『公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)』
ひび割れ部改修工法
1)ひび割れ部改修一般事項
・ひび割れ部から漏水が見られる場合,ひび割れ部周辺のタイルに浮きが見られる場合又はひび割れ部から錆汁がでている場合は,適宜対応する。
2)タイル張りを撤去する場合
・タイル片は,のみ,たがね等で健全部分への損傷が拡大しないようはつり撤去する。
・ひび割れ周辺をダイヤモンドカッター等で健全部分と縁を切って損傷が拡大しないようにタイル目地に沿って切り込む。
〇切込み深さ
①下地モルタルと構造体コンクリート界面の浮きの場合は,構造体コンクリートの表面までとする。
②張付けモルタルと下地モルタル界面の浮きの場合は,下地モルタル面までとする。
③タイル裏面と張付けモルタルの界面の浮きの場合は,張付けモルタル面までとする。
なお,浮きがなくてもタイルを除去する必要がある場合は,張付けモルタル面までとする。
●ひび割れ部の改修工法
①下地モルタルと構造体コンクリート界面の浮きの場合
・樹脂注入工法
・Uカットシール材充填工法
②張付けモルタルと下地モルタル界面の浮き又はタイル裏面と張付けモルタルの界面の浮きの場合
・樹脂注入工法
●ひび割れ部改修後のタイル張り撤去部の補修
①下地モルタルと構造体コンクリート界面の浮きの場合
・タイル部分張替え工法(ポリマーセメントモルタル)
・タイル張替え工法
②張付けモルタルと下地モルタル界面の浮きの場合
・タイル部分張替え工法(ポリマーセメントモルタル)
③タイル裏面と張付けモルタルの界面の浮きの場合
・タイル部分張替え工法(接着剤)
3)タイル張りを撤去しない場合の改修工法
・樹脂注入工法
・ひび割れ部から漏水が見られる場合,ひび割れ部周辺のタイルに浮きが見られる場合又はひび割れ部から錆汁がでている場合は,適宜対応する。
2)タイル張りを撤去する場合
・タイル片は,のみ,たがね等で健全部分への損傷が拡大しないようはつり撤去する。
・ひび割れ周辺をダイヤモンドカッター等で健全部分と縁を切って損傷が拡大しないようにタイル目地に沿って切り込む。
〇切込み深さ
①下地モルタルと構造体コンクリート界面の浮きの場合は,構造体コンクリートの表面までとする。
②張付けモルタルと下地モルタル界面の浮きの場合は,下地モルタル面までとする。
③タイル裏面と張付けモルタルの界面の浮きの場合は,張付けモルタル面までとする。
なお,浮きがなくてもタイルを除去する必要がある場合は,張付けモルタル面までとする。
●ひび割れ部の改修工法
①下地モルタルと構造体コンクリート界面の浮きの場合
・樹脂注入工法
・Uカットシール材充填工法
②張付けモルタルと下地モルタル界面の浮き又はタイル裏面と張付けモルタルの界面の浮きの場合
・樹脂注入工法
●ひび割れ部改修後のタイル張り撤去部の補修
①下地モルタルと構造体コンクリート界面の浮きの場合
・タイル部分張替え工法(ポリマーセメントモルタル)
・タイル張替え工法
②張付けモルタルと下地モルタル界面の浮きの場合
・タイル部分張替え工法(ポリマーセメントモルタル)
③タイル裏面と張付けモルタルの界面の浮きの場合
・タイル部分張替え工法(接着剤)
3)タイル張りを撤去しない場合の改修工法
・樹脂注入工法
欠損部改修工法
1)欠損部改修一般事項
・欠損部周辺のぜい弱部分は,ハンマー等で軽い打撃を与えて除去し,欠損部の状況を目視によって確認する。
・下地部分は,ワイヤーブラシ等でケレンし,汚れ,ほこり,油等の除去・清掃を行う。また,部分的に露出している鉄筋,アンカー金物等は,健全部が露出するまでコンクリートをはつり,ワイヤーブラシ等でケレンを行い錆を除去し,鉄筋コンクリート用防錆剤等を塗り付け,防錆処理を行う。
