●賃貸管理会社が倒産?
自分が契約している賃貸管理会社が倒産した場合の事を考えた事がありますか?
普通は無いですよね。私もまさか倒産するとは思っていませんでした。賃貸管理なんてそんなにリスクのある業態とも思えませんでしたし。
でも私が契約している賃貸管理会社、実際に倒産してしまったのです。
そしてその場合、預けていた敷金、受け取り前の家賃は戻ってこない可能性が高いのです。
●兆候はありました、でも・・
家賃の振込みが2~3日遅れる事があり、気にはなっていました。
私はこまめに入金日に口座確認をし、振り込まれているか確認し、振り込まれていなければすぐに連絡していました。
次の日には振り込まれていたので、人手不足なのか、あるいは管理がずさんなのか、ぐらいに思っていました。
もちろん、そうだとしても良い管理会社ではない事は明らかなのですが、その会社とは借り上げ契約をしていたため、管理会社の変更も通常の委託契約のように簡単に出来る状況ではなかったのです。
●突然、電話が使われていない状態になり、ホームページも見られなくなる
そんな状態が一年ぐらい続き、ある日突然、電話をしても”使用されておりません”とアナウンス、ホームページも見られない状態になりました。
完全にパニック状態。どうしたらよいのか分かりませんでした。
藁をも掴む心境で、所有している他の物件でお世話になっている営業担当者に電話で相談すると”現地(賃貸管理会社)に行って確認してみたらどうか?”、”弊社の管理部門に話しておくので折り返し連絡させます”との頼もしい助言をいただきました。
そして、現地に行ってみるとドアに、○月○日付けで自己破産したこと、破産管財人の連絡先が書かれた張り紙がしてありました。
●破産管財人から通知書が届く
一週間後ぐらい、破産管財人から通知書が届きました。A4用紙4枚。かなり長い文章です。
以下のような事が書かれていました。
・自己破産の手続きが開始されたこと。破産管財人の連絡先
・破産会社との契約解消手続きについて
・未払い賃料、敷金の取り扱いについて
破産手続き開始前(直近の賃料は日割りして開始前と後に按分)の賃料、敷金は破産債権
破産手続き開始後の賃料は財団債権(支払い時の優先順位が高い)
・破産債権届出書について
とりあえず、未払いの賃料、敷金を記載して破産債権の内容を届け出しました。
そして新しい賃貸管理会社を決めて、契約の切り替え、移行等の手続きは、新管理会社に代理で行っていただきました。
●実際に債権が支払われたのは?
そして、すっかりもうその事について忘れていた2年後、破産管財人から通知書が届きました。
破産債権(敷金、破産前の賃料)については、配当なし。
財団債権(破産後の賃料)については、80%ほど戻ってきました。
2年経って、戻ってこないとあきらめていましたので、少し嬉しかったです。
敷金が賃料2ヶ月分でしたので、全部で賃料2.5ヶ月分くらいの損失が発生しました。
私の場合は、1物件のみだったのでこの程度で済みましたが、複数物件管理を依頼していたオーナーさんは大変だったろうなと思います。
賃貸管理会社が倒産するなどという事は滅多に無いことだとは思いますが、世の中何が起こるかわかりません。特に、同じ賃貸管理会社に複数物件の管理をお願いしている方は注意を怠らないようにしましょう。