〇過去問
・管理業務主任者 H20問5,43、H21問45、H26問43、H28問40
・マンション管理士 H20問3
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借地権とは?、地上権と賃借権
1)借地権とは(2条)
・”建物所有を目的”とする地上権または土地の賃借権。
※すべての借地で借地借家法が適用されるとは限らない。
〇借者借家法の対象外の例
・建物所有が目的なので、露天駐車場、資材置き場などは適用されない。
・使用借権は適用されない。
2)地上権と賃借権の違い
〇地上権
・物権
・登記の義務がある。
・地代の定めがない。無償の地上権も有効。
・自由譲渡が可能で地主の承諾は不要。
・抵当権が設定できる。
〇賃借権
・債権(人に対する権利)
・登記請求権がなく、通常は登記されない。
・賃料は、必ず有償であることが必要。
・譲渡に地主の承諾が必要。
・抵当権は、土地賃借権には設定できない。(建物には設定できる)
・その土地の使用目的が終わったときは、地主に土地を返すことが前提となっているため、建て替えやリフォーム、増改築など、建物の耐用年数を延ばすような行為も地主の承諾が必要。
・転貸も承諾が必要。
※実際に流通している借地権の多くは賃借権。
・”建物所有を目的”とする地上権または土地の賃借権。
※すべての借地で借地借家法が適用されるとは限らない。
〇借者借家法の対象外の例
・建物所有が目的なので、露天駐車場、資材置き場などは適用されない。
・使用借権は適用されない。
2)地上権と賃借権の違い
〇地上権
・物権
・登記の義務がある。
・地代の定めがない。無償の地上権も有効。
・自由譲渡が可能で地主の承諾は不要。
・抵当権が設定できる。
〇賃借権
・債権(人に対する権利)
・登記請求権がなく、通常は登記されない。
・賃料は、必ず有償であることが必要。
・譲渡に地主の承諾が必要。
・抵当権は、土地賃借権には設定できない。(建物には設定できる)
・その土地の使用目的が終わったときは、地主に土地を返すことが前提となっているため、建て替えやリフォーム、増改築など、建物の耐用年数を延ばすような行為も地主の承諾が必要。
・転貸も承諾が必要。
※実際に流通している借地権の多くは賃借権。
借地権の期間、更新、終了
1)借地権の存続期間と更新期間(3条、4条)
●借地権の存続期間(3条)
・最短30年。
※30年未満の定めは、借地権者に不利なものとして無効となり、”期間の定めなし”という扱いになって、法定期間(30年)となる。
①法定期間以上で定めた場合:定めたとおりの期間
②法定期間未満で定めた場合:30年(法定期間)
③期間を定めない場合:30年(法定期間)
●借地権の更新後の期間(4条)
①法定期間以上で定めた場合
・定めたとおりの期間
②法定期間未満で定めた場合
・1回目の更新は20年、2回目の更新は10年。
③期間を定めない場合:30年(法定期間)
・1回目の更新は20年、2回目の更新は10年。
2)合意によらない更新(5条)
・借地権者を保護するため、当事者に更新の合意がない場合でも、建物がある場合に限り、以下の二つのときには、従前の契約と同一の条件での更新が認められている。
①借地権者の更新請求による法定更新
②借地の使用継続による法定更新
※建物が存在しない場合には、合意がなければ更新しない。
●借地契約の更新拒絶の要件(6条)
・”借地権者の更新請求による法定更新”、”使用継続による法定更新”、いずれの法定更新の制度においても、地主は異議を申し立てることができる。
ただし、その異議申し立てには、”正当事由”が必要。
〇正当事由
・自己使用の必要性を主たる要素(必要的要素)とし、他の要素を従たる要素(補完的要素)として”総合的に判断”する。
①主たる要素
・借地権設定者及び借地権者(転借地権者を含む)が土地の使用を必要とする事情
※貸主と借主で、どちらが土地の使用を必要としているか
②従たる要素
・借地に関する従前の経過
・土地の利用状況
・立退料の給付の申出
3)中途解約
●借地権者からの中途解約
〇解約権留保の特約なし
・借地契約には、必ず存続期間が定められるため(定めなしの場合は法定期間となる)、契約の内容に借地権者からの解約権留保の特約がない場合には、契約期間の途中において解約することはできない。
〇解約権留保の特約あり
