〇過去問
・管理業務主任者 H14問5、H16問1、H21問5、H22問3,4,6、H23問1、H24問1、H25問1、H26問2、H27問1、H28問2、H29問4
・マンション管理士 H15問13、H17問13、H23問16、H27問13
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代理の概要
1)代理とは(99条)
・代理人が本人のために行うということを示して、相手方に意思表示をしたり、相手方から意思表示を受けることによって、契約等により生じた権利や義務の効果を直接本人に帰属させる制度。
〇管理組合との関連
・理事長が所有者の代理人として、総会で決定した工事の契約を結んだ場合、工事代金の支払義務は区分所有者となる。
〇代理の要件
①代理人が有効に契約等をしたこと
②代理人が顕名をしたこと(代理人が代理行為をなす際に自己が代理人である旨を示す)
③代理人に代理権があること
2)代理権
●代理権の発生
・代理権は、代理権の授与(任意代理)又は法令(法定代理)によって発生する。
○法定代理
・代理人の設置が法律によって定められている場合。
・未成年者等のような弱者を保護するため。
・成年被後見人の成年後見人など。
○任意代理
・本人からの信任(依頼)によって代理人となる場合。
・代理権の授与によって代理権が発生する。
・任意代理においては、代理権の授与の方法は特に制限がなく、口頭でも良い。
・委任契約に基づく場合が多いが、請負・雇用などによっても代理権が与えられる場合がある。
・マンション売却などのような専門的なことの代理など。
○資格
・法定代理人
婚姻していない未成年者などはNG。
・任意代理人
制限行為能力者などでもOKで、制限がない。(102条)
●代理人の範囲(103条)
・法定代理人の代理権の範囲は、適用される法律により定められる。
・任意代理人の代理権の範囲は、授権行為により定められる。
○権限の定めのない代理人の権限
①保存行為(現状維持行為)
・財産の現状を維持する行為。建物の修繕の契約等
②利用行為(収益行為)
・収益を図る行為。現金の預金、短期賃貸借など。
③改良行為(価値増加行為)
・財産の価値を増加させる行為。建物に水道設備を設ける等。
3)自己契約と双方代理の禁止(108条)
・同一の法律行為については、相手方の代理人となり、又は当事者双方の代理人となることはできない。
〇例外
・債務の履行
・本人の不利益となるおそれのない行為
・本人があらかじめ許諾した行為
例)登記申請など
※理事長が双方代理となる場合は、総会での承認が事前に必要。
〇保証人となる場合
・管理会社Aと工事会社Bとの間で請負契約を締結した際に、Cが、AのBに対する同契約に基づく請負代金債務について保証人となること。
→C(管理組合Aの管理者、かつ、工事会社Bの代表取締役)が請負代金債務について保証人となるのは、管理者としての立場ではなく、C個人の立場として保証しているものと考えられるので、双方代理の問題ではなく、Aの事前の許諾を得ることなく行うことができる。
4)代理権の消滅事由(111条)
①法定代理人の場合の代理権消滅事由
・本人:死亡
・代理人:死亡、破産、後見開始審判
・辞任・解任の自由はない。
②任意代理人の場合の代理権消滅事由
・本人:死亡、破産、
・代理人:死亡、破産、後見開始審判
・本人からの解任、代理人の辞任は自由。
〇死亡
・本人、代理人の死亡
→相続によって継承されない。
・登記申請の代理権は、本人の死亡によって消滅しない。
〇破産
・代理人が破産手続開始の決定を受けたこと。
→代理人というのは、本人に代わって財産の管理をするから。
・任意代理の場合は、委任の終了によって消滅する。
→本人の破産によっても終了。本人が代理人を選任する場合、報酬を支払うことが多いため。
・代理人が本人のために行うということを示して、相手方に意思表示をしたり、相手方から意思表示を受けることによって、契約等により生じた権利や義務の効果を直接本人に帰属させる制度。
〇管理組合との関連
・理事長が所有者の代理人として、総会で決定した工事の契約を結んだ場合、工事代金の支払義務は区分所有者となる。
〇代理の要件
①代理人が有効に契約等をしたこと
②代理人が顕名をしたこと(代理人が代理行為をなす際に自己が代理人である旨を示す)
③代理人に代理権があること
2)代理権
●代理権の発生
・代理権は、代理権の授与(任意代理)又は法令(法定代理)によって発生する。
○法定代理
・代理人の設置が法律によって定められている場合。
・未成年者等のような弱者を保護するため。
・成年被後見人の成年後見人など。
○任意代理
・本人からの信任(依頼)によって代理人となる場合。
・代理権の授与によって代理権が発生する。
