(公共工事標準)塗装改修工事

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『公共建築改修工事標準仕様書(建築工事編)』
施工
1)塗り方
 
①はけ塗り
・はけを用いる。はけ目を正しく一様に塗る。
 
②吹付け塗り
・塗装用のスプレーガンを用いる。
・ガンの種類,口径,空気圧等は,用いる塗料の性状に応じて,適切なものを選び,吹きむらのないよう一様に塗る。
 
③ローラーブラシ塗り
・ローラーブラシを用いる。
・隅,ちり回り等は,小ばけ又は専用ローラーを用い,全面が均一になるように塗る。
 
2)注意点
 
・中塗り及び上塗りは,なるべく各層の色を変えて塗る。
・塗装場所の気温が5℃以下,湿度が85%以上又は換気が適切でなく結露するなど塗料の乾燥に不適当な場合は,原則として,塗装を行わない。やむを得ず塗装を行う場合は,採暖,換気等を行う。
合成樹脂調合ペイント塗り(SOP)
(1)下地、塗料
 
〇対象の下地
・木部
・鉄鋼面
・亜鉛めっき鋼面
 
〇適用
・既存塗膜が油性調合ペイント,合成樹脂調合ペイント又はフタル酸樹脂エナメルの塗替え及び新規に塗る場合。
 
●塗料
・合成樹脂調合ペイント JIS K5516
 
〇JIS K5516 合成樹脂調合ペイント
・着色顔料・体質顔料などを,主に長油性フタル酸樹脂ワニスで練り合わせて作った液状・自然乾燥性の塗料。
 
〇種類
・1種:主に,建築物及び鉄鋼構造物の中塗り及び上塗りとして,下塗り塗膜の上に数日以内に塗り重ねる場合に用いる。
・2種:主に,大形鉄鋼構造物の中塗りに用いる。
・3種:主に,大形鉄鋼構造物の上塗りに用いる。
 
(2)施工
 
1)鉄鋼面
 
(01)下地調整
・RC種(洗浄)
(02)錆止め塗料塗り
(1)穴埋め,パテかい
・不飽和ポリエステルパテ
(2)研磨紙ずり
(3)中塗り(1回目)
・合成樹脂調合ペイント
(4)研磨紙ずり
(5)中塗り(2回目)
・合成樹脂調合ペイント
(6)上塗り
・合成樹脂調合ペイント
 
〇種別(特記がなければB種とする)
・A種:(02)(1)(2)(3)(4)(5)(6)
・B種:(02)(1) (3) (6)
・C種:(01) (6)
 
2)亜鉛めっき鋼面
 
(01)下地調整
・RC種(洗浄)
(02)錆止め塗料塗り
(1)穴埋め,パテかい
・不飽和ポリエステルパテ
(2)研磨紙ずり
(3)中塗り
・合成樹脂調合ペイント
(4)上塗り
・合成樹脂調合ペイント
 
〇種別
※特記がなければ、鋼製建具の塗替えの場合はA種,その他の塗替え及び新規に塗る場合はB種とする。
・A種:(02)(1)(2)(3)(4)
・B種:(02) (3)(4)
・C種:(01) (4)
フタル酸樹脂エナメル塗り(FE)
(1)下地、塗料
 
〇対象の下地
・屋内の木部
・屋内の鉄鋼面
・屋内の亜鉛めっき鋼面
 
〇適用
・既存塗膜がフタル酸樹脂エナメルの塗替えに適用する。
 
●塗料
・フタル酸樹脂エナメル JIS K5572 1種
 
〇JIS K5572 フタル酸樹脂エナメル
・有色の塗装に適する酸化乾燥性の液状塗料。
・乾性油変性フタル酸樹脂を主な塗膜形成要素とし,自然乾燥中に,空気酸化によって塗膜を形成するようにしたもの。
・乾性油変性フタル酸樹脂を混合炭化水素系溶剤に溶かして作ったワニスに,顔料を分散して作る。
 
〇種類
・1種:主に,屋内の一般機器,建具など塗装の上塗りに用いる。
・2種:主に,屋外の一般機器,建具など塗装の上塗りに用いる。
・3種:主に,屋内外の一般機器,建具など塗装で,特に速乾を要する上塗りに用いる。
 
(2)施工
 
1)鉄鋼面及び亜鉛めっき鋼面
 
(01)下地調整
・RC種(洗浄)
(1)下塗り
・フタル酸樹脂エナメル
(2)上塗り
・フタル酸樹脂エナメル
アクリル樹脂系非水分散形塗料塗り(NAD)
(1)下地、塗料
 