・解約申入れから1年経過後に、借地契約は終了する。(民法617、618条)
●借地権設定者からの中途解約
・借地権者に不利な特約として無効。
4)建物買取請求権(13条)
・借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者(借主)は、借地権設定者(貸主)に対し、建物を時価で買い取るべきことを請求することができる。
→この建物買取請求権を行使すると、借地人から地主へ売買契約が成立したのと同じで、建物の所有権が地主に移転する。
・借地権者は、買取代金支払の提供を受けるまでは、建物の明渡を拒否できる(同時履行の抗弁)。
〇対象外の場合
・借地権者の債務不履行により借地契約が解除された場合には、建物買取請求権は認められない。
〇買取価格
・基本的には建物価格であり、場所的利益を加味して評価する(借地権としての価格はない)。
●借地権の存続期間(3条)
・最短30年。
※30年未満の定めは、借地権者に不利なものとして無効となり、”期間の定めなし”という扱いになって、法定期間(30年)となる。
①法定期間以上で定めた場合:定めたとおりの期間
②法定期間未満で定めた場合:30年(法定期間)
③期間を定めない場合:30年(法定期間)
●借地権の更新後の期間(4条)
①法定期間以上で定めた場合
・定めたとおりの期間
②法定期間未満で定めた場合
・1回目の更新は20年、2回目の更新は10年。
③期間を定めない場合:30年(法定期間)
・1回目の更新は20年、2回目の更新は10年。
2)合意によらない更新(5条)
・借地権者を保護するため、当事者に更新の合意がない場合でも、建物がある場合に限り、以下の二つのときには、従前の契約と同一の条件での更新が認められている。
①借地権者の更新請求による法定更新
②借地の使用継続による法定更新
※建物が存在しない場合には、合意がなければ更新しない。
●借地契約の更新拒絶の要件(6条)
・”借地権者の更新請求による法定更新”、”使用継続による法定更新”、いずれの法定更新の制度においても、地主は異議を申し立てることができる。
ただし、その異議申し立てには、”正当事由”が必要。
〇正当事由
・自己使用の必要性を主たる要素(必要的要素)とし、他の要素を従たる要素(補完的要素)として”総合的に判断”する。
①主たる要素
・借地権設定者及び借地権者(転借地権者を含む)が土地の使用を必要とする事情
※貸主と借主で、どちらが土地の使用を必要としているか
②従たる要素
・借地に関する従前の経過
・土地の利用状況
・立退料の給付の申出
3)中途解約
●借地権者からの中途解約
〇解約権留保の特約なし
・借地契約には、必ず存続期間が定められるため(定めなしの場合は法定期間となる)、契約の内容に借地権者からの解約権留保の特約がない場合には、契約期間の途中において解約することはできない。
〇解約権留保の特約あり
・解約申入れから1年経過後に、借地契約は終了する。(民法617、618条)
●借地権設定者からの中途解約
・借地権者に不利な特約として無効。
4)建物買取請求権(13条)
・借地権の存続期間が満了した場合において、契約の更新がないときは、借地権者(借主)は、借地権設定者(貸主)に対し、建物を時価で買い取るべきことを請求することができる。
→この建物買取請求権を行使すると、借地人から地主へ売買契約が成立したのと同じで、建物の所有権が地主に移転する。
・借地権者は、買取代金支払の提供を受けるまでは、建物の明渡を拒否できる(同時履行の抗弁)。
〇対象外の場合
・借地権者の債務不履行により借地契約が解除された場合には、建物買取請求権は認められない。
〇買取価格
・基本的には建物価格であり、場所的利益を加味して評価する(借地権としての価格はない)。
契約内容の変更、各種権利、借地権の対抗力等
1)借地権の対抗力等(10条)
・借地権は、その登記がなくても、土地上に自己名義で登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に自己の借地権を対抗することができる。(借地人は借地の上に建物を建てるが、この建物は借地人自身の建物)
→自分の建物に自分で登記をするには、地主の承諾なしに登記でき、借地権の対抗力を備えることができる。
●建物が滅失した場合
①原則
