外壁下地の変遷
1)概要
・当初は、ほとんどのRC建造物は現場打ちコンクリートであり、外壁下地はモルタル下地であった。
・昭和40年代前半に建設した住宅に、コンクリート施工品質が原因と思われる下地モルタルの剥がれや雨漏り事故がみられ、これらの改善に向けた施工品質の向上と外装仕上げの施工合理化を目的に”直仕上工法”を昭和40年代後半に実用化し現在に至っている。
2)外壁下地の種類、変遷
①モルタル下地
・昭和30年代の初期のコンクリート外壁に最も一般的に使用されていた下地工法。
・コンクリートの上に、塗厚18~20mm前後のモルタルを塗付け、仕上材の下地とする工法。
・この工法は、下地コンクリートの乾燥管理、モルタル調合の管理、下地コンクリートの精度による塗り厚さの管理の良否によって施工品質にバラツキが生じやすく、施工管理の難しい工法であった。
②コンクリート素地
・型枠精度の向上やPC部材の導入により躯体精度が向上し、鋼ンクリート直仕上げが可能となった。
・当初は、ほとんどのRC建造物は現場打ちコンクリートであり、外壁下地はモルタル下地であった。
・昭和40年代前半に建設した住宅に、コンクリート施工品質が原因と思われる下地モルタルの剥がれや雨漏り事故がみられ、これらの改善に向けた施工品質の向上と外装仕上げの施工合理化を目的に”直仕上工法”を昭和40年代後半に実用化し現在に至っている。
2)外壁下地の種類、変遷
①モルタル下地
・昭和30年代の初期のコンクリート外壁に最も一般的に使用されていた下地工法。
・コンクリートの上に、塗厚18~20mm前後のモルタルを塗付け、仕上材の下地とする工法。
・この工法は、下地コンクリートの乾燥管理、モルタル調合の管理、下地コンクリートの精度による塗り厚さの管理の良否によって施工品質にバラツキが生じやすく、施工管理の難しい工法であった。
②コンクリート素地
・型枠精度の向上やPC部材の導入により躯体精度が向上し、鋼ンクリート直仕上げが可能となった。
外壁仕上げの変遷
1)概要
・初期の頃は、セメント系の仕上材であったが、後には耐久性や防水性に優れた樹脂系の仕上材も採用されることとなった。
・その後、躯体精度の向上による直仕上に対応する厚膜のマスチック塗材、複層仕上塗材、タイル等が使用されるようになった。
2)外壁仕上の種類、変遷
①色モルタル仕上
・中塗りまでは普通モルタル塗りと同様とし、仕上として着色をしたモルタルを厚さ3㎜以上に塗る。
②リシン吹付
・表面が砂壁状のようなテクスチャーとなる仕上で、昭和30年代後半から外壁仕上の材料として使われ始めた。
・現在でもバルコニーや庇の上裏の一部に使われている。
・”リシン吹付”というのは通称で、化粧用セメント吹付、砂壁状吹付材塗り、セメント砂壁状吹付材塗り、合成樹脂エマルション砂壁吹付材塗り(SE)なども一般的に”リシン”と呼ばれている。
イ)化粧用セメント吹付
・R-1、2、3、4型と4種類あったが、主に使われていたのはR-2型(水硬性セメントリシン吹付)とR-4型(合成樹脂入りセメントリシン)であった。
ロ)砂壁状仕上塗材
・以前はセメント系のものも使われていた。
・エフロレッセンスの発生などの問題があり、現在では防水性や耐久性に優れる樹脂系となっている。
・バルコニーや庇の上裏の一部に使われていた。
ハ)合成樹脂エマルション砂壁吹付材塗り(SE、薄付け仕上塗材)
・薄付け仕上塗材は厚さ3㎜程度以下の凹凸模様に仕上がり、通称”リシン”や”聚楽”などと呼ばれるもので、仕上面が砂壁のようなテクスチャーとなるのが特徴。
③マスチック塗材
・多孔質のハンドローラーで一度に厚塗り仕上ができ、材料の飛散を防止する低公害型の仕上工法として、公団と塗料メーカーとの共同で開発した製品。
・その後改良型として、下地コンクリートのひび割れに追随する可撓性を付加し、パターンの種類を増やしたものが開発された。