〇対象の下地
・屋内のコンクリート面
・屋内のモルタル面
 
〇適用
・アクリル樹脂系非水分散形塗料の塗替え及び新規に塗る場合に適用する。
 
●塗料
・アクリル樹脂系非水分散形塗料 JIS K 5670
 
〇JIS K 5670 アクリル樹脂系非水分散形塗料
・アクリル樹脂系非水分散形ワニスを用いた塗料
 
(2)施工
 
1)コンクリート面,モルタル面
 
(0)下地調整
・素地の乾燥を十分に行い,汚れ及び付着物を除去する。
(1)下塗り
・アクリル樹脂系非水分散形塗料
(2)中塗り
・アクリル樹脂系非水分散形塗料
(3)上塗り
・アクリル樹脂系非水分散形塗料
 
〇種別(特記がなければB種とする)
・A種:(0)(1)(2)(3)(4)
・B種:(0)(1) (4)
耐候性塗料塗り(DP)
(1)下地、塗料
 
〇対象の下地
・鉄鋼面
・亜鉛めっき鋼面
・コンクリート面及び押出成形セメント板面
 
〇適用
・耐候性塗料の塗替え及び新規に塗る場合に適用する。
 
●塗料
・建築用耐候性上塗り塗料 JIS K 5658
・鋼構造物用耐候性塗料 JIS K 5659
 
〇JIS K 5658 建築用耐候性上塗り塗料
・建築物のコンクリート,セメント・モルタル面,プレキャストコンクリートなどの美装仕上げ塗りに用いる建築用耐候性上塗り塗料。
・主要原料がふっ素樹脂,シリコーン樹脂又はポリウレタン樹脂を用いるもので,主剤と硬化剤とを混合し硬化させる塗料。
 
〇JIS K 5658 鋼構造物用耐候性塗料
・主に鋼構造物の美装仕上げ塗りに用い,長期の耐候性をもつ塗料。
・上塗り塗料の原料は,ふっ素系樹脂,シリコン系樹脂又はポリウレタン系樹脂とする。
・塗料は,上塗り塗料と中塗り塗料とを組み合わせて用いる。
・上塗り塗料及び中塗り塗料のいずれも,主剤と硬化剤を混合し硬化させて用いる。
 
(2)施工
 
1)鉄鋼面
 
(0a)下地調整
・RA種(全ケレン)
(0b)下地調整
・RB種(準ケレン)
(0c)下地調整
・RC種(洗浄)
(1a)下塗り(1回目)プライマー
・ジンクリッチプライマー(JIS K 5552 2種)
(1b)下塗り(1回目)プライマー
・変性エポキシ樹脂プライマー(変性エポキシ樹脂プライマーおよび弱溶剤系変性エポキシ樹脂プライマー)
(2a)下塗り(2回目)プライマー
・構造物用さび止めペイント(JIS K 5551 A種)
(2b)下塗り(2回目)プライマー
・変性エポキシ樹脂プライマー(変性エポキシ樹脂プライマーおよび弱溶剤系変性エポキシ樹脂プライマー)
(3)下塗り(3回目)錆止め
・構造物用さび止めペイント(JIS K 5551 A種)
(4)研磨紙ずり
(5)中塗り
・鋼構造物用耐候性塗料
(6)上塗り
・鋼構造物用耐候性塗料
 
〇種別
・A種:(0a)(1a)(2a)(3)(4)(5)(6)
・B種:(0b)(1b)(2b) (4)(5)(6)
・C種:(0c)(1b) (4)(5)(6)
 
2)亜鉛めっき鋼面
 
(0a)下地調整
・RA種(全ケレン)
(0b)下地調整
・RB種(準ケレン)
(0c)下地調整
・RC種(洗浄)
(1)下塗り
・変性エポキシ樹脂プライマー(変性エポキシ樹脂プライマーおよび弱溶剤系変性エポキシ樹脂プライマー)
(2)研磨紙ずり
(3)中塗り
・鋼構造物用耐候性塗料
(4)上塗り
・鋼構造物用耐候性塗料
 
〇種別
・A種:(0a)(1)(2)(3)(4)
・B種:(0b)(1)(2)(3)(4)
・C種:(0c)(1)(2)(3)(4)
 