・登記した建物が滅失した場合、登記自体が無効となり、対抗力が失われる。
②一定の掲示による対抗力(明認方法)
・借地権者が、その建物を特定するために必要な事項、その滅失があった日及び建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときは、借地権は、滅失の日から2年間に限り、対抗力が持続する。
・建物の滅失があった日から2年以内に建物を新たに築造し、かつ、その建物につき登記しないと、いったん認められた対抗力もなかったものとされる。
2)借地権設定者の先取特権(12条)
・借地権設定者は、弁済期の到来した最後の2年分の地代等について、借地権者がその土地において所有する建物の上に先取特権を有する。
・ただし、地上権又は土地の賃貸借の登記が必要。
※民法312条~316条の”不動産賃貸の先取特権”でも不動産の賃料については先取特権が認められているが、民法の規定は、先取特権の目的物として賃借人の”動産”のみが対象。
3)地代等増減請求権(11条)
〇地代等増減請求とは
・地代等が、土地に対する租税その他の公課の増減により、土地の価格の上昇・低下その他の経済事情の変動により、又は近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって地代等の額の増減を請求することができる。
〇調停前置主義
・地代等の増減額をめぐる紛争については、訴訟を提起する前に、原則として調停の申立てをしなければならない(民事調停法)。
〇増額しない旨の特約
・一定の期間増額しない旨の特約は有効。
→その期間、増額請求は不可。
〇減額しない旨の特約
・無効。
→減額請求は可能。
〇その他の特約
・固定資産税の増額に応じて毎年の地代等を増額する旨の特約(自動改訂特約、スライド条項)の効力は否定されない(判例)。
・賃料等自働改訂の特約があっても、要件を満たせば、減額請求は可能。
〇当事者の協議が調わないとき
・請求を受けた者が、自ら相当と認める額を支払う(増額請求を受けた賃借人)、または請求できる(減額請求を受けた賃貸人)。
・裁判確定後、過不足額があるときは、その額に年1割の利息を付けて精算する。
4)借地条件の変更の許可の裁判(17条)
・建物の種類、構造、規模又は用途を制限する旨の借地条件がある場合において、法令による土地利用の規制の変更、付近の土地の利用状況の変化その他の事情の変更によって、当時の借地条件と異なる内容とすることが相当であるにもかかわらず、借地条件の変更につき当事者間に協議が調わないときは、裁判所は、当事者の申立てにより、その借地条件を変更することができる。
5)増改築許可の裁判(17条)
・増改築を制限する旨の借地条件がある場合において、土地の通常の利用上相当とすべき増改築につき当事者間に協議が調わないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、その増改築についての借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。
6)借地権者に不利な特約の効力
借地権者に不利な次の特約は無効。
・存続期間
・借地契約の更新
・正当事由
・建物再築による借地権の期間の延長
・借地契約更新後の建物の滅失による解約
・借地権の対抗力
・建物買取請求権
・借地条件の変更
・借地権は、その登記がなくても、土地上に自己名義で登記されている建物を所有するときは、これをもって第三者に自己の借地権を対抗することができる。(借地人は借地の上に建物を建てるが、この建物は借地人自身の建物)
→自分の建物に自分で登記をするには、地主の承諾なしに登記でき、借地権の対抗力を備えることができる。
●建物が滅失した場合
①原則
・登記した建物が滅失した場合、登記自体が無効となり、対抗力が失われる。
②一定の掲示による対抗力(明認方法)
・借地権者が、その建物を特定するために必要な事項、その滅失があった日及び建物を新たに築造する旨を土地の上の見やすい場所に掲示するときは、借地権は、滅失の日から2年間に限り、対抗力が持続する。
・建物の滅失があった日から2年以内に建物を新たに築造し、かつ、その建物につき登記しないと、いったん認められた対抗力もなかったものとされる。
2)借地権設定者の先取特権(12条)
