シーリング改修工事の概要

マンションのシーリング改修の概要、工法の種類をまとめました。  
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修繕工事の概要
●一般的な修繕周期
・一般的には、10~15年周期
・シール材により耐用年数が異なるが、足場架設を必要とするため、通常、外壁工事と同時期に行う。
 
●工事の概要
・サッシ周り、コンクリート打ち継ぎ部、PC版の目地部等シーリング材の劣化部分の打替え防水工事。
・剥離箇所、破断、軟化、硬化、表層裂傷等の劣化状況により、全面打替え工事と部分打替え工事とがある。
 
●注意点
・ブリージング現象(シーリング材料の一部の成分が分離して充填材の表面に滲み出し、大気中の塵や埃が付着する現象)を起こさないようシーリング材種と表面の仕上げ塗材の相性については十分に配慮する必要がある。
シーリング改修の概要
1)ワーキングジョイントとノンワーキングジョイント
 
〇ワーキングジョイント
・目地の動きが比較的大きい目地を指す。
・ALCの目地やサイディングの目地など。
・シーリング材の施工は2面接着とする。
 
〇ノンワーキングジョイント
・RC造の窓廻りや打継ぎ目地、湿式工法の石張りやタイル張りの目地などは、目地の動きが少ないことから、ノンワーキングジョイントと言う。
・シーリング材の施工は3面接着でも問題はない。
 
2)2面接着と3面接着
 
〇2面接着
・目地にシーリング材を充填する場合に、相対する被着面の2面に接着させ、目地底には接着させないこと。
・シーリング材が建物の伸縮に追従できるように配慮した、ワーキングジョイントに適した工法。
・2面接着を行なうためにバックアップ材やボンドブレーカーを用いる。
 深い目地であればバックアップ材を、バックアップ材を入れられない浅い目地の場合はボンドブレーカーを目地底に貼ることによって3面接着を防ぎ、2面接着することができる。
 
〇3面接着
・目地にシーリング材を充填する場合に、相対する被着面と目地底の3面に接着させること。
・ノンワーキングジョイントの場合は、3面接着の方が防水性能が良い場合もある。
 
3)バックアップ材、ボンドブレーカー、マスキングテープ
 
〇バックアップ材
・目地に設けるシーリング材の3面接着の回避、充填深さの調整、目地底の形成を目的として、シーリングを施す目地底に設ける副資材。
・合成樹脂or合成ゴム製でシーリング材に変色等の悪影響を及ぼさず,かつ,シーリング材と接着しないものが用いられる。  クッション性、耐水性、耐薬品性に優れた軟質独立発泡体(高発泡ポリエチレン)が主に用いられている。
 
〇ボンドブレーカー
・”絶縁テープ”とも言い、目地が深くない場合に、シーリング材の3面接着を回避する目的で目地底に張り付けるテープ状の材料。
・紙,布,プラスチックフィルム等の粘着テープで,シーリング材と接着しないものとする。
・クラフトテープ(ポリウレタン系、ポリサルファイド系用)とポリエチテープ(ポリイソブチレン系、シリコーン系、変成シリコーン系用)があり、シーリング材の材質に合わせたものを使用する。
 
〇マスキングテープ
・シーリング用紙粘着テープ。
・施工中、充填箇所以外にシーリング材を付着させないで、シーリング材表面を通りよく仕上げるために用いる。
シーリング充填工法
・シーリング材が施工されていない目地に不具合が生じた場合に、新規にシーリング材を充填
 
①シーリング材の練混ぜ→ガンへ充填
②目地の清掃と乾燥
③バックアップ材の装填
・目地深さに余裕がない場合には目地底にボンドブレーカーを貼る。
④マスキングテープ貼り
⑤プライマー塗布
⑥シーリング材の充填
・目地への打始めは,原則として,目地の交差部又は角部から行い,隙間,打残し,気泡等が入らないよう目地の隅々まで充填する。
⑦ヘラ仕上げ
⑧マスキングテープ除去
※シーリング材が硬化すると剥がしにくくなるので、シーリング材が十分硬化する前に除去する必要がある。ただし,シリコーン系シーリング材は,硬化後に取り除く。
シーリング再充填工法
・既存シーリング材を除去し、再充填する。一般的に使用されている。
 
●既存シーリング材の除去
・既存シーリング材の除去は,目地被着体に沿ってカッター等で切込みを入れ,できる限り除去し,バフ掛け,サンダー掛けor清掃用溶剤により清掃を行う。
・目地部の軽微な欠損部は,ポリマーセメントモルタル等で補修する。
 
●施工手順
・既存シーリング材撤去の後は、シーリング充填工法と同様。
拡幅シーリング再充填工法
・目地形状、被着面の状態を改善するために、目地の拡張を行った後にシーリング材を再充填
 
①既存シーリング材撤去
②目地幅の拡大
 :シーリング充填工法と同様
 
●既存目地の拡幅
・目地の拡幅については,所定の目地形状になるようダイヤモンドカッター等を用いて行う。
ブリッジ工法
・目地形状の不備で、再充填のみでは再発が懸念され、拡張再充填工法が採用できない場合に用いる。
・被着体間をブリッジさせる形でシーリング材を重ねて施工する。
 
①シーリング材の練混ぜ→ガンへ充填
②目地の清掃と乾燥
③ボンドブレーカーの貼り付け
・既存シーリング材を覆うように、新規のシーリング材と接着しない適切な幅のボンドブレーカーを貼り付け、既存シーリング材との間を絶縁する。
④エッチング材(バックアップ材)貼り
・エッチング材で枠を作り、適切な目地幅と厚さを設定する。
⑤プライマー塗布
⑥新規シーリング材の充填
⑦ヘラ仕上げ
⑧目地廻りの清掃
⑨エッチング材除去
・シーリング材硬化後,エッジング材を取り除く。
ブリッジ工法
改良工事
劣化部分の除去方法
コンクリート断面の修復
コンクリートの電気化学的防食

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