登記簿の構成

〇不動産登記法:3,4,14,19,27,36,44,47,59
〇不動産登記規則:4,115,118,141
〇過去問
・管理業務主任者 H21問43、H23問45、H28問43
・マンション管理士 H13問18、H26問2,18
 
 
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登記簿の構成
1)記載項目
 
●表題部(表示に関する登記)
・不動産の物理的状況を記録することによって、その不動産の同一性を表示することを目的とする。
〇土地の表示に関する登記の登記事項(27条)
・不動産番号、地図番号、筆界特定、
・所在、地番、地目(土地の用途)、地積、
・登記原因、所有者の住所・氏名など
〇建物の表示に関する登記の登記事項(44条)
・不動産番号、所在図番号、
・所在、家屋番号、
・建物の種類(主たる用途)、構造、床面積
・登記原因、所有者の住所・氏名など
 
●権利部
〇権利に関する登記の登記事項(59条)
・順位番号(権利の順位を示す)
・登記の目的(所有権保存・設定、抵当権設定など)
・申請の受付の年月日及び受付番号
・登記原因及びその日付(売買、金銭消費貸借設定など)
・登記名義人の住所・氏名・持分(共有の場合)
 
①甲区(所有権に関する事項)
・所有権保存、所有権移転、買戻権、差押さえなど。
・所有権の仮差押の登記は、”所有権”に関する登記なので、甲区事項欄に記載される。
・所有権の仮登記、所有権の買戻権の登記は、所有権に関する事項であり、甲区欄に記録される
②乙区(所有権以外、抵当権や賃借権)
・抵当権(債権額、利息、損害金、債務者、抵当権者、共同担保目録など)
・地上権、賃借権(賃料、支払時期、存続期間、敷金など)
・地役権(地役権者の氏名・住所の登記は不要。要役地に所有権の登記が必要)
 
●地図等(14条)
・登記所には、地図及び建物所在図が備え付けられている。
〇地図
・一筆又は二筆以上の土地ごとに作成し、各土地の区画を明確にし、地番を表示するものとする。
・地図が備え付けられるまでの間、これに代えて、地図に準ずる図面を備え付けることができる(公図)。
〇建物所在図
・一個又は二個以上の建物ごとに作成し、各建物の位置及び家屋番号を表示するものとする。
表題登記の概要
●表示に関する登記。表題登記(36、47条)
 
・一筆の土地または一個の建物に関して、最初になされる表示登記のこと。
・新築などの場合、登記記録そのものが存在していないので、登記記録そのものを新規に作成する手続きが必要になる。
 この場合、新規に登記記録を作成するには手順として、まず表題部を作成する必要があり、このような登記を”表題登記”と呼んでいる。
→表題登記によって、建物の所在地や建物の種類、構造、また広さなどが記載される。
・建物の新築、滅失等があれば1ヶ月以内に申請しなければならない。
 
〇表題部所有者とは
・所有権の登記がない不動産の登記記録の表題部に、所有者として記録されている者をいう。
・表題部所有者の氏名・住所は、所有権の登記がされると、抹消される。
権利に関する登記の概要
●登記することができる権利等(3条)
・所有権、地上権、永小作権、地役権、先取特権、質権、抵当権、賃借権、配偶者居住権、採石権
〇登記することができない権利
・占有権、留置権、入会権
 
●権利に関する登記の概要
 
・所有権や抵当権などが登記される。
・申請義務はなく、当事者の申請または官公署の嘱託によって行われる。
・申請は、原則として登記権利者(所有権移転を受ける買主)、登記義務者(移転登記をする売主)が共同で申請しなければならない。所有権の保存登記(表題部にしか登記がない不動産につき、初めてする所有権の登記)や相続・合併による所有権の移転登記は単独で行う。
 
●登記した権利の順位(4条)
・同一の不動産について登記した権利の順位は、原則、登記申請の時期の前後による。
・登記の前後は、登記記録の同一の区(甲区、乙区)にした登記相互間については順位番号で、別の区にした登記相互間については受付番号によって決まる。
〇例外
・不動産保存・不動産工事の先取特権は、抵当権の後に登記をしても、抵当権に優先する。 〇同一の不動産に関し2以上の申請がされた場合(19条)
・申請の前後が明らかでない場合は、同時にされたとみなされる。
・同一の不動産に関し同時に2以上の申請がなされたときは、同一の受付番号が付される。
区分建物の場合の登記簿の構成
・区分建物の場合、下記のように1棟全体の表題部と各専有部分の表題部で構成される。
・専有部分も含め、分譲業者などの原始取得者が新築から1ヶ月以内に一括して申請しなければならない。
 
①1棟全体の表題部
【表題部】(一棟の建物の表示)
・所在
・建物の名称
・構造、床面積、原因及びその日付、登記の日付
【表題部】(敷地権の目的たる土地の表示)
・土地の符号、所在・地番、地目、地積、登記の日付
 
②各専有部分の表題部
【表題部】(専有部分の建物の表示)
・不動産番号
・家屋番号
・建物の名称(号室番号)
・種類(居宅など)、構造、床面積、原因及びその日付、登記の日付
【表題部】(敷地権の表示)
・土地の符号、敷地権の種類、敷地権の割合、原因及びその日付、登記の日付
・所有者
【権利部(甲区)】(所有権に関する事項
・順位番号、登記の目的、受付年月日・受付番号、原因、権利者その他の事項
【権利部(乙区)】(所有権以外の権利に関する事項
・順位番号、登記の目的、受付年月日・受付番号、原因、権利者その他の事項
 :
 
●敷地権の登記と敷地権である旨の登記
・専有部分と敷地利用権は、原則として、分離処分することが禁止されている。このことを登記記録に反映させたのが敷地権の登記。
・上記①②の部分に敷地権の登記がされた場合、専有部分と敷地利用権の分離処分が禁止される。
・土地登記記録の敷地権は登記官が職権で行う。
 
●床面積
〇建物の床面積
・各階ごとに壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積による。
〇各専有部分の面積
・壁の内側線で囲まれた水平投影面積による
 
●規約共用部分
・区分建物の専有部分の1室が管理室などの規約共用部分であるときは、②に”規約共用部分である旨”の登記を行う。
・②の区分建物の表題部の”専有部分の建物の表示”欄の”原因及びその日付”欄に”共用部分である旨”の登記がされる。
・登記官は、共用部分である旨の登記又は団地共用部分である旨の登記をするときは、職権で、当該建物について表題部所有者の登記又は権利に関する登記を抹消しなければならない。

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