〇過去問
・管理業務主任者 H17問19
・マンション管理士 H13問25,26、H14問21、H16問41、H22問20、H24問20、H28問21
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建築から使用までの手続きの流れ
①建築計画
②設計段階
→建築確認(法6条)
・設計図書等の建築基準への適合性を審査
・建築主事or指定確認検査機関による審査・検査
③工事着工
④施工段階
→中間検査(法7条の3)
・施工された建築物の建築基準への適合性を検査
・建築主事or指定確認検査機関による審査・検査
⑤施工終了
→完了検査(法7条)
・施工された建築物の建築基準への適合性を検査
・建築主事or指定確認検査機関による審査・検査
⑥使用開始
→定期調査・検査(法12条)
・一定の建築物等の経年劣化などの点検
・資格者等による調査・検査
②設計段階
→建築確認(法6条)
・設計図書等の建築基準への適合性を審査
・建築主事or指定確認検査機関による審査・検査
③工事着工
④施工段階
→中間検査(法7条の3)
・施工された建築物の建築基準への適合性を検査
・建築主事or指定確認検査機関による審査・検査
⑤施工終了
→完了検査(法7条)
・施工された建築物の建築基準への適合性を検査
・建築主事or指定確認検査機関による審査・検査
⑥使用開始
→定期調査・検査(法12条)
・一定の建築物等の経年劣化などの点検
・資格者等による調査・検査
建築確認(法6条)
・誰が:建築主
・いつ:一定の建築工事に着手する前
・何を:その計画が建築基準関係規定に適合するか、確認の申請書を提出
・交付:確認済証
●誰に
・建築主事
・民間の”指定確認検査機関(国土交通大臣等の指定を受けた者による確認)”
・国土交通大臣又は都道府県知事が指定した者の確認を受け、国土交通省令で定めるところにより確認済証の交付を受けたときは、当該確認は前条第一項の規定による確認と、当該確認済証は同項の確認済証とみなす。
〇建築主事(4条)
・建築確認を行うところ。
・政令で指定する人口25万以上の市には必ず置かなければならない(第1項)。
・建築主事のいない市町村というのもあるが、そのような市町村は都道府県に建築主事が置かれるので、そこに建築確認を申請する(第5項)。
●建築確認が必要な場合
①特殊建築物
・”200㎡を超える”場合
②木造の大規模建築物
・3階以上又は500m2超又は高さ13m超又は軒高9m超
③木造以外の大規模建築物
・2階以上又は200m2以上
※木造以外(鉄骨造等)は後で建物の変更等が行いにくいので、小さな建物でも建築確認という形で事前のチェックが必要となっている
④都市計画区域・準都市計画区域内の建築物
〇増改築
・新築で建築確認が必要な建築物は、基本的に増改築移転でも建築確認が必要。
・200㎡を超える共同住宅について、増築を行う場合には建築確認が必要となる。
・防火地域及び準防火地域”外”において増築を行う場合には、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が10㎡以内であるときについては建築確認は不要。
〇大規模の修繕・模様替
・特殊建築物と大規模建築物(木造及び木造以外)については、建築確認が必要
・都市計画区域・準都市計画区域内の”小規模”な建築物については建築確認が不要
〇用途変更
・特殊建築物への用途変更だけ建築確認が必要。(建築確認が必要な建築物の中で用途に着目しているのは特殊建築物だけだから)
・類似の用途間で変更する場合は不要。
例)劇場→映画館、ホテル→共同住宅
〇昇降機その他の建築設備(87条の2)
・200㎡を超える共同住宅に設ける場合においては、建築確認が必要。
●建築確認~審査期間
・建築確認は、建築主事に申請。
・当該建築物の計画が建築基準法等に適合していて問題がない場合、確認済証交付。
・建築確認の申請を受けた建築主事は、一定の期間内に、建築計画が建築基準法規定に適合するかどうか審査し、適合することを確認したときは、確認済証を交付しなければならない。
〇確認申請書受理から確認済証交付までの期間
・特殊建築物と大規模建築物:35日以内
・都市計画区域・準都市計画区域内の一般建築物:7日以内
●消防同意(93条)
・建築確認を必要とする建物の確認の前に、消防機関が、建築計画の消防上の問題点を確認し、消防設備や建築物の防火に関するあらゆる法令に問題がないことをもって、建築に同意する仕組み。
→これにより、消防の同意なしに建築確認がなされることはないことになる。
〇消防長等の同意を得るのは誰?