・借地権設定者は、弁済期の到来した最後の2年分の地代等について、借地権者がその土地において所有する建物の上に先取特権を有する。
・ただし、地上権又は土地の賃貸借の登記が必要。
※民法312条~316条の”不動産賃貸の先取特権”でも不動産の賃料については先取特権が認められているが、民法の規定は、先取特権の目的物として賃借人の”動産”のみが対象。
3)地代等増減請求権(11条)
〇地代等増減請求とは
・地代等が、土地に対する租税その他の公課の増減により、土地の価格の上昇・低下その他の経済事情の変動により、又は近傍類似の土地の地代等に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって地代等の額の増減を請求することができる。
〇調停前置主義
・地代等の増減額をめぐる紛争については、訴訟を提起する前に、原則として調停の申立てをしなければならない(民事調停法)。
〇増額しない旨の特約
・一定の期間増額しない旨の特約は有効。
→その期間、増額請求は不可。
〇減額しない旨の特約
・無効。
→減額請求は可能。
〇その他の特約
・固定資産税の増額に応じて毎年の地代等を増額する旨の特約(自動改訂特約、スライド条項)の効力は否定されない(判例)。
・賃料等自働改訂の特約があっても、要件を満たせば、減額請求は可能。
〇当事者の協議が調わないとき
・請求を受けた者が、自ら相当と認める額を支払う(増額請求を受けた賃借人)、または請求できる(減額請求を受けた賃貸人)。
・裁判確定後、過不足額があるときは、その額に年1割の利息を付けて精算する。
4)借地条件の変更の許可の裁判(17条)
・建物の種類、構造、規模又は用途を制限する旨の借地条件がある場合において、法令による土地利用の規制の変更、付近の土地の利用状況の変化その他の事情の変更によって、当時の借地条件と異なる内容とすることが相当であるにもかかわらず、借地条件の変更につき当事者間に協議が調わないときは、裁判所は、当事者の申立てにより、その借地条件を変更することができる。
5)増改築許可の裁判(17条)
・増改築を制限する旨の借地条件がある場合において、土地の通常の利用上相当とすべき増改築につき当事者間に協議が調わないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、その増改築についての借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。
6)借地権者に不利な特約の効力
借地権者に不利な次の特約は無効。
・存続期間
・借地契約の更新
・正当事由
・建物再築による借地権の期間の延長
・借地契約更新後の建物の滅失による解約
・借地権の対抗力
・建物買取請求権
・借地条件の変更
建物滅失時の対応
1)当初の期間中の建物滅失の場合(7条)
〇残存期間の借地権、再築
・借地権は消滅せず、残存期間満了まで存続。
・再築は自由(借地権設定者の承諾は不要)
〇再築による借地権の期間の延長
・以下の場合は、存続期間が、承諾または築造された日のいずれか早い日から20年後まで延長される。
イ)借地権設定者の承諾がある場合
ロ)借地権者が借地権設定者に再築の通知後、2ヶ月以内に異議を述べなかった場合(みなし承諾)
2)契約更新後の建物滅失の場合(8条)
①借地権設定者の承諾を得て再築した場合
・20年間の期間延長が認められる。
②借地権設定者の承諾を得ずに再築した場合
・借地権設定者は、地上権の消滅または土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。
・借地権は、上記申入れがあった日から3か月経過後、消滅する。
※再築することにつき、借地権者にやむを得ない事情があるにもかかわらず、借地権設定者が承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、承諾に代わる許可を与えることができる。
③借地権者からの解約申入れ等
・借地権者は、地上権の放棄、または土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。 ・借地権は、地上権の放棄があった日から3ヶ月経過後、消滅する。
〇残存期間の借地権、再築
・借地権は消滅せず、残存期間満了まで存続。
・再築は自由(借地権設定者の承諾は不要)
