マンションのタイプ(供給方式、住棟型式等)

〇過去問
・管理業務主任者 
・マンション管理士 H22問40、H27問42
 
 
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マンションの類型
(1)階層
 
●低層(2階程度)
〇設備
・設備が単純。
・給水は直結方式で受水槽・ポンプが不要。
・消防用設備が消火器程度でほとんど不要。
〇維持・修繕
・戸当たりの外壁面積や屋根面積は、中・高層に比べて大きい傾向がある。
〇その他の特徴
・専用庭を有し、各住戸の玄関は1階で、屋根は山形というように、一戸建て住宅のイメージに近いものもある。
 
●中層(3~5階程度)
・1棟の戸数は10~40戸ぐらいが一般的。
・屋根は、平らな陸屋根か勾配屋根。
〇設備
・エレベータ付きのものが多い。
・通常、受水槽・ポンプは必要。
・消防用設備は、消火器や避難器具が設置されている程度。
 
●高層(6階以上)
・1棟の戸数は20~100戸ぐらいが一般的。
・屋根:陸屋根
・住棟型式:廊下型が多い
〇設備
・エレベータが設置
・受水槽・ポンプが必要。
・電気室等が必要。
・消防用設備は、連結送水管設備、屋内消火栓設備、自動火災報知設備等が設置されていることが多い。
〇維持・修繕
・戸当たりの外壁面積や屋根面積は、中・低層に比べて小さい傾向がある。
 
●超高層(60m以上、20階以上)
・1棟の戸数は、数百個程度。
〇設備
・消防用設備は、スプリンクラー、排煙装置、非常用エレベーター等のほか、防災センター等が設けられていることが多い。
・ヘリコプターの屋上緊急用スペースや航空障害灯等の設置
〇維持・修繕
・外壁は、足場架設が容易ではないので、日常のメンテナンスや大規模修繕に際し、低い階層型とは異なる対応が求められる。
 
(2)住棟型式
 
●廊下型
・共用廊下の一方に住戸を設ける片廊下型、両方に設ける中廊下型がある。
・中廊下型は、日照等の居住性に劣るため、採用例は少ない。
・住戸は共用廊下に面していることから、プライバシー、廊下の歩行音等に不利な点があるため、廊下を住戸から離す、廊下の床仕上げを柔らかいものにするなどの工夫がされている。
 
●階段室型
・階段室から直接各住戸に入る型式。
・廊下型よりも出入りに関係する住戸が少ないため、独立性は高くなる。
・中・高層の場合はエレベータが設置される場合もあるが、1基当たりの戸数が少ないためコストが割高となる。
 
●タウンハウス型(棟割長屋)
・低層の集合住宅で、上下に他の重ならない棟割長屋型式となっている。
・建物は1棟として横に繋がっているが、通常のマンションと異なり、各部屋の敷地は、各専有部分ごとに分筆し、各区分所有者がその敷地を単独に所有している形式。
・この場合の土地は、分有と呼ばれ、土地と建物は分離して処分できる。
・多くの場合、2階建て程度の低層の集合住宅で、また、コモン・スペースと呼ばれる共用の広場、庭、駐車場などがある。
・戸建てのような独立性と集住化で共用部分を持つことによる経済性を併せ持つ。
 
●メゾネット型
・各住戸が通常2階部分を持っている形式。
→戸建ての2階建てがマンションの室内にあるという、かなり広い専有面積を持つ造りとなっている。
・共用廊下は2階おきにあり、エレベーターも1階飛ばしで設置されることになる。
・共用の廊下がない階では、両面に開口部がとれる為、採光や通風さらにプライバシーの面など利点が多くある。
 
●スキップ・フロア型
・各住戸は、フラット(2階建てではなく)だが、共用廊下は2階ごと設け、エレベーターもその廊下のある階に停まり、エレベターが停まらない階の住戸の人は、階段を利用する。
・共用廊下の無い階では、メゾネット型のように両面に開口部がとれる為、採光や通風さらにプライバシーの面など利点はある。
 
●コア型
・超高層マンションでよく利用され、建物の中央(コア=核)に、エレベーター・階段室などを置き、その周辺に多くの住戸を配置する型式
・コア(中央)部分に集中的にエレベーター・階段室などの動線を配置できるので、建設費や設備費からみると利点がある。
・一方、角部屋を除き1方向にしか面していないことが多く、北側に面しているだけの部屋は常に日照が悪く、また、窓が1方向にしかないため風通しも悪くなり、エレベーター・ホールは閉鎖的など、居住性に不利な住戸ができる。
マンションの供給方式
●センチュリー・ハウジング・システム(CHS)
・長期間にわたって快適に住み続けられる住宅を供給するための認定事業。
・設計・生産・維持管理にわたるトータルシステムの考え方。
 
●スケルトン・インフィル住宅(SI住宅)
・建物のスケルトン(柱・梁・床等の構造躯体)とインフィル(住戸内の内装・設備等)とを分離した工法によるもの。
・建築物の躯体の耐用年数は、内装と比べ著しく長いので、維持・補修、交換・更新等の容易性が確保されるように配慮したもの。
 
●環境共生住宅
・地球環境を保全する観点から、エネルギー・資源・廃棄物などの面で充分な配慮がなされるとともに、周辺環境と調和し、健康で快適に生活できるよう工夫された住宅及び住環境のことをいう。
※暖冷房設備の設置を不要とすることまでは要求されていない。
〇認定書
・(一財)建築環境・省エネルギー機構では、環境共生住宅の認定を行っており、環境共生住宅認定基準に適合する住宅については、認定書が交付される。
・認定基準の必須条件として、省エネ性能、耐久性、維持管理、節水、立地環境への配慮、バリアフリー及び室内空気質に関する基準が定められている。
 
●建物のコンバージョン
・既存建物の利用目的・用途を変更すること。
・都市部でオフィス床の供給が過剰になり、空きオフィスが増加していることから、オフィスビルを集合住宅などの居住用建物に改造する事例がある。

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