・”建築主事、指定確認検査機関”。建築主が消防同意を得ておく必要はない。
〇同意にかかる期間
・都市計画区域等内の一般建築物(法6条1項4号):3日以内
・特殊建築物、木造の大規模建築物、木造以外の耐火建築物:7日以内
●構造計算適合性判定(第8項)
・建築確認を申請する際に添付される構造計算が建築基準法等に適合しているかどうかを判定すること。
・道府県知事又は指定構造計算適合性判定機関が行う。
・建築主→建築主事等に建築確認の申請→建築主事等が道府県知事又は指定構造計算適合性判定機関に依頼。
・都道府県知事等は、構造計算適合性判定を求められた場合、当該構造計算適合性判定を求められた日から14日以内にその結果を記載した通知書を建築主事に交付しなければならないことになっている。
〇構造耐力(20条)
・高さが60mを超える建築物は、その構造方法は、荷重及び外力によって建築物の各部分に連続的に生ずる力及び変形を把握することその他の政令で定める基準に従った構造計算によって安全性が確かめられたものとして国土交通大臣の認定を受けたものであることが必要。
・いつ:一定の建築工事に着手する前
・何を:その計画が建築基準関係規定に適合するか、確認の申請書を提出
・交付:確認済証
●誰に
・建築主事
・民間の”指定確認検査機関(国土交通大臣等の指定を受けた者による確認)”
・国土交通大臣又は都道府県知事が指定した者の確認を受け、国土交通省令で定めるところにより確認済証の交付を受けたときは、当該確認は前条第一項の規定による確認と、当該確認済証は同項の確認済証とみなす。
〇建築主事(4条)
・建築確認を行うところ。
・政令で指定する人口25万以上の市には必ず置かなければならない(第1項)。
・建築主事のいない市町村というのもあるが、そのような市町村は都道府県に建築主事が置かれるので、そこに建築確認を申請する(第5項)。
●建築確認が必要な場合
①特殊建築物
・”200㎡を超える”場合
②木造の大規模建築物
・3階以上又は500m2超又は高さ13m超又は軒高9m超
③木造以外の大規模建築物
・2階以上又は200m2以上
※木造以外(鉄骨造等)は後で建物の変更等が行いにくいので、小さな建物でも建築確認という形で事前のチェックが必要となっている
④都市計画区域・準都市計画区域内の建築物
〇増改築
・新築で建築確認が必要な建築物は、基本的に増改築移転でも建築確認が必要。
・200㎡を超える共同住宅について、増築を行う場合には建築確認が必要となる。
・防火地域及び準防火地域”外”において増築を行う場合には、その増築、改築又は移転に係る部分の床面積の合計が10㎡以内であるときについては建築確認は不要。
〇大規模の修繕・模様替
・特殊建築物と大規模建築物(木造及び木造以外)については、建築確認が必要
・都市計画区域・準都市計画区域内の”小規模”な建築物については建築確認が不要
〇用途変更
・特殊建築物への用途変更だけ建築確認が必要。(建築確認が必要な建築物の中で用途に着目しているのは特殊建築物だけだから)
・類似の用途間で変更する場合は不要。
例)劇場→映画館、ホテル→共同住宅
〇昇降機その他の建築設備(87条の2)
・200㎡を超える共同住宅に設ける場合においては、建築確認が必要。
●建築確認~審査期間
・建築確認は、建築主事に申請。
・当該建築物の計画が建築基準法等に適合していて問題がない場合、確認済証交付。
・建築確認の申請を受けた建築主事は、一定の期間内に、建築計画が建築基準法規定に適合するかどうか審査し、適合することを確認したときは、確認済証を交付しなければならない。
〇確認申請書受理から確認済証交付までの期間
・特殊建築物と大規模建築物:35日以内
・都市計画区域・準都市計画区域内の一般建築物:7日以内
●消防同意(93条)
・建築確認を必要とする建物の確認の前に、消防機関が、建築計画の消防上の問題点を確認し、消防設備や建築物の防火に関するあらゆる法令に問題がないことをもって、建築に同意する仕組み。
→これにより、消防の同意なしに建築確認がなされることはないことになる。
〇消防長等の同意を得るのは誰?
