アスファルト防水の工法の種類、改修方法

アスファルト防水の概要、各工法ごとの特徴、改修工事に関する技術情報をまとめました。、  
※目次をクリックすると目次の下部にコンテンツが表示されます。
アスファルト防水の概要
(1)アスファルト防水(熱工法)と改質アスファルトシート防水
 
●アスファルト防水(熱工法)
・アスファルトルーフィング類を現場で加熱溶融したアスファルトによって貼付ける工程を繰返して防水層を形成する工法。
 
●改質アスファルトシート防水
〇改質アスファルトトーチ工法
・改質アスファルトルーフィング類の裏面をトーチバーナーにより加熱溶融して貼付け、防水層を形成する工法。
・火気使用が少なく、悪臭も少ない。
〇改質アスファルト常温粘着工法
・改質アスファルトルーフィング類の片面または両面に粘着層を持ち、剥離紙を剥がし貼り付けて防水層を形成する工法。
・施工が簡単であり、火気使用が非常に少なく、悪臭が発生しない。
 
(2)保護工法と露出工法
 
●保護工法
・防水層を形成した後、コンクリートやモルタルを表面に打設し防水層を保護する工法。
・保護防水は、保護層でガードされているため外傷を受けにくかったり、紫外線劣化しにくいというメリットがある。
・一方、万一漏水した場合は、損傷箇所を目視で確認できないため、部分補修が行いづらく、全面改修せざるを得ない場合があるのがデメリット。
 
●露出工法
・防水層を形成した後、保護塗料などにより紫外線から防水層を保護する工法。
・露出防水のメリット、デメリットは、保護防水と反対。さらに、下地部分の水蒸気圧で防水層が膨れ易い。
 
(3)密着工法と絶縁(通気)工法
 
1)密着工法
 
・防水層を下地に完全に密着させる工法。
 
〇メリット
・コストパフォーマンスが高い
・工期が比較的早い
・歩行可能・重歩行可能(工法による)
 
〇デメリット
・防水層が下地に密着している為、下地に含まれている水分の影響を受ける、防水層にひび割れが発生したり、膨れが発生する場合がある
 
2)絶縁(通気)工法
 
・防水層を下地に密着させない(浮かす)工法。
・一般部は下地面に防水層を全面接着させず部分接着とし、立上り部や周辺部を密着張りとする工法。
 
〇メリット
・防水層が下地の影響を受けない(下地にひび割れが発生してもOK・多少濡れていても施工可能な工法もある)
・長期にわたり防水層が長持ちする。
・ランニングコスト低減(次回防水工事のコスト低減)
 
〇デメリット
・軽歩行はOK・重歩行は不可
アスファルト防水(熱工法)の概要
1)施工方法の概要
 
・アスファルト溶融釜で220℃~270℃に溶融した防水工事用アスファルトを使用し、ルーフィングシート複数枚を交互に積層して防水層を作る工法。
・高温で溶融した防水工事用アスファルトを柄杓(ひしゃく)で流しながらルーフィングを張り、ルーフィングシート複数枚を交互に積層する。
・加熱・溶融したアスファルトが、積層してゆくルーフィングとの接着剤としての役目をはたし、独立した層としての防水層を形成し水の浸入を防ぐ。
・溶融されたアスファルトは、ルーフィング類を張り付けた後、時間を経ず冷えて硬化し、防水層としての機能をすぐに発揮する。
→防水層を完成させるまでの作業時間の中に養生時間や養生期間がなく、防水層を容易に作ることができる。
 
※アスファルトとは?
・アスファルトには原油を蒸留して製造する石油アスファルトと天然に存在する天然アスファルトがあり、日本では一般に石油アスファルトをアスファルトと呼んでいる。
・外観は暗褐色ないし黒色で、常温では固体、半固体、粘性の高い液体で、熱を加えると容易に溶解する性質を持つ。
・熱工法では、工事中の煙や臭気の発生の少ない、溶融温度の低い防水工事用アスファルトも使われている。
 
※アスファルトルーフィングとは?
・有機天然繊維を主体とした原紙や合成繊維の布などにアスファルトをしみこませた建築用の防水材料。
 
2)特徴、メリット・デメリット
 
・最も歴史があり信頼性の高い防水工法。
・積層型なので接合部の信頼性が非常に高いのが特徴。
・溶融したアスファルトの異臭や煙を放つこと、溶融温度が220℃~270℃と極めて高温であることから近隣の環境問題や、作業員の火傷などの危険性がある。
・温度によって極端に硬さが変化する。
・熱溶融したアスファルトを使用する熱工法と改修工事等に向く常温工法等がある。
アスファルト防水(熱工法)露出防水
1)概要
 