〇再築による借地権の期間の延長
・以下の場合は、存続期間が、承諾または築造された日のいずれか早い日から20年後まで延長される。
イ)借地権設定者の承諾がある場合
ロ)借地権者が借地権設定者に再築の通知後、2ヶ月以内に異議を述べなかった場合(みなし承諾)
2)契約更新後の建物滅失の場合(8条)
①借地権設定者の承諾を得て再築した場合
・20年間の期間延長が認められる。
②借地権設定者の承諾を得ずに再築した場合
・借地権設定者は、地上権の消滅または土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。
・借地権は、上記申入れがあった日から3か月経過後、消滅する。
※再築することにつき、借地権者にやむを得ない事情があるにもかかわらず、借地権設定者が承諾しないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、承諾に代わる許可を与えることができる。
③借地権者からの解約申入れ等
・借地権者は、地上権の放棄、または土地の賃貸借の解約の申入れをすることができる。 ・借地権は、地上権の放棄があった日から3ヶ月経過後、消滅する。
建物の譲渡、借地権の譲渡・転貸
1)借地上の建物の譲渡と借地権
・借地上の建物は、借地権者の所有であり自由に譲渡できるが、建物が第三者に譲渡される場合、これに伴って借地権も同時に移転するのが原則(建物と土地の利用権は一体のため)。
→借地権の譲渡・転貸に対する借地権設定者の承諾が問題となる。
2)地上権の譲渡・転貸
・地上権は物権であり、自由譲渡性があるので、地上権者は、土地の所有者のの承諾がなくても、地上権の譲渡・転貸ができる。
3)賃借権の譲渡・転貸
・賃借権には譲渡性がないので、賃借権の譲渡・転貸には賃貸人の承諾が必要。
〇建物譲渡前、裁判所による許可(19条)
・第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、承諾を得られないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、賃借権の譲渡若しくは転貸を条件とする借地条件の変更を命じ、又はその許可を財産上の給付に係らしめることができる。
〇建物譲渡後、建物譲受人からの建物買取請求(14条)
・借地権設定者が賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、建物譲受人は、借地権設定者に対し、建物買取請求権を行使できる。
→行使されると、借地権設定者は買取を拒めないため、事実上譲渡を承諾しなければならなくなる。
〇競売の場合、裁判所による許可(20条)
・この場合も、地主の承諾に代わる裁判所の許可を得ることができるが、この裁判所の許可の申立権者は、借地権者ではなく、第三者(建物の競落人等)。
・この第三者の申し立てには時間の制限があり、”申立ては、建物の代金を支払った後2月以内に限り、することができる。”
※建物競落人等は、借地権設定者に対して、建物買取請求をすることもできる。
・借地上の建物は、借地権者の所有であり自由に譲渡できるが、建物が第三者に譲渡される場合、これに伴って借地権も同時に移転するのが原則(建物と土地の利用権は一体のため)。
→借地権の譲渡・転貸に対する借地権設定者の承諾が問題となる。
2)地上権の譲渡・転貸
・地上権は物権であり、自由譲渡性があるので、地上権者は、土地の所有者のの承諾がなくても、地上権の譲渡・転貸ができる。
3)賃借権の譲渡・転貸
・賃借権には譲渡性がないので、賃借権の譲渡・転貸には賃貸人の承諾が必要。
〇建物譲渡前、裁判所による許可(19条)
・第三者が賃借権を取得し、又は転借をしても借地権設定者に不利となるおそれがないにもかかわらず、承諾を得られないときは、裁判所は、借地権者の申立てにより、借地権設定者の承諾に代わる許可を与えることができる。この場合において、当事者間の利益の衡平を図るため必要があるときは、賃借権の譲渡若しくは転貸を条件とする借地条件の変更を命じ、又はその許可を財産上の給付に係らしめることができる。
〇建物譲渡後、建物譲受人からの建物買取請求(14条)
・借地権設定者が賃借権の譲渡又は転貸を承諾しないときは、建物譲受人は、借地権設定者に対し、建物買取請求権を行使できる。
