マンションの法定点検、建築物・外壁・建築設備の点検項目

〇過去問
・管理業務主任者 
・マンション管理士 
 
 
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工法の種類
1)特殊建築物等定期調査(建築基準法12条1項)
 
〇対象となる建物・設備
・特定行政庁が指定(例:階数5階以上、延べ面積1,000㎡以上)
・建築物の敷地、構造及び建築設備
 
〇点検の時期
・6か月~3年の間で特定行政庁が定める時期
 
〇報告先
・特定行政庁
 
〇資格者
・特殊建築物等調査資格者
・1級建築士or2級建築士
 
2)建築設備定期検査(建築基準法12条3項)
 
〇対象となる建物・設備
・特定行政庁が指定(例:階数5階以上、延べ面積1,000㎡以上)
・換気設備、排煙設備、非常用の照明装置、給水設備、排水設備
 
〇点検の時期
・6か月~1年の間で特定行政庁が定める時期
 
〇報告先
・特定行政庁
 
〇資格者
・建築設備検査資格者、1級建築士or2級建築士
 
3)昇降機定期検査(建築基準法12条3項)
 
〇対象となる建物・設備
・昇降機
 
〇点検の時期
・6か月~1年の間で特定行政庁が定める時期
 
〇報告先
・特定行政庁
 
〇資格者
・昇降機検査資格者、1級建築士or2級建築士
 
4)消防用設備等点検(消防法17条の3の3)
 
〇点検の時期
・機器点検:6か月に1回
・総合点検:1年に1回
・報告は、3年に1回
 
〇報告先
・消防庁又は消防署長
 
〇資格者
・消防設備士(甲種、乙種)
・消防設備点検資格者(1種、2種)
 
5)簡易専用水道管理状況検査(水道法3条7項、34条の2)
 
〇対象となる建物・設備
・水槽の有効容量が10m3を超える施設
 
〇点検の時期
・水質検査1年以内ごとに1回
・水槽の掃除1年以内ごとに1回
 
〇報告先
・都道府県知事(保健所が設置されている市区長)(衛生上問題がある場合)
 
〇資格者
・地方公共団体の機関
・厚生大臣の登録を受けた者
 
6)浄化槽の保守点検、清掃、定期検査(浄化槽法7条、10条、11条)
 
〇点検の時期
・保守点検:浄化槽の種類により1週間~6か月ごとに1回以上、
・清掃:全ばつ気方式は6か月ごとに1回以上、その他は1年に1回
・水質検査:1年に1回
 
〇資格者
・保守点検・清掃:浄化槽技術管理者(浄化槽管理士)
・水質検査:環境大臣or都道府県知事が指定する検査機関
 
7)自家用電気工作物定期点検(電気事業法39条、42条)
 
〇対象となる建物・設備
・高圧(600V超)で受電する設備
 
〇点検の時期
・月次点検 1か月に1回
・年次点検 1年に1回
 
〇資格者
・電気主任技術者(第1種~第3種)(電気保安協会等に委託)
建築物の定期調査報告の主な点検項目
平成20年国土交通省告示282号”建築物の定期調査報告における調査及び定期点検における点検の項目、方法及び結果の判定基準並びに調査結果表を定める件”
 
●地盤
〇地盤沈下等による不陸、傾斜等の状況
 
●敷地
〇敷地内の排水の状況
 
〇敷地内の通路
①敷地内の通路の確保の状況
②有効幅員の確保の状況
③敷地内の通路の支障物の状況
 
●塀
①組積造の塀又は補強コンクリートブロック造の塀等の耐震対策の状況
②組積造の塀又は補強コンクリートブロック造の塀等の劣化及び損傷の状況
 
●基礎
①基礎の沈下等の状況
②基礎の劣化及び損傷の状況
 
●外壁
〇躯体等
①外壁、軒裏及び外壁の開口部で延焼のおそれのある部分の防火対策の状況
②鉄筋コンクリート造及び鉄骨鉄筋コンクリート造の外壁躯体の劣化及び損傷の状況
・必要に応じて双眼鏡等を使用し目視により確認
 
