共同住宅の防犯上の留意事項、設計指針

〇共同住宅に係る防犯上の留意事項、防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針
〇過去問
・管理業務主任者 
・マンション管理士 H20問42、H21問24、H22問24、H23問24、H24問24、H29問24、H30問24、R1問24、R2問24
 
 
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目的、基本原則
“共同住宅の防犯上の留意事項”及び”防犯に配慮した共同住宅の設計指針”の策定(警察庁と連携した防犯に配慮した共同住宅の普及施策)について
“共同住宅に係る防犯上の留意事項”
“防犯に配慮した共同住宅に係る設計指針”
 
●目的
・共同住宅の新築(建替えを含む)、改修の企画・計画を行う際に必要となる住宅の構造、設備等についての防犯上の留意事項を示すことにより、成熟社会に対応した住宅ストックの形成を図ることを目的とする。
 
●適用範囲
・新築される共同住宅及び改修される既存の共同住宅を対象とする。
・防犯性の向上に係る企画・計画上の配慮事項や具体的な手法等を示すものであり、建築主等に対し、何らかの義務を負わせ、又は規制を課すものではなく、あくまでも建築主等の自発的な対策を促すものである。
 
●防犯に配慮した企画・計画・設計の基本原則
①周囲からの見通しを確保する(監視性の確保)
②居住者の帰属意識の向上、コミュニティ形成の促進を図る(領域性の強化)
③犯罪企図者の動きを限定し、接近を妨げる(接近の制御)
④部材や設備等を破壊されにくいものとする(被害対象の強化・回避)
共用部分の留意事項、設計指針
※各照度の目安
・50ルクス:10m先の人の顔、行動が明確に識別でき、誰であるか明確にわかる
・20ルクス:10m先の人の顔、行動が識別でき、誰であるかわかる程度以上の照度
・3ルクス: 4m先の人の挙動、姿勢等が識別できる程度以上の照度
 
●共用部分全般
・周囲からの見通しが確保された位置等にあること。
・人の顔、行動を明確に識別できる程度以上の照度が確保されたものであること。概ね50ルクス以上。
 
①共用出入口
・共用玄関は、各住戸と通話可能なインターホンとこれに連動した電気錠を有した玄関扉によるオートロックシステムが導入されたものであることが望ましい。
・オートロックシステムが導入されている場合には、共用玄関以外の共用出入口は、扉が設置され、当該扉は自動施錠機能付き錠が設置されたものであること。
・共用玄関の照明設備は50ルクス、共用玄関以外の共用出入口の照明設備は、20ルクス以上。
 
②管理人室
・共用玄関、共用メールコーナー(宅配ボックスを含む)及びエレベーターホールを見通せる位置、又はこれらに近接した位置にあること。
 
③共用メールコーナー
・照明設備は、床面において概ね50ルクス以上
 
④エレベーターホール
・共用玄関の照明設備は50ルクス、共用玄関以外の共用出入口の照明設備は、20ルクス以上。
 
⑤エレベーター
・かご内に防犯カメラが設置されたものであることが望ましい。
・非常の場合において、押しボタン等によりかご内から外部に連絡又は吹鳴する装置が設置されたものであること。
・かご及び昇降路の出入口の戸は、外部からかご内を見通せる窓が設置されたものであること。
・かご内は、人の顔、行動を明確に識別できる程度以上の照度が確保されたものであること。(平均水平面照度が概ね50ルクス以上のもの)
 
⑥共用廊下・共用階段
・共用廊下・共用階段の照明設備は、床面において概ね20ルクス以上
 
⑦自転車置場・オートバイ置場
・チェーン用バーラックの設置等盗難防止に有効な措置が講じられたものであること。
・自転車置場・オートバイ置場の照明設備は、床面において概ね3ルクス以上
・道路等、共用玄関又は居室の窓等からの見通しが確保された位置に配置する必要がある。
 
⑧駐車場
・駐車場の照明設備は、床面において概ね3ルクス以上
 
⑨歩道・車道等の通路
⑩児童遊園、広場又は緑地等
⑫ゴミ置場
・道路等からの見通しが確保された位置に配置する。
・住棟と別棟とする場合は、住棟等への延焼のおそれのない位置に配置する。
・他の部分と塀、施錠可能な扉等で区画されたものとするとともに、照明設備を設置したものとすることが望ましい。
専用部分の留意事項、設計指針
①住戸の玄関扉
・破壊が困難な材質のものであること。また、こじ開け防止に有効な措置が講じられたものであること。
・破壊及びピッキングが困難な構造の錠が設置されたものであること。また、補助錠が設置されたものであることが望ましい。
・住戸の玄関扉等は、工具類等の侵入器具を用いた侵入行為に対して、騒音の発生を可能な限り避ける攻撃方法に対しては5分以上侵入を防止する性能を有する防犯建物部品等の扉”及び”錠を設置したものとする。
・ドアスコープ等及びドアチェーン等が設置されたものであること。
 
②インターホン
・住戸玄関の外側との間の通話機能を有するものであること。
・管理人室が置かれている場合には、管理人室との間の通話機能を、また、オートロックシステムが導入されている場合には、共用玄関扉の電気錠と連動し、共用玄関の外側との間の通話機能を有するものであることが望ましい。
 
③住戸の窓
・共用廊下に面する住戸の窓及び接地階に存する住戸の窓のうちバルコニー等に面するもの以外のものは、面格子の設置等侵入防止に有効な措置が講じられたものであること。
・バルコニー等に面する住戸の窓のうち侵入が想定される階に存するものは、錠付きクレセント、補助錠の設置等侵入防止に有効な措置が講じられたものであることとし、避難計画等に支障のない範囲において窓ガラスの材質は、破壊が困難なものであることが望ましい。
 
④バルコニー
・縦樋、手摺り等を利用した侵入の防止に有効な構造を有するものであること。
・バルコニーの手摺りは、見通しが確保されたものであることが望ましい。

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