バリアフリー新法

〇バリアフリー新法(高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律)
〇過去問
・管理業務主任者 H15問26、H21問44、H25問44、H28問44、H30問25、R1問44、R2問24
・マンション管理士 H14問40、H16問41、H20問41、H24問40、H28問41、R1問42
 
 
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バリアフリー新法の概要
・従来のハートビル法と交通バリアフリー法を一本化した法律で、平成18年に施行。
・共同住宅は、バリアフリー法に規定する”特定建築物”に該当する。
・特定建築物は努力義務に留まり、特別特定建築物では適合義務が求められる。
 
〇既存建物の対応
・(用途変更を含む)既存建物の増改築(建築確認が伴うもの)を行う場合に当法の対象となる。
・特定建築物の増改築では下記”利用円滑化基準”への適合努力義務が、特別特定建築物の増改築では同基準への適合義務がある。
 
●基準の概要
 
①建築物移動等円滑化基準
・特定建築物では努力義務、特別特定建築物では適合義務
例)
・車椅子と人がすれ違える廊下
・トイレの一部に車椅子用のトイレがひとつはある
・目の不自由な人も利用し易いエレベーターがある
 
②建築物移動等円滑化誘導基準
・適合義務はないが基準を満たすと一定のインセンティブがある基準
国土交通省令第114号(pdf)
例)
・車椅子用のトイレが必要な階にある
・建物の面積に関わらず目の不自由な人も利用し易いエレベーターがある
 
〇建築設計上の主な具体的注意事項
・床はなるべく段差を設けない
・床の段差はスロープとし、1/12以下の勾配とする。(16cm以下の段差の場合は1/8以下)
・床仕上げは滑りにくいものとする
・階段やスロープに近接する床には点状ブロックを設ける
・身障者用駐車場を設ける
対象建築物、義務、特例
1)対象建築物
 
〇特定建築物
・学校、病院、劇場、観覧場、集会場、展示場、百貨店、ホテル、事務所、共同住宅、老人ホームその他の多数の者が利用する政令で定める建築物又はその部分をいい、これらに附属する建築物特定施設を含むものとする。
 
〇特別特定建築物
・不特定かつ多数の者が利用し、又は主として高齢者、障害者等が利用する特定建築物であって、移動等円滑化が特に必要なものとして政令で定めるものをいう。
・共同住宅はこれには該当しない。
 
〇建築物特定施設
・出入口、廊下、階段、エレベーター、便所、敷地内の通路、駐車場その他の建築物又はその敷地に設けられる施設で政令で定めるものをいう。
 
2)特定建築物における努力義務、特例
 
●特定建築物の建築主等の努力義務等(16条)
・建築主等は、特定建築物の建築(用途の変更をして特定建築物にすることを含む)時は、建築物移動等円滑化基準に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
・建築主等は、特定建築物の建築物特定施設の修繕又は模様替をしようとするときは、建築物移動等円滑化基準に適合させるために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。
・所管行政庁は、措置の適確な実施を確保するため必要があると認めるときは、建築主等に対し、設計及び施工に係る事項について必要な指導及び助言をすることができる。
 
●特定建築物の建築等及び維持保全の計画の認定(17条)
・特定建築物の建築、修繕又は模様替をしようとする者は、一定の基準(建築物移動等円滑化誘導基準)を満たす建築物の建築等及び維持保全の計画により、認定を申請することができる。
・認定申請の際に、併せて建築基準法に基づく確認申請書を提出することで、建築基準関係規定に適合する旨の建築主事の通知を受けることができる。この通知を受けた場合は、確認済証の交付があったものとみなされる。
 
●認定特定建築物の容積率の特例(19条)
・認定を受けると、建築基準法の容積率の算定の基礎となる延べ面積について、特例の対象となる。
・特例は、全体延べ面積の10分の1が限度となる。(施行令24条)。
・特例の対象となる部分は、建築物特定施設の床面積のうち、移動等円滑化の措置をとることにより通常の建築物の建築物特定施設の床面積を超える部分。
 
●認定特定建築物の表示等(20条)
・認定建築主等は、認定特定建築物の建築等をしたときは、当該認定特定建築物、その敷地又はその利用に関する広告等に、主務省令で定めるところにより、当該認定特定建築物が認定を受けている旨の表示を付することが”できる”。
建築物移動等円滑化基準
●建築物移動等円滑化基準
・バリアフリー法施行令10条~
 
※以下のカッコ内は建築物移動等円滑化”誘導”基準
〇廊下等、階段、傾斜路、敷地内の通路
・表面は粗面とし、または滑りにくい材料で仕上ること。
 
〇階段
・踊場を除き、手摺を設けること。
 
〇傾斜路
・勾配が12分の1を超え、または高さが16cmを超える傾斜がある部分には手摺を設けること。
・手すり:片側設置、両側設置
・幅:120㎝以上(150㎝以上)
 
〇出入口の幅
・80㎝以上(90㎝以上)
 
〇廊下の幅
・120㎝以上(180㎝以上)
 
〇便所
・便所内に車いす使用者便房を1以上設けること。
 
〇車いす使用者用駐車施設(施行令17条、18条)
・幅は、350㎝以上としなければならない。
・車いす使用者用駐車施設から建物の出入口までの通路は、階段又は段を設けないこと、幅は120㎝以上とすること等が必要
 
※車両の駐車スペース
・普通乗用車1台当たりの駐車スペースは、直角駐車の場合、幅2.3m×奥行5.0m程度。
・自動二輪車1台当たりの駐車スペースは、直角駐車の場合、幅1.0m×奥行2.3m程度
 
〇エレベーター(施行令18条2項5号)
・かご及び昇降路の出入口の幅:”80㎝”以上(90㎝以上)
・かごの幅:140㎝以上(160㎝以上)
・かごの奥行きは、”135㎝”以上
・乗降ロビー:高低差なし、幅及び奥行き”150㎝”以上(180㎝以上)
 
※数値の例
・出入口巾:80cm(90cm以上)
・通路巾の確保:1.2m(1.8m)
・スロープ幅:120㎝(150㎝)
・スロープ勾配:1/12(1/12)
・かごの奥行:135(135)
・かごの幅:140㎝(160㎝)
・乗降ロビー:150㎝角(180㎝角)
・駐車場幅:350㎝(350㎝)

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