媒介契約、広告・契約締結上の規制

〇宅地建物取引業法:32~34条,36条
〇過去問
・管理業務主任者 H17問40、H20問40、H26問45
・マンション管理士 
 
 
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誇大広告等の禁止(32条)
・物件自体、権利関係、取引条件に関する事実について、著しく事実に相違する表示や、実際のものより著しく優良・有利であると人を誤認させるような表示してはならない。
 
●禁止の対象の広告内容
・大きく分けて、物件について、環境について、金銭についての誇大広告が禁止される。
(物件)
①所在
②規模
③形質
・土地の地目、建物の構造等
④現在もしくは将来の利用の制限
・法令による建築制限、賃借権による制限等
(環境)
⑤現在もしくは将来の環境
⑥現在もしくは将来の交通その他の利便
(金銭)
⑦代金・借賃等の対価の額と支払方法
⑧代金・交換差金に関する金銭の貸借のあっせん
 
〇誇大広告禁止の対象外
・上記①~⑧以外の事項は誇大広告の禁止の対象外。
例)取引態様(媒介、売主など)の明示義務違反。
 
●違反の内容
・誇大な内容の広告をした時点で、宅地建物取引業法違反。
→取引が不成立で実害が発生しなくても違反。
・デメリットの不表示も誇大広告の禁止の規制に触れる。
・”おとり広告”もこの誇大広告の禁止に触れる。実在する物件であっても、宅地建物取引業者が取引する意思がなければ、おとり広告になる。
・広告の方法は不問。インターネット広告も対象。
・違反は、業務停止処分事由となり、罰則(6ヶ月以下の懲役or100万円以下の罰金)もある。
広告開始、契約締結等の時期の制限(33、36条)
・未完成物件においては、トラブルを未然に防止するために、広告の開始時期、契約の締結時期について、以下の制限をしている。
 
●制限対象の未完成物件
・開発行為の許可前
・建築確認前
・その他必要な許可等の処分の前
 
●禁止の内容
〇広告
・業務に関する広告(貸借も含む)
〇契約締結等
・売買・交換に関する取引(貸借の代理・媒介は含まない)
取引態様の明示(34条)
〇取引態様
・売主、媒介、代理
 
〇取引態様の明示義務
①広告をするとき
・”取引態様の別”を明示しなければならない。
②注文を受けたとき
・遅滞なく、その注文をした者に対し、取引態様の別を明らかにしなければならない。
※”取引態様の明示”は口頭で可。
媒介・代理契約(34条の2)
1)媒介と代理
 
〇媒介
・”媒介”は、当事者の間に立って契約が成立するように尽力する行為を指す。
→”代理”とは異なり、契約を締結する権限はなく、あくまで”当事者が契約”できるように尽力する行為。
・代理の場合は、物件の引渡し、金銭の授受等の債務の履行をする場合を除いて、売主・買主双方から代理の依頼を受けることは禁止されるが(民法108条、双方代理の禁止)、媒介は売主・買主双方から媒介の依頼を受けることができる。
 
〇代理
・代理人が契約を締結し、その契約の効果が本人に及ぶもので、代理人には契約締結権限がある。
 
2)専任媒介契約、専属専任媒介契約、一般媒介契約
 
●媒介契約の有効期間
〇専任、専属専任
・3ヵ月を超えることができない。これより長い期間を定めたときは、その期間は3ヵ月とする。
・”依頼者の申出”により更新することができるが、依頼者の申出によらず自動更新する旨の特約は、3ヵ月を超えない期間であっても定めることはできない。
〇一般
・有効期間の上限の定めはない。
・自動更新の特約も有効
 
●業者の報告義務
〇専任
・2週間に1回以上
〇専属専任
・1週間に1回以上
〇一般媒介
・定期的な報告義務はない。
 
●指定流通機構(レインズ)への物件情報登録義務
 
・専任媒介契約の場合はレインズへの登録義務がある。
・一般媒介契約の場合は、宅建業法上の登録義務はない。
 
①物件情報登録期間
〇専任
・媒介契約の締結の日から7日以内(契約日当日、休業日は含まない)に登録
〇専属専任
・媒介契約の締結の日から5日以内(契約日当日、休業日は含まない)に登録
 
②登録済証
・登録したときは、レインズが発行した登録済証を依頼者に引き渡す。
 
③成約情報の通知義務
・売買・交換の契約が成立したときは、遅滞なく、その旨を指定流通機構に通知しなければならない。
・成約情報:登録番号、取引価格、成約年月日
 
3)書面の交付義務
 
・宅地建物取引業者は、宅地・建物の媒介契約を締結したときは、遅滞なく、以下の事項を記載した書面を作成して”記名押印”し、依頼者に”交付”しなければならない。
 
●媒介契約書の記載事項
 
①物件を特定するために必要な表示
②価額または評価額
・”宅地建物取引業者は、この価額または評価額について意見を述べるときは、その根拠を明らかにしなければならない。”
③媒介契約の別
・明示義務のある一般媒介契約、明示義務のない一般媒介契約
・専任媒介契約
・専属専任媒介契約
④建物状況調査を実施する者のあっせんに関する事項
⑤媒介契約の有効期間及び解除に関する事項
⑥指定流通機構への登録に関する事項
⑦報酬に関する事項
⑧依頼者が、媒介契約の内容に違反して、契約を成立させた場合の措置
・専任媒介契約で他の宅地建物取引業者によつて売買又は交換の契約を成立させたときの措置
・専属専任媒介契約で自己発見取引をしたときの措置
・明示型の一般媒介契約は、他の業者に依頼すればその業者を明示しなければいけないが、明示していない他の業者の媒介で契約を成立させたときの措置
⑨当該媒介契約が国土交通大臣が定める標準媒介契約約款に基づくものであるか否かの別。
 
4)代理契約(34条の3)
 
・媒介契約に関する規制が、そのまま準用

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