3)コンクリート面及び押出成形セメント板面
 
(0)下地調整
・RB種(準ケレン)又はRC種(洗浄)
(1)下塗り
・反応形合成樹脂シーラーおよび弱溶剤系反応形合成樹脂シーラー
(2a)中塗り
・常温乾燥形ふっ素樹脂塗料用中塗り(常温乾燥形ふっ素樹脂塗料用中塗りおよび弱溶剤系常温乾燥形ふっ素樹脂塗料用中塗り)
(2b)中塗り
・アクリルシリコン樹脂塗料用中塗り(アクリルシリコン樹脂塗料用中塗りおよび弱溶剤系アクリルシリコン樹脂塗料用中塗り)
(2c)中塗り
・2液形ポリウレタンエナメル用中塗り(2液形ポリウレタンエナメル用中塗りおよび弱溶剤系2液形ポリウレタンエナメル用中塗り)
(3a)上塗り
・建築用耐候性上塗り塗料 主要原料 ふっ素樹脂 (1級)
(3b)上塗り
・建築用耐候性上塗り塗料 主要原料 シリコーン樹脂(2級)
(3c)上塗り
・建築用耐候性上塗り塗料 主要原料 ポリウレタン樹脂 (3級)
 
〇種別
・A種:(0)(1)(2a)(3a)
・B種:(0)(1)(2b)(3b)
・C種:(0)(1)(2c)(3c)
つや有合成樹脂エマルションペイント塗り(EP-G)
(1)下地、塗料
 
〇対象の下地
・コンクリート面,モルタル面,プラスター面,せっこうボード面その他ボード面等
・屋内の木部
・屋内の鉄鋼面
・屋内の亜鉛めっき鋼面
 
〇適用
・既存塗膜がつや有合成樹脂エマルションペイントの塗替え及び新規に塗る場合に適用する。
 
●塗料
・つや有合成樹脂エマルションペイント JIS K 5660
 
(2)施工
 
1)コンクリート面,モルタル面,プラスター面,せっこうボード面その他ボード面
 
(0a)下地調整
(0b)下地調整
・RC種(洗浄)
(1)下塗り
・合成樹脂エマルションシーラー
(2)中塗り(1回目)
・つや有合成樹脂エマルションペイント
(3)研磨紙ずり
(4)中塗り(2回目)
・つや有合成樹脂エマルションペイント
(5)上塗り
・つや有合成樹脂エマルションペイント
 
〇種別(特記がなければ,B種)
・A種:(0a)(1)(2)(3)(4)(5)
・B種:(0a)(1)(2) (5)
・C種:(0b)(1)(2) (5)
 
2)鉄鋼面
 
(01)下地調整
・RC種(洗浄)
(02)錆止め塗料塗り
(1)中塗り(1回目)
・つや有合成樹脂エマルションペイント
(2)研磨紙ずり
(3)中塗り(2回目)
・つや有合成樹脂エマルションペイント
(4)上塗り
・つや有合成樹脂エマルションペイント
 
〇種別(特記がなければ,B種)
・A種:(02)(1)(2)(3)(4)
・B種:(02)(1) (4)
・C種:(01)(1) (4)
 
3)亜鉛めっき鋼面
 
(01)下地調整
・RC種(洗浄)
(02)錆止め塗料塗り
(1)中塗り(1回目)
・つや有合成樹脂エマルションペイント
(2)研磨紙ずり
(3)中塗り(2回目)
・つや有合成樹脂エマルションペイント
(4)上塗り
・つや有合成樹脂エマルションペイント
 
〇種別(特記がなければ,B種)
・A種:(02)(1)(2)(3)(4)
・B種:(02)(1) (4)
・C種:(01)(1) (4)
合成樹脂エマルションペイント塗り(EP)
(1)下地、塗料
 
〇対象の下地
・コンクリート面,モルタル面,プラスター面,せっこうボード面その他ボード面等
 
〇適用
・既存塗膜が合成樹脂エマルションペイントの塗替え及び新規に塗る場合に適用する。
 
●塗料
・合成樹脂エマルションペイント及びシーラー JIS K 5663
 
〇JIS K 5663 合成樹脂エマルションペイント
・合成樹脂エマルションペイントは,合成樹脂エマルションと顔料を主な原料として作った液状のものである。
 
(2)施工
 
1)コンクリート面,モルタル面,プラスター面,せっこうボード面その他ボード面
 
(0a)下地調整
(0b)下地調整
・RC種(洗浄)
(1)下塗り
・合成樹脂エマルションシーラー
(2)中塗り(1回目)
・合成樹脂エマルションペイント 1種
(3)研磨紙ずり
(4)中塗り(2回目)
・合成樹脂エマルションペイント 1種
(5)上塗り
・合成樹脂エマルションペイント 1種
 
〇種別(特記がなければ,B種)
・A種:(0a)(1)(2)(3)(4)(5)
・B種:(0a)(1)(2) (5)
・C種:(0b)(1)(2) (5)

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