シーリングの基礎知識

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シーリング材の3要件
①水密性・気密性を付与できる材料であること
・対象となる部材によく接着し、部材と共に連続した不浸透層を形成しなければならない。
 
②目地のムーブメント(動き)に追従できること。
・金属素材・窯業(ようぎょう)素材、樹脂素材などは、温度・湿度等の影響によって伸縮する。
→部材の伸縮の影響で、目地部のシーリング材も伸縮する。
 
③耐久性に優れていること。
・シーリング材は紫外線・水分の影響を長期に受け、劣化環境が厳しいため、シーリング材の機能が維持できるよう耐久性に優れいてることが要求される。
硬化機構によるシーリング材の分類
1)硬化機構
 
●湿気硬化
・シーリング材中の硬化成分が空気中の水分と化学反応を起こすことによって硬化が進行するタイプ。
・硬化速度は温度・湿度の影響を受ける。
・硬化が表面から進行するため,硬化過程で目地の大きな動き(ムーブメント)が発生すると亀裂や変形を起こすことがある。
 
●混合反応硬化
・2成分形シーリング材の反応機構で,施工前に基剤と硬化剤等を一定量練り混ぜることによってシーリング材全体がほぼ均一に硬化する。
・化学反応であるため,硬化速度は温度により大きく影響を受ける。
 
●乾燥硬化
・シーリング材中に含まれる成分が施工後,大気中に揮発することによって硬化が進行する。
・硬化の進行は温度・湿度の影響を受ける。
・硬化後体積収縮がある。
 
●非硬化
・表面の皮膜だけが硬化して内部は硬化しないもの。
・シリコーン系マスチックタイプ,油性コーキング材等。
 
2)1成分系と2成分系の硬化機構の相違
 
●1成分系
・空気中の湿気による反応や水分や溶剤の大気中への揮散により硬化が進行するため,硬化プロセスでは表面と内部の硬化状態が異なる。
→この硬化途上に目地の動きが発生するとシーリング材に亀裂や変形の発生リスクがあるため,1成分形は金属パネル間目地・金属笠木目地のように温度による目地の動きが大きい部材への適用はできない。
・山岳地帯など寒暖差の大きい地域でも注意が必要。
・ただし最近では,こうした動きの大きい目地にも対応可能な1成分形シーリング材の開発が進められている。
 
●2成分系
・混合反応硬化型なので,硬化プロセスにおける表面と内部の硬化状態は同じ
シーリング施工の注意点
(1)プライマーの重要性
 
●プライマーの選定
・シーリング材は,専用のプライマーとセットで使うことを前提で製品設計されている。
・シーリング材に求められる性能を実現するために専用プライマーは必須のものとなる。
 
●プライマーの機能
①接着性の付与と向上及び部材表面の強化
・部材とその表面処理は無数にあり,こうした多様な部材に多様な部材に安定的に接着させるためにプライマーの使用は不可欠となる。
・部材の表面が脆弱な場合,表面を強化することで接着性が向上する。
 
②部材からの「水分・アルカリ成分」の移行防止
・部材に含まれる水分やアルカリ成分は接着性を阻害する要因となるため,プライマー層がその移行を防止する役割を果たす。
 
③シール側からの「可塑剤」の移行防止
・プライマー層が形成されることで,シーリング材からの可塑剤等の液状成分が移行することを低減させる役割がある。
 
(2)施工の注意点
 
1)シーリング材の混錬
 
・ペイントミキサーを使って混錬すると混合不良になってしまう場合がある。
・気泡が入りやすく、気泡が混入すると、特に2成分系シリコーン系・変性シリコーン系などの場合、あばたが問題となる。
・ミキスタ(シーリング材用攪拌機)による練り混ぜが望ましい。
 
〇ミキスタ(シーリング材用攪拌機)
・混合缶を回転させパドル(羽根)の抵抗で混合する。その為、気泡を減らすことが出来る。
 
2)旧シーリング材の撤去
 
・旧シーリング材を撤去する際、部材には旧シーリング材の薄い皮膜が残っているので,その薄膜もカッターで丁寧に取り除く。さらに,スクレイパー等で痕跡がなくなるまでこそぎ取るようにする。
・この薄膜を残したままにしておくと,プライマー塗布,シーリング材再充填を正しく実施しても,部材と薄膜との間ではく離するリスクが高まる。
→その理由としては,既に旧シーリング材が経年で疲労していることに加え,切除した際の物理的外力により残された旧シーリング材薄膜と部材との間の接着面が影響を受け,接着力が低下した状態になり易く,再充填したシーリング材と薄膜との接着力が勝ってしまうため。
 
3)プライマーの塗布
 
・ライマーを塗布してから,シーリング材を充填するまでの時間には,製品メーカーによる時間制限(オープンタイム)があるので,正しい時間内に作業を進める。
 
4)ガンへの充填と打設
 
・シーリング材をガンに吸い込むときには、気泡が入らないように注意する。
・打設する際、ガンはノズルをできるだけ目地底に付け、空気が入らないようにする。
 
5)へら押え
 
・シーリング材を目地底から充填したら,ヘラ等でしっかりと押さえて,シーリング材を目地の隅まで行き渡らせる。こうすることで,接着性の向上,シーリング材内部に充填時に取り込まれた空気の追い出しを行うことにつながる。
シーリング材に要求される性能
1)容器→目地へ充填
 
・混ぜやすさ(2成分形の場合)、押し出しやすさ、垂れにくさなどが気温などに影響されずらく、目地へ充填するまでの時間的余裕があること。
 
2)目地への充填→硬化
 
・早い硬化
・硬化後の外観(色調、艶など)が期待通りになること。
・接着力の発現が早いこと。
 
3)硬化後
 
・目地のムーブメント(温度変化や地震による動きなど)に追従できること。
・はく離・破断を生じない。
・耐候性(紫外線、熱、雨水など)。
・外観が大幅に低下(変色、変形、ほこりの付着、カビ、ひび割れ等)しないこと。
・周囲への汚染。シーリング材が接触する周囲の部材に対して、ほこりの付着、染み出し、溶解、変色など。

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