消防用設備等 避難設備

〇消防法:
〇消防法施行令:25~26条
〇消防法施行規則:26条~28条の3
〇過去問
・管理業務主任者 
・マンション管理士 H16問25、H25問23、R1問23
 
 
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避難設備
・火災が発生した場合において避難するために用いる機械器具又は設備。
 
①すべり台、避難はしご、救助袋、緩降機、避難橋その他の避難器具
→令25条
→規則26,27条
→平成6年自治省令2号”緩降機の技術上の規格を定める省令”
→昭和53年消防庁告示1号”避難器具の基準”
→平成8年消防庁告示2号”避難器具の設置及び維持に関する技術上の基準の細目”
 
②誘導灯及び誘導標識
→令26条
→規則28条の2,3
→平成11年消防庁告示2号”誘導灯及び誘導標識の基準”
避難器具の概要
1)避難器具の種類
 
〇避難はしご
・固定はしご、立てかけはしご、つり下げはしごで金属製以外のものをいう。
〇すべり台
・勾配のある直線状orらせん状の固定された滑り面を滑り降りるものをいう。
〇すべり棒
・垂直に固定した棒を滑り降りるものをいう。
〇避難ロープ
・上端部を固定しつりさげたロープを使用し降下するものをいう。
〇避難用タラップ
・階段状のもので、使用の際、手すりを用いるものをいう。
〇避難橋
・建築物相互を連絡する橋状のものをいう。
〇救助袋
・使用の際、垂直or斜めに展張し、袋本体の内部を滑り降りるものをいう。
 
2)共同住宅の場合の設置基準(令25条)
 
・避難器具は、以下に掲げる階(避難階及び11階以上の階を除く)に設置するものとする。
①2階以上の階or地階
・収容人員:30人以上
②3階以上の階
・避難階or地上に直通する階段が1の階で収容人員10人以上
 
●設置する避難器具
 
〇上記①の場合
・地階:避難はしご、避難用タラップ
・2階:滑り台、避難はしご、救助袋、緩降機、避難橋、滑り棒、避難ロープ、避難用タラップ
・3階:滑り台、避難はしご、救助袋、緩降機、避難橋、避難用タラップ
・4or5階:滑り台、避難はしご、救助袋、緩降機、避難橋
・6階以上の階:滑り台、避難はしご、救助袋、緩降機、避難橋
 
〇上記②の場合
・3階:滑り台、避難はしご、救助袋、緩降機、避難橋、避難用タラップ
・4or5階:滑り台、避難はしご、救助袋、緩降機、避難橋
・6階以上の階:滑り台、避難はしご、救助袋、緩降機、避難橋
 
●設置する避難器具の個数
・収容人員が100人以下のときは1個以上、100人を超えるときは1個に100人までを増すごとに1個を加えた個数以上。
・ただし、当該防火対象物の位置、構造or設備の状況により避難上支障がないと認められるときは、総務省令で定めるところにより、その設置個数を減少し、又は避難器具を設置しないことができる。
 
●避難器具の設置個数の減免(規則26条)
〇耐火構造、2以上の避難階段(1項)
・以下に該当するときは、当該階に設置する避難器具の個数は、”100人”を”200人”に、読み替えて算出して得た数以上とする。
①主要構造部を耐火構造としたものであること。
②避難階or地上に通ずる直通階段で、避難階段or特別避難階段が2以上設けられていること。
 
〇避難階段設置時の個数減免(2項)
・対象の階に、直通階段で、避難階段or特別避難階段としたものが設けられている場合は、当該階に設置する避難器具の個数は、算出して得た数から当該避難階段or特別避難階段の数を引いた数以上とすることができる。この場合において、当該引いた数が1に満たないときは、当該階に避難器具を設置しないことができる。
 
〇設置免除(5項)
①1号
・次の各号のいずれかに該当するときには、当該階に避難器具を設置しないことができる。
イ)主要構造部を耐火構造としたものであること。
ロ)開口部に特定防火設備である防火戸or鉄製網入ガラス入りの戸を設ける耐火構造の壁or床で区画されていること。
ハ)ロの区画された部分の収容人員が、令25条1項各号の区分に応じ、それぞれ当該各号の収容人員の数値未満であること。
ニ)壁及び天井の室内に面する部分の仕上げを準不燃材料でし、又はスプリンクラー設備が、当該階の主たる用途に供するすべての部分に、令12条に定める技術上の基準に従い、若しくは当該技術上の基準の例により設けられていること。
ホ)直通階段を避難階段or特別避難階段としたものであること。
ヘ)バルコニーその他これに準ずるものが避難上有効に設けられているか、又は2以上の直通階段が相互に隔った位置に設けられ、かつ、当該階のあらゆる部分から2以上の異なった経路によりこれらの直通階段のうちの2以上のものに到達しうるよう設けられていること。
 
②2号
・次のイ及びロに該当すること。
イ)主要構造部を耐火構造としたものであること。
ロ)居室の外気に面する部分にバルコニーが避難上有効に設けられており、かつ、当該バルコニーから地上に通ずる階段その他の避難のための設備(共同住宅にあっては階段に限る)or器具が設けられ、又は他の建築物に通ずる設備or器具が設けられていること。
 
