規約の確認、変更
“管理費等の徴収”に関する条文に、督促や徴収に関する費用、弁護士費用等を請求できる旨、記述されているか確認し、記述されていない場合は規約を変更する。
※標準管理規約第60条2項
・組合員が前項の期日までに納入すべき金額を納入しない場合には、管理組合は、その未払金額について、年利○%の遅延損害金と、違約金としての弁護士費用等並びに督促及び徴収の諸費用を加算して、その組合員に対して請求することができる。
※標準管理規約第60条2項
・組合員が前項の期日までに納入すべき金額を納入しない場合には、管理組合は、その未払金額について、年利○%の遅延損害金と、違約金としての弁護士費用等並びに督促及び徴収の諸費用を加算して、その組合員に対して請求することができる。
消滅時効の確認、消滅時効完成の阻止
(1)管理費等の時効消滅までの期間
5年
(2)時効が消滅するのを防ぐ対策:時効の更新・完成猶予)
①裁判上の請求等(支払督促、裁判上の和解等、破産手続き参加等)
・当該事由が生じている間:時効の完成猶予
・判決等が確定:時効の更新(時効がゼロにリセット)
・途中で終了:終了後6か月間は時効の完成猶予
②強制執行等(担保権の実行等)
・①と同様
③催告
・6ヵ月間時効の完成猶予。ただし1回のみ。
④協議を行う旨の合意
・原則、1年間時効の完成猶予
・”支払方法等について協議を行う”旨を書面で合意することにより当面の間の時効の完成を防いだ上で、時間をかけて協議を進めるなどの対応。
⑤承認
・時効の更新
5年
(2)時効が消滅するのを防ぐ対策:時効の更新・完成猶予)
①裁判上の請求等(支払督促、裁判上の和解等、破産手続き参加等)
・当該事由が生じている間:時効の完成猶予
・判決等が確定:時効の更新(時効がゼロにリセット)
・途中で終了:終了後6か月間は時効の完成猶予
②強制執行等(担保権の実行等)
・①と同様
③催告
・6ヵ月間時効の完成猶予。ただし1回のみ。
④協議を行う旨の合意
・原則、1年間時効の完成猶予
・”支払方法等について協議を行う”旨を書面で合意することにより当面の間の時効の完成を防いだ上で、時間をかけて協議を進めるなどの対応。
⑤承認
・時効の更新
小額訴訟
・訴額が60万円以に限って利用が可能(訴額は、元金の金額を意味し、利息・遅延損害金等は含まれない)。
・60万円を超えている場合は複数に分ければ可能(年10回を限度)。
・当該訴えについて管轄のある簡易裁判所において裁判が行われ、原則として初回期日に審理を終え、判決が出される(ただし、場合により、通常訴訟に移行することもある。)。
・未収者の所在が不明の場合は利用できない。
・弁護士に依頼せず、理事会で対応することも可能。
・60万円を超えている場合は複数に分ければ可能(年10回を限度)。
・当該訴えについて管轄のある簡易裁判所において裁判が行われ、原則として初回期日に審理を終え、判決が出される(ただし、場合により、通常訴訟に移行することもある。)。
・未収者の所在が不明の場合は利用できない。
・弁護士に依頼せず、理事会で対応することも可能。
支払督促
〇概要
・支払督促は、管理組合が簡易裁判所に申立てることにより、裁判所書記官が、未収者の言い分を聞くことなく、未収者に対し支払を督促する制度。
・確定判決と同一の効力を有し、強制執行をすることができる。
・通常訴訟と比べて安価で、裁判所に出頭することなく、迅速に強制執行が可能。
〇支払督促の流れ
①支払督促の申立→裁判所書記官が未収者に支払督促を送達
②2週間経過内に異議申し立てがなければ仮執行宣言申立書を送付
③送達から2週間以内に異議申し立てがなければ確定
〇注意点
・未収者が異議を申し出た場合は、民事訴訟に移行。
・未収者の住所地の簡易裁判所に申立てをするため、異議申立てがあるとその住所地での通常訴訟となってしまうため、未収者が遠方居住だと管理組合の負担が大きくなる。
・公示送達ができないので、未収者が所在不明の場合は利用できない。
・支払督促は、管理組合が簡易裁判所に申立てることにより、裁判所書記官が、未収者の言い分を聞くことなく、未収者に対し支払を督促する制度。
・確定判決と同一の効力を有し、強制執行をすることができる。
・通常訴訟と比べて安価で、裁判所に出頭することなく、迅速に強制執行が可能。
〇支払督促の流れ
①支払督促の申立→裁判所書記官が未収者に支払督促を送達
②2週間経過内に異議申し立てがなければ仮執行宣言申立書を送付
③送達から2週間以内に異議申し立てがなければ確定
〇注意点
・未収者が異議を申し出た場合は、民事訴訟に移行。
・未収者の住所地の簡易裁判所に申立てをするため、異議申立てがあるとその住所地での通常訴訟となってしまうため、未収者が遠方居住だと管理組合の負担が大きくなる。
・公示送達ができないので、未収者が所在不明の場合は利用できない。
通常訴訟
・未収者が所在不明でも実施可能。
・判決に至る前に、裁判官から和解を勧められることが一般的。
・弁護士費用等の費用負担は、違約金と位置づけることにより最終的に未収者から回収することはできるが、実際にどの程度の額が認められるかは、個別事情により異なる可能性がある。
・判決に至る前に、裁判官から和解を勧められることが一般的。
・弁護士費用等の費用負担は、違約金と位置づけることにより最終的に未収者から回収することはできるが、実際にどの程度の額が認められるかは、個別事情により異なる可能性がある。