・”建築主事、指定確認検査機関”。建築主が消防同意を得ておく必要はない。
〇同意にかかる期間
・都市計画区域等内の一般建築物(法6条1項4号):3日以内
・特殊建築物、木造の大規模建築物、木造以外の耐火建築物:7日以内
●構造計算適合性判定(第8項)
・建築確認を申請する際に添付される構造計算が建築基準法等に適合しているかどうかを判定すること。
・道府県知事又は指定構造計算適合性判定機関が行う。
・建築主→建築主事等に建築確認の申請→建築主事等が道府県知事又は指定構造計算適合性判定機関に依頼。
・都道府県知事等は、構造計算適合性判定を求められた場合、当該構造計算適合性判定を求められた日から14日以内にその結果を記載した通知書を建築主事に交付しなければならないことになっている。
〇構造耐力(20条)
・高さが60mを超える建築物は、その構造方法は、荷重及び外力によって建築物の各部分に連続的に生ずる力及び変形を把握することその他の政令で定める基準に従った構造計算によって安全性が確かめられたものとして国土交通大臣の認定を受けたものであることが必要。
中間検査、完了検査(法7条)
●中間検査
・”特定工程”を含む工事についてだけ行う。
〇特定工程
①”階数が3以上である共同住宅の床及びはりに鉄筋を配置する工事の工程のうち、2階の床及びこれを支持するはりに鉄筋を配置する工事の工程”
→鉄筋を配置する工事は、この鉄筋の周りにコンクリートを流し込んでしまうと、後でチェックするのが不可能になるので、”中間”検査が必要になる。
②”特定行政庁が、その地方の建築物の建築の動向又は工事に関する状況その他の事情を勘案して、区域、期間又は建築物の構造、用途若しくは規模を限つて指定する工程”
〇中間検査の流れ
・特定工程を含む工事を終了
→その日から”4日”以内に建築主事に到達するように中間検査の申請
→申請を受けた建築主事等は、申請を受理した日から”4日”以内に検査。
→建築主事等は、検査の結果の問題がなければ、”中間検査合格証”を交付
●完了検査
〇完了検査の申請
・工事が完了すれば”4日”以内に建築主事に到達するように完了検査を申請(第2項)。
〇完了検査
・その申請を受けた建築主事は7日以内に審査。
・検査に合格すれば、検査済証が交付(第5項)。
●特殊建築物・大規模建築物の使用制限(7条の6)
〇原則
・特殊建築物・大規模建築物を新築した場合などは、工事完了後すぐにその建築物を使用できるわけではない。
→原則として、検査済証の交付を受けた後でなければ使用開始できない。
〇例外(仮使用可能)
・特定行政庁・建築主事等の仮使用の認定があったとき
・完了検査の申請が受理された日から7日を経過したとき
・”特定工程”を含む工事についてだけ行う。
〇特定工程
①”階数が3以上である共同住宅の床及びはりに鉄筋を配置する工事の工程のうち、2階の床及びこれを支持するはりに鉄筋を配置する工事の工程”
→鉄筋を配置する工事は、この鉄筋の周りにコンクリートを流し込んでしまうと、後でチェックするのが不可能になるので、”中間”検査が必要になる。
②”特定行政庁が、その地方の建築物の建築の動向又は工事に関する状況その他の事情を勘案して、区域、期間又は建築物の構造、用途若しくは規模を限つて指定する工程”
〇中間検査の流れ
・特定工程を含む工事を終了
→その日から”4日”以内に建築主事に到達するように中間検査の申請
→申請を受けた建築主事等は、申請を受理した日から”4日”以内に検査。
→建築主事等は、検査の結果の問題がなければ、”中間検査合格証”を交付
●完了検査
〇完了検査の申請
・工事が完了すれば”4日”以内に建築主事に到達するように完了検査を申請(第2項)。
〇完了検査
・その申請を受けた建築主事は7日以内に審査。
・検査に合格すれば、検査済証が交付(第5項)。
●特殊建築物・大規模建築物の使用制限(7条の6)
〇原則
・特殊建築物・大規模建築物を新築した場合などは、工事完了後すぐにその建築物を使用できるわけではない。
→原則として、検査済証の交付を受けた後でなければ使用開始できない。
〇例外(仮使用可能)
・特定行政庁・建築主事等の仮使用の認定があったとき
・完了検査の申請が受理された日から7日を経過したとき
統計のための届出(15条)
〇建築物工事届(事前届出)
・”建築主”→建築主事を経由→”都道府県知事”
