繊維壁の概要

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繊維壁の概要
・パルプや紙繊維、化学繊維などをのりで混ぜて水で練った塗壁仕上げ材。
・主原料はパルプや紙の綿状繊維、木紛などの粒状物、化学繊維を糸状にしたもの、無機質材料を混入したものなどがある。
・土壁状や砂壁状などのソフトな肌合いを持つ。
・吸音性や調湿作用、施工性は高く、昭和40~50年頃に大流行したが、耐久性が劣る部分もあり、最近は用いられることが少なくなった。
 
〇JIS A6908 繊維質上塗材
・繊維壁材は,「左官工事の化粧用上塗材料で,有機または無機質の繊維材料・色土・パーライトなどの混和材料などと接着用の糊材料を主原料としたもの」
 
①1種:綿状繊維を主原料とするもの
②2種:木粉その他の粒状物を主原料とするもの
③3種:糸状繊維を主原料とするもの
④4種:有機繊維のほかに多量の無機材料の混入されているもの
繊維壁の特徴
・塗りやすく作業性の高さを備えている。
・鏝ムラが出にくく、高度な熟練技能を要しない。
・各メーカーより数多く市販されており、和・洋室いずれにも適用する品質とバリエーションが確保されていて多彩な表現が可能。
 
〇適した部位
・主に内壁や天井に用いられる。
 
〇性能
・塗面にびひ割れが起きにくく、内装には十分な耐久性を持つ。
施工
・施工は下地が乾燥した後で行い、上塗りではなるべく薄く塗り付ける。
・厚いと乾燥が遅れるうえ、乾燥後チリぎわが反曲する原因となる。
・必要以上の厚塗りは、剥落の原因になるので避けなければならない。
・塗り付けていく途中で、材料の中の繊維質が固形化する場合がある。この様な場合は作業を中止し、その固まりを必ずきれいに取り除くようにする。
メンテナンス
・塗面の状態によっては、施工後5~6年を経て表面の塗り材が次第に剥落してくることがある。
・原因としては必要以上の厚塗り、糊材の劣化などが考えられるが、その対応策として塗り材にボンドを混入しておくと良い。
・カビや藻の発生を防ぐには、塩素系カビ除去材などを用いて電圧洗浄を行い、乾燥後、仕上げに防藻塗料を塗布しておくと良い。
製品例 若椛(家庭化学工業株式会社)
〇特色
・初めてでも簡単に塗れる室内専用の繊維壁。
・水練りをすれば使用できるように接着剤等が配合されている。
・材質上、保温・防音効果に優れている。
・ひび割れや、ボロボロ落ちることなく仕上がる。
 
〇成分
・繊維類:35%以下
・上白パルプ:30%以下
・着色木粉:20%以下
・セルロース系接着剤:10%以下
・飾品材料その他:5%以上

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