2)欠損部周辺のタイル張りの撤去
(1)と同様。
3)改修工法
・タイル部分張替え工法
・タイル張替え工法
・欠損部周辺のぜい弱部分は,ハンマー等で軽い打撃を与えて除去し,欠損部の状況を目視によって確認する。
・下地部分は,ワイヤーブラシ等でケレンし,汚れ,ほこり,油等の除去・清掃を行う。また,部分的に露出している鉄筋,アンカー金物等は,健全部が露出するまでコンクリートをはつり,ワイヤーブラシ等でケレンを行い錆を除去し,鉄筋コンクリート用防錆剤等を塗り付け,防錆処理を行う。
2)欠損部周辺のタイル張りの撤去
(1)と同様。
3)改修工法
・タイル部分張替え工法
・タイル張替え工法
浮き部改修工法の種類
1)浮き部改修一般事項
〇補修範囲の確認
・補修範囲は,テストハンマー等により,はく離のおそれがある浮き部について確認し,アンカーピンニング等の位置をチョーク等で明示する。
2)タイル張りを撤去する場合
・タイル片は,のみ,たがね等で健全部分への損傷が拡大しないようはつり撤去する。
・浮き部を中心にモルタルをダイヤモンドカッター等で健全部分と縁を切って損傷が拡大しないようにタイル目地に沿って切り込む。
〇切込み深さ
①下地モルタルと構造体コンクリート界面の浮きの場合は,構造体コンクリートの表面までとする。
②張付けモルタルと下地モルタル界面の浮きの場合は,下地モルタル面までとする。
③タイル裏面と張付けモルタルの界面の浮きの場合は,張付けモルタル面までとする。
なお,浮きがなくてもタイルを除去する必要がある場合は,張付けモルタル面までとする。
●タイル張り撤去部の補修
①下地モルタルと構造体コンクリート界面の浮きの場合
・タイル部分張替え工法(ポリマーセメントモルタル)
・タイル張替え工法
②張付けモルタルと下地モルタル界面の浮きの場合
・タイル部分張替え工法(ポリマーセメントモルタル)
③タイル裏面と張付けモルタルの界面の浮きの場合
・タイル部分張替え工法(接着剤)
3)タイル張りを撤去しない場合の改修工法
①アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法
②アンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法
③アンカーピンニング全面ポリマーセメントスラリー注入工法
④注入口付アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法
⑤注入口付アンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法
⑥注入口付アンカーピンニング全面ポリマーセメントスラリー注入工法
・上記①~⑥の場合において、穿孔位置がタイル陶片にかかる場合は,穿孔位置を近傍のタイル目地部分に釣り合いを保ちながら移動する。
⑦注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂注入タイル固定工法
・特殊ドリルを使用して,タイル中央に穿孔し直接注入口付アンカーピンを打ち込み,注入用エポキシ樹脂を注入してタイルを固定する。タイルにあけた孔は化粧キャップ又は樹脂パテでふさぐ。
〇補修範囲の確認
・補修範囲は,テストハンマー等により,はく離のおそれがある浮き部について確認し,アンカーピンニング等の位置をチョーク等で明示する。
2)タイル張りを撤去する場合
・タイル片は,のみ,たがね等で健全部分への損傷が拡大しないようはつり撤去する。
・浮き部を中心にモルタルをダイヤモンドカッター等で健全部分と縁を切って損傷が拡大しないようにタイル目地に沿って切り込む。
〇切込み深さ
①下地モルタルと構造体コンクリート界面の浮きの場合は,構造体コンクリートの表面までとする。