・コンクリートなどの押え層を設けず、おもに砂付きルーフィングと呼ばれるシート状の防水層を露出させた工法。
・屋上に人の出入りが無い(または少ない)ケース、非歩行や軽歩行の屋上の場合に採用されるケースが多い工法。
・構造的には、押え工法の押え層のかわりに下層のアスファルト防水層を砂付きルーフィングで保護し、劣化の進行を防ぐというのが基本的な考え方。
※表面のルーフィングはあくまでも保護層であり、本来の防水の役目はその下にある防水層が担うと言える。
・メンテナンス等のための軽歩行には十分耐えられるが、傷がつきやすく、強度も弱いため、ルーフテラス等日常の歩行や置物に使用される場所には適さない。
 
2)絶縁工法の工程
 
a)砂付穴あきルーフィングを使用する方法
 
①アスファルトプライマー塗り
②砂付穴あきルーフィング(絶縁、通気用)
③ストレッチルーフィング、アスファルト流し張り
④アスファルトルーフィング、アスファルト流し張り
⑤砂付ストレッチルーフィング、アスファルト流し張り
⑥仕上塗料塗り
 
b)部分粘着層付改質アスファルトルーフィングを使用する方法
 
①アスファルトプライマー塗り
②部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシート張付け(絶縁、通気用)
③砂付ストレッチルーフィング、アスファルト流し張り
④仕上塗料塗り
 
※断熱材を使用する場合は、プライマー塗り工程の後に断熱材張付けを行う。
 
〇仕上塗料塗り
・仕上げ塗料は、砂付ストレッチルーフィングの上に塗布するもので、防水層の美観と保護を目的とする。
・従来からシルバー塗料が使用されてきたが、最近は化粧性を重視してエマルション系のカラー塗料も多く使用されている。
・シルバー塗料には、アスファルトや合成樹脂を有機溶剤に溶解したものを展色剤とするものとアクリル樹脂系のエマルションを展色剤とするものがある。
・カラー塗料は、アクリル樹脂のエマルションを展色剤とし、これに顔料・充填剤を配合したものである。
 
●防水層の保護、最終仕上げ用のルーフィング
 
〇砂付ストレッチルーフィング
・片面に1mm前後の鉱物質の粒子を付着したルーフィング。
・人が歩行しない屋根のアスファルト防水において、防水層の最終仕上げ層に使用する。
・主に合成繊維をランダムに集積・固定して得た原反(乾式、湿式またはスパンボンド法による不織布)にアスファルトを含浸・被覆し、比較的粒子の粗い砂粒、砕石粒、天然スレートチップなどを表面に散着したもの。
・保護・仕上層を仕上げ塗料塗り又はなしとする防水層の最上層に用いられるものである。
・表面の砂は、粘着性を抑えるために付いている。
 屋上などで温度が上がるとアスファルトが溶融して粘着度を上げる。非歩行用防水とはいえ、粘着度が高いとホコリやゴミが付着したり、防水性能の確保の面でも好ましくない。
 
3)通気・脱気
 
・露出防水では下地の乾燥が必須条件であり、工事工程の調整に努力してコンクリート打設後から防水施工までの期間を確保することが必要であるが、最近の工事環境では、十分に乾燥させることは難しく、脱気装置を取り付けている。
 
〇脱気装置
・下地面の湿気を防水層の外部に排出させる装置。
・脱気装置は、装置により排出能力が異なるので、正確な分担面積は、ルーフィング類製造業者の資料を参考にすることが望ましい。
保護コンクリート押え工法
1)概要
 
・アスファルトで防水した上側にアスファルトを保護するため、押えのコンクリートを60~100㎜の厚さで打設したもの。
・コンクリートは、寒暖により伸縮するので、縦・横3m程度の間隔で、幅2㎝程度の伸縮目地を設ける。
・歩行用アスファルト防水とも言われ、ルーフ・テラスや屋上を利用する部分(全面でも)採用される。
・耐久性も高く、30年経っても雨漏りがしないという例も。
ただし、目地材の補修は必要。