④タイル
・高層住宅等には、タイルも使用されているが、剥落事故の防止の取り組んだ結果、初期のものに比べ品質や工法は改善されたものとなっている。
⑤複層仕上塗材(吹付タイル)
・マスチック塗材と同様、厚塗り仕上の塗材であり、多様なパターン仕上が可能。
・下塗材、主材、上塗材の3層からなり、厚さ1~5㎜程度の凹凸模様に仕上がる。
・凸部処理模様、ゆず肌状、さざ波状などの表面テクスチャーや、仕上げパターンを形成する主材によって様々な種類がある。
イ)合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(複層塗材E厚形)
・合成樹脂エマルション、細骨材、無機質充填剤、増粘剤等からなる吹付材。
ロ)反応硬化形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(複層塗材RE厚形)
・エポキシ樹脂等の反応硬化形エマルションに細骨材、無機質充填剤、増粘剤等を混合した基材と硬化剤からなる吹付材。
ハ)ポリマーセメント系複層仕上塗材(複層塗材CE厚形)
・セメント及びセメント混和用合成樹脂エマルション、細骨材等からなる吹付材。
ニ)ケイ酸質系複層仕上塗材(複層塗材Si)
・ケイ酸質系とは、ケイ酸質結合材又は、これに合成樹脂エマルションを混合した仕上材をいう。
・初期の頃は、セメント系の仕上材であったが、後には耐久性や防水性に優れた樹脂系の仕上材も採用されることとなった。
・その後、躯体精度の向上による直仕上に対応する厚膜のマスチック塗材、複層仕上塗材、タイル等が使用されるようになった。
2)外壁仕上の種類、変遷
①色モルタル仕上
・中塗りまでは普通モルタル塗りと同様とし、仕上として着色をしたモルタルを厚さ3㎜以上に塗る。
②リシン吹付
・表面が砂壁状のようなテクスチャーとなる仕上で、昭和30年代後半から外壁仕上の材料として使われ始めた。
・現在でもバルコニーや庇の上裏の一部に使われている。
・”リシン吹付”というのは通称で、化粧用セメント吹付、砂壁状吹付材塗り、セメント砂壁状吹付材塗り、合成樹脂エマルション砂壁吹付材塗り(SE)なども一般的に”リシン”と呼ばれている。
イ)化粧用セメント吹付
・R-1、2、3、4型と4種類あったが、主に使われていたのはR-2型(水硬性セメントリシン吹付)とR-4型(合成樹脂入りセメントリシン)であった。
ロ)砂壁状仕上塗材
・以前はセメント系のものも使われていた。
・エフロレッセンスの発生などの問題があり、現在では防水性や耐久性に優れる樹脂系となっている。
・バルコニーや庇の上裏の一部に使われていた。
ハ)合成樹脂エマルション砂壁吹付材塗り(SE、薄付け仕上塗材)
・薄付け仕上塗材は厚さ3㎜程度以下の凹凸模様に仕上がり、通称”リシン”や”聚楽”などと呼ばれるもので、仕上面が砂壁のようなテクスチャーとなるのが特徴。
③マスチック塗材
・多孔質のハンドローラーで一度に厚塗り仕上ができ、材料の飛散を防止する低公害型の仕上工法として、公団と塗料メーカーとの共同で開発した製品。
・その後改良型として、下地コンクリートのひび割れに追随する可撓性を付加し、パターンの種類を増やしたものが開発された。
④タイル
・高層住宅等には、タイルも使用されているが、剥落事故の防止の取り組んだ結果、初期のものに比べ品質や工法は改善されたものとなっている。
⑤複層仕上塗材(吹付タイル)
・マスチック塗材と同様、厚塗り仕上の塗材であり、多様なパターン仕上が可能。
・下塗材、主材、上塗材の3層からなり、厚さ1~5㎜程度の凹凸模様に仕上がる。
・凸部処理模様、ゆず肌状、さざ波状などの表面テクスチャーや、仕上げパターンを形成する主材によって様々な種類がある。
イ)合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(複層塗材E厚形)