債権差押え
●債権差押えの手続き
・理事長からの”依頼書”、他役員(基本は他の理事)からの”理事長の資格証明書”が必要。
・未収者の口座差押え、賃料債権差押えのどちらかから選択。同時に進める事はできない。口座差押えの場合、未集金以上の残高がない場合がある。口座差押えがNGだった場合は、一度申請を却下して債務名義を取り戻して、賃料債権差押えを行う、などの対応が必要。
●口座差押え
・未収者の金融資産、口座情報等について未収者本人から入手できない可能性がある。銀行等に預金等の有無の情報開示を求めることも考えられるが、金融機関は顧客情報の流出を懸念して本人と同意を求める可能性がある。
・賃借人または賃貸管理会社から賃料の送金口座の情報提供を求める。
・調査会社に未収者の口座もしくは勤務先の調査を依頼する。勤務先が判明すれば、給与債権差し押さえが可能。
・口座差し押さえをした場合、継続的に差し押さえることができるわけではなく、差押えた日の口座の残高が対象になる。
●賃料債権差押え
・裁判提出書類として、賃借人の居住を確認できる書類が必要。賃借人から”居住証明書”などの書類を記入、返送してもらうか、住民票を取得するなどが必要。
・理事長からの”依頼書”、他役員(基本は他の理事)からの”理事長の資格証明書”が必要。
・未収者の口座差押え、賃料債権差押えのどちらかから選択。同時に進める事はできない。口座差押えの場合、未集金以上の残高がない場合がある。口座差押えがNGだった場合は、一度申請を却下して債務名義を取り戻して、賃料債権差押えを行う、などの対応が必要。
●口座差押え
・未収者の金融資産、口座情報等について未収者本人から入手できない可能性がある。銀行等に預金等の有無の情報開示を求めることも考えられるが、金融機関は顧客情報の流出を懸念して本人と同意を求める可能性がある。
・賃借人または賃貸管理会社から賃料の送金口座の情報提供を求める。
・調査会社に未収者の口座もしくは勤務先の調査を依頼する。勤務先が判明すれば、給与債権差し押さえが可能。
・口座差し押さえをした場合、継続的に差し押さえることができるわけではなく、差押えた日の口座の残高が対象になる。
●賃料債権差押え
・裁判提出書類として、賃借人の居住を確認できる書類が必要。賃借人から”居住証明書”などの書類を記入、返送してもらうか、住民票を取得するなどが必要。
先取特権の実行(区分所有法7条)
●区分所有法7条の先取特権
・滞納管理費等の債権は、”先取特権”を有しているため、確定判決等の債務名義を取得しなくても、先取特権の実行として”担保不動産競売”等を申立てすることにより、他の一般債権者に優先して滞納管理費等の弁済を受けることができる。
・この先取特権は、区分所有権および建物に備え付けた動産についてのみ実行が可能。
・先取特権は物上代位できるので、賃貸している場合にはその賃料も対象となる。
〇先取特権による競売請求の事例
・経済的困窮の状況ではなく、物件に抵当権が設定されておらず、当該住戸が空室の状況で実施された事例がある。
・滞納管理費等の債権は、”先取特権”を有しているため、確定判決等の債務名義を取得しなくても、先取特権の実行として”担保不動産競売”等を申立てすることにより、他の一般債権者に優先して滞納管理費等の弁済を受けることができる。
・この先取特権は、区分所有権および建物に備え付けた動産についてのみ実行が可能。
・先取特権は物上代位できるので、賃貸している場合にはその賃料も対象となる。
〇先取特権による競売請求の事例
・経済的困窮の状況ではなく、物件に抵当権が設定されておらず、当該住戸が空室の状況で実施された事例がある。
59条競売請求
●区分所有法第59条による競売請求
・オーバーローン状態などで無剰余の場合でも競売手続きを実施できる可能性がある。
・競売の買受人(新区分所有者)からも支払を受けることが可能なので、未収者の資産に対する強制執行によっても全額回収できなかった場合などに検討対象となる。
・強制競売という強い権限を例外的に組合に与える措置なので、この手続きを行うためには、”区分所有者が他の区分所有者の共同の利益を著しく障害し、他の方法によっては障害の除去が出来ない場合”ということが条件。
・オーバーローン状態などで無剰余の場合でも競売手続きを実施できる可能性がある。
・競売の買受人(新区分所有者)からも支払を受けることが可能なので、未収者の資産に対する強制執行によっても全額回収できなかった場合などに検討対象となる。
・強制競売という強い権限を例外的に組合に与える措置なので、この手続きを行うためには、”区分所有者が他の区分所有者の共同の利益を著しく障害し、他の方法によっては障害の除去が出来ない場合”ということが条件。
遅延損害金
・標準管理規約では、組合員に管理費等の滞納があった場合には、遅延損害金や、違約金としての弁護士費用、督促等のための費用も合わせて請求できるものとしている。
そして、この遅延損害金等については、請求しないことについて合理的事情がある場合を除き、請求すべきものと考えられる(標準管理規約のコメントに記載)
そして、この遅延損害金等については、請求しないことについて合理的事情がある場合を除き、請求すべきものと考えられる(標準管理規約のコメントに記載)