〇建築物除却届(事前届出)
・”建築物の除却の工事を施工する者”→建築主事を経由→”都道府県知事”
〇例外
・当該建築物又は当該工事に係る部分の床面積の合計が10m2以内である場合においては、この限りでない。
・”建築主”→建築主事を経由→”都道府県知事”
〇建築物除却届(事前届出)
・”建築物の除却の工事を施工する者”→建築主事を経由→”都道府県知事”
〇例外
・当該建築物又は当該工事に係る部分の床面積の合計が10m2以内である場合においては、この限りでない。
既存不適格の扱い
1)マンション改修工事の建築確認と既存不適格
〇原則
・(建築基準法における)”増築”、”大規模な模様替え”等に伴い建築確認申請をする場合は、当該部分のみならず、建物全体について建築基準関係規定に適合しているかどうかの審査を受けることになる。
→既存建物が既存不適格(建築当時は適法であったものの、その後に法令が改正され、改正後の現行の建築基準関係規定に適合していないもの)である場合、建物全体が現行規定に適合するよう是正しなければならない。
〇高経年マンションの場合
・建築後の建築基準法等の改正により、構造関係規定上の既存不適格(帯筋比、耐震性等)、防火関係規定上の既存不適格(高層区画・竪穴区画、避難施設、排煙設備、内装制限、非常用昇降機・非常用進入口・非常用照明等)等が生じ、対応が必要となる場合がある。
〇緩和規定
①既存の建築物に対する制限の緩和(法86条の7)
・現行規定への是正については、制限緩和の範囲に該当する場合、確認申請時に適用が除外される。
②全体計画認定(法86条の8)
・既存不適格建築物に関する規制の合理化において、増改築等の全体計画を特定行政庁が認定した場合は、最終的に建築物全体で建築基準法に適合するよう、段階的な改修工事を行うことができる。
2)既存不適格建築物について
●建築基準法3条2項
・法律・条令等の規定の施行or適用の際、現に存する建築物orその敷地or現に建築、修繕or模様替の工事中の建築物・敷地がこれらの規定に適合せず、又はこれらの規定に適合しない部分を有する場合においては、当該建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分に対しては、当該規定は、適用しない。
〇建築基準法3条3項
・前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分に対しては、適用しない。
三)工事の着手がこの法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用の後である増築、改築、移転、大規模の修繕又は大規模の模様替に係る建築物又はその敷地
四)前号に該当する建築物又はその敷地の部分
●既存不適格建築物に対する対応
・既存不適格建築物は、そのまま継続利用する場合には、遡及適用はしない。
・”増築等”を行う場合には、増築等を行う部分だけでなく、原則既存部分も遡及適用される。
3)既存の建築物に対する制限の緩和(法86条の7)
●法86条の7の概要
①1項
・この項で定められた法および政令の条項は、政令で定める範囲において増築等(増築、改築、大規模の修繕又は大規模の模様替)をする場合には適用しない。
②2項
・独立部分が2以上あるものについて増築する場合には、増築等をする独立部分以外の独立部分については適用しない。
③3項
・この項で定められた法および政令の条項は、増築等をする部分以外の部分については適用しない。
・既存部分で遡及されない条項が定められている。
→採光や換気、シックハウスなど”増築等”を行うことによる悪影響が少ないと考えられる条項が、既存部分では不遡及となっている。
・28条、28条の2、29条から32条まで、34条1項、35条の3or36条(防火壁、防火区画、消火設備及び避雷設備の設置及び構造に係る部分を除く。)
●既存不適格建築物の増改築等に対する制限の緩和の範囲
①防火壁関係(法26条)
〇増築・改築
・基準時(既存不適格状態となった始期)以降の増改築部分の床面積が50㎡を超えない(令137条の3)
〇大規模な修繕・模様替え
・すべて(令137条の12)
②特殊建築物関係(法27条)
〇増築・改築
・基準時以降の増改築部分の床面積が50㎡を超えない(令137条の4)
