の場合
「居住人数から計画使用水量を予測する算定式」により算出
・1~30(人):Q = 26 × P^0.36
・31~(人) :Q = 15.2 × P^0.51
Q:瞬時最大使用水量(l/分)、P:人数
〇居住人数
・給水人口パラメータ換算表を適用して設定する。
・実居住人数の予測が可能な場合又は事前に判明している場合には、その員数を使用することができる。
※給水人口パラメータ換算表
・1R,1K等、 37m2/戸未満:1~2人/戸
・1DK,1LDK、2K等、43m2/戸程度:1~2人/戸
・2DK,2LDK,3K等、 55m2/戸程度:3~4人/戸
・3DK,3LDK等、 65m2/戸程度:3~4人/戸
・4DK,4LDK等、 83m2/戸程度:3~4人/戸
・5LDK以上、 98m2/戸以上:4~人/戸
2)受水タンク方式
・水栓の使用変動がタンクに貯留された水によって平均化され、管内流量はほとんど一定となる。
・1日当たりの計画使用水量(l/日)から求める。
〇給水方式との関連
・管内流量の変動は給水方式(直結給水、受水タンク方式)によって異なるので、計画使用水量も給水方式別に設定する。
・直結給水方式は水栓での使用変動がそのまま管内流量の変動となり、受水タンク方式は、水栓の使用変動がタンクに貯留された水によって平均化され、管内流量はほとんど一定となる。
1)直結給水方式
・使用変動がそのまま管内流量の変動となる。
・同時使用水量(l/分)から求める。
・同時使用水量とは、給水栓、給湯器等の末端給水用具が同時に使用された場合の使用水量であり、瞬時最大使用水量に相当する。
●集合住宅等の場合
「居住人数から計画使用水量を予測する算定式」により算出
・1~30(人):Q = 26 × P^0.36
・31~(人) :Q = 15.2 × P^0.51
Q:瞬時最大使用水量(l/分)、P:人数
〇居住人数
・給水人口パラメータ換算表を適用して設定する。
・実居住人数の予測が可能な場合又は事前に判明している場合には、その員数を使用することができる。
※給水人口パラメータ換算表
・1R,1K等、 37m2/戸未満:1~2人/戸
・1DK,1LDK、2K等、43m2/戸程度:1~2人/戸
・2DK,2LDK,3K等、 55m2/戸程度:3~4人/戸
・3DK,3LDK等、 65m2/戸程度:3~4人/戸
・4DK,4LDK等、 83m2/戸程度:3~4人/戸
・5LDK以上、 98m2/戸以上:4~人/戸
2)受水タンク方式
・水栓の使用変動がタンクに貯留された水によって平均化され、管内流量はほとんど一定となる。
・1日当たりの計画使用水量(l/日)から求める。
給水管の口径決定の方法
1)給水管の口径決定方法
・給水管の口径は、配水管の水圧において、計画使用水量を十分に供給できるものとし、かつ経済性も考慮した合理的な大きさにすることが必要。
・給水管の口径を決定する際は、口径を仮定した上で、末端から流量計算を行う。
・ある程度の余裕水頭を確保し、将来の使用数量増加、配水管の圧力変動などに備えておくことも必要。
①上記”計画使用水量”により得られる各区間の計画使用水量から損失水頭を算出。
※3.損失水頭の算出を参照
②上記の使用水量による損失水頭に立上り高さを加え、各区間ごとの所要水頭を求める。
③上記によって算出した最終区間(配水管からの分岐点)の所要水頭が給水装置全体の所要水頭であり、これが配水管の圧力水頭以下となるかを確かめ、満たされる場合はそれを求める口径とする。
2)集合住宅の場合の口径決定の手順
※5階建て30戸の集合住宅の概要図
①配管ルートから流量又は口径が変わる分岐点を基に各区間割出し
※上手の例では、A-B、B-C、C-D、D-E、E-H、H-J、J-Kの区間
②計画使用水量から各区間の流量を算定
③口径を仮定
④各区間の損失水頭を算定
・①で求めた流量から算出
⑤各区間の所要水頭(損失水頭+立上り高さ)を算定
⑥各分岐点の所要水頭決定
⑦全所要水頭の算出
⑧仮定した口径の判定
・全体の所要水頭<配水管の圧力水頭→口径決定
・全体の所要水頭>配水管の圧力水頭→③に戻る
●末端1戸目の分岐点の所要水圧(上記例ではA点)
・特に水圧を要する器具を設置する場合等を除き、以下とすることができる。
イ)大便器洗浄(フラッシュバルブ)設置の場合
10m+末端分岐部から大便器洗浄弁までの高低差(m)
ロ)上記以外の場合
5m+末端分岐部から蛇口最頂部までの高低差(m)
〇フラッシュバルブ
・バルブ操作後、内蔵されているピストンバルブの昇降動作により、一定量、一定時間(約10秒)水が流れて自動的に止まる機能を持つ自閉式のバルブ。
・フラッシュバルブ式のトイレでは、バルブが高水圧の水道管に直接取り付けられ、タンクレスで時間をおかずに連続して使用することができる。
・一般的にフラッシュバルブは25A以上の太さの給水管が必要で、一定以上の水圧が確保できないと設置できない。
・給水管の口径は、配水管の水圧において、計画使用水量を十分に供給できるものとし、かつ経済性も考慮した合理的な大きさにすることが必要。
・給水管の口径を決定する際は、口径を仮定した上で、末端から流量計算を行う。
・ある程度の余裕水頭を確保し、将来の使用数量増加、配水管の圧力変動などに備えておくことも必要。