・任意代理においては、代理権の授与の方法は特に制限がなく、口頭でも良い。
・委任契約に基づく場合が多いが、請負・雇用などによっても代理権が与えられる場合がある。
・マンション売却などのような専門的なことの代理など。
○資格
・法定代理人
婚姻していない未成年者などはNG。
・任意代理人
制限行為能力者などでもOKで、制限がない。(102条)
●代理人の範囲(103条)
・法定代理人の代理権の範囲は、適用される法律により定められる。
・任意代理人の代理権の範囲は、授権行為により定められる。
○権限の定めのない代理人の権限
①保存行為(現状維持行為)
・財産の現状を維持する行為。建物の修繕の契約等
②利用行為(収益行為)
・収益を図る行為。現金の預金、短期賃貸借など。
③改良行為(価値増加行為)
・財産の価値を増加させる行為。建物に水道設備を設ける等。
3)自己契約と双方代理の禁止(108条)
・同一の法律行為については、相手方の代理人となり、又は当事者双方の代理人となることはできない。
〇例外
・債務の履行
・本人の不利益となるおそれのない行為
・本人があらかじめ許諾した行為
例)登記申請など
※理事長が双方代理となる場合は、総会での承認が事前に必要。
〇保証人となる場合
・管理会社Aと工事会社Bとの間で請負契約を締結した際に、Cが、AのBに対する同契約に基づく請負代金債務について保証人となること。
→C(管理組合Aの管理者、かつ、工事会社Bの代表取締役)が請負代金債務について保証人となるのは、管理者としての立場ではなく、C個人の立場として保証しているものと考えられるので、双方代理の問題ではなく、Aの事前の許諾を得ることなく行うことができる。
4)代理権の消滅事由(111条)
①法定代理人の場合の代理権消滅事由
・本人:死亡
・代理人:死亡、破産、後見開始審判
・辞任・解任の自由はない。
②任意代理人の場合の代理権消滅事由
・本人:死亡、破産、
・代理人:死亡、破産、後見開始審判
・本人からの解任、代理人の辞任は自由。
〇死亡
・本人、代理人の死亡
→相続によって継承されない。
・登記申請の代理権は、本人の死亡によって消滅しない。
〇破産
・代理人が破産手続開始の決定を受けたこと。
→代理人というのは、本人に代わって財産の管理をするから。
・任意代理の場合は、委任の終了によって消滅する。
→本人の破産によっても終了。本人が代理人を選任する場合、報酬を支払うことが多いため。
代理行為
1)顕名を欠いた場合の効果(100条)
〇原則
・代理人Bが本人Aのためにすることを示さないでした意思表示は、代理人B自信のためにしたものとみなす。
・代理の効果は本人Aに帰属しない。
〇例外(相手方が悪意or有過失)
・相手方Cが、代理人Bが本人Aのためにすることを知り、又は知ることができたときは、本人Aに対して直接にその効力を生ずる。
・代理の効果は本人Aに帰属する。
例)管理者は管理組合の代理人であるが、管理者が管理組合のためにすることを示さないでした意思表示は、自己のためにしたものとみなす。ただし、相手方が、管理者が管理組合のためにすることを知り、又は知ることができたときは、管理組合に対して直接にその効力を生ずる。
2)代理行為の瑕疵(101条)
〇原則
・錯誤・詐欺・強迫があったかどうか、善意か悪意か、有過失か無過失かなどの事実の有無は、代理人を基準に判断する。
〇例外
・特定の法律行為をすることを委託された場合において、代理人が本人の指図に従ってその行為をしたときは、本人は、自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張することができない。本人が過失によって知らなかった事情についても、同様とする。
3)復代理(104条~)
●復任権
・代理人が復代理人を選任する権利を復任権という。
・任意代理の場合、代人は本人の信任を受けているので、原則として、復任権はない。
・復代理人の選任は、代理権の譲渡ではないので、代理人が復代理人を選任したとしても、代理人は代理権を失わず、代理人と復代理人の両方が本人の代理人となる。
○任意代理人による復代理人の選任(104条)
・本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。
○法定代理人による復代理人の選任(105条)
・法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。
※法律の規定にに基づく選任であり、かつ、権限は広範なので、復代理人によって代理人としての事務を行った方が、本人の利益となる場合があるため。
〇復代理人の行為に対する代理人の責任
イ)任意代理
・本人に対する代理人の債務不履行の問題として処理する。
・復代理人が行った行為については、その選任及び監督について、本人に対してその責任を負えばよい。
