トラップ、通気設備の設置、構造

〇過去問
・管理業務主任者 
・マンション管理士 
 
 
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トラップの目的、種類
1)トラップの目的
 
・排水管からの悪臭、有毒ガスや衛生害虫が室内に入り込まないように、排水管の途中や衛生器具に接続して設けられる。
・このトラップにたまった水を封水という。
・排水トラップの封水深は、深すぎると詰まりやすく、浅すぎると破封を起こしやすいので、トラップの形状を問わず、50mm以上100mm以下とされている。
 
〇封水強度
・排水管内に正圧又は負圧が生じたときの排水トラップの封水保持能力をいう。
・使用されるトラップの封水深、脚断面積比や封水量などの違いによって、同一の管内圧力変動であっても、封水損失の状況は異なる。
 
2)トラップの種類
 
●設置場所による種類
・器具に内蔵されている器具トラップ
・器具に付属して設ける排水トラップ
・排水管の途中に設けるUトラップ
 
●方式による種類
①サイホントラップ、管トラップ
・管内を排水が満水状態で流れることによりサイホン作用を起こし、排水による自浄効果を持つトラップのこと。
・自己サイホン作用を生じやすいが、排水と排水中に含まれる固形物を同時に排出でき、排水による自浄効果をもつ。
・短所は、比較的封水が破られやすいこと
・その形状によりSトラップ、Pトラップ、Uトラップ等がある。
 
②非サイホントラップ
〇ドラムトラップ
・封水部分が胴状(ドラム状)をしている。胴の内径は、排水管の2.5倍を標準
・封水部に多量の水がたまるので、封水が破れにくいという特徴がある。
・自浄作用がなく沈殿物がたまりやすい。
・店舗等の厨房等、多量の排水が生じるところに用いられている。
 
〇わん(ベル)トラップ
・住宅の台所流し等ではわんの形をした金物を排水口にかぶせた構造。
 
〇逆わんトラップ
・椀型トラップのわんを逆さにした形状のもの。
・トラップを形成している部品(可動部分)を簡単に脱着することが可能。
・封水の蒸発等によりトラップの機能を失いやすい。
・ユニットバスルームの床排水や洗濯機パンなどに用いられる。
・ここからの排水を排水横枝管に排水させることは適切である。
トラップのトラブル
●はね出し作用
・マンションの”下層”階の住戸では、台所の排水が一気に流れることにより、排水立て管内の圧力が高まり、トラップの封水が室内に吹き出すことをはね出し作用という。
・横走り管が短く排水立て管に近い位置にトラップが設置されると、上部から立て管に大量に排水された場合、排水管内から空気と共にトラップ内の水が室内側に噴出することがある。
 
●自己サイフォン現象
・洗面器などの大量に水をためて使用する器具で、器具・トラップ・排水管が連続したサイフォンとして働き、内部の水が排水されることがある。流れようとする勢い(圧力)が封水を押し流すということ。
・具体例として、他の所で大量に水を一気に流すと下水管内に負圧が発生して上階のトイレの封水が吸われてしまうことがある。
・マンションだと他の室と下水管を共用しているため他の室で下水を流すことにより発生する場合がある。
 
●吸い出し作用(誘導サイホン作用)
・立て管に近い箇所にトラップを設けた場合、立て管の上部から一度に多量の水が流下してくると、その立て管と横管との接続部付近の圧力は、大気圧より低くなり、圧力の低くなった排水管に吸い出されてしまう。
 
●毛管現象作用
・トラップのあふれ部に毛髪、毛糸などがひっかかって垂れ下がった状態になっていると、毛管現象によりそれらを伝わって封水が徐々に吸い出されることをいう。
 
●蒸発作用
・排水器具を長時間使用しない場合、トラップ内の封水が蒸発し消失することをいう。
・床排水トラップに起こりやすい。また、冬期に暖房を使用する場合に発生しやすい。
通気設備の目的、種類
●通気設備の目的
・通気設備の中心は通気管で、トラップの封水の保護および排水管と外気との圧力バランスを調整して、排水の流れを円滑にするためのもの。
 
①サイホン作用及びはね出し作用からトラップの封水を保護する。
②排水管内の流水を円滑にする。
③排水管内に空気を流通させて排水系統内の換気を行う。
 
●通気方式の種類
①各個通気方式
・各衛生器具の立て管側から、それぞれの通気管を用いる方式。
・各器具からの各個通気管を立ち上げ、各々を通気横枝管に結び、その枝管の末端を通気立て管又は伸頂通気管に接続する方式。
・確実な動作が可能であるが、個別器具ごとに接続するため配管費用が高い。
・トラップ封水の保護や騒音防止、気圧の変動が大きくその影響を受けやすい超高層建物の器具群、又は同時使用率の高い一連の器具に対しては各個通気方式とする。
 
