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外壁塗装の劣化
・日射、風雨、苔、カビ、塗装内部の水分等の影響で劣化する。
1)劣化の第一段階(塗膜表面の劣化)
・美観性が損なわれ、外観の機能が失われた段階。
●汚れ
・塵あい、鉄さび、手あか、油脂などの付着、菌類、藻・苔類の繁殖により通常の洗浄方法では除去できない状態。
●変退色
・紫外線、風雨、熱などにより仕上材表面が劣化し、仕上塗材表面の色相、彩度、明度のどれかが変化する現象
●光沢低下
・仕上塗材表面の光沢が低下する現象で主に上塗材の劣化。
●白亜化(チョーキング)
・紫外線、風雨、熱などにより仕上塗材表面の樹脂分が劣化し、充填材が離脱しやすくなり表面が粉末状になる現象。
●摩耗
・砂塵、雨風などの物理的作用により仕上塗材の塗膜厚が減少する現象
2)劣化の第二段階(塗膜内部の劣化)
・劣化が進むと塗膜の保護機能(紫外線、水分、炭酸ガス)が低下し、下地に対する中性化抑制が低下し始める。
●膨れ(浮き)
・塗膜が気体、液体または腐食生成物などを含んで盛り上がる現象。
・上塗材の膨れ、主材の膨れがある.
●割れ
・塗膜に裂け目が発生する現象。
・上塗材の割れ(主に浅割れ:checking)、主材の割れ(深割れ:cracking)に区分される。
・下地モルタルや躯体コンクリートの割れに起因することもある.
●剥がれ
・塗膜が付着力を失って被塗物から離れる現象。
・下地モルタルや躯体コンクリートの欠損による場合もある。
3)劣化の第三段階(下地に起因する劣化)
・下地への付着性が低下して連続性が失われ、保護機能を失い、下地の表面層の劣化が進行し始めた段階
・下地コンクリートの収縮ひび割れやモルタルの浮き、漏水などの発生
●ひび割れ
・下地モルタルや躯体コンクリートの割れに起因して発生した塗膜の割れ。
●モルタル浮き
・下地モルタルが浮いている状態。
・剥離、損傷につながり、雨水の侵入など保護機能が失われる
●剥離、損傷
・下地コンクリートやモルタルなどの断面が欠損したり、破断した状態。
●エフロレッセンス
・下地コンクリートやモルタル中の石灰などのアルカリ成分が水に溶けて表面にしみだし、空気中の炭酸ガスと反応して難溶性の白色物質となり塗膜表面に沈着する現象。
●さび汚れ
・中性化や露出により腐食した鉄筋から発生したさびにより塗膜表面が汚染される現象。
4)下地の劣化→鉄筋コンクリートの劣化
①コンクリートの収縮、ひび割れ
・コンクリート構造物は経年によりコンクリートが収縮し、ひび割れが生じる。
・ひび割れ部や欠損部から空気中の炭酸ガスや雨水が躯体に染み込み、コンクリートのアルカリ性が失われ中性化が始まる。
②中性化が進行
・鉄筋コンクリートの寿命はコンクリート中性化深さが内部鉄筋の表面に達した時点とする中性化寿命説が有力な説と考えられている。
③内部鉄筋の腐食
・中性化の進行で鉄筋が錆び易くなり、内部鉄筋の腐食が進行し始める。
④コンクリートの欠落、鉄筋の露出
・錆の進行により体積の増大をまねき、鉄筋を保護する「コンクリート」破壊を生じ、ひび割れを拡大、欠落、鉄筋の露出・漏水等々の現象を生じる。
1)劣化の第一段階(塗膜表面の劣化)
・美観性が損なわれ、外観の機能が失われた段階。
●汚れ
・塵あい、鉄さび、手あか、油脂などの付着、菌類、藻・苔類の繁殖により通常の洗浄方法では除去できない状態。
●変退色
・紫外線、風雨、熱などにより仕上材表面が劣化し、仕上塗材表面の色相、彩度、明度のどれかが変化する現象
●光沢低下
・仕上塗材表面の光沢が低下する現象で主に上塗材の劣化。
●白亜化(チョーキング)
・紫外線、風雨、熱などにより仕上塗材表面の樹脂分が劣化し、充填材が離脱しやすくなり表面が粉末状になる現象。
●摩耗
・砂塵、雨風などの物理的作用により仕上塗材の塗膜厚が減少する現象
2)劣化の第二段階(塗膜内部の劣化)
・劣化が進むと塗膜の保護機能(紫外線、水分、炭酸ガス)が低下し、下地に対する中性化抑制が低下し始める。
●膨れ(浮き)
・塗膜が気体、液体または腐食生成物などを含んで盛り上がる現象。
・上塗材の膨れ、主材の膨れがある.