②張付けモルタルと下地モルタル界面の浮きの場合は,下地モルタル面までとする。
③タイル裏面と張付けモルタルの界面の浮きの場合は,張付けモルタル面までとする。
なお,浮きがなくてもタイルを除去する必要がある場合は,張付けモルタル面までとする。
●タイル張り撤去部の補修
①下地モルタルと構造体コンクリート界面の浮きの場合
・タイル部分張替え工法(ポリマーセメントモルタル)
・タイル張替え工法
②張付けモルタルと下地モルタル界面の浮きの場合
・タイル部分張替え工法(ポリマーセメントモルタル)
③タイル裏面と張付けモルタルの界面の浮きの場合
・タイル部分張替え工法(接着剤)
3)タイル張りを撤去しない場合の改修工法
①アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法
②アンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法
③アンカーピンニング全面ポリマーセメントスラリー注入工法
④注入口付アンカーピンニング部分エポキシ樹脂注入工法
⑤注入口付アンカーピンニング全面エポキシ樹脂注入工法
⑥注入口付アンカーピンニング全面ポリマーセメントスラリー注入工法
・上記①~⑥の場合において、穿孔位置がタイル陶片にかかる場合は,穿孔位置を近傍のタイル目地部分に釣り合いを保ちながら移動する。
⑦注入口付アンカーピンニングエポキシ樹脂注入タイル固定工法
・特殊ドリルを使用して,タイル中央に穿孔し直接注入口付アンカーピンを打ち込み,注入用エポキシ樹脂を注入してタイルを固定する。タイルにあけた孔は化粧キャップ又は樹脂パテでふさぐ。
タイル部分張替え工法
1)適用範囲
・タイルの部分的な張替えで,既存の下地モルタル等がある場合及び1箇所当たりの張替え面積が0.25㎡程度以下の場合に適用する。
2)ポリマーセメントモルタルを使用する場合
①張替え下地面の水湿し又は吸水調整材の塗布を行う。
②ポリマーセメントモルタルを製造所の仕様により調合し,均一になるまで混練りする。
なお,混ぜる量は,1回の張付け面積分とする。
③張替え下地面とタイル裏面の両面にポリマーセメントモルタルを塗り付け,タイルを張り付ける。
④タイル目地詰めは,タイル張り完了後,24時間以上の養生を行った後に目地ごて,ゴムごて等を用いて目地モルタルを塗り込む。小口タイル以上の大きさの場合は,更に目地ごてを用いて仕上げる。
なお,目地深さはタイル厚の1/2以内とする。
⑤ポリマーセメントモルタルが硬化するまでは衝撃を与えないようにし,降雨等からも養生する。
⑥張替え部以外に付着した材料は,適切な方法で除去する。
3)外装壁タイル接着剤張りの接着剤を使用する場合
①張替え下地面を良く乾燥させる。
②接着剤は容器から取り出して直ちに使用する。
③張替え下地面に接着剤を塗布し,タイルを張り付ける。
④タイル目地詰めは,タイル張り完了後,24時間以上の養生を行った後に目地ごて,ゴムごて等を用いて目地モルタルを塗り込む。小口タイル以上の大きさの場合は,更に目地ごてを用いて仕上げる。
なお,目地深さはタイル厚の1/2以内とする。
⑤接着剤が硬化するまでは衝撃を与えないようにし,降雨等からも養生する。
⑥張替え部以外に付着した材料は,適切な方法で除去する。
・タイルの部分的な張替えで,既存の下地モルタル等がある場合及び1箇所当たりの張替え面積が0.25㎡程度以下の場合に適用する。
2)ポリマーセメントモルタルを使用する場合
①張替え下地面の水湿し又は吸水調整材の塗布を行う。
②ポリマーセメントモルタルを製造所の仕様により調合し,均一になるまで混練りする。
なお,混ぜる量は,1回の張付け面積分とする。
③張替え下地面とタイル裏面の両面にポリマーセメントモルタルを塗り付け,タイルを張り付ける。
