〇過去問
・管理業務主任者 H13問43、H14問44、H16問43、H17問41,42、H18問41、H19問42、H21問41、H22問42、H24問41,45、H25問40、H27問40、H28問41
・マンション管理士 H13問21、H15問17、H24問14、H26問17
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- 1.自ら売主規制(8種制限)とは?
- 2.自己所有に属しない物件の売買契約締結の制限(33条の2)
- 3.クーリングオフ制度の適用(37条の2)
- 4.損害賠償額の予定等の制限(38条)
- 5.手付の額の制限等(39条)
- 6.担保責任についての特約の制限(40条)
- 7.手付金等の保全措置(41条、41条の2)
- 8.割賦販売の契約の解除等の制限(42条)
- 9.所有権留保等の禁止(43条)
自ら売主規制(8種制限)とは?
・宅地建物取引業者が、自ら宅地建物の売主で、一般人が買主のときに課せられる8種類の制限をいう。
・業者間取引には適用はない。
・宅建業者が、代理・媒介する場合は、非業者間(一般人同士)の売買にも適用されない。
・業者間取引には適用はない。
・宅建業者が、代理・媒介する場合は、非業者間(一般人同士)の売買にも適用されない。
自己所有に属しない物件の売買契約締結の制限(33条の2)
1)他人物売買の禁止
・他人物売買について、原則的に禁止
●例外
・以下のように、将来自己所有となることが確実である場合は、他人物でも売買(転売)することができる。
①その宅地・建物を取得する契約を締結しているとき(予約でも可)
・停止条件付きの契約・予約は不可。
②その他業者が当該宅地・建物を取得できることが明らかな場合。
2)未完成物件の売買の禁止
・未完成物件を造成中・工事中の段階で販売することは、原則的に禁止。
●例外
・手付金等の保全措置を講じた未完成物件の売買については可能。
・他人物売買について、原則的に禁止
●例外
・以下のように、将来自己所有となることが確実である場合は、他人物でも売買(転売)することができる。
①その宅地・建物を取得する契約を締結しているとき(予約でも可)
・停止条件付きの契約・予約は不可。
②その他業者が当該宅地・建物を取得できることが明らかな場合。
2)未完成物件の売買の禁止
・未完成物件を造成中・工事中の段階で販売することは、原則的に禁止。
●例外
・手付金等の保全措置を講じた未完成物件の売買については可能。
クーリングオフ制度の適用(37条の2)
●クーリングオフできる場所
・”事務所等”以外の場所で、買受けの申込み、または、売買契約を締結した場合。
〇”事務所等”とは
①事務所
②宅建士を設置すべき、土地に定着した以下の場所
・継続的に業務を行う場所
・一団の分譲を行う案内所
・事務所で説明した後での展示会場
③買主の申出による場合の、買主の自宅・勤務先
〇買受けの申込み場所と売買契約締結の場所が異なる場合
・買受けの申込み場所が、”事務所等”かどうかで判断する。
●”事務所等”以外の場所で申込みした場合でも不可の場合
①売主がクーリングオフできる旨、書面で告知後、8日を経過した場合
・8日には告げられた日も含む。
②買主が宅地・建物の引渡しを受け、かつ、代金全額を支払った場合
●クーリングオフの権利行使
・クーリングオフは、書面で行わなければならない。
・その効力は、その書面を発した時に生じる。
●金銭の返還等
・クーリングオフは、白紙撤回・無条件解除なので、クーリングオフが行われたとき、宅建業者は、受領した手付金その他の金銭を、速やかに返還しなければならない。
・業者に損害が発生しても、損害賠償請求はできない。
●特約の効力
・上記に反する特約で、買主等に不利なものは無効。
・”事務所等”以外の場所で、買受けの申込み、または、売買契約を締結した場合。
〇”事務所等”とは
①事務所
②宅建士を設置すべき、土地に定着した以下の場所
・継続的に業務を行う場所
・一団の分譲を行う案内所
・事務所で説明した後での展示会場
③買主の申出による場合の、買主の自宅・勤務先
〇買受けの申込み場所と売買契約締結の場所が異なる場合
・買受けの申込み場所が、”事務所等”かどうかで判断する。
●”事務所等”以外の場所で申込みした場合でも不可の場合
①売主がクーリングオフできる旨、書面で告知後、8日を経過した場合
・8日には告げられた日も含む。