●割れ
・塗膜に裂け目が発生する現象。
・上塗材の割れ(主に浅割れ:checking)、主材の割れ(深割れ:cracking)に区分される。
・下地モルタルや躯体コンクリートの割れに起因することもある.
●剥がれ
・塗膜が付着力を失って被塗物から離れる現象。
・下地モルタルや躯体コンクリートの欠損による場合もある。
3)劣化の第三段階(下地に起因する劣化)
・下地への付着性が低下して連続性が失われ、保護機能を失い、下地の表面層の劣化が進行し始めた段階
・下地コンクリートの収縮ひび割れやモルタルの浮き、漏水などの発生
●ひび割れ
・下地モルタルや躯体コンクリートの割れに起因して発生した塗膜の割れ。
●モルタル浮き
・下地モルタルが浮いている状態。
・剥離、損傷につながり、雨水の侵入など保護機能が失われる
●剥離、損傷
・下地コンクリートやモルタルなどの断面が欠損したり、破断した状態。
●エフロレッセンス
・下地コンクリートやモルタル中の石灰などのアルカリ成分が水に溶けて表面にしみだし、空気中の炭酸ガスと反応して難溶性の白色物質となり塗膜表面に沈着する現象。
●さび汚れ
・中性化や露出により腐食した鉄筋から発生したさびにより塗膜表面が汚染される現象。
4)下地の劣化→鉄筋コンクリートの劣化
①コンクリートの収縮、ひび割れ
・コンクリート構造物は経年によりコンクリートが収縮し、ひび割れが生じる。
・ひび割れ部や欠損部から空気中の炭酸ガスや雨水が躯体に染み込み、コンクリートのアルカリ性が失われ中性化が始まる。
②中性化が進行
・鉄筋コンクリートの寿命はコンクリート中性化深さが内部鉄筋の表面に達した時点とする中性化寿命説が有力な説と考えられている。
③内部鉄筋の腐食
・中性化の進行で鉄筋が錆び易くなり、内部鉄筋の腐食が進行し始める。
④コンクリートの欠落、鉄筋の露出
・錆の進行により体積の増大をまねき、鉄筋を保護する「コンクリート」破壊を生じ、ひび割れを拡大、欠落、鉄筋の露出・漏水等々の現象を生じる。
目視調査の概要
●主な診断対象
・外壁、軒天井
●目視、触診による診断の調査項目
〇塗装表面
・色の変化、退色。光沢度、白亜化、汚れ
〇塗膜層
・膨れ、割れ、剥がれ、磨耗、付着力の低下
〇塗膜層と下地
・錆汁、クラック、結露の有無、漏水
・エフロレッセンス(白華。表面に白い物質が現れ、垂れる)
●目視調査
・劣化の位置、範囲、程度等の状況を確認する。
・最上階の天井、外壁内側の漏水の有無や排水状況などを確認する。
・外壁、軒天井
●目視、触診による診断の調査項目
〇塗装表面
・色の変化、退色。光沢度、白亜化、汚れ
〇塗膜層
・膨れ、割れ、剥がれ、磨耗、付着力の低下
〇塗膜層と下地
・錆汁、クラック、結露の有無、漏水
・エフロレッセンス(白華。表面に白い物質が現れ、垂れる)
●目視調査
・劣化の位置、範囲、程度等の状況を確認する。
・最上階の天井、外壁内側の漏水の有無や排水状況などを確認する。
調査方法の詳細、対策