④タイル目地詰めは,タイル張り完了後,24時間以上の養生を行った後に目地ごて,ゴムごて等を用いて目地モルタルを塗り込む。小口タイル以上の大きさの場合は,更に目地ごてを用いて仕上げる。
なお,目地深さはタイル厚の1/2以内とする。
⑤ポリマーセメントモルタルが硬化するまでは衝撃を与えないようにし,降雨等からも養生する。
⑥張替え部以外に付着した材料は,適切な方法で除去する。
3)外装壁タイル接着剤張りの接着剤を使用する場合
①張替え下地面を良く乾燥させる。
②接着剤は容器から取り出して直ちに使用する。
③張替え下地面に接着剤を塗布し,タイルを張り付ける。
④タイル目地詰めは,タイル張り完了後,24時間以上の養生を行った後に目地ごて,ゴムごて等を用いて目地モルタルを塗り込む。小口タイル以上の大きさの場合は,更に目地ごてを用いて仕上げる。
なお,目地深さはタイル厚の1/2以内とする。
⑤接着剤が硬化するまでは衝撃を与えないようにし,降雨等からも養生する。
⑥張替え部以外に付着した材料は,適切な方法で除去する。
タイル張替え工法
1)適用範囲
・タイルの部分的な張替えで,下地モルタルを撤去する場合に適用する。
2)伸縮調整目地及びひび割れ誘発目地
●伸縮調整目地及びひび割れ誘発目地の位置
・下地のひび割れ誘発目地,打継ぎ目地,構造スリットの位置及び他部材との取合い部には,特記がない場合においても,伸縮調整目地を設ける。
・特記がなければ以下による。
〇外部側に柱形のない場合
・垂直方向:柱の両側又は開口端部上下及び中間3~4m程度
・水平方向:各階ごと打継ぎ目地の位置
〇外部側に柱形のある場合
・垂直方向:柱形の両端及び中間3~4m程度
・水平方向:各階ごと打継ぎ目地の位置
●施工
・ひび割れ誘発目地は,幅20mm以上,深さ10mm以上とし、それ以外の箇所の目地は,幅・深さとも10mm以上とする。
・ひび割れ誘発目地のコンクリート目地深さは,打増ししたコンクリート厚さとする。 ・伸縮調整目地は,躯体と縁を切って設ける。
・特記がなければ,びひび割れ誘発目地のシーリング材はポリウレタン系シーリング材とし,伸縮調整目地その他の目地は変成シリコーン系シーリング材とする。
3)タイル張り下地等の下地モルタル塗り
●コンクリート素地の処理
〇目荒らし工法
・コンクリート,コンクリートブロック等の壁で,ひずみ,不陸等の著しい箇所は,目荒し,水洗い等のうえモルタル又は下地調整塗材で補修し,夏期は7日以上,冬期は14日以上放置する。ただし,気象条件等により,モルタルの付着が確保できる場合には,放置期間を短縮することができる。
・コンクリート,コンクリートブロック壁面は,デッキブラシ等で水洗いを行い,モルタル等の接着を妨げるものを除く。
・コンクリート壁面に高圧水洗処理で目荒しを行う場合は,水圧及び目荒し時間を適切に設定し,モルタルの接着に適した粗面に仕上げる。
・仕上げ厚又は全塗厚が25mmを超える場合の処置は,特記による。
※高圧水洗処理
・高圧水洗処理は、モルタル塗りあるいはタイル張り(直張りの場合)の前に、コンクリート表面を高圧(50~150MPa程度)で水洗いして、モルタルの接着に有効な凹凸の付与、汚れ及び脆弱層の除去を行うこと。
・コンクリートとモルタルとの接着信頼性を高める。
●セメントモルタル張りタイル下地
・モルタル下地の塗厚は,原則として,全仕上げ厚さ,タイル厚さ等から定める。
・タイル張りが,密着張り,改良積上げ張り,改良圧着張り,マスク張り及びモザイクタイル張りの場合並びにセメント系厚付け仕上塗材の場合は,中塗りまで行う。
・モルタル下地面の仕上げは,原則として,木ごて押えとし,その精度はモザイクタイルでは2mにつき3㎜,小口以上のタイルでは2mにつき4㎜とする。
●外装壁タイル接着剤張り下地