2)保護コンクリートの材料
 
〇保護コンクリート
・一般にJASS 5(鉄筋コンクリート)による普通コンクリートor軽量コンクリートなどが使用される。
 
〇溶接金網
・保護コンクリート内に敷設する溶接金網は、JIS G 3551(溶接金網および鉄筋格子)による線径3.2~6.0mm、網目寸法100mmの製品などが使用される。
・保護コンクリートの伸縮を制御して、コンクリートのひび割れの発生を防止する効果が確認されている。
 
〇成形緩衝材(コーナークッション材)
・保護コンクリート等の動きによる防水層立上り部の損傷を防止するために平場および立上りの入隅部の防水層上に取り付けるもので、発泡プラスチックを主体とする成形材。
・ポリスチレンフォームorポリエチレンフォームなどを加工して作られた、厚さ15~20㎜の材料で、その形状にはそれぞれ工夫されたものがある。
 
〇成形伸縮目地材
・保護コンクリートの収縮に伴うひび割れを防ぐために用いられる。
 成形伸縮目地材は、環境温度が上昇すればコンクリートの膨張に合わせて無理なく変形して目地材を圧縮させ、逆に環境温度が下降するとコンクリートの収縮が起こるので、コンクリートと目地材が遊離することがないように目地材を伸張させて防水層への影響を最低限に留めようとする。
・キャップと目地本体部分から構成され、キャップ幅は20mm以上、目地本体部分はキャップ幅の80%以上とする。
・成形伸縮目地材は保護コンクリートの下面から上面にまで達するものとする。
 
3)保護コンクリートの施工
 
①成形緩衝材の設置
・入隅部に、溶融アスファルトor接着剤などを用いて張り付ける。
 
②成形伸縮目地材の設置
・立上り面から600㎜程度の位置にボーダー目地として幅20~25mm程度の目地材を固定した後、3m×3m程度の間隔に割り付けて固定する。
 
③溶接金網の設置
・溶接金網相互の重ね幅は、1~1.5網目を重ね合わせて結束を行う。
 
④保護コンクリート打設
・打設するコンクリートの厚さは、一般に80~100㎜とする。
・所要の勾配に仕上げる。
 
⑤仕上げ
〇こて仕上げ
・コンクリート打込み後の均しでは,所定のレベルor所定の勾配に荒均しを行ったのち,コンクリートが凝結硬化を始める前に,タンパー等で表面をたたき締め,平らに敷き均し,コンクリートの沈み,ひび割れを防止する。
・中むら取りを木ごてで行う。
・締まり具合を見て,金ごてで強く押え平滑にする。
〇砂利敷き
・防水性の耐久性の向上及び意匠性などを目的として用いる。
・防水層の表面に接着剤を塗布した後、砂利を敷く方法、防水層の上に一定間隔で砂利止めブロックをモルタルで固定して砂利を敷く方法、断熱材の上に一定間隔で砂利止めブロックを敷いて、砂利を敷く方法などがある。
〇平板ブロック敷き
・防水性の耐久性の向上及び意匠性などを目的として用いる。
・平板ブロックの足の下にモルタルを敷いて平板ブロックを敷く方法と全面に保護モルタルを塗って平板ブロックを敷く方法などがある。
 
4)保護防水絶縁工法の工程
 
a)砂付穴あきルーフィングを使用する方法
 
①アスファルトプライマー塗り
②砂付穴あきルーフィング(絶縁、通気用)
③アスファルトルーフィング、アスファルト流し張り
④ストレッチルーフィング、アスファルト流し張り
⑤ストレッチルーフィング、アスファルト流し張り
⑥アスファルトはけ塗り
⑦アスファルトはけ塗り
⑧絶縁用シート
⑨保護コンクリート
 
b)部分粘着層付改質アスファルトルーフィングを使用する方法
 
①アスファルトプライマー塗り
②部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシート張付け(絶縁、通気用)
③ストレッチルーフィングアスファルト流し張り
④アスファルトはけ塗り
⑤アスファルトはけ塗り
⑥絶縁用シート
⑦保護コンクリート
 
※断熱材を使用する場合は、絶縁用シートの工程の前に断熱材張付けを行う。
 
〇アスファルトプライマー塗り
・アスファルトを主成分としたもので,アスファルトの接着に適するものとする。
 
〇ストレッチルーフィング
・有機合成繊維を主原料とした不織布原反に,アスファルトを浸透,被覆し,表裏面に鉱物質粉末を付着させたもの。
・防水層を形成する主要材料の1つであり、機械的性質や物理・化学的性質に優れ、これを用いた防水層は耐久性も向上する。のびが大きく疲労に強いルーフィング。
・下地とのなじみがよく、施工性がよいのが特徴。
 
