民法の概要

〇民法:1条
〇過去問
・管理業務主任者 
・マンション管理士 
 
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一般法と特別法
・1896年(明治29)公布の総則・物権・債権、98年公布の親族・相続の五編からなる。
 
●民法は一般法、一般法と特別法
 
・一般法:適用対象がより広い法。
・特別法:適用対象がより特定されている法。
・民法に対する特別法としては、不動産登記法、戸籍法、借地借家法、利息制限法,製造物責任法、建物区分所有法等がある。
・特別法がある場合には、特別法の規定が優先され、それ以外の事柄は民法に従う。
法律と判例
●判例
 
・判例は、”先例”としての重み付けがなされ、それ以後の判決に拘束力を持ち、影響を及ぼす。
・同様の紛争があったときに同じ主旨の判決を繰り返すと、法律と同じような効果を生じる。
 
〇異なる判例がある場合の優先順位
・上級審の判例が優先され、同級審の判例同士では新しい判例が優先する。
・最高裁で”判例変更”の手続が取られて新しい判例が出来た場合、古い判例の”先例”としての価値が無くなる。
民法の基本原理
〇権利能力平等の原則
・人は階級や職業、性別などによって差別されず、等しく権利義務の主体となることができるとするもの。
 
〇私的自治の原則(契約自由の原則)
・他から干渉されることなく当事者双方の合意により決めることができる。
・契約内容をどうするかは、当事者の合意により定めることができ、民法と異なる内容としてもよい(91条)
(例外)社会的弱者や公の秩序を保護するため、契約内容などを自由に定めることができないものもある。公序良俗に反する契約。
 
〇所有権絶対の原則
・所有者は自由にその所有物を使用・処分等できる。
・他人は(国であっても)、所有権(物を全面的に支配する権利)を侵害することはできない。
 
〇過失責任の原則
・個人の行為によって他者に損害を与えた場合であっても,その個人に故意または過失がない限りは,その損害について法的責任を負担しない。
(例外)弱者や被害者を救済するため、過失がなくとも責任を負うことがある。
※無過失責任
 社会に対して危険をつくり出している者は、危険を防止する能力を有していることなどから、それによって生じる損害に対して重い責任を負わなければならないという考え方(危険責任)、利益を上げる過程で損害を与えた者は、利益あるところに損失も帰すべきなので、利益から賠償しなければならないという考え方(報償責任)の2つがある。
 ・工作物の設置・保存の瑕疵についての”所有者責任”
 ・鉱害や原子力災害に対する”事業者責任”
 ・大気汚染・水質汚濁についての”事業者責任”、”製造物責任”などは無過失責任。
民法1条の修正原則
所有権絶対の原則、契約自由の原則の修正原則として、民法1条で以下を規定している。
 
●公共の福祉の原則
・私権(物権、債権などの私法上の権利)は、公共の福祉に適合しなければならない。
・違反する場合は、私権としての効力が認められない。
 
●信義誠実の原則
・権利の行使及び義務の履行は、信義に従い誠実に行わなければならない。
・違反する場合は、自己の主張が認められないだけでなく、損害賠償の対象ともなりえる。
 
●権利濫用の禁止の原則
・権利の濫用は、これを許さない。
・権利の濫用は不法行為となり、損害が生じた場合は、その損害を賠償しなければならない。

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