(公共工事標準)モルタル塗り

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※参考資料
『公共建築工事標準仕様書(建築工事編)』
モルタルの調合、塗厚
・外壁の場合(下地:コンクリート)は、塗厚の標準値は25mm以下。
・1回の塗厚は,原則として,7mm以下とする。
・モルタルの練混ぜは,原則として,機械練りとする。
・1回の練混ぜ量は,60分以内に使い切れる量とする。
下地処理
・コンクリート等で,ひずみ,不陸等の著しい箇所は,目荒し,水洗い等のうえモルタル又は下地調整塗材で補修し,夏期は7日以上,冬期は14日以上放置する。ただし,気象条件等により,モルタルの付着が確保できる場合には,放置期間を短縮することができる。
・コンクリート,コンクリートブロック壁面は,デッキブラシ等で水洗いを行い,モルタル等の接着を妨げるものを除く。ただし,屋内の場合で工程等により,水洗いが困難な場合は,デッキブラシ等で清掃する工法によることができる。
・コンクリート壁面に高圧水洗処理で目荒しを行う場合(目荒し工法)は,水圧及び目荒し時間を適切に設定し,モルタルの接着に適した粗面に仕上げる。
・壁面の場合で,仕上げ厚又は全塗厚が25mm以上の場合は、補修塗り部分等に対して,ステンレス製アンカーピンを縦横200mm程度の間隔に打ち込み,ステンレスラス等を張る。
 
〇高圧水洗処理(目荒し工法)
・高圧水洗処理は、モルタル塗りあるいはタイル張り(直張りの場合)の前に、コンクリート表面を高圧(50~150MPa程度)で水洗いして、モルタルの接着に有効な凹凸の付与、汚れ及び脆弱層の除去を行うこと。
・コンクリートとモルタルとの接着信頼性を高める。
壁塗り
1)下塗り
 
・下地処理後,下地の乾燥具合を見計らい,吸水調整材を全面に塗る。
・塗付けは,吸水調整材塗りを行った場合は乾燥後,塗残しのないよう全面に行う。
・下塗り面は,金ぐし類で荒らし目をつける。
・下塗り後,モルタル表面のドライアウトを防止するために,水湿しを行う。
・下塗り及びラス付けは,14日以上放置してひび割れ等を十分発生させてから,次の塗付けにかかる。ただし,気象条件等により,モルタルの付着が確保できる場合には,放置期間を短縮することができる。
 
※ドライアウト
・塗り付けるモルタルの水分が暑さで急激に蒸発したり、躯体(外壁・床)に吸収されることにより、水分不足なりモルタルの硬化不良を起きしてしまう現象。
・夏場の日差しの強い南面や水分を吸収しやすいALC版などにモルタルやタイルを貼り付ける際には特に注意が必要。また強風時にも注意する必要がある。
 
2)むら直し
 
・むらが著しい場合に行う。
 
3)中塗り
 
・出隅,入隅,ちり回り等は,定規塗りを行い,定規通しよく平らに塗り付ける。
 
4)上塗り
 
・中塗りの状態を見計らい,面,角,ちり回り等に注意し,こてむらなく平らになるよう,次により仕上げる。
①金ごて仕上げの場合は,金ごてで押さえて仕上げる。
②木ごて仕上げの場合は,水引き具合を見計らい,木ごてでむらを取り,平たんに仕上げる。
③はけ引き仕上げの場合は,木ごてで均したのち,少量の水を含ませたはけを引き,はけ目の通りよく仕上げる。
 
5)仕上げの種類
 
以下を標準とする。
〇金ごて:一般塗装下地,壁紙張り下地,防水下地,壁タイル接着剤張り下地
〇木ごて:セメントモルタル張りタイル下地
〇はけ引き ─
 
6)目地を設ける場合
 
・あらかじめ目地棒で通りよく仕切り,仕上げ後,目地棒を外し,目地塗りをする。なお,既製目地材は,あらかじめ所定の位置に通りよく取り付け,壁塗りを行う。
タイル張り下地等の下地モルタル塗り
1)セメントモルタル張りタイル下地の場合
 
・塗厚は,原則として,全仕上げ厚さ,タイル厚さ等から定める。
・タイル張りが,密着張り,改良積上げ張り ,改良圧着張り,マスク張り及びモザイクタイル張りの場合並びにセメント系厚付け仕上塗材の場合は,中塗りまで行う。
・モルタル下地面の仕上げは,原則として,木ごて押えとし,その精度はモザイクタイルでは2mにつき3mm,小口以上のタイルでは2mにつき4㎜とする。
 
2)壁タイル接着剤張り下地の場合
 
・外装壁タイル接着剤張りの場合、セメント系下地調整厚塗材2種(下地調整塗材CM-2)2回塗り,総厚10㎜以上とする。
・外装壁タイル接着剤張りの場合の仕上げは,原則として,金ごて1回押えとし,その精度は1mにつき3㎜以下とする。
 
●伸縮調整目地
・タイルの伸縮調整目地に合わせて幅10mm以上の伸縮調整目地を設ける。
・伸縮調整目地は,発泡合成樹脂板の類を用い,目地周辺から浮きが発生しないよう,原則として,構造体まで達するようにする。

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