・セメント系下地調整厚塗材2種(下地調整塗材CM-2)2回塗り,総厚10㎜以上とする。
・外装壁タイル接着剤張りの場合の仕上げは,原則として,金ごて1回押えとし,その精度は1mにつき3㎜以下とする。
●下地モルタル塗りの確認
・下地モルタルの硬化後,全面にわたり打診を行う。
・浮き及び精度について,不具合が確認された場合は,直ちに補修を行う。
・下地モルタルの接着力試験は,特記による。
●伸縮調整目地
・タイルの伸縮調整目地に合わせて幅10mm以上の伸縮調整目地を設ける。
・伸縮調整目地は,発泡合成樹脂板の類を用い,目地周辺から浮きが発生しないよう,原則として,構造体まで達するようにする。
4)セメントモルタルによる陶磁器質タイル張り
(ⅰ)施工上の注意点
・モルタルの練混ぜは,原則として機械練りとする。また,1回の練混ぜ量は,60分以内に張り終える量とする。
・降雨・降雪時,強風時等タイル工事に支障のあるとき及びこれらが予想される場合は,施工を行わない。
・塗付け場所の気温が3℃以下及び施工後3℃以下になると予想される場合は,施工を行わない。
・伸縮調整目地にはみ出した張付け用モルタルはすべて削り落とし,張付けモルタルの施工が適切でなく隙間のできた場合はモルタルを補充し,目地の形状を整える。
(ⅱ)下地及びタイルごしらえ
・夏期にタイル張りを行う場合は,下地モルタルに前日散水し,十分吸水させる。
・タイル張りに先立ち,下地モルタルに適度の水湿し又は吸水調整材の塗布を行う。ただし,改良積上げ張りの場合,吸水調整材の塗布は行わない。
・吸水性のあるタイルは,必要に応じて,適度の水湿し又は吸水調整材の塗布を行う。
・タイルごしらえは,必要に応じて行う。
※以下の記事参照
(公共工事標準)セメントモルタルによる陶磁器質タイル張り
(ⅲ)密着張り
(ⅳ)改良積上げ張り
(ⅴ)改良圧着張り
(ⅵ)マスク張り(25mm角を超え小口未満のタイル)
(ⅶ)モザイクタイル張り (小口未満のタイル)
(ⅷ)まぐさ,窓台等のタイル張り
●養生及び清掃
〇養生
・屋外施工の場合で,強い直射日光,風,雨等により損傷を受けるおそれのある場合は,シートを張るなどして養生を行う。
・施工中及びモルタルが十分硬化しないうちに,タイル張り面に振動,衝撃等を与えない。
〇清掃
・タイル張り終了後,タイル表面を傷めないように清掃し,汚れを取り除く。やむを得ず清掃に酸類を用いる場合は,清掃前に十分水湿しをし,酸洗い後は,直ちに水洗いを行い,酸分が残らないようにする。
なお,金物類には,酸類が掛からないように養生を行う。
5)有機系接着剤による陶磁器質タイル張り
※以下の記事参照
(公共工事標準)接着剤による陶磁器質タイル張り
6)施工後の確認及び試験
●外観の確認
・タイル張り完了後,次の項目について目視で外観の確認を行う。
①タイルの色調の不ぞろい,不陸,汚れ,割れ,浮上がり及び縁欠けの有無
②目地幅の不ぞろい,目地の色むら及び目地深さの均一性
●打診による確認
・タイル張りは,モルタル及び接着剤の硬化後,全面にわたり打診を行う。
●接着力試験
・タイル張りは,次により接着力試験を行う。ただし,施工場所の状況等により,その必要がないと認められる場合は,監督職員の承諾を受けて,省略することができる。
①試験方法は,接着力試験機による引張接着強度の測定により,試験の時期は強度が出たと思われるときとする。
②試験体
ア.試験体は目地部分をコンクリート面まで切断して周囲と絶縁したものとする。
イ.試験体の個数は,100㎡ごと及びその端数につき1個以上,かつ,全体で3個以上とする。
ウ.試験体の位置は,監督職員の指示による。
・タイルの部分的な張替えで,下地モルタルを撤去する場合に適用する。
2)伸縮調整目地及びひび割れ誘発目地