①上記”計画使用水量”により得られる各区間の計画使用水量から損失水頭を算出。
※3.損失水頭の算出を参照
②上記の使用水量による損失水頭に立上り高さを加え、各区間ごとの所要水頭を求める。
③上記によって算出した最終区間(配水管からの分岐点)の所要水頭が給水装置全体の所要水頭であり、これが配水管の圧力水頭以下となるかを確かめ、満たされる場合はそれを求める口径とする。
2)集合住宅の場合の口径決定の手順
※5階建て30戸の集合住宅の概要図
①配管ルートから流量又は口径が変わる分岐点を基に各区間割出し
※上手の例では、A-B、B-C、C-D、D-E、E-H、H-J、J-Kの区間
②計画使用水量から各区間の流量を算定
③口径を仮定
④各区間の損失水頭を算定
・①で求めた流量から算出
⑤各区間の所要水頭(損失水頭+立上り高さ)を算定
⑥各分岐点の所要水頭決定
⑦全所要水頭の算出
⑧仮定した口径の判定
・全体の所要水頭<配水管の圧力水頭→口径決定
・全体の所要水頭>配水管の圧力水頭→③に戻る
●末端1戸目の分岐点の所要水圧(上記例ではA点)
・特に水圧を要する器具を設置する場合等を除き、以下とすることができる。
イ)大便器洗浄(フラッシュバルブ)設置の場合
10m+末端分岐部から大便器洗浄弁までの高低差(m)
ロ)上記以外の場合
5m+末端分岐部から蛇口最頂部までの高低差(m)
〇フラッシュバルブ
・バルブ操作後、内蔵されているピストンバルブの昇降動作により、一定量、一定時間(約10秒)水が流れて自動的に止まる機能を持つ自閉式のバルブ。
・フラッシュバルブ式のトイレでは、バルブが高水圧の水道管に直接取り付けられ、タンクレスで時間をおかずに連続して使用することができる。
・一般的にフラッシュバルブは25A以上の太さの給水管が必要で、一定以上の水圧が確保できないと設置できない。
損失水頭の算出
●損失水頭とは
・水が給水装置内を流れるとき、管壁の摩擦、メータ、水栓類、管継手類によるエネルギー消費、その他管の屈曲、分岐、断面変化などによるエネルギー消費がある。
→上記の消費されたエネルギーを水の単位重量当たりに換算したものが損失水頭。
・損失水頭のうち主なものは、管の摩擦損失水頭、メータ、水栓類、管継手類の損失水頭で、その他のものは計算上省略しても影響は少ない。
●給水管の摩擦損失水頭
〇ウエストン公式(管径50㎜以下)
・鉛管、鋼管、亜鉛めっき鋼管、硬質塩化ビニル管など、管内面のなめらかな管径 50㎜以下の給水管の摩擦損失水頭を計算するには、一般に、ウエストン公式が使われている。
h = (0.0126 + (0.01739-0.1087d)/√v)L/d・v^2/2g
h:管の摩擦損失水頭(m)
L:管長(m)
d:実内径(m)
g:重力加速度(9.8m/s2)
v:管内平均流速(m/s)
q = πd^2・v
q:流量(m3/s)
●各器具(水栓類、メータ、管継手など)の損失水頭と直管換算長
・水栓類、メータ、管継手などによる損失水頭と同口径の直管の摩擦損失水頭を比べ、器具等の損失水頭と損失水頭が等しくなる直管の長さを、器具等の直管換算長という。
・直管換算長が分かれば、各器具の損失水頭は、管の摩擦損失水頭を求める式から計算できる。
〇定格流量においての各器具の直管換算長の例
口径30 口径40 口径50
(算出流量:l/分) 85 150 240
分水栓 3.2 4.7 6.3
仕切弁 0.8 1.5 1.0
メータ(接続流) 14.3 39.5
メータ(縦型軸流) 15 12.6
逆止弁 7.5 9.5 13.2
・水が給水装置内を流れるとき、管壁の摩擦、メータ、水栓類、管継手類によるエネルギー消費、その他管の屈曲、分岐、断面変化などによるエネルギー消費がある。
→上記の消費されたエネルギーを水の単位重量当たりに換算したものが損失水頭。
・損失水頭のうち主なものは、管の摩擦損失水頭、メータ、水栓類、管継手類の損失水頭で、その他のものは計算上省略しても影響は少ない。
●給水管の摩擦損失水頭
〇ウエストン公式(管径50㎜以下)
・鉛管、鋼管、亜鉛めっき鋼管、硬質塩化ビニル管など、管内面のなめらかな管径 50㎜以下の給水管の摩擦損失水頭を計算するには、一般に、ウエストン公式が使われている。
h = (0.0126 + (0.01739-0.1087d)/√v)L/d・v^2/2g
h:管の摩擦損失水頭(m)
L:管長(m)
d:実内径(m)
g:重力加速度(9.8m/s2)
v:管内平均流速(m/s)
q = πd^2・v
q:流量(m3/s)
●各器具(水栓類、メータ、管継手など)の損失水頭と直管換算長
・水栓類、メータ、管継手などによる損失水頭と同口径の直管の摩擦損失水頭を比べ、器具等の損失水頭と損失水頭が等しくなる直管の長さを、器具等の直管換算長という。
・直管換算長が分かれば、各器具の損失水頭は、管の摩擦損失水頭を求める式から計算できる。
〇定格流量においての各器具の直管換算長の例
口径30 口径40 口径50
(算出流量:l/分) 85 150 240
分水栓 3.2 4.7 6.3
仕切弁 0.8 1.5 1.0
メータ(接続流) 14.3 39.5
メータ(縦型軸流) 15 12.6
逆止弁 7.5 9.5 13.2