〇大規模な修繕・模様替え
・すべて(令137条の12)
③共同住宅等の界壁関係(法30条)
〇増築
・増築後の延べ面積が基準時の延べ面積の1.5倍を超えないこと(令137条の5)
〇改築
・改築部分の床面積が基準時の延べ面積の1/2を超えないこと(令137条の5)
〇大規模な修繕・模様替え
・すべて(令137条の12)
④非常用の昇降機関係(法34条2項)
〇増築
・増築部分の建築物の高さが31mを超えず、かつ、増築部分の床面積が基準時の延べ面積の1/2を超えないこと(令137条の6)
〇改築
・改築部分の床面積が基準時の延べ面積の1/5を超えず、かつ、改築部分の建築物の高さが基準時における当該部分の高さを超えないこと(令137条の6)
〇大規模な修繕・模様替え
・すべて(令137条の12)
⑤用途地域等関係(法48条1項~13項)
〇増築
・基準時の敷地内におけるもの、かつ、建蔽率・容積率が規定に適合するものであること
・増築後の床面積が基準時の床面積の1.2倍を超えないこと
・増築後の用途不適格部分の床面積が基準時の用途不適格部分の床面積の1.2倍を超えないこと(令137条の7)
〇改築
・基準時の敷地内におけるもの、かつ、建蔽率・容積率が規定に適合するものであること(令137条の7)
⑥容積率関係(法52条1項~8項)
〇増築・改築
・増築or改築部分の用途が自動車車庫等の用途に供すること
・増築前の自動車車庫等の用途に供する部分以外の床面積が基準時の自動車車庫等の用途に供する部分以外の床面積を超えないこと
・増築or改築後の自動車車庫等の用途に供する部分の床面積が増築or改築後の建築物の床面積の1/5を超えないこと(令137条の8)
〇大規模な修繕・模様替え
・すべて(令137条の12)
⑦高度利用地区or都市再生特別地区関係(法59条1項又は法60条の2第1項)
〇増築
・増築後の延べ面積及び建築面積が基準時の延べ面積及び建築面積の1.5倍を超えないこと
・増築後の建築面積が高度利用地区又は都市再生特別地区に関する都市計画で定められた建築面積の最低限度の2/3を超えないこと
・増築後の容積率が高度利用地区又は都市再生特別地区に関する都市計画で定められた容積率の最低限度の2/3を超えないこと(令137条の9)
〇改築
・改築部分の床面積が基準時の延べ面積の1/2を超えないこと(令137条の9)
〇大規模な修繕・模様替え
・すべて(令137条の12)
⑧防火地域及び特定防災街区整備地区関係(法61条又は67条の2第1項)
〇増築・改築
・基準時以降の増築or改築部分の床面積が50㎡を超えず、かつ、基準時の当該建築物の延べ面積を超えないこと
・増築or改築後の階数が2以下で、かつ、延べ面積が500㎡を超えないこと
・増築or改築部分の外壁、軒裏は防火構造とすること(令137条の10)
〇大規模な修繕・模様替え
・すべて(令137条の12)
⑨準防火地域関係(法62条1項)
〇増築・改築
・基準時以降の増築or改築部分の床面積が50㎡を超えないこと
・増築or改築後の階数が2以下であること
・増築or改築部分の外壁、軒裏は防火構造とすること(令137条の11)
〇大規模な修繕・模様替え
・すべて(令137条の12)
3)全体計画認定の概要(法86条の8)
・全体計画認定とは、既存不適格建築物を複数の工事に分けて段階的に改正後の建築基準法に適合させていく計画について、特定行政庁が認定を行うもの。
・増築、改築、大規模の修繕、大規模の模様替(”増築等”)を含む工事を2以上に分けて行う場合、全体計画認定を活用すると、工事と工事の間は既存不適格が解除されない。
→2以上の工事の最後の工事の終了時点で、現行基準に適合させればよい。
●既存不適格の解除
・既存不適格は、法の不遡及の原則と、法改正のたびに既に建っている建築物をすべて違反とすることで起きる社会的混乱を防ぐための制度であり、現行法に適合しない状態を半永久的に続けることを認めているわけではない。
→建築基準法には、既存不適格が解除される条件が規定されている。
→一度解除されると、その建物や敷地はすべて、解除された時点の法律に適合させなければならず、時には増改築や改修、補強などを必要とする。
〇一定規模以上の増改築や改修が行われた建物と、その建物が建っている敷地。
→敷地およびその棟全体を現行法に適合するよう改修や補強する必要がある。