②買主が宅地・建物の引渡しを受け、かつ、代金全額を支払った場合
●クーリングオフの権利行使
・クーリングオフは、書面で行わなければならない。
・その効力は、その書面を発した時に生じる。
●金銭の返還等
・クーリングオフは、白紙撤回・無条件解除なので、クーリングオフが行われたとき、宅建業者は、受領した手付金その他の金銭を、速やかに返還しなければならない。
・業者に損害が発生しても、損害賠償請求はできない。
●特約の効力
・上記に反する特約で、買主等に不利なものは無効。
損害賠償額の予定等の制限(38条)
・債務不履行を理由とする契約の解除に伴う損害賠償額の予定または違約金を定める場合に、その額は合算して代金額の10分の2を超えてはならず、超える部分は無効とする。
〇”契約の解除”に限定
・債務不履行があったが、契約を”解除していない”場合は、履行遅滞になり、遅延賠償(履行1日の遅れにつきいくら払う等)が生じるが、この”遅延賠償額”については、本条の制限の対象にはならない。
〇”自ら売主の制限”
・宅地建物取引業者相互間の取引では、これらの金額は2割に限定されない。
〇予定、違約金の定めがない場合
・損害賠償額の予定や違約金の定めがない場合は、通常の債務不履行と同じ扱いで、実損額を証明して、その損害賠償を請求する。その実損害が2割を超えていても賠償請求できる。
〇”契約の解除”に限定
・債務不履行があったが、契約を”解除していない”場合は、履行遅滞になり、遅延賠償(履行1日の遅れにつきいくら払う等)が生じるが、この”遅延賠償額”については、本条の制限の対象にはならない。
〇”自ら売主の制限”
・宅地建物取引業者相互間の取引では、これらの金額は2割に限定されない。
〇予定、違約金の定めがない場合
・損害賠償額の予定や違約金の定めがない場合は、通常の債務不履行と同じ扱いで、実損額を証明して、その損害賠償を請求する。その実損害が2割を超えていても賠償請求できる。
手付の額の制限等(39条)
・自ら売主となる売買契約の手付の額は2割に制限。
・宅地建物取引業者が売主で、宅地建物取引業者でない者が買主の場合は、手付を交付すれば、それはすべて解約手付としての意味を持つ。
→当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄して、当該宅地建物取引業者はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。
・買主に不利な特約は無効。
・宅地建物取引業者が売主で、宅地建物取引業者でない者が買主の場合は、手付を交付すれば、それはすべて解約手付としての意味を持つ。
→当事者の一方が契約の履行に着手するまでは、買主はその手付を放棄して、当該宅地建物取引業者はその倍額を償還して、契約の解除をすることができる。
・買主に不利な特約は無効。
担保責任についての特約の制限(40条)
〇宅建業法の原則
・民法より買主に不利な特約は”原則”NG。
・宅建業者が自ら売主となった場合に適用される。
・宅建業者間取引には適用されない。
〇例外(特約が有効となる場合)
・宅地・建物の売買契約において、目的物が種類または品質に関して契約の内容に適合しない場合の権利行使期間の制限について”目的物の引渡しの日から2年以上”とする特約は、民法の規定より買主に不利な内容だが、例外的に認められる。
→上記2年以上の特約を結べば、民法の契約不適合を”知った時から1年以内に通知”を適用しないで済む。
・民法では不適合を知ってから1年以内、宅建業法では引渡しから2年以上。
・民法より買主に不利な特約は”原則”NG。
・宅建業者が自ら売主となった場合に適用される。
・宅建業者間取引には適用されない。
〇例外(特約が有効となる場合)
・宅地・建物の売買契約において、目的物が種類または品質に関して契約の内容に適合しない場合の権利行使期間の制限について”目的物の引渡しの日から2年以上”とする特約は、民法の規定より買主に不利な内容だが、例外的に認められる。
→上記2年以上の特約を結べば、民法の契約不適合を”知った時から1年以内に通知”を適用しないで済む。
・民法では不適合を知ってから1年以内、宅建業法では引渡しから2年以上。
手付金等の保全措置(41条、41条の2)
●保全措置→手付金等の受領
・宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地・建物の売買に関しては、手付金等の保全措置を講じた後でなければ、買主から手付金等を受領してはならない。