(1)汚れ、変退色、光沢低下、白亜化、摩耗
1)測定方法
・方位、部位別に、各劣化現象の有無を目視により確認し記録する。
・劣化現象が確認された場合は劣化レベルを評価し記録する。
・変退色は必要に応じ見本板などと比較する。
2)汚れが著しい場合の改善方法
・低汚染形塗料、溶剤形塗料などの選定。
〇雨筋汚れ
・低汚染形塗料の選定
・天板の勾配の調整提案
・水切りの設置、見直し提案など
〇菌類・藻類
・防かび、防藻塗料の選定
〇油脂類
・排気口の形状の見直しなど
〇さび汚れ
・原因のさびを除去し防錆処理を施す。
・内部鉄筋が原因の場合はコンクリートを斫り鉄筋の防錆処理を施し埋め戻す。
3)摩耗
・摩耗がはっきりと認められる場合は、脆弱部分がある程度の範囲で存在すると推測されるのでケレン工具、高圧水洗などで脆弱層の除去を念入りに実施する。
更にシーラー処理(反応形合成樹脂シーラーが好ましい)を実施し脆弱層を固定する。
・著しい劣化部分が広範囲に及ぶ場合は全面除去を実施する。
4)白亜化
●測定方法
・方位、部位別に指触による簡易診断またはテープ法による診断を実施する。
・光沢計で塗膜表面の鏡面光沢度を測定
〇テープ法
・JIS K5600-8-6に準拠して実施する。
・幅15mm以上長さ40mm以上の無色透明な片面に粘着性を持つテープを塗膜に貼り、強く押し付け指でこする。
・テープの付着物のコンストラストをはっきりさせるため黒または白の背景画で評価する。
●下地調整法の選定
・白亜化が著しい場合は、高圧水洗などで脆弱層の除去を念入りに実施する。
更にシーラー処理(反応形合成樹脂シーラーが好ましい)を実施し脆弱層を固定するのが望ましい。
(2)割れ、膨れ、剥がれ
1)測定方法
・方位、部位別に目視評価を実施する。
・劣化現象が確認された場合は劣化レベル、発生個所(どの層から劣化現象が出ているか)を評価し記録する。
・下地や他の劣化現象が原因になっていないかを確認する。
・変退色は必要に応じ見本板などと比較する。
・膨れの場合、どの層から膨れが発生しているかの確認が必要。
2)下地調整法の選定
・塗膜の一般的な劣化現象のほかに、コンクリート下地のひび割れなどが原因の事がある。
→下地や周辺の状況確認が必要。
・膨れ、剥がれがはっきりと認められる場合は、ケレン工具、高圧水洗などで脆弱層の除去を念入りに実施する。
・劣化部分が広範囲に及ぶ場合は全面除去を実施する。
・下地や他の劣化現象(ひび割れや漏水等)が原因の場合は、その現象に応じた適切な下地調整を実施した後、仕上塗材の工程に移る。
3)割れ、膨れ、剥がれが目立つ場合の検討項目
①下地の劣化が原因になっていないか?
・下地のひび割れ、漏水などを確認。
・現象に沿った処理を実施する.
②局所的な雨水の通り道など厳しい環境になっていないか?
・樋や排水設備の設置を検討又は耐水性の高い仕様
(反応性合成樹脂シーラー、弱溶剤系塗装仕様などの選定)
③周辺の塗膜の劣化が進んでいないか?