〇砂付穴あきルーフィング(絶縁、通気用)
・無機質繊維を主原料とした不織布原反にアスファルトを浸透,被覆し,表面に鉱物質粉末を密着させ,裏面に鉱物質粒子を付着させたもの。
・防水下地の挙動による防水層の破断防止と、防水層のふくれ防止を目的とした絶縁工法用のルーフィング。
・ルーフィングに直径30mm以下の穴を開けたもので、下地に敷き並べて置き、その上から溶融アスファルトでルーフィングを流し張りすると、穴から流れ込んだアスファルトによって下地が規則的な点貼りとなり、絶縁工法が簡単にできる材料。
・砂付き面を下向きにし、通気性を妨げないように張り付ける。
 
〇部分粘着層付改質アスファルトルーフィングシート(絶縁、通気用)
・裏面に部分的(ストライプ状orスポット状)に粘着層を積層し、更にブロッキング防止のために、剥離紙などを積層させたもの。
・工事現場においては剥離紙などを剥がして、下地or改質アスファルトルーフィングシート相互を、粘着一体化させるもので省力化を図ったもの。
・粘着層は柔軟性を有し下地に部分的に張り付けるので下地挙動への追従性に優れる。
・下地からの湿気を拡散させ、脱気装置を通して外気に逃がして、防水層のふくれを低減することも目的としている。
 
〇絶縁用シート
・ポリエチレンフィルム厚さ0.15mm以上のものなど。
・断熱工法の場合は,ポリプロピレン,ポリエチレン等を平織りしたフラットヤーンクロスとする。
改質アスファルトシート防水
(1)概要
 
・アスファルトを釜などで溶かす作業がなく、施工時の省力化および煙・臭気の発生が少なく周辺環境への影響が少ない。
・単層または、2層で防水層を形成することが出来、工程数を削減できる。
・既存のアスファルト防水層を活かした”かぶせ”の施工で多く利用されている。
 
(2)トーチ工法
 
1)トーチ工法の概要  
・合成繊維不織布と改質アスファルトを合わせて作られたルーフィングをトーチバーナーで熱融着し、水密性の高い防水層を形成する工法。
・トーチバーナーで改質アスファルトシート裏面及び下地を均一にあぶり,裏面の改質アスファルトを溶融させながら平均に押し広げて密着させる。
・溶かして貼り付けるため、アスファルトを釜などで溶かす作業がなく施工時の省力化および周辺環境への影響が少ない工法。
・アスファルトにポリマーが添加されており、防水層の性能が施工時の気温に左右されにくい。
・高温特性・低温特性および耐熱性に優れ、また、防水工事用アスファルト類との適合性に優れており、一体化した耐久性に優れた防水層を形成することができる。
 
2)トーチ工法の工程例
 
※断熱材を入れる場合はプライマー工程の後。
 
●密着工法
 
a)複層防水
①プライマー塗り
②改質アスファルトシート(非露出複層防水用,2.5mm以上)
③改質アスファルトシート(露出複層防水用,3.0mm以上)
④仕上塗料塗り
 
b)単層防水
①プライマー塗り
②改質アスファルトシート(露出単層防水用,4.0mm以上)
③仕上塗料塗り
 
※下地が既存防水層の場合は,工程1を省略する。
 
〇露出単層防水用
・一般に耐候性仕上げとしてルーフィングの表面に砂粒、その他の鉱物粉粒、アルミはくなどの金属はくを付けたものが多い。
 
〇露出複層防水用
・露出される表層用のルーフィングで露出単層用ルーフィングと同様の耐候性仕上げのあるルーフィング。
 
〇非露出複層防水用
・露出防水において、複層で使用されるルーフィングのうち、露出されていないルーフィング。
 
●絶縁工法
 
a)複層防水
①プライマー塗り
②部分粘着層付改質アスファルトシート(非露出複層防水用,1.5mm以上)
③改質アスファルトシート(露出複層防水用,3.0mm以上)
④仕上塗料塗り
 