〇手付金等
・申込証拠金、手付金、第1回・第2回中間金は手付金等に該当するが、残代金は該当しない。
●手付金等の保全措置が不要な場合
①買主が登記をしたとき
・買主が登記をしたときは、第三者に対して所有権を対抗することができるので、保全措置が不要。
②買主が引渡しを受けたとき。
③手付金等の金額が小さいとき
・未完成物件の場合:代金額の5%以下、かつ、1,000万円以下の場合。
・完成物件の場合:代金額の10%以下、かつ、1,000万円以下の場合。
●保全措置の方法
〇未完成物件の場合
・保証委託契約
・保証保険契約
〇完成物件の場合
・保証委託契約
・保証保険契約
・指定保管機関による保管措置
●売主が手付金等の保全措置を講じないとき
・買主は手付金等を支払わなくても、債務不履行などの責任を負うことはない。
・宅地建物取引業者は、自ら売主となる宅地・建物の売買に関しては、手付金等の保全措置を講じた後でなければ、買主から手付金等を受領してはならない。
〇手付金等
・申込証拠金、手付金、第1回・第2回中間金は手付金等に該当するが、残代金は該当しない。
●手付金等の保全措置が不要な場合
①買主が登記をしたとき
・買主が登記をしたときは、第三者に対して所有権を対抗することができるので、保全措置が不要。
②買主が引渡しを受けたとき。
③手付金等の金額が小さいとき
・未完成物件の場合:代金額の5%以下、かつ、1,000万円以下の場合。
・完成物件の場合:代金額の10%以下、かつ、1,000万円以下の場合。
●保全措置の方法
〇未完成物件の場合
・保証委託契約
・保証保険契約
〇完成物件の場合
・保証委託契約
・保証保険契約
・指定保管機関による保管措置
●売主が手付金等の保全措置を講じないとき
・買主は手付金等を支払わなくても、債務不履行などの責任を負うことはない。
割賦販売の契約の解除等の制限(42条)
・割賦販売契約において割賦金の支払いがない場合に、
“30日”以上の期間を定めて
“書面”により支払いを催告して
この期間内に支払いがないときでなければ、契約の解除および残りの割賦金を請求することができない。
・この規定に反する特約は無効。
〇割賦販売契約
・代金を、目的物の引渡し後1年以上の期間にわたり、2回以上に分割して受領することを条件に販売する契約。
“30日”以上の期間を定めて
“書面”により支払いを催告して
この期間内に支払いがないときでなければ、契約の解除および残りの割賦金を請求することができない。
・この規定に反する特約は無効。
〇割賦販売契約
・代金を、目的物の引渡し後1年以上の期間にわたり、2回以上に分割して受領することを条件に販売する契約。
所有権留保等の禁止(43条)
〇所有権留保とは
・不動産を割賦販売で売った場合に、買主が残代金を支払うまでは、不動産の登記を売主名義のままに留保しておく。
〇原則
・所有権留保による売買契約をしてはならず、引渡しまでに登記の移転等をしなければならない。
・引渡し後に担保目的でそれを譲り受けること(譲渡担保)をしてはならない。
〇例外
・以下のように、残代金が多額の場合や、残代金について担保がない場合には、所有権留保が可能。
①代金額の3/10を超える額の支払を受けていない
②抵当権の登記を申請し、または保証人を立てる見込みがないとき
・抵当権を設定できない等の場合は、代金の3/10を超える支払があった場合でも、所有権留保ができる。
〇譲渡担保の禁止
・宅地・建物を買主に引き渡し、かつ、代金の額の3/10を超える額の金銭の支払を受けた後は、担保の目的で当該宅地・建物を譲り受けてはならない。
・不動産を割賦販売で売った場合に、買主が残代金を支払うまでは、不動産の登記を売主名義のままに留保しておく。
〇原則
・所有権留保による売買契約をしてはならず、引渡しまでに登記の移転等をしなければならない。
・引渡し後に担保目的でそれを譲り受けること(譲渡担保)をしてはならない。
〇例外
・以下のように、残代金が多額の場合や、残代金について担保がない場合には、所有権留保が可能。
①代金額の3/10を超える額の支払を受けていない
②抵当権の登記を申請し、または保証人を立てる見込みがないとき
・抵当権を設定できない等の場合は、代金の3/10を超える支払があった場合でも、所有権留保ができる。
〇譲渡担保の禁止
・宅地・建物を買主に引き渡し、かつ、代金の額の3/10を超える額の金銭の支払を受けた後は、担保の目的で当該宅地・建物を譲り受けてはならない。