・クロスカットテープ法や引っ張り試験で処理範囲の確認。
(3)ひび割れ、モルタルの浮き、漏水、エフロレッセンス
1)ひび割れ
●測定方法
・割れを確認したら、方角、部位、発生個所(上塗材、主材、下地)や状況、割れの幅(クラックスケール、などを用いて測定)を記録する。
・発生個所に塗膜やモルタルの浮き、漏水など他の劣化現象が発生していないか確認する。
●下地調整法の選定
〇塗膜層の割れ
・可とう形改修塗材、下地調整塗材など
〇下地由来の割れ
・躯体コンクリートのひび割れ、コールドジョイント、収縮ひび割れ、せん断ひび割れ等。
・ひび割れ幅による適切な下地調整を実施する。
例)
・0.2mm未満:シール工法
・0.2mm~1.0mm未満:エポキシ樹脂注入工法
・1.0mm以上、0.2mm~1.0mmで挙動あり:Uカットシール材充填工法
2)エフロレッセンス、漏水
●測定方法
・目視により確認する
・エフロレッセンスも漏水が原因であることが多いため、漏水の発生個所と原因を確認し処置をする。
●下地調整法の選定
・処置が不十分だと改修後早期に同様の不具合が発生する可能性が高い。
3)モルタルの浮き
●測定方法
・パルハンマーやテストハンマーなどで打診する。
●下地調整法の選定
・面積や状況を踏まえ、除去やエポキシ樹脂注入など適切な下地調整を実施した後、仕上塗材の工程に移る。
4)下地の劣化現象が目立つ場合の検討項目
〇下地のひび割れ、漏水、モルタル浮きなどの調査を慎重に実施
・ひび割れの処理(Uカットシール工法など)や、漏水個所の防水処理が必要。
〇中性化など下地コンクリートの劣化が進んでいる恐れ
・中性化深さの測定を実施し、実測値と予測される中性化深さを比較する
・中性化抑止効果のある材料を選定する.
〇周辺の塗膜の劣化が進んでいないか?
・引っ張り試験を行い、処理範囲の確認
(4)塗膜付着強さ測定
●測定方法
・引っ張り試験器にて付着強さを測定。
・破断箇所も記録する。
●下地調整法の選定
・付着力が弱い場合は既存塗膜の除去が必要。既存塗膜を残して施工が可能かを確認
・測定個所毎の結果により、処理範囲を決める。
・JIS A6909の付着強さの品質規格を参考に判断することが多い
(5)中性化深さ測定
●測定方法
・電動のハンマードリルなどで下地コンクリートのコアを採取し、フェノールフタレイン溶液を吹付けコンクリート表面から中性化して呈色しない部分の深さを測定する。
・できるだけ風雨にさらされる箇所で1階廻りと塔屋など高層部を選んで試験する。
・コア抜き後、コアを半分に割ってコアの中の中性化深さを測定する。
●下地調整法の選定
・中性化速度式により算出される予測値と測定値を比較し躯体コンクリートの劣化状況を確認する。
・進んでいる場合は劣化因子の遮断効果の高い材料を検討する。
(6)その他の現場調査項目
●シーリング材の状態
・目地からの漏水、汚染などの影響が考えられる。
●バルコニー床、ドレイン周り、階段、屋上防水など
・劣化が進むと漏水の原因になり塗膜不具合に繋がる
●鉄扉、PS扉の状態
・給湯器の蒸気の影響の強さなど確認できる(特にPS扉)
※既存塗膜の耐溶剤性確認
・既存塗膜の種類が分からない場合、ラッカーシンナーで既存塗膜が溶解するか確認する。
・溶剤系下塗塗料の選定可否判断
1)測定方法
・方位、部位別に、各劣化現象の有無を目視により確認し記録する。
・劣化現象が確認された場合は劣化レベルを評価し記録する。
・変退色は必要に応じ見本板などと比較する。
2)汚れが著しい場合の改善方法
・低汚染形塗料、溶剤形塗料などの選定。
〇雨筋汚れ
・低汚染形塗料の選定
・天板の勾配の調整提案
・水切りの設置、見直し提案など
〇菌類・藻類
・防かび、防藻塗料の選定
〇油脂類
・排気口の形状の見直しなど
〇さび汚れ
・原因のさびを除去し防錆処理を施す。
・内部鉄筋が原因の場合はコンクリートを斫り鉄筋の防錆処理を施し埋め戻す。
3)摩耗
