部分補修、小・中規模修繕で修繕周期を延伸

保証期間がきれていたり、ひび割れ・剥がれなどが発生していて漏水リスクがあるからといって全面改修を提案されることもあるかと思います。当然、足場を設置した大規模修繕工事、屋上防水や廊下や階段などの塩ビ床シートなどの全面改修などの工事は多額の費用がかかります。
 
しかし劣化部分が部分的な場合は部分補修でも対処可能な場合も多く、小・中規模修繕をこまめに実施して全面改修の実施時期を延伸することによって長期的なコストの低減をはかるのも一つの方法かと思います。
 
以下、部分補修の事例、施工方法などの情報をまとめています。
 
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アスファルト防水の部分補修の事例
通常の全面改修では、既存防水層の上に全面的にアスファルトシートを重ねて貼るカバー工法になりますが、シートを貼らずに、シール等による補修と保護塗装のみの部分補修の工法もあります。部分補修の場合は保証が出ない場合が大半ですが、以下の事例のように4年の保証が出る事例もありました。
 
●2021年1月の事例
 
〇施工方法
①下地調整・清掃
②既存防水不良部プライマー塗布
③プライマー部ゴムアスファルト防水
④ジョイント不良部ハルスターコート塗布
⑤保護塗料仕上げ
※立上り共、端末タイル取合シール打替共
 
〇価格
・防水工程のみの単価3,600円(洗浄、養生、他の経費は別)
 
〇保証期間
・4年
 
ゴムアスファルト系シーリング材
ハルスターコート(アスファルト系塗膜防水材)
廊下・階段の床シートの部分補修の事例
(1)廊下・階段の長尺シートの部分浮き補修
 
①長尺シートの浮き部確認
②ボンド塗り
③長尺シート押え(重石)含む
④ボンドの硬化待ち 1日程度
⑤養生を剥がし
⑥ササラ防水
⑦端末シーリング
 
〇費用例
・2人工×25,000円+材料(ボンド+養生)19,000円
 
(2)廊下の長尺シートの端末シール部の微小な剥がれ
 
・シート張替えは実施せず、シーリングを上から充填するのみで補修。
・1か所であれば1万円以内
屋上防水の部分補修工法
(1)防水層平場の再施工方法
 
1)ウレタン塗膜防水
 
①不良部分の撤去
・ウレタン塗膜防水層が破損している場合には、立上がり、床面とも、重ね塗りできる健全な部分を残し、不具合部分を撤去する。
 
②補修
・プライマーを塗布した上で、ウレタン塗膜防水層を塗りつけ、補修する。
 
●構成
・ウレタン塗膜防水材塗り
・補強材
・プライマー処理
 
2)シート防
 
①不良部分の撤去
・シート防水層が破損している場合には、立上がり、床面とも、重ね張りできる健全な部分を残し、不具合部分を撤去する。
 
②補修
A)シート防水層の破損の場合
〇接着工法
・接着剤を塗布した上で、シート防水層を張りつけ、補修する。
〇機械的固定方法
・健全な部分の防水層に新設防水層を張りつけ、補修する。
 
B)シート防水層が剥離している場合
・剥離部分を張り直し、補修する。
 
3)アスファルト系露出防水
 
①不良部分の撤去
・立上がり、床面とも、重ね張りできる健全部分を残し、不具合部分を撤去する。
 
②補修
A)部分的に破損している場合
・プライマー塗布乾燥後、防水層を張り付け、補修する。
 
B)部分的に剥離している場合
・剥離部分を張り直し、補修する。
 
4)アスファルト系露出防水の劣化症状別の補修方法
 
A)ふくれ・浮き
・ふくれ部分を切り取り、下地と切り取った防水層裏面を乾燥させて、トーチバーナーであぶって押さえ密着させる。
 その上に、既存防水層各層と同じ改質アスファルトルーフィングシート類を同じ張り付け順序で張り付ける。
 
B)切り傷
・損傷部分の凸部をトーチバーナーであぶり、均し、損傷部を覆うかたちで既存防水層各層と同じ改質アスファルトルーフィングシート類を同じ張り付け順序で張り付ける。
 
C)口あき
・改質アスファルトルーフィングシート相互の口あき部分に、焼いた金ごてを差し込んで開き、トーチバーナーであぶってシート相互の改質アスファルトを溶融させて密着させ、端部をトーチバーナーで焼いた金ごてで押さえ、段差をなくす。
 
(2)パラペットの補修と防水層の再施工方法
 
1)ウレタン塗膜防水
 
①不良部分の撤去
・立上がり、平場とも重ね塗りできる健全な部分を残しウレタン塗膜防水層の不具合部分を撤去する。
 
②防水の施工
・ひび割れ処理及びプライマーを塗布する。
・必要に応じて補強布を配する。
・ウレタン塗膜防水材を塗布する。
 
2)シート防水
 
①不良部分の撤去
・立上がり、平場とも重ね張りできる健全な部分を残し、シート防水層の不具合部分を撤去する。
 
②防水の施工
・ひび割れ処理及び接着剤を塗布した上で、シート防水層を張り付ける。
または、固定金具を使用し機械的固定工法にて補修する。
・防水層の立上がり端末部には、押え金物を設置し、シーリングする。
 
3)改質アスファルトシート防水
 
①不良部分の撤去
・立上がり、平場とも重ね張りできる健全な部分を残し改質アスファルトシート防水層の不具合部分を撤去する。
 
②防水の施工
・ひび割れ処理及びプライマーを塗布した上で、改質アスファルト防水層を張り付ける。
・防水層の立上がり端末部には、押え金物を設置し、シーリングする。
ガムシステム

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