ロ)法定代理人
・復代理人の行為について全責任を負う。
・やむを得ない事由により復代理人を選任した場合は、選任および監督についてのみ責任を負う。
●復代理人の権限等
・復代理人は、”代理人の代理人”ではなく、”本人の代理人”。
・復代理人の権限は、代理人の権限の範囲を超えることはできない。
〇原則
・代理人Bが本人Aのためにすることを示さないでした意思表示は、代理人B自信のためにしたものとみなす。
・代理の効果は本人Aに帰属しない。
〇例外(相手方が悪意or有過失)
・相手方Cが、代理人Bが本人Aのためにすることを知り、又は知ることができたときは、本人Aに対して直接にその効力を生ずる。
・代理の効果は本人Aに帰属する。
例)管理者は管理組合の代理人であるが、管理者が管理組合のためにすることを示さないでした意思表示は、自己のためにしたものとみなす。ただし、相手方が、管理者が管理組合のためにすることを知り、又は知ることができたときは、管理組合に対して直接にその効力を生ずる。
2)代理行為の瑕疵(101条)
〇原則
・錯誤・詐欺・強迫があったかどうか、善意か悪意か、有過失か無過失かなどの事実の有無は、代理人を基準に判断する。
〇例外
・特定の法律行為をすることを委託された場合において、代理人が本人の指図に従ってその行為をしたときは、本人は、自ら知っていた事情について代理人が知らなかったことを主張することができない。本人が過失によって知らなかった事情についても、同様とする。
3)復代理(104条~)
●復任権
・代理人が復代理人を選任する権利を復任権という。
・任意代理の場合、代人は本人の信任を受けているので、原則として、復任権はない。
・復代理人の選任は、代理権の譲渡ではないので、代理人が復代理人を選任したとしても、代理人は代理権を失わず、代理人と復代理人の両方が本人の代理人となる。
○任意代理人による復代理人の選任(104条)
・本人の許諾を得たとき、又はやむを得ない事由があるときでなければ、復代理人を選任することができない。
○法定代理人による復代理人の選任(105条)
・法定代理人は、自己の責任で復代理人を選任することができる。
※法律の規定にに基づく選任であり、かつ、権限は広範なので、復代理人によって代理人としての事務を行った方が、本人の利益となる場合があるため。
〇復代理人の行為に対する代理人の責任
イ)任意代理
・本人に対する代理人の債務不履行の問題として処理する。
・復代理人が行った行為については、その選任及び監督について、本人に対してその責任を負えばよい。
ロ)法定代理人
・復代理人の行為について全責任を負う。
・やむを得ない事由により復代理人を選任した場合は、選任および監督についてのみ責任を負う。
●復代理人の権限等
・復代理人は、”代理人の代理人”ではなく、”本人の代理人”。
・復代理人の権限は、代理人の権限の範囲を超えることはできない。
無権代理
1)無権代理(113条)
・本人から代理権を与えられていないのに、代理人として相手方と代理行為をすること。
・この場合、契約をしても、本人に効力は及ばない。
・本人には追認権・追認拒絶権、相手方には催告権・取消権がある。
2)無権代理時の相手方の保護
●催告権(114条)(悪意でも可)
・本人に対し、”追認するか否か確答せよ!”と催告することができる。期間内に確答あればそれに従い、確答がなければ追認を拒絶したものとみなされる。
・この場合、相手方の善意・悪意を問題としておらず、悪意の相手方も催告権を有する。
●取消権(115条)(善意の場合)
・相手方は、善意であれば、本人が追認するまでの間、本人または無権代理人に対し、取り消しを主張できる。
●責任追求(117条)(善意無過失の場合)
・相手方は、善意無過失である場合、無権代理人に対して、損害賠償の請求または履行の請求を選択してすることができる。
・無権代理人は、本人の追認を得ることができなかったときは、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。
※無権代理人が未成年者の場合など、無権代理人が行為能力の制限を受けていた場合は責任を負わない。
・代理権があること、または本人の追認を得たことは、無権代理人の側で証明する必要がある。
●表見代理の成立(善意無過失の場合)
・相手方は表見代理を主張できる場合がある。
3)無権代理行為と相続
●無権代理人が死亡して、本人が単独相続
・本人は追認拒絶権を有しているので、相続によってこの権利を失うことはなく、あくまで本人の立場で追認を拒絶することができる。
・しかし、一方で本人は無権代理人の地位も相続しているので、本人は相手方からの責任追及は拒絶することはできない。(善意無過失の相手方から履行の請求を受けると、結果的に追認拒絶できないことと同じになる)