〇窓サッシ等
①サッシ等の劣化及び損傷の状況
②はめ殺し窓のガラスの固定の状況
 
〇外壁に緊結された広告板、空調室外機等
①機器本体の劣化及び損傷の状況
②支持部分等の劣化及び損傷の状況
 
●屋上面
①屋上面の劣化及び損傷の状況
 
●屋上回り
①パラペットの立ち上り面の劣化及び損傷の状況
②笠木モルタル等の劣化及び損傷の状況
③金属笠木の劣化及び損傷の状況
④排水溝(ドレーンを含む)の劣化及び損傷の状況
 
●石綿等を添加した建築材料
〇吹付け石綿及び吹付けロックウールでその含有する石綿の重量が当該建築材料の重量の0.1%を超えるもの(「吹付け石綿等」)の使用の状況
〇吹付け石綿等の劣化の状況
〇除去又囲い込み若しくは封じ込めによる飛散防止措置の実施の状況
〇囲い込み又は封じ込めによる飛散防止措置の劣化及び損傷の状況
外壁の外装仕上げの定期調査報告
1)平成20年国土交通省告示第282号
 
〇点検の実施者
・定期点検については、一級建築士、二級建築士or国土交通大臣が定める資格者及び国等については維持保全2年以上の実務経験者が実施できる。
 
●タイル、石貼り等(乾式工法によるものを除く)、モルタル等の劣化及び損傷の状況
 
〇3年周期の点検
・目視+手の届く範囲の打診
・開口隅部、水平打継部、斜壁部等のうち手の届く範囲をテストハンマーによる打診等により確認し、その他の部分は必要に応じて双眼鏡等を使用し目視により確認。
・異常が認められた場合にあっては、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分を全面的にテストハンマーによる打診等(全面打診)により確認する。
(注)”初期欠陥”がないことを”竣工検査”で確認されたことが、書面・写真等で記録されていなければならない。
 
〇新築後及び外壁改修後10年を超えてから最初の調査
・落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分を全面打診調査
・竣工後、外壁改修後or落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分の全面的なテストハンマーによる打診等を実施した後10年を超え、かつ3年以内に落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分の全面的なテストハンマーによる打診等を実施していない場合にあっては、落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分を全面的にテストハンマーによる打診等により確認する。
※3年以内に外壁改修等が行われることが確実である場合や別途歩行者等の安全を確保するための対策が講じられている場合は”全面打診”を行わなくてもよい。(3年以内に外壁改修or全面打診等が行われることが確実であるとして全面打診等を実施しなかった場合にあっても、調査者の手の届く範囲の打診等は必要となる。)
(注)新築後の各点検時に異常がない場合は、12年目に”全面打診”、24年目に”全面打診”(例)
 
〇判定基準
・外壁タイル等に剥落等があることor著しい白華、ひび割れ、浮き等があること。
 
〇全面打診の対象
①部分打診・目視の点検により異常が認められたもの
②竣工後10年を超えているもの
③外壁改修後10年を超えるも
④落下により歩行者等に危害を加えるおそれのある部分の全面打診を実施したのち10年を超えるもの
 
〇”歩行者等に危害を加える恐れのある部分”とは?
・当該壁面の全面かつ当該壁面の高さの概ね1/2の水平面内に、公道、不特定or多数の人が通行する私道、構内通路、広場を有する壁面(ただし、壁面直下に鉄筋コンクリート造、鉄骨造等の強固な落下物防御施設(屋根・ひさし等)が設置され、又は植込み等により影響角(タイル等のはく落の危険のある外壁の各部分について、縦2、横1の割合のこう配で引き下ろした斜線と壁面とのなす角)が完全に遮られ、被災の危険がないと判断される部分を除く。)をいう。*国住指第2号 国土交通省住宅局建築指導課長通知より
例)高さ20mの建築物の場合
建築物の壁面から10mの範囲に道路、駐車場がある部分は、”歩行者等に危害を加える恐れのある部分”の壁となる。
 
〇”別途歩行者等の安全を確保するための対策を講じている場合”
・壁面直下における落下物防護ネットの設置、当該壁面の前面かつ当該壁面高さの概ね1/2の水平面内への立入を防ぐバリケードの設置等の対策が講じられている場合等をいう。
・上記対策は応急的なものであるため、なるべく早期に全面打診等の実施により安全を確認し、必要に応じて外壁改修or壁面直下における鉄筋コンクリート造、鉄骨造等の強固な落下物防御施設(屋根、ひさし等)の設置等の措置を講じることが望ましい。
 