●伸縮調整目地及びひび割れ誘発目地の位置
・下地のひび割れ誘発目地,打継ぎ目地,構造スリットの位置及び他部材との取合い部には,特記がない場合においても,伸縮調整目地を設ける。
・特記がなければ以下による。
〇外部側に柱形のない場合
・垂直方向:柱の両側又は開口端部上下及び中間3~4m程度
・水平方向:各階ごと打継ぎ目地の位置
〇外部側に柱形のある場合
・垂直方向:柱形の両端及び中間3~4m程度
・水平方向:各階ごと打継ぎ目地の位置
●施工
・ひび割れ誘発目地は,幅20mm以上,深さ10mm以上とし、それ以外の箇所の目地は,幅・深さとも10mm以上とする。
・ひび割れ誘発目地のコンクリート目地深さは,打増ししたコンクリート厚さとする。 ・伸縮調整目地は,躯体と縁を切って設ける。
・特記がなければ,びひび割れ誘発目地のシーリング材はポリウレタン系シーリング材とし,伸縮調整目地その他の目地は変成シリコーン系シーリング材とする。
3)タイル張り下地等の下地モルタル塗り
●コンクリート素地の処理
〇目荒らし工法
・コンクリート,コンクリートブロック等の壁で,ひずみ,不陸等の著しい箇所は,目荒し,水洗い等のうえモルタル又は下地調整塗材で補修し,夏期は7日以上,冬期は14日以上放置する。ただし,気象条件等により,モルタルの付着が確保できる場合には,放置期間を短縮することができる。
・コンクリート,コンクリートブロック壁面は,デッキブラシ等で水洗いを行い,モルタル等の接着を妨げるものを除く。
・コンクリート壁面に高圧水洗処理で目荒しを行う場合は,水圧及び目荒し時間を適切に設定し,モルタルの接着に適した粗面に仕上げる。
・仕上げ厚又は全塗厚が25mmを超える場合の処置は,特記による。
※高圧水洗処理
・高圧水洗処理は、モルタル塗りあるいはタイル張り(直張りの場合)の前に、コンクリート表面を高圧(50~150MPa程度)で水洗いして、モルタルの接着に有効な凹凸の付与、汚れ及び脆弱層の除去を行うこと。
・コンクリートとモルタルとの接着信頼性を高める。
●セメントモルタル張りタイル下地
・モルタル下地の塗厚は,原則として,全仕上げ厚さ,タイル厚さ等から定める。
・タイル張りが,密着張り,改良積上げ張り,改良圧着張り,マスク張り及びモザイクタイル張りの場合並びにセメント系厚付け仕上塗材の場合は,中塗りまで行う。
・モルタル下地面の仕上げは,原則として,木ごて押えとし,その精度はモザイクタイルでは2mにつき3㎜,小口以上のタイルでは2mにつき4㎜とする。
●外装壁タイル接着剤張り下地
・セメント系下地調整厚塗材2種(下地調整塗材CM-2)2回塗り,総厚10㎜以上とする。
・外装壁タイル接着剤張りの場合の仕上げは,原則として,金ごて1回押えとし,その精度は1mにつき3㎜以下とする。
●下地モルタル塗りの確認
・下地モルタルの硬化後,全面にわたり打診を行う。
・浮き及び精度について,不具合が確認された場合は,直ちに補修を行う。
・下地モルタルの接着力試験は,特記による。
●伸縮調整目地
・タイルの伸縮調整目地に合わせて幅10mm以上の伸縮調整目地を設ける。
・伸縮調整目地は,発泡合成樹脂板の類を用い,目地周辺から浮きが発生しないよう,原則として,構造体まで達するようにする。
4)セメントモルタルによる陶磁器質タイル張り
(ⅰ)施工上の注意点
・モルタルの練混ぜは,原則として機械練りとする。また,1回の練混ぜ量は,60分以内に張り終える量とする。
・降雨・降雪時,強風時等タイル工事に支障のあるとき及びこれらが予想される場合は,施工を行わない。
・塗付け場所の気温が3℃以下及び施工後3℃以下になると予想される場合は,施工を行わない。
・伸縮調整目地にはみ出した張付け用モルタルはすべて削り落とし,張付けモルタルの施工が適切でなく隙間のできた場合はモルタルを補充し,目地の形状を整える。