③3号
・次のイからニまでに該当すること。
イ)主要構造部を耐火構造としたものであること。
ロ)居室or住戸から直通階段に直接通じており、当該居室or住戸の当該直通階段に面する開口部には特定防火設備である防火戸で、随時開くことができる自動閉鎖装置付のもの又は次の(イ)及び(ロ)に定める構造のものを設けたものであること。
(イ)随時閉鎖することができ、かつ、煙感知器の作動と連動して閉鎖すること。
(ロ)直接手で開くことができ、かつ、自動的に閉鎖する部分を有し、その部分の幅、高さ及び下端の床面からの高さが、それぞれ、75㎝以上、1.8m以上及び15㎝以下であること。
ハ)直通階段が建築基準法施行令123条に定める構造のものであること。
ニ)収容人員は、30人未満であること。
誘導灯及び誘導標識の概要
1)誘導灯及び誘導標識の概要
 
〇避難口誘導灯
・避難口である旨を表示した緑色の灯火。
 
〇通路誘導灯
・避難の方向を明示した緑色の灯火。
・廊下、階段、通路その他避難上の設備がある場所に、避難上有効なものとなるように設けること。ただし、階段に設けるものにあつては、避難の方向を明示したものとすることを要しない。
 
〇誘導標識
・避難口である旨or避難の方向を明示した緑色の標識。
 
2)共同住宅の場合の設置基準(令26条)
 
〇避難口誘導灯
・地階、無窓階、11階以上の部分
〇通路誘導灯
・地階、無窓階、11階以上の部分
〇誘導標識
・全部
※避難口誘導灯or通路誘導灯を設置したときは、これらの誘導灯の有効範囲内の部分について誘導標識を設置しないことができる。
 
●上記設置基準の例外(規則28条の2)
・避難が容易であると認められるもので総務省令で定めるものについては、設置を要しない。
 
①避難口誘導灯
・居室の各部分から主要な避難口を容易に見とおし、かつ、識別することができる階で、当該避難口に至る歩行距離が避難階にあつては20m以下、避難階以外の階にあつては10m以下であるもの
・避難階にある居室で、次のイからハまでに該当するもの
イ)避難口を有すること。
ロ)室内の各部分から、避難口を容易に見とおし、かつ、識別することができ、室内の各部分から当該避難口に至る歩行距離が30m以下であること。
ハ)燐光等により光を発する誘導標識(蓄光式誘導標識)が消防庁長官の定めるところにより設けられていること。
 
②通路誘導灯
・居室の各部分から主要な避難口orこれに設ける避難口誘導灯を容易に見とおし、かつ、識別することができる階で、当該避難口に至る歩行距離が避難階にあつては40m以下、避難階以外の階にあつては30m以下であるもの
・避難階にある居室で、次のイ及びロに該当するもの
イ)規定の避難口を有すること。
ロ)室内の各部分から規定の避難口orこれに設ける避難口誘導灯若しくは蓄光式誘導標識を容易に見とおし、かつ、識別することができ、室内の各部分から当該避難口に至る歩行距離が30m以下であること。
・階段又は傾斜路のうち、非常用の照明装置が設けられているもの
 
③誘導標識
・居室の各部分から主要な避難口を容易に見とおし、かつ、識別することができる階で、当該避難口に至る歩行距離が30m以下であるもの
・避難階にある居室で、次のイ及びロに該当するもの
イ)規定の避難口を有すること。
ロ)室内の各部分から規定の避難口orこれに設ける避難口誘導灯若しくは蓄光式誘導標識を容易に見とおし、かつ、識別することができ、室内の各部分から当該避難口に至る歩行距離が30m以下であること。
 
3)誘導灯及び誘導標識の設置・維持に関する基準の細目
 
●避難口誘導灯及び通路誘導灯の設置場所
 
・各階ごとに、次の各号に定めるところにより、設置しなければならない。
 
一)避難口誘導灯
・次のイからニまでに掲げる避難口の上部orその直近の避難上有効な箇所に設けること。
イ)屋内から直接地上へ通ずる出入口
ロ)直通階段の出入口
ハ)イorロに掲げる避難口に通ずる廊下or通路に通ずる出入口
ニ)イorロに掲げる避難口に通ずる廊下or通路に設ける防火戸で直接手で開くことができるものがある場所
 
二)通路誘導灯
・廊下or通路のうち次のイからハまでに掲げる箇所に設けること。
イ)曲り角
ロ)前号イ及びロに掲げる避難口に設置される避難口誘導灯の有効範囲内の箇所
ハ)イ及びロのほか、廊下or通路の各部分(避難口誘導灯の有効範囲内の部分を除く)を通路誘導灯の有効範囲内に包含するために必要な箇所
 
●誘導灯の設置及び維持に関する技術上の基準の細目
・階段or傾斜路に設ける通路誘導灯にあつては、踏面or表面及び踊場の中心線の照度が一ルクス以上となるように設けること。
・雨水のかかるおそれのある場所or湿気の滞留するおそれのある場所に設ける誘導灯は、防水構造とすること。
・非常電源は、直交変換装置を有しない蓄電池設備によるものとし、その容量を誘導灯を有効に20分間作動できる容量以上とする。
 
●誘導標識の設置及び維持に関する技術上の基準の細目
・避難口or階段に設けるものを除き、各階ごとに、その廊下及び通路の各部分から一の誘導標識までの歩行距離が7.5m以下となる箇所及び曲り角に設けること。

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