・摩耗がはっきりと認められる場合は、脆弱部分がある程度の範囲で存在すると推測されるのでケレン工具、高圧水洗などで脆弱層の除去を念入りに実施する。
更にシーラー処理(反応形合成樹脂シーラーが好ましい)を実施し脆弱層を固定する。
・著しい劣化部分が広範囲に及ぶ場合は全面除去を実施する。
4)白亜化
●測定方法
・方位、部位別に指触による簡易診断またはテープ法による診断を実施する。
・光沢計で塗膜表面の鏡面光沢度を測定
〇テープ法
・JIS K5600-8-6に準拠して実施する。
・幅15mm以上長さ40mm以上の無色透明な片面に粘着性を持つテープを塗膜に貼り、強く押し付け指でこする。
・テープの付着物のコンストラストをはっきりさせるため黒または白の背景画で評価する。
●下地調整法の選定
・白亜化が著しい場合は、高圧水洗などで脆弱層の除去を念入りに実施する。
更にシーラー処理(反応形合成樹脂シーラーが好ましい)を実施し脆弱層を固定するのが望ましい。
(2)割れ、膨れ、剥がれ
1)測定方法
・方位、部位別に目視評価を実施する。
・劣化現象が確認された場合は劣化レベル、発生個所(どの層から劣化現象が出ているか)を評価し記録する。
・下地や他の劣化現象が原因になっていないかを確認する。
・変退色は必要に応じ見本板などと比較する。
・膨れの場合、どの層から膨れが発生しているかの確認が必要。
2)下地調整法の選定
・塗膜の一般的な劣化現象のほかに、コンクリート下地のひび割れなどが原因の事がある。
→下地や周辺の状況確認が必要。
・膨れ、剥がれがはっきりと認められる場合は、ケレン工具、高圧水洗などで脆弱層の除去を念入りに実施する。
・劣化部分が広範囲に及ぶ場合は全面除去を実施する。
・下地や他の劣化現象(ひび割れや漏水等)が原因の場合は、その現象に応じた適切な下地調整を実施した後、仕上塗材の工程に移る。
3)割れ、膨れ、剥がれが目立つ場合の検討項目
①下地の劣化が原因になっていないか?
・下地のひび割れ、漏水などを確認。
・現象に沿った処理を実施する.
②局所的な雨水の通り道など厳しい環境になっていないか?
・樋や排水設備の設置を検討又は耐水性の高い仕様
(反応性合成樹脂シーラー、弱溶剤系塗装仕様などの選定)
③周辺の塗膜の劣化が進んでいないか?
・クロスカットテープ法や引っ張り試験で処理範囲の確認。
(3)ひび割れ、モルタルの浮き、漏水、エフロレッセンス
1)ひび割れ
●測定方法
・割れを確認したら、方角、部位、発生個所(上塗材、主材、下地)や状況、割れの幅(クラックスケール、などを用いて測定)を記録する。
・発生個所に塗膜やモルタルの浮き、漏水など他の劣化現象が発生していないか確認する。
●下地調整法の選定
〇塗膜層の割れ
・可とう形改修塗材、下地調整塗材など
〇下地由来の割れ
・躯体コンクリートのひび割れ、コールドジョイント、収縮ひび割れ、せん断ひび割れ等。
・ひび割れ幅による適切な下地調整を実施する。
例)
・0.2mm未満:シール工法
・0.2mm~1.0mm未満:エポキシ樹脂注入工法
・1.0mm以上、0.2mm~1.0mmで挙動あり:Uカットシール材充填工法
2)エフロレッセンス、漏水
●測定方法
・目視により確認する
・エフロレッセンスも漏水が原因であることが多いため、漏水の発生個所と原因を確認し処置をする。
●下地調整法の選定
・処置が不十分だと改修後早期に同様の不具合が発生する可能性が高い。
3)モルタルの浮き
●測定方法
・パルハンマーやテストハンマーなどで打診する。
●下地調整法の選定
・面積や状況を踏まえ、除去やエポキシ樹脂注入など適切な下地調整を実施した後、仕上塗材の工程に移る。
4)下地の劣化現象が目立つ場合の検討項目
〇下地のひび割れ、漏水、モルタル浮きなどの調査を慎重に実施
・ひび割れの処理(Uカットシール工法など)や、漏水個所の防水処理が必要。
〇中性化など下地コンクリートの劣化が進んでいる恐れ
・中性化深さの測定を実施し、実測値と予測される中性化深さを比較する
・中性化抑止効果のある材料を選定する.
〇周辺の塗膜の劣化が進んでいないか?