b)単層防水
①プライマー塗り
②あなあきシート
③改質アスファルトシート(露出単層防水用,4.0mm以上)
④仕上塗料塗り
 
〇あなあきシート
・穴の部分は溶融した改質アスファルトで充填されるため、防水層は、ほぼ2層に相当する機能を得ることができる
 
(2)常温粘着工法
 
1)常温粘着工法の概要
 
・溶融アスファルトの代わりに粘着層を設けた改質アスファルトルーフィングシートを張る工法。
・裏面のはく離紙等をはがしながら平均に押し広げて転圧・密着させる。
 
〇部分粘着層付き改質アスファルトルーフィングシート
・裏面に部分的(ストライプ状orスポット状)に粘着層を積層し、更にブロッキング防止のために、剥離紙などを積層させたもの。
・工事現場においては剥離紙などを剥がして、下地あるいは改質アスファルトルーフィングシート相互を、粘着一体化させるもので省力化を図ったものである。
・粘着層は柔軟性を有し下地に部分的に張り付けるので下地挙動への追従性に優れる。
 更に、下地からの湿気を拡散させ、脱気装置を通して外気に逃がして、防水層のふくれを低減することも目的としている。
 
2)常温粘着工法の工程例
 
※断熱材を入れる場合はプライマー工程の後。
 
●密着工法
 
a)単層防水
①プライマー塗り
②粘着層付改質アスファルトシート(露出単層防水用,3.0mm以上)
③仕上塗料塗り
 
※下地が既存防水層の場合は,工程1を省略する。
 
●絶縁工法
 
a)複層防水
①プライマー塗り
②部分粘着層付改質アスファルトシート(非露出複層防水用,1.5mm以上)
③粘着層付改質アスファルトシート(露出複層防水用,2.0mm以上)
④仕上塗料塗り
 
b)単層防水
①プライマー塗り
②部分接着用シート
③粘着層付改質アスファルトシート(露出単層防水用,3.0mm以上)
④仕上塗料塗り
アスファルト防水の改修工事
1)撤去工法とかぶせ工法
 
●撤去工法
・・既存保護層や旧防水層を撤去し、下地調整(躯体修繕、表面処理、水回り・ドレン回り等の各部処理)を行った上で新規防水を施す。
・既存防水層の撤去に付随して騒音・養生・工期の問題が発生する。
・撤去してから新しい防水工事が完了するまでに雨が降ると、漏水の発生のおそれ等がある。
・工程、工期が増え費用負担が増大する。
・廃棄物処理や工期短縮等のデメリットがあるために、最近で採用例が少なく、既存防水を撤去しない改修工法が主流となっている。
 
●かぶせ工法
・旧防水層の劣化部を除去・修繕を行った上で、既存防水層の平坦部を残した上に各種新規防水を施す。
・既存防水層撤去時の騒音や振動を防止できる。
・工期の短縮、費用の軽減、産業廃棄物の発生を軽減。
・既存防水層の機能を継続活用。
・施工中の漏水発生の可能性を低減。
・既存の防水工法や断熱材の有無などを考慮する必要がある。
・絶縁工法とし、脱気装置を装填する事例が多い。
※かぶせ方式でも施工面積が一定以下の場合は密着工法を採用することがあるが、既存の防水層及び保護層には経年により多くの水分が含まれているので、一定面積以上を密着工法で施工すると、閉じ込められた水分が蒸発できずに、新しい防水層を膨れさせ、剥離や損傷につながるおそれがある。
 
2)改修工法の選定例
 
・現場の周辺環境、作業条件、施工時期、下地の状況、改修後の要求条件等を考慮して工法を選定する。
・用途に応じて、非歩行用、軽歩行用、歩行用などの仕様を選択する。
・下地が乾燥している場合は密着工法、湿潤している場合は絶縁(通気)工法を選択する。
 
①改修後、屋上を利用しない場合
〇保護層非撤去(かぶせ工法)→露出防水(絶縁工法)
・保護層に著しい損傷がなく、簡単な修理で防水下地として適用できるものを対象とする。
・立上りの保護層、防水層は撤去する場合が多い。
 
②改修後の屋上利用が軽度の場合
〇保護層非撤去(かぶせ工法)→軽歩行対応露出防水
・既存防水層全体に著しいふくれや剥離がない場合に適用する。
・立上りの防水層は撤去する場合が多い。
 
③改修後、従来通り使用する場合
〇保護層撤去・防水層非撤去(撤去・かぶせ工法)→保護防水
〇保護層・防水層撤去(撤去工法)→保護防水
・既存保護層、防水層の傷みが激しい場合
改質アスファルトシート防水
改質アスファルトシート防水

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