屋上防水を外断熱仕様(省エネルギー対応工法)で改修、長寿命化改修

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外断熱改修の必要性
(1)外断熱改修の必要性
 
〇高経年マンションでは内断熱
・高経年マンションでは、コンクリートスラブ下に断熱材を打ち込むスラブ下断熱(内断熱)工法が一般的。
 
〇内断熱のデメリット
・防水層及びスラブが直達日射や外気の影響を受けるため、最上階住戸では夏は暑く、冬は寒いという室内環境になっている。
・スラブ躯体面の室内側に結露が発生する心配もある。
 
〇近年のマンションの屋上防水の仕様
・屋根スラブの外断熱防水が一般的。
 
〇高経年マンションで外断熱仕様の屋上防水にすると
・最上階住戸の断熱性能が向上。
・結露による不具合から躯体を保護。
 
※参考資料
『国土交通省 改修によりマンションの再生手法に関するマニュアル 平成3年9月改訂』p30
 
(2)URの屋上防水改修
 
2011年より屋根の再修繕仕様として以下のような外断熱露出防水工法を追加し実施している。
 
①外断熱露出アスファルト防水工法(2011年~)
・既存防水の上に新規の断熱材や防水層(改質アスファルトルーフィング)を重ね、トップコート(仕上塗材)や抑え金物で仕上げる工法。
 
②外断熱加硫ゴム系ルーフィングシート防水工法(2014年~) ・外断熱露出アスファルト防水工法同様に、既存防水の上に新規の断熱材や防水層(加硫ゴム系ルーフィングシート)を敷設する工法。
省エネ基準と必要な断熱材厚みの変遷
省エネ基準は1980年(昭和55年)に初めて制定され、改正のたびに必要な断熱性能が強化され、必要な断熱材が厚くなってきている。
 
〇地域区分:Ⅳ、RC造屋根、硬質ウレタンフォーム”ギルフォーム”を使用した場合
・旧省エネ基準(1980年):20㎜
・新省エネ基準(1992年):30㎜
・次世代省エネ基準(1999年):50㎜
・建築物省エネ基準(2016年):50㎜
長寿命化改修と断熱性能
●長寿命化改修とは?
 
①耐久性の高い防水材料の使用
イ)露出アスファルト防水の場合
・高反射塗料の採用
ロ)ウレタン塗膜防水の場合:
・高強度・高伸長化ウレタン塗膜防水材料
・高反射・高耐久塗料の採用
ハ)塩ビシート防水の場合
・シート厚を増加(1.5㎜→2㎜以上)
・シート表面に高反射塗料塗布
 
②維持管理や次回の改修工事の容易性を確保
 
③時代に合わせた省エネ対策(断熱性能)
・既存防水層の上に断熱材を施工し、防水層に高反射塗料を使用する。
一般的な外断熱工法の種類
①スラブ上断熱防水露出工法
・コンクリートスラブ上に断熱材を敷き込み、アスファルト露出防水で押え、砂付きルーフィング仕上げorシルバーコート仕上げとする工法。
・スラブに蓄熱せず、最上階住戸の温度変化や結露も減少するが、アスファルト露出防水は熱劣化の影響を受けやいため耐久性は大きくない。
・過重は減少し、漏水箇所が発見しやすく簡単に修繕できるが、断熱材を取替えることはできない。
 
②防水層断熱ブロック押え工法
・コンクリートスラブ上にアスファルト防水を施し、これに断熱材を敷き込み断熱コンクリートブロックで押える工法。
・スラブに蓄熱せず、最上階住戸の温度変化や結露も減少し耐久性に優れる。
・断熱ブロックは簡単に取り外しができ、漏水箇所が発見しやすく修繕も簡単にできる。
・ただし、①よりもコストは高くなり、積載荷重も増加することになる。
 
③防水層断熱コンクリート押え工法
・コンクリートスラブ上にアスファルト防水を施し、これに断熱材を敷き込み現場打設コンクリートで押える工法。
・一般的には、屋根面歩行用防水工法。
・コンクリートスラブは蓄熱せず、最上階住戸の温度変化や結露も減少し、耐久性にも優れるが、断熱ブロックのように簡単に取り外せないため修繕は手間がかかる。
・コストも比較的高くなる。
・積載荷重は増加するので、既設部分に押えコンクリート層がある場合のみ、それを撤去すれば採用できる。
既存が露出アスファルト防水の場合の外断熱仕様改修
※公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版
 
(1)既存が露出アスファルト防水の場合の断熱仕様防水工法の種類
 
●防水層を撤去する場合
・改質アスファルトシート防水絶縁断熱工法(M3ASI)
・屋根露出防水絶縁断熱工法(M3DI)※露出アスファルト防水熱工法・絶縁工法
 
●防水層を撤去しない場合
・改質アスファルトシート防水絶縁断熱工法(M4ASI)
・屋根露出防水絶縁断熱工法(M4DI)※露出アスファルト防水熱工法・絶縁工法
・合成高分子系ルーフィングシート防水断熱工法(M4SI)
 
(2)改質アスファルトシート防水絶縁断熱工法
 
1)トーチ工法(ASI-TI)
 
①プライマー塗り
・下地が既存防水層の場合は省略
②断熱材張付け
③部分粘着層付改質アスファルトシート(非露出複層防水用R種、1.5mm 以上)
④改質アスファルトシート(露出複層防水用R種、3.0mm 以上)
⑤仕上塗料塗り
 
2)常温粘着工法(ASI-J1)
 
①プライマー塗り
・下地が既存防水層の場合は省略
②断熱材張付け
③部分粘着層付改質アスファルトシート(非露出複層防水用R種、1.5mm 以上)
④粘着層付改質アスファルトシート(露出複層防水用R種、2.0mm 以上)
⑤仕上塗料塗り
 
(3)塩ビシート防水断熱工法
 
1)接着工法(SI-F2)
 
①プライマー塗り
②接着剤/断熱材
・下地に断熱材を隙間なく接着剤で張り付け、ローラー等で転圧して密着させた後、ルーフィングシートを張り付ける。
③塩化ビニル樹脂系ルーフィングシート(1.5 ㎜)張付け
 
2)機械的固定方法(SI-M2)
 
①断熱材
・下地に断熱材を隙間なく敷き詰め、ルーフィングシートの製造所の仕様により固定金具で固定する。
②可塑剤移行防止用シート敷設
・断熱材が硬質ウレタンフォーム断熱材を用いる場合は、この工程を行わない。
③塩化ビニル樹脂系ルーフィングシート(1.5 ㎜)の固定金具による固定

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