→行使されると、借地権設定者は買取を拒めないため、事実上譲渡を承諾しなければならなくなる。
〇競売の場合、裁判所による許可(20条)
・この場合も、地主の承諾に代わる裁判所の許可を得ることができるが、この裁判所の許可の申立権者は、借地権者ではなく、第三者(建物の競落人等)。
・この第三者の申し立てには時間の制限があり、”申立ては、建物の代金を支払った後2月以内に限り、することができる。”
※建物競落人等は、借地権設定者に対して、建物買取請求をすることもできる。
定期借地権等
●定期借地権(22条)
〇存続期間:50年以上。
〇書面による特約:必要。
〇更新、再築による期間延長
・更新不可、再築延長不可を定めた特約。
〇建物買取請求権
・建物買取請求をしない旨の特約。
・建物を収去し、更地として返還する。
〇用途
・用途は問わず。事業用も可。
●事業用定期借地権(23条)
①長期
〇存続期間:30年以上50年未満。
〇書面による特約:公正証書。
〇更新、再築による期間延長
・更新不可、再築延長不可を定めた特約。
〇建物買取請求権
・建物買取請求をしない旨の特約。
・建物を収去し、更地として返還する。
〇用途
・事業用。居住用の建物は不可
②短期
〇存続期間:10年以上30年未満。
〇書面による契約:公正証書。
〇更新、再築による期間延長
・借地借家法の規定は適用されない。
〇建物買取請求権
・借地借家法の規定は適用されない。
・建物を収去し、更地として返還する。
〇用途
・事業用。居住用の建物は不可
●建物譲渡特約付借地権(24条)
〇存続期間:30年以上
〇書面による契約:不要。
〇更新、再築による期間延長
・普通借地、定期借地のどちらでも可
〇建物買取請求権
・相当の対価で譲渡する特約を定める。
〇用途
・用途は問わず。
〇建物使用者の保護
・借地権が消滅した場合、その借地権者又は建物の賃借人で建物の使用を継続しているものが請求をしたときは、請求の時に借地権設定者との間で期間の定めのない賃貸借がされたものとみなす。
→建物は地主のものになるが、借地権者等の使用者がすぐさま立ち退き強いられるという事態は回避できる。
●一時使用目的の借地権(25条)
〇存続期間、更新、再築による期間延長、建物買取請求権
・借地借家法の規定は適用されない。
〇書面による契約:不要。
〇適用される規定
・対抗要件、地代改定等の規定は適用される。
〇用途の例
・選挙事務所、博覧会などのために設定される場合など。
〇存続期間:50年以上。
〇書面による特約:必要。
〇更新、再築による期間延長
・更新不可、再築延長不可を定めた特約。
〇建物買取請求権
・建物買取請求をしない旨の特約。
・建物を収去し、更地として返還する。
〇用途
・用途は問わず。事業用も可。
●事業用定期借地権(23条)
①長期
〇存続期間:30年以上50年未満。
〇書面による特約:公正証書。
〇更新、再築による期間延長
・更新不可、再築延長不可を定めた特約。
〇建物買取請求権
・建物買取請求をしない旨の特約。
・建物を収去し、更地として返還する。
〇用途
・事業用。居住用の建物は不可
②短期
〇存続期間:10年以上30年未満。
〇書面による契約:公正証書。
〇更新、再築による期間延長
・借地借家法の規定は適用されない。
〇建物買取請求権
・借地借家法の規定は適用されない。
・建物を収去し、更地として返還する。
〇用途
・事業用。居住用の建物は不可
●建物譲渡特約付借地権(24条)
〇存続期間:30年以上
〇書面による契約:不要。
〇更新、再築による期間延長
・普通借地、定期借地のどちらでも可
〇建物買取請求権
・相当の対価で譲渡する特約を定める。
〇用途
・用途は問わず。
〇建物使用者の保護
・借地権が消滅した場合、その借地権者又は建物の賃借人で建物の使用を継続しているものが請求をしたときは、請求の時に借地権設定者との間で期間の定めのない賃貸借がされたものとみなす。
→建物は地主のものになるが、借地権者等の使用者がすぐさま立ち退き強いられるという事態は回避できる。
●一時使用目的の借地権(25条)
〇存続期間、更新、再築による期間延長、建物買取請求権
・借地借家法の規定は適用されない。
〇書面による契約:不要。
〇適用される規定
・対抗要件、地代改定等の規定は適用される。
〇用途の例
・選挙事務所、博覧会などのために設定される場合など。