マンション管理組合の役員が区分所有者から訴訟を起こされる事例が年々増える傾向にあると聞きました。
所有しているマンションのいくつかで管理組合の理事となっているため人事ではありません。
●訴訟が起こされる事例はどのようなもの?
①管理費や修繕積立金を支出した際、適正な金額を超えていたとして、超過した分に対して損害賠償請求。
②管理費滞納において、時効によって回収不能が生じた際に徴収する努力が不足していたとして損害賠償請求。
③個人情報を誤って開示してしまい、プライバシー侵害として訴訟提起。
④組合業務において名誉毀損等の個人的な言いがかりを受けた。
①については、大規模修繕工事においては十分に起こりうると思います。
理事のメンバーが素人で理事以外に工事に詳しい区分所有者がいたら、訴訟はともかくとしていろいろ指摘は受けることもあるかもしれないですね。
②も管理費滞納についてはどの管理組合も頭を悩ませているかと思いますが、時効のタイミングを意識して、内容証明、支払督促、小額訴訟と実施する必要がありそうですね。
③については、滞納者の部屋番号や名前を総会資料に載せていた事がありましたが避けた方が良さそうですね。
区分所有者の個人情報以外に入居者の個人情報も緊急時の連絡先として提出してもらっている管理組合もありますが、取り扱いには注意が必要ですね。
●マンション管理組合役員向けの保険
上記①、②の管理費滞納や大規模修繕工事の出費については十分に注意して取り組めば防ぐ事が出来るかもしれませんが、③、④については注意していても起きてしまう可能性はあるような気がします。
そのようなリスクを軽減するための手段として、あいおいニッセイ同和損保の保険でマンション管理組合役員向けの賠償責任保険というものがあるようです。
これはマンション管理組合の役員が管理組合業務において損害賠償請求を起こされた場合、訴訟費用、示談交渉費用、損害賠償金、情報漏えい時のお見舞金などの対応費用が保険金として支払われるという保険のようです。
補償の対象は管理組合の役員ですが、保険の契約者はマンション管理組合となるので、役員が個人的に負担するわけではないようです。
いくつかの管理組合の役員をしている立場としては、気になる保険です。