②ループ通気方式
・一般的な通気方式で、排水横枝管の最上流の器具の下流側から通気管を立ち上げ、通気横枝管に連結し、その末端を通気立て管に接続する方式。
・高層建物や器具数の多い建物で、立て管までの距離が長い場合、ループ通気の効果をより高める意味で逃し通気管を接続する。逃がし通気管は、最下流の器具排水管が結ばれる直後から立上げて接続する。
 
③伸頂通気方式
・排水横枝管の”下流”部分に接続し、排水立ての管径を縮小することなく屋上まで延長しそのまま大気中に開放する。
・一部分が湿り通気管となる排水立て管と伸頂通気管だけで構成される。
・伸頂通気をとる排水立て管の周囲に器具が隣接している場合に用いられる。排水立て管と器具排水管との距離は最大1.5mといわれ、特にトラップ封水の破れやすい洗面器、手洗い器に対して、1.5m以上ならば各個通気管とする。
・器具から排水立て管までの距離が短いホテルや集合住宅では、経済的な方法。
・伸頂通気管の管径は、排水立て管の管径より小さくしてはならない。
・排水立て管に接続する器具の上下関係も、洗面器等を最上流にし、大便器の排水管を最下流にする。
 
④特殊通気継手方式
・排水用特殊継手を用いたもので、伸頂通気方式の一種。
・集合住宅やホテル等の単管式排水方式に採用されている。
・複数の排水横枝管からの排水を一つの継手に合流させて排水させる機能があり、排水立て管の数を減らすことができる。
・衛生器具等からの排水が流れる横枝管と排水立て管が合流する時に、排水を減速して旋回させ排水立て管に沿ってらせん状に落下させることにより、排水立て管の真中に空気のコアをつくることで通気を確保し、大量の排水の流れをスムーズにする。
・排水が螺旋状に立て管を流れるよう作られているので、配管の中心に空気の通り道(通気)を確保でき、通気立管が不要となるため、排水立て管の数を減らすことができる。
・汚水・雑排水など複数の排水管横枝管を一つの立て管へ集約することができ、スペースが節約できる。主に、高層や超高層のマンションで採用されることが多いシステム。
・通気立て管は省略できるが、上方を開放しないと通気がされないため、伸頂通気管は省略できない。
 
〇通気立て管方式
・最下層の排水立て管又は排水横主管より低い位置で接続して、一番上の伸頂通気管に接続またはそのまま大気中に開口するもの。
・排水立て管に生じる圧力を逃がし、排水立て管の流れを円滑にする機能を有する。
 
〇結合通気管
・高層マンションで用いられる通気立て管と排水立て管を一定の間隔ごとに接続する配管で、排水管内の下層階で生じた正圧と、上層階で生じた負圧を緩和する効果がある。
・高層建築物で排水立て管内の圧力変化を防止・緩和するため、一定の間隔で排水立て管・通気立て管を相互に接続する通気管である。
 
※高層マンションの排水方式
・排水時に”下層”階の排水管内に発生する正圧を緩和するために通気立て管方式を用いる。
通気設備設置の注意点
●通気管設置
・通気管末端の開口部は、出入口・窓その他開口部より、少なくとも600mm以上立ち上げる。
・上記の各種の開口部より600mm以上立ち上げられない場合には、それらの開口部より水平に3m以上離す。
・建築物の屋上が庭園・運動場・物干し場などに利用される場合には、通気管の末端は屋上の床仕上げ面より人間の高さ以上(約2m)、そのような用途に使用されない場合には、屋外の雨水等が通気管内に流入しないような高さ以上(約200mm)に、それぞれ立ち上げる。
〇各階の通気管を通気立て管に連結する場合
・その階の器具のあふれ縁より150㎜以上の所で連結する。なお、通気立て管を伸頂通気管に連結する場合もこれによる。
→通気管の横走り位置が器具のあふれ縁より下であると排水管が詰まった場合に汚水が通気管内に流入し、通気管としての機能を失わせるおそれがある。したがって、通気管を横走りする場合は、最高位の器具のあふれ縁より150㎜以上上方で行う。
 
〇昭和50年建設省告示1597号
・排水トラップの封水部に加わる排水管内の圧力と大気圧との差によって排水トラップが破封しないように有効に設けること。
・汚水の流入により通気が妨げられないようにすること。
(原則)直接外気に衛生上有効に開放すること。
(例外)配管内の空気が屋内に漏れることを防止する装置が設けられている場合は、この限りでない。
 
●通気弁
・”排水立て管、排水横枝管”などで、”負圧”が発生すると弁が開き、大気を吸込んで排水管内の圧力を均等化する部材。
・通気弁は通常時は弁は閉じていて、悪臭の漏れを防ぐ。
・正圧(プラスの圧)に対しては、正圧緩和器が使用され、通気弁と組み合わせて使用される。

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