(ⅱ)下地及びタイルごしらえ
・夏期にタイル張りを行う場合は,下地モルタルに前日散水し,十分吸水させる。
・タイル張りに先立ち,下地モルタルに適度の水湿し又は吸水調整材の塗布を行う。ただし,改良積上げ張りの場合,吸水調整材の塗布は行わない。
・吸水性のあるタイルは,必要に応じて,適度の水湿し又は吸水調整材の塗布を行う。
・タイルごしらえは,必要に応じて行う。
※以下の記事参照
(公共工事標準)セメントモルタルによる陶磁器質タイル張り
(ⅲ)密着張り
(ⅳ)改良積上げ張り
(ⅴ)改良圧着張り
(ⅵ)マスク張り(25mm角を超え小口未満のタイル)
(ⅶ)モザイクタイル張り (小口未満のタイル)
(ⅷ)まぐさ,窓台等のタイル張り
●養生及び清掃
〇養生
・屋外施工の場合で,強い直射日光,風,雨等により損傷を受けるおそれのある場合は,シートを張るなどして養生を行う。
・施工中及びモルタルが十分硬化しないうちに,タイル張り面に振動,衝撃等を与えない。
〇清掃
・タイル張り終了後,タイル表面を傷めないように清掃し,汚れを取り除く。やむを得ず清掃に酸類を用いる場合は,清掃前に十分水湿しをし,酸洗い後は,直ちに水洗いを行い,酸分が残らないようにする。
なお,金物類には,酸類が掛からないように養生を行う。
5)有機系接着剤による陶磁器質タイル張り
※以下の記事参照
(公共工事標準)接着剤による陶磁器質タイル張り
6)施工後の確認及び試験
●外観の確認
・タイル張り完了後,次の項目について目視で外観の確認を行う。
①タイルの色調の不ぞろい,不陸,汚れ,割れ,浮上がり及び縁欠けの有無
②目地幅の不ぞろい,目地の色むら及び目地深さの均一性
●打診による確認
・タイル張りは,モルタル及び接着剤の硬化後,全面にわたり打診を行う。
●接着力試験
・タイル張りは,次により接着力試験を行う。ただし,施工場所の状況等により,その必要がないと認められる場合は,監督職員の承諾を受けて,省略することができる。
①試験方法は,接着力試験機による引張接着強度の測定により,試験の時期は強度が出たと思われるときとする。
②試験体
ア.試験体は目地部分をコンクリート面まで切断して周囲と絶縁したものとする。
イ.試験体の個数は,100㎡ごと及びその端数につき1個以上,かつ,全体で3個以上とする。
ウ.試験体の位置は,監督職員の指示による。
目地改修工法
1)目地ひび割れ部改修工法
・既存目地材は,タイルに損傷を与えないように目地に沿って下地モルタル面までダイヤモンドカッターを入れてはつり取る。
・目地部分に付着したほこりや異物を除く。
・目地詰めは,”セメントモルタルによる陶磁器質タイル張り”を参照。
・目地詰め後,タイル面の清掃を行う。
2)伸縮調整目地改修工法
・伸縮調整目地の位置及び寸法は,特記による。目地の切込みに先立って伸縮調整目地位置とタイル目地の取合いについて確認する。
・目地位置に沿って,ダイヤモンドカッターを用いて構造体表面まで切り込み,所定の形状になるようはつり器具を用いてはつり落とし,目地材として発泡合成樹脂板の類を設ける。
・既存目地材は,タイルに損傷を与えないように目地に沿って下地モルタル面までダイヤモンドカッターを入れてはつり取る。
・目地部分に付着したほこりや異物を除く。
・目地詰めは,”セメントモルタルによる陶磁器質タイル張り”を参照。
・目地詰め後,タイル面の清掃を行う。
2)伸縮調整目地改修工法
・伸縮調整目地の位置及び寸法は,特記による。目地の切込みに先立って伸縮調整目地位置とタイル目地の取合いについて確認する。
・目地位置に沿って,ダイヤモンドカッターを用いて構造体表面まで切り込み,所定の形状になるようはつり器具を用いてはつり落とし,目地材として発泡合成樹脂板の類を設ける。