〇上記にあたらない改修などによって、いちど現行法に適合した部分。
→既存不適格が解除されているので、着工時の状態に戻すことは違反である。問題となるのは適合するに至った部分だけであり、それ以外の部分には影響しない。
〇法改正(主に法規制の緩和)によって、現行法に適合するようになった部分。
〇原則
・(建築基準法における)”増築”、”大規模な模様替え”等に伴い建築確認申請をする場合は、当該部分のみならず、建物全体について建築基準関係規定に適合しているかどうかの審査を受けることになる。
→既存建物が既存不適格(建築当時は適法であったものの、その後に法令が改正され、改正後の現行の建築基準関係規定に適合していないもの)である場合、建物全体が現行規定に適合するよう是正しなければならない。
〇高経年マンションの場合
・建築後の建築基準法等の改正により、構造関係規定上の既存不適格(帯筋比、耐震性等)、防火関係規定上の既存不適格(高層区画・竪穴区画、避難施設、排煙設備、内装制限、非常用昇降機・非常用進入口・非常用照明等)等が生じ、対応が必要となる場合がある。
〇緩和規定
①既存の建築物に対する制限の緩和(法86条の7)
・現行規定への是正については、制限緩和の範囲に該当する場合、確認申請時に適用が除外される。
②全体計画認定(法86条の8)
・既存不適格建築物に関する規制の合理化において、増改築等の全体計画を特定行政庁が認定した場合は、最終的に建築物全体で建築基準法に適合するよう、段階的な改修工事を行うことができる。
2)既存不適格建築物について
●建築基準法3条2項
・法律・条令等の規定の施行or適用の際、現に存する建築物orその敷地or現に建築、修繕or模様替の工事中の建築物・敷地がこれらの規定に適合せず、又はこれらの規定に適合しない部分を有する場合においては、当該建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分に対しては、当該規定は、適用しない。
〇建築基準法3条3項
・前項の規定は、次の各号のいずれかに該当する建築物、建築物の敷地又は建築物若しくはその敷地の部分に対しては、適用しない。
三)工事の着手がこの法律又はこれに基づく命令若しくは条例の規定の施行又は適用の後である増築、改築、移転、大規模の修繕又は大規模の模様替に係る建築物又はその敷地
四)前号に該当する建築物又はその敷地の部分
●既存不適格建築物に対する対応
・既存不適格建築物は、そのまま継続利用する場合には、遡及適用はしない。
・”増築等”を行う場合には、増築等を行う部分だけでなく、原則既存部分も遡及適用される。
3)既存の建築物に対する制限の緩和(法86条の7)
●法86条の7の概要
①1項
・この項で定められた法および政令の条項は、政令で定める範囲において増築等(増築、改築、大規模の修繕又は大規模の模様替)をする場合には適用しない。
②2項
・独立部分が2以上あるものについて増築する場合には、増築等をする独立部分以外の独立部分については適用しない。
③3項
・この項で定められた法および政令の条項は、増築等をする部分以外の部分については適用しない。
・既存部分で遡及されない条項が定められている。
→採光や換気、シックハウスなど”増築等”を行うことによる悪影響が少ないと考えられる条項が、既存部分では不遡及となっている。
・28条、28条の2、29条から32条まで、34条1項、35条の3or36条(防火壁、防火区画、消火設備及び避雷設備の設置及び構造に係る部分を除く。)
●既存不適格建築物の増改築等に対する制限の緩和の範囲
①防火壁関係(法26条)
〇増築・改築
・基準時(既存不適格状態となった始期)以降の増改築部分の床面積が50㎡を超えない(令137条の3)
〇大規模な修繕・模様替え
・すべて(令137条の12)
②特殊建築物関係(法27条)
〇増築・改築
・基準時以降の増改築部分の床面積が50㎡を超えない(令137条の4)
〇大規模な修繕・模様替え
・すべて(令137条の12)
③共同住宅等の界壁関係(法30条)
〇増築
・増築後の延べ面積が基準時の延べ面積の1.5倍を超えないこと(令137条の5)
〇改築
・改築部分の床面積が基準時の延べ面積の1/2を超えないこと(令137条の5)
〇大規模な修繕・模様替え
・すべて(令137条の12)
