管理費の滞納に関する管理組合の対応

管理費の滞納に関する管理組合の対応について、いろいろ経験したことをまとめました。
 
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規約の確認、変更
“管理費等の徴収”に関する条文に、督促や徴収に関する費用、弁護士費用などを請求できる旨、記述されているか確認し、記述されていない場合は規約を変更する。
催告書(内容証明)送達
・電話、書面(未納のお知らせ文、請求書、催告書)などの督促を行っても滞納が5~6ヶ月継続した場合、内容証明郵便による弁護士名支払催告書を発送する。
小額訴訟
・訴額が60万円以下の場合。60万円を超えている場合は訴訟を複数回実施。
・当該訴えについて管轄のある簡易裁判所において裁判が行われ、原則として初回期日に審理を終え、判決が出される(ただし、場合により、通常訴訟に移行することもある。)。
・弁護士に依頼せず、理事会で対応することが可能。
支払督促
・支払い督促の申し立てから、仮執行宣言付支払督促の確定を行う。
・未収者が異議を申し出た場合は、民事訴訟に移行。
・異議の申し立てがなければ出廷の必要はないが、異議の申し立てがあった場合は未収者住所地の管轄の裁判所へ行かなければならない。
・支払督促の流れ
①訴状の送達
②2週間経過内に異議申し立てがなければ仮執行宣言申立書を送付
③送達から2週間以内に異議申し立てがなければ確定
民事訴訟
・民事訴訟の提起、追行を行う。
・マンションの管轄裁判所で行う。
債権差し押さえ
●債権差し押さえの手続き
 
・理事長からの”依頼書”、他役員(基本は他の理事)からの”理事長の資格証明書”が必要。
・未収者の口座差押え、賃料債権差押えのどちらかから選択。同時に進める事はできない。口座差押えの場合、未集金以上の残高がない場合がある。口座差押えがNGだった場合は、一度申請を却下して債務名義を取り戻して、賃料債権差押えを行う、などの対応が必要。
 
●口座差押え
 
・未収者の金融資産、口座情報等について未収者本人から入手できない可能性がある。銀行等に預金等の有無の情報開示を求めることも考えられるが、金融機関は顧客情報の流出を懸念して本人と同意を求める可能性がある。
・賃借人または賃貸管理会社から賃料の送金口座の情報提供を求める。
・調査会社に未収者の口座もしくは勤務先の調査を依頼する。勤務先が判明すれば、給与債権差し押さえが可能。
・口座差し押さえをした場合、継続的に差し押さえることができるわけではなく、差押えた日の口座の残高が対象になる。
 
●賃料債権差し押さえ
 
・裁判提出書類として、賃借人の居住を確認できる書類が必要。賃借人から”居住証明書”などの書類を記入、返送してもらうか、住民票を取得するなどが必要。
競売請求
●区分所有法第59条による競売請求
 
・強制競売という強い権限を例外的に組合に与える措置なので、この手続きを行うためには、”区分所有者が他の区分所有者の共同の利益を著しく障害し、他の方法によっては障害の除去が出来ない場合”ということが条件。
遅延損害金
●法的手続きの場合は、遅延損害金の発生は訴状送達時点から?
 
・管理会社の説明では、”訴状到達から遅延損害金が発生する”、と記載して訴状を作成しているようで、裁判所が、この内容を推奨しているとのこと。
 
・訴外では、管理規約のルールにのっとって滞納発生時点から計算して請求して問題無いが裁判所内では、この計算方法がスタンダードのようです。

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