(1)不当利得
〇民法:703~708条
〇過去問
・管理業務主任者 H18問6、H25問3
(1)不当利得
●不当利得の返還義務(703条)
・法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者(”受益者”という)は、その”利益の存する限度”(現存利益)において、これを返還する義務を負う。
〇現存利益
・取得した原物が残っていればその現物を返還するが、現物を売却していればそれに代わる価格を返還することになる。悪意の受益者の場合(第704条)のように、利息や損害賠償は不要。
例)
・区分所有者が、ある期の管理費について、誤認して過大に支払った場合
→過払い分が錯誤を理由とすると、当事者間で過払い分については次期分に充当するなどの合意でもないかぎり、返還請求ができる。
〇悪意の受益者の返還義務等(704条)
・悪意の場合は、それに利息、損害があれば損害賠償の責任を負うことになる。
●期限前の弁済(706条)
・債務者は、弁済期にない債務の弁済として給付をしたときは、その給付したものの返還を請求することができない。ただし、債務者が錯誤によってその給付をしたときは、債権者は、これによって得た利益を返還しなければならない。
●他人の債務の弁済(707条)
①自分の債務と誤認して他人の債務を弁済した場合、当該弁済は無効であり、不当利得返還請求ができる。しかし、債権者が善意で証書を滅失又は損傷し、担保を放棄し、または時効によって債権を失ったときは、不当利得返還請求はできない。
②債権者に対して不当利得返還請求ができない場合、錯誤により弁済した者は、真の債務者に対して求償することができる。