●乾式工法によるタイル、石貼り等の劣化及び損傷の状況
 
〇調査方法
・必要に応じて双眼鏡等を使用し目視により確認する。
〇判定基準
・ひび割れ、欠損等があること。
 
2)国住防第1号(平成30年5月23日)建築物の定期調査報告における外壁の外装仕上げ材等の調査方法について(技術的助言)
http://www.tile-net.com/documents/20180523.pdf
 
●調査方法
 
①有機系接着剤張り
・適用下地で施工記録があるもの。
・有機系接着剤張りで全面改修を行った場合も含む。
・有機系接着剤:変成シリコーン樹脂orウレタン樹脂を主成分とするものであって、JIS A5557-2010に適合する一液反応硬化型の有機系接着剤と同等以上の品質。
○3年後
・目視+手の届く範囲の打診
○10年超
・引張検査(各階1箇所)もしくは
 全面打診調査(赤外線調査の併用可)
 
②接着剤張り(上記以外)
○3年後
・目視+手の届く範囲の打診
○10年超
・全面打診調査(赤外線調査の併用可)
 
③モルタル張り、PC先付け工法
○3年後
・目視+手の届く範囲の打診
○10年超
・全面打診調査(赤外線調査の併用可)
 
④乾式工法(金具留め)
○3年後
・目視
○10年超
・目視
 
●調査方法の補足
 
〇接着剤張りの施工記録の必要性
・外壁タイル張り工事の下地調整塗材の塗付状況や施工状況など、有機系接着剤の経年劣化以外の原因で剥離等が生じる可能性があるため、外壁タイル張り工事の状況を施工記録により確認することが前提になるため。
 
〇外壁タイルの引張接着試験
・引張接着試験の専門知識を有する者が、各階1箇所実施し、その結果が判定基準への適合しているか確認する。
・1回目の引張接着試験において判定基準に適合しない場合は、当該調査を行った部分の周囲おおむね0.25m2以内の部分の3箇所で改めて引張接着試験を行い、その結果、全ての位置で判定基準に適合していることで良いこととできる。
建築設備定期検査の主な点検項目
平成20年国土交通省告示285号”建築設備(昇降機を除く。)の定期検査報告における検査及び定期点検における点検の項目、事項、方法及び結果の判定基準並びに検査結果表を定める件”
 
1)非常用の照明器具
 
●使用電球、ランプ等
イ)白熱灯
ロ)蛍光灯
ハ)LEDランプ
 
●照度
①照度の状況
 
●予備電源
①予備電源への切替え及び器具の点灯の状況
②予備電源の性能
 
2)飲料用配管及び排水配管
 
●配管の取付けの状況
●配管の腐食及び漏水の状況
●配管が貫通する箇所の損傷防止措置の状況
●継手類の取付けの状況
●配管の支持金物
●飲料水系統配管の汚染防止措置の状況
●止水弁の設置の状況
●ウォーターハンマーの防止措置
●給湯管及び膨張管の設置の状況
 
3)給水タンク並びに給水ポンプ
 
●給水タンク等の設置の状況
●給水タンク等の通気管、水抜き管、オーバーフロー管等の設置の状況
●給水タンク等の腐食及び漏水の状況
●給水用圧力タンクの安全装置の状況
●給水ポンプの運転の状況
●給水タンク及びポンプ等の取付けの状況
●給水タンク等の内部の状況
 
4)排水槽、排水設備
 
●排水層
〇排水槽のマンホールの大きさ
〇排水槽の通気の状況
〇排水ポンプの運転の状況
 
●衛生器具、排水設備
〇衛生器具の取付けの状況
〇排水トラップの取付けの状況
〇阻集器の構造、機能及び設置の状況
 
5)排水管、通気管
 
●排水管
〇公共下水道等への接続の状況
〇雨水排水立て管の接続の状況
〇掃除口の取付けの状況
〇雨水系統との接続の状況
〇間接排水の状況
 
●通気管
〇通気開口部の状況
〇通気管の状況

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