④非常用の昇降機関係(法34条2項)
〇増築
・増築部分の建築物の高さが31mを超えず、かつ、増築部分の床面積が基準時の延べ面積の1/2を超えないこと(令137条の6)
〇改築
・改築部分の床面積が基準時の延べ面積の1/5を超えず、かつ、改築部分の建築物の高さが基準時における当該部分の高さを超えないこと(令137条の6)
〇大規模な修繕・模様替え
・すべて(令137条の12)
⑤用途地域等関係(法48条1項~13項)
〇増築
・基準時の敷地内におけるもの、かつ、建蔽率・容積率が規定に適合するものであること
・増築後の床面積が基準時の床面積の1.2倍を超えないこと
・増築後の用途不適格部分の床面積が基準時の用途不適格部分の床面積の1.2倍を超えないこと(令137条の7)
〇改築
・基準時の敷地内におけるもの、かつ、建蔽率・容積率が規定に適合するものであること(令137条の7)
⑥容積率関係(法52条1項~8項)
〇増築・改築
・増築or改築部分の用途が自動車車庫等の用途に供すること
・増築前の自動車車庫等の用途に供する部分以外の床面積が基準時の自動車車庫等の用途に供する部分以外の床面積を超えないこと
・増築or改築後の自動車車庫等の用途に供する部分の床面積が増築or改築後の建築物の床面積の1/5を超えないこと(令137条の8)
〇大規模な修繕・模様替え
・すべて(令137条の12)
⑦高度利用地区or都市再生特別地区関係(法59条1項又は法60条の2第1項)
〇増築
・増築後の延べ面積及び建築面積が基準時の延べ面積及び建築面積の1.5倍を超えないこと
・増築後の建築面積が高度利用地区又は都市再生特別地区に関する都市計画で定められた建築面積の最低限度の2/3を超えないこと
・増築後の容積率が高度利用地区又は都市再生特別地区に関する都市計画で定められた容積率の最低限度の2/3を超えないこと(令137条の9)
〇改築
・改築部分の床面積が基準時の延べ面積の1/2を超えないこと(令137条の9)
〇大規模な修繕・模様替え
・すべて(令137条の12)
⑧防火地域及び特定防災街区整備地区関係(法61条又は67条の2第1項)
〇増築・改築
・基準時以降の増築or改築部分の床面積が50㎡を超えず、かつ、基準時の当該建築物の延べ面積を超えないこと
・増築or改築後の階数が2以下で、かつ、延べ面積が500㎡を超えないこと
・増築or改築部分の外壁、軒裏は防火構造とすること(令137条の10)
〇大規模な修繕・模様替え
・すべて(令137条の12)
⑨準防火地域関係(法62条1項)
〇増築・改築
・基準時以降の増築or改築部分の床面積が50㎡を超えないこと
・増築or改築後の階数が2以下であること
・増築or改築部分の外壁、軒裏は防火構造とすること(令137条の11)
〇大規模な修繕・模様替え
・すべて(令137条の12)
3)全体計画認定の概要(法86条の8)
・全体計画認定とは、既存不適格建築物を複数の工事に分けて段階的に改正後の建築基準法に適合させていく計画について、特定行政庁が認定を行うもの。
・増築、改築、大規模の修繕、大規模の模様替(”増築等”)を含む工事を2以上に分けて行う場合、全体計画認定を活用すると、工事と工事の間は既存不適格が解除されない。
→2以上の工事の最後の工事の終了時点で、現行基準に適合させればよい。
●既存不適格の解除
・既存不適格は、法の不遡及の原則と、法改正のたびに既に建っている建築物をすべて違反とすることで起きる社会的混乱を防ぐための制度であり、現行法に適合しない状態を半永久的に続けることを認めているわけではない。
→建築基準法には、既存不適格が解除される条件が規定されている。
→一度解除されると、その建物や敷地はすべて、解除された時点の法律に適合させなければならず、時には増改築や改修、補強などを必要とする。
〇一定規模以上の増改築や改修が行われた建物と、その建物が建っている敷地。
→敷地およびその棟全体を現行法に適合するよう改修や補強する必要がある。
〇上記にあたらない改修などによって、いちど現行法に適合した部分。
→既存不適格が解除されているので、着工時の状態に戻すことは違反である。問題となるのは適合するに至った部分だけであり、それ以外の部分には影響しない。
〇法改正(主に法規制の緩和)によって、現行法に適合するようになった部分。