(公共工事標準)接着剤による陶磁器質タイル張り

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『公共建築工事標準仕様書(建築工事編)』
施工時の注意点
・塗付け場所の気温が5℃以下及び施工後5℃以下になると予想される場合は,施工を行わない。
張付け用材料
1)接着剤
 
〇JIS A 5557 (外装タイル張り用有機系接着剤)
・一液反応硬化形の変成シリコーン樹脂系。
・一液反応硬化形のウレタン樹脂系。
 
2)シーリング材
 
・打継ぎ目地,ひび割れ誘発目地及び伸縮調整目地その他の目地のシーリング材は,特記による。
・特記がなければ,
 打継ぎ目地及びひび割れ誘発目地:ポリウレタン系シーリング材
 伸縮調整目地その他の目地:変成シリコーン系シーリング材
・外装壁タイル接着剤張りに用いるシーリング材は,施工に先立ち,有機系接着剤による汚染が出ないことを確認する。
躯体、コンクリート素地面の処理
・コンクリート等で,ひずみ,不陸等の著しい箇所は,目荒し,水洗い等のうえモルタル又は下地調整塗材で補修する。
・コンクリート,コンクリートブロック壁面は,デッキブラシ等で水洗いを行い,モルタル等の接着を妨げるものを除く。
・MCR工法あるいは高圧水洗処理により、躯体に凹凸を設け、モルタルとの接着性能を向上させる。
 
〇MCR工法
・専用の中空樹脂シートを型枠に取り付けておいてコンクリートを打設することで、コンクリート表面にあり状の凹凸を設けて、その上に塗るモルタルと噛み合わせることで剥離を防止する。
 
〇高圧水洗処理(目荒し工法)
・高圧水洗処理は、モルタル塗りあるいはタイル張り(直張りの場合)の前に、コンクリート表面を高圧(50~150MPa程度)で水洗いして、モルタルの接着に有効な凹凸の付与、汚れ及び脆弱層の除去を行うこと。
・コンクリートとモルタルとの接着信頼性を高める。
モルタル下地(壁タイル接着剤張り下地)
・セメント系下地調整厚塗材2種(下地調整塗材CM-2)2回塗り,総厚10㎜以上とする。
・外装壁タイル接着剤張りの場合の仕上げは,原則として,金ごて1回押えとし,その精度は1mにつき3㎜以下とする。
・タイルの張付けに当たって,水湿し,吸水調整材の塗布は行わない。
・まぐさ,窓台等のタイル張りの下地は,水切が適切に行えるよう,形状,水勾配等を正しく施工する。
接着剤による壁タイル張り
●概要
・接着剤は弾性があり、建物の動きを吸収できるため、剥離の危険性やひび割れが軽減できる。
・モルタル張りと異なり、目地詰めは必要なく、陰影感のある壁面に仕上がる。
・下地は精度良く、かつ乾燥していることが大切。
 
●施工
・接着剤の1回の塗布面積の限度は,30分以内に張り終える面積とする。
・接着剤は金ごて等を用いて平たんに塗布したのち,所定のくし目ごてを用いて壁面に60°の角度を保ってくし目を立てる。
・裏あしのあるタイルを用い,くし目を立てて接着剤を塗り付けて張り付ける場合は,裏あしに対して直交又は斜め方向にくし目を立てる。
・接着剤を平たんに塗り付ける場合は,一度くし目を立てたのちに金ごてを用いて平たんに均す。ただし,目地幅が3㎜以下の空目地の場合は,くし目状態のままとする。
・目地割りに基づいて水糸を引き通し,基準となる定規張りを行い,縦横目地引き通しに注意しながら張り上げる。
・1枚張りの場合は,手でもみ込んだのち,たたき板,タイル張りに用いるハンマーでたたき押えるか又は振動工具を用いて加振して張り付ける。
・ユニットタイル張りの場合は,全面を軽くたたきながら目地の通りの手直しを行い,たたき板で密着させる。
 
〇化粧目地
・タイル張付け後,24時間以上経過したのち,張付けモルタルの硬化を見計らって,目地詰めを行う。
・目地の深さは,タイル厚さの1/2以下とする。
・目地詰めに先立ち,タイル面及び目地部分の清掃を行い,必要に応じて,目地部分の水湿しを行う。
・目地詰め後,モルタルの硬化を見計らい,目地ごて等で仕上げる。
・タイル面の清掃を行う。
清掃
・清掃は水洗いを原則とし,ブラシ等を用いてタイル面に汚れが残らないように注意して行う。
・目地モルタルによる汚れが甚だしいときは,監督職員の承諾を受けて,酸洗いを行う。タイルや目地に酸類の影響が残らないように,酸洗いの前後には十分に水洗いを行う。
・接着剤がタイル表面に付着して硬化した場合には,汚れ除去用の発泡樹脂製品,砂消しゴム等で削り取る。ただし,表面が平滑な内装壁タイル等は,接着剤が硬化する前に溶剤等でふき取る。

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