・合成樹脂エマルション、細骨材、無機質充填剤、増粘剤等からなる吹付材。
ロ)反応硬化形合成樹脂エマルション系複層仕上塗材(複層塗材RE厚形)
・エポキシ樹脂等の反応硬化形エマルションに細骨材、無機質充填剤、増粘剤等を混合した基材と硬化剤からなる吹付材。
ハ)ポリマーセメント系複層仕上塗材(複層塗材CE厚形)
・セメント及びセメント混和用合成樹脂エマルション、細骨材等からなる吹付材。
ニ)ケイ酸質系複層仕上塗材(複層塗材Si)
・ケイ酸質系とは、ケイ酸質結合材又は、これに合成樹脂エマルションを混合した仕上材をいう。
外壁仕上げの修繕
1)外壁仕上材の選別
●既存の仕上材
〇下地モルタル塗りがある場合
・アクリル樹脂混合のエマルション系のリシン吹付が多い。
〇コンクリート直仕上の場合
・厚付け系仕上材であるマスチック塗材や複層仕上塗材(吹付タイル)が用いられている。
●外装仕上材の選別
〇既存がリシン仕上材の場合
・塗替え用塗料のリフレッシュペイント(RP)を1985年から全面的に採用。
〇既存が厚付け系仕上材の場合
・同質の材料を重ね塗りする。
2)改修方法
①リフレッシュペイント(RP)1985年~
・1つの工程でローラー塗りできるアクリル樹脂系エマルション仕上塗材であり、既存のリシン仕上(セメント砂壁状吹付材及び合成樹脂エマルション砂壁状吹付材)面に使用している。
②つや有り合成樹脂エマルションペイント(EP-G)1984年~
・既存塗膜がマスチックや複層仕上塗材の改修用トップコートとして開発されたもので、ウールローラーは刷毛を使用するため飛散が少ない。
③可とう性改修塗材E(2005年~)
・3つの工程(フィラー、シーラー、主材塗り)を一つの機能性複合型塗膜で行うことにより工期の短縮が可能。
・シーラーレスの下地処理剤で微弾性機能のため、微細なひび割れ処理が可能。
④マスチック塗材(1984年~)
・多孔質ハンドローラーを使用し、主材を1回で厚塗りすることができるため効率的。
・既存仕上がリシン、リフレッシュペイント、コンクリート打放しの場合に使用している。
●既存の仕上材
〇下地モルタル塗りがある場合
・アクリル樹脂混合のエマルション系のリシン吹付が多い。
〇コンクリート直仕上の場合
・厚付け系仕上材であるマスチック塗材や複層仕上塗材(吹付タイル)が用いられている。
●外装仕上材の選別
〇既存がリシン仕上材の場合
・塗替え用塗料のリフレッシュペイント(RP)を1985年から全面的に採用。
〇既存が厚付け系仕上材の場合
・同質の材料を重ね塗りする。
2)改修方法
①リフレッシュペイント(RP)1985年~
・1つの工程でローラー塗りできるアクリル樹脂系エマルション仕上塗材であり、既存のリシン仕上(セメント砂壁状吹付材及び合成樹脂エマルション砂壁状吹付材)面に使用している。
②つや有り合成樹脂エマルションペイント(EP-G)1984年~
・既存塗膜がマスチックや複層仕上塗材の改修用トップコートとして開発されたもので、ウールローラーは刷毛を使用するため飛散が少ない。
③可とう性改修塗材E(2005年~)
・3つの工程(フィラー、シーラー、主材塗り)を一つの機能性複合型塗膜で行うことにより工期の短縮が可能。
・シーラーレスの下地処理剤で微弾性機能のため、微細なひび割れ処理が可能。
④マスチック塗材(1984年~)
・多孔質ハンドローラーを使用し、主材を1回で厚塗りすることができるため効率的。
・既存仕上がリシン、リフレッシュペイント、コンクリート打放しの場合に使用している。
計画修繕
●現在の計画修繕で実施している主な項目
〇外壁
・概ね18年以上経過したもので、モルタル等の浮き、ひび割れ、部分修繕が多いもの等を修繕の上、棟単位で全面塗装を行う。
〇外壁
・概ね18年以上経過したもので、モルタル等の浮き、ひび割れ、部分修繕が多いもの等を修繕の上、棟単位で全面塗装を行う。