・引っ張り試験を行い、処理範囲の確認
(4)塗膜付着強さ測定
●測定方法
・引っ張り試験器にて付着強さを測定。
・破断箇所も記録する。
●下地調整法の選定
・付着力が弱い場合は既存塗膜の除去が必要。既存塗膜を残して施工が可能かを確認
・測定個所毎の結果により、処理範囲を決める。
・JIS A6909の付着強さの品質規格を参考に判断することが多い
(5)中性化深さ測定
●測定方法
・電動のハンマードリルなどで下地コンクリートのコアを採取し、フェノールフタレイン溶液を吹付けコンクリート表面から中性化して呈色しない部分の深さを測定する。
・できるだけ風雨にさらされる箇所で1階廻りと塔屋など高層部を選んで試験する。
・コア抜き後、コアを半分に割ってコアの中の中性化深さを測定する。
●下地調整法の選定
・中性化速度式により算出される予測値と測定値を比較し躯体コンクリートの劣化状況を確認する。
・進んでいる場合は劣化因子の遮断効果の高い材料を検討する。
(6)その他の現場調査項目
●シーリング材の状態
・目地からの漏水、汚染などの影響が考えられる。
●バルコニー床、ドレイン周り、階段、屋上防水など
・劣化が進むと漏水の原因になり塗膜不具合に繋がる
●鉄扉、PS扉の状態
・給湯器の蒸気の影響の強さなど確認できる(特にPS扉)
※既存塗膜の耐溶剤性確認
・既存塗膜の種類が分からない場合、ラッカーシンナーで既存塗膜が溶解するか確認する。
・溶剤系下塗塗料の選定可否判断
劣化に対する対処方法
1)清掃
・既存仕上塗材層の表面についた付着物を清掃し、下地として問題のない状態にする。
〇塵埃
・ブラシを用いた水洗い又は高圧水洗浄
〇藻・黴・苔
・ワイヤブラシ等で掻き落とし、アルコール拭き又は、塩素系漂白剤で殺菌処理する。
〇油脂類
・中性洗剤で洗浄後、水洗いするかシンナー拭きする。
・著しい場合は、ワイヤブラシ掛け又は、サンダー掛けで除去する。
〇白亜化・エフロレッセンス
・ワイヤブラシ等で掻き落とした後、水洗い又は高圧水洗浄する。
〇鉄錆
・ワイヤブラシ、電動サンダーを用いて除去する。
・シュウ酸などの弱酸を用い、鉄錆を除去し、直ちに水洗いして薬剤を取り除く。
2)除去
・既存仕上塗材層の内部まで劣化している場合は機械的(物理的)除去や溶解、膨潤などの化学的除去によりぜい弱部分を除去する。
①機械的除去
・手工具、電動工具、高圧水(15~70MPa)、超高圧水(100~200MPa)、サンドブラスト
②化学的除去
・シンナー拭き、剥離剤、スチームクリーナー、燃焼
3)下地調整(固定)
・下地に欠損やひび割れ等がある場合は下地調整塗材を用い補修し、平滑に処理する。
・ぜい弱層はシーラー処理で固定する。
・既存仕上塗材層の表面についた付着物を清掃し、下地として問題のない状態にする。
〇塵埃
・ブラシを用いた水洗い又は高圧水洗浄
〇藻・黴・苔
・ワイヤブラシ等で掻き落とし、アルコール拭き又は、塩素系漂白剤で殺菌処理する。
〇油脂類
・中性洗剤で洗浄後、水洗いするかシンナー拭きする。
・著しい場合は、ワイヤブラシ掛け又は、サンダー掛けで除去する。
〇白亜化・エフロレッセンス
・ワイヤブラシ等で掻き落とした後、水洗い又は高圧水洗浄する。
〇鉄錆
・ワイヤブラシ、電動サンダーを用いて除去する。
・シュウ酸などの弱酸を用い、鉄錆を除去し、直ちに水洗いして薬剤を取り除く。
2)除去
・既存仕上塗材層の内部まで劣化している場合は機械的(物理的)除去や溶解、膨潤などの化学的除去によりぜい弱部分を除去する。
①機械的除去
・手工具、電動工具、高圧水(15~70MPa)、超高圧水(100~200MPa)、サンドブラスト
②化学的除去
・シンナー拭き、剥離剤、スチームクリーナー、燃焼
3)下地調整(固定)
・下地に欠損やひび割れ等がある場合は下地調整塗材を用い補修し、平滑に処理する。
・ぜい弱層はシーラー処理で固定する。