●本人が死亡して、無権代理人が本人を単独相続
・無権代理人は追認拒絶をすることはできず、無権代理は当然有効となる。
〇無権代理人は他の相続人と共同相続した場合
・共同相続人全員が共同して追認しない限り、無権代理行為は(当然には)有効とならない。
・本人から代理権を与えられていないのに、代理人として相手方と代理行為をすること。
・この場合、契約をしても、本人に効力は及ばない。
・本人には追認権・追認拒絶権、相手方には催告権・取消権がある。
2)無権代理時の相手方の保護
●催告権(114条)(悪意でも可)
・本人に対し、”追認するか否か確答せよ!”と催告することができる。期間内に確答あればそれに従い、確答がなければ追認を拒絶したものとみなされる。
・この場合、相手方の善意・悪意を問題としておらず、悪意の相手方も催告権を有する。
●取消権(115条)(善意の場合)
・相手方は、善意であれば、本人が追認するまでの間、本人または無権代理人に対し、取り消しを主張できる。
●責任追求(117条)(善意無過失の場合)
・相手方は、善意無過失である場合、無権代理人に対して、損害賠償の請求または履行の請求を選択してすることができる。
・無権代理人は、本人の追認を得ることができなかったときは、相手方の選択に従い、相手方に対して履行又は損害賠償の責任を負う。
※無権代理人が未成年者の場合など、無権代理人が行為能力の制限を受けていた場合は責任を負わない。
・代理権があること、または本人の追認を得たことは、無権代理人の側で証明する必要がある。
●表見代理の成立(善意無過失の場合)
・相手方は表見代理を主張できる場合がある。
3)無権代理行為と相続
●無権代理人が死亡して、本人が単独相続
・本人は追認拒絶権を有しているので、相続によってこの権利を失うことはなく、あくまで本人の立場で追認を拒絶することができる。
・しかし、一方で本人は無権代理人の地位も相続しているので、本人は相手方からの責任追及は拒絶することはできない。(善意無過失の相手方から履行の請求を受けると、結果的に追認拒絶できないことと同じになる)
●本人が死亡して、無権代理人が本人を単独相続
・無権代理人は追認拒絶をすることはできず、無権代理は当然有効となる。
〇無権代理人は他の相続人と共同相続した場合
・共同相続人全員が共同して追認しない限り、無権代理行為は(当然には)有効とならない。
表見代理
1)表見代理(109条)
・代理権を与えていない場合であっても、本人が代理権を与えたかのように思わせる事情がある場合。
・通常の代理と同様、本人に効力が及ぶ。
・無権代理人と本人との間に外観上、代理権の存在があると信じさせるような特別の関係がある場合、無権代理人を真実の代理人と誤信した相手方が善意・無過失なら保護し、本人の責任を認める。
・表見代理は、善意の相手方を保護する制度であるから、表見代理が成立すると認められる場合であつても、この主張をすると否とは自由であり、無権代理人に対する責任を追及することができる(判例)。
2)本人側の帰責事由
①代理権授与の表示
・委任状を発行したが、実際には代理権を与えていない場合など。
②権限外の行為の表見代理
・代理人が与えられた代理権の範囲を逸脱して、これを超える代理行為をした場合。 ③代理権消滅後の表見代理(112条)
・かつて存在した代理権が消滅したにも関わらず、代理行為した場合
3)日常家事債務と表見代理
・夫婦の一方が行った日常家事により生じた債務については、原則として連帯責任を負う。
→日常家事については、一方が他方の代理権を有することになる。
・巨額の借金や不動産の売却は通常含まれない。
・代理権を与えていない場合であっても、本人が代理権を与えたかのように思わせる事情がある場合。
・通常の代理と同様、本人に効力が及ぶ。
・無権代理人と本人との間に外観上、代理権の存在があると信じさせるような特別の関係がある場合、無権代理人を真実の代理人と誤信した相手方が善意・無過失なら保護し、本人の責任を認める。
・表見代理は、善意の相手方を保護する制度であるから、表見代理が成立すると認められる場合であつても、この主張をすると否とは自由であり、無権代理人に対する責任を追及することができる(判例)。
2)本人側の帰責事由
①代理権授与の表示
・委任状を発行したが、実際には代理権を与えていない場合など。
②権限外の行為の表見代理
・代理人が与えられた代理権の範囲を逸脱して、これを超える代理行為をした場合。 ③代理権消滅後の表見代理(112条)
・かつて存在した代理権が消滅したにも関わらず、代理行為した場合
3)日常家事債務と表見代理
・夫婦の一方が行った日常家事により生じた債務については、原則として連帯責任を負う。
→日常家事については、一方が他方の代理権を有することになる。
・巨額の借金や不動産の売却は通常含まれない。