区分所有法 区分所有者の権利、義務

〇建物の区分所有等に関する法律:6~8条
〇過去問
・管理業務主任者 H13問9,35、H14問10、H15問9、H16問11、H17問36、H19問10,11,29、H20問10、H21問11、H24問11、H25問2,3、H26問10、H27問2,38,39、H28問11、H29問35
・マンション管理士 H14問4,31,32、H15問30、H16問5、H17問4,6、H18問14、H19問3,4、H20問2,25、H21問3、H23問2,3,16、H24問2,3、H25問4、H27問3,9、H28問3、H29問2
 
 
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区分所有者の権利と義務
●共同の利益に反する行為の禁止
 
〇禁止の対象行為
・建物の保存に有害な行為、その他建物の管理又は使用に関し区分所有者の共同の利益に反する行為。
 
〇専有部分の占有者にも適用
・占有者に含まれる範囲:通常の賃借人、転借人、使用借人・同居人、権限なき占有者(不法占拠者)
 
●専有部分及び共用部分の使用請求権(6条2項)
 
・専有部分であっても、リフォーム工事などをするときは、隣室に迷惑をかけることもあるので、そのときの規定。
・占有者には認められていない。
 
〇使用目的の範囲
・専有部分or共用部分の保存・改良するため必要な範囲内において
 
〇使用請求の対象
・他の区分所有者の専有部分
・”自己の所有に属しない共用部分”(自己が権利を要しない一部共用部分)
※自己が権利を有する共用部分はその権利に基づき当然に使用することができる)
 
〇賠償
・上記において、他の区分所有者が損害を受けたときは、その償金を支払わなければならない。
・共用部分を保存するための使用請求であれば、その償金の負担は、区分所有者全員で共用部分の持分の割合に応じて負担すべきである。
 
●管理者の行為対する区分所有者の責任等(29条)
 
・管理者がその職務の範囲内において第三者との間にした行為につき区分所有者がその責めに任ずべき割合は、共用部分の持分割合と同一の割合とする。
先取特権(7条)
●先取特権とは(民法303条)
 
・債務者の財産について、他の債権者に先立って自己の債権の弁済を受ける権利。
・登記なしに一般債権者(対抗力ある担保権等の優先的権利を持たない者)に優先して債権を回収することができる。
 
●区分所有者が有する先取特権
 
〇区分所有法の先取特権の対象となる被担保債権
・共用部分、建物の敷地、建物の付属施設につき、他の区分所有者に対して有する債権
・規約・集会の決議に基づき他の区分所有者に対して有する債権
・管理者又は管理組合法人が区分所有者に対して有する債権
→管理者の権利義務は、委任に関する規定に従うので(28条)、職務を行うについて、費用を要するときは費用の前払いを(民法649条)、必要と認められる費用を支出したときは費用の償還(民法650条)を請求することができる。これらの債権は”職務又は業務を行うにつき有する債権”であり、保護する必要がある。
※管理者が報酬請求権を有している場合の報酬請求権については、”職務又は業務を行うにつき有する債権”に該当しないとされているので、先取特権を行使することはできない。
 
〇区分所有法の先取特権の目的物
・債務者の区分所有権(共有持分権、敷地利用権を含む)および建物内の動産の上に先取特権を有する。
例)先取特権は担保物権なので、債務を履行しない区分所有者がいれば、債権者は区分所有権及び建物に備え付けた動産を競売にかけて優先的に弁済を受ける権利を有する。
※区分所有者は、”建物”に備え付けた動産の上に先取特権を有するが、”建物”に備え付けた動産であれば、専有部分だけでなく、共用部分に備え付けた動産も含まれる。
 
※不動産賃貸の先取特権(民法の動産の先取特権)の目的物
・賃借人の動産
 
※民法の不動産の先取特権の目的物
・債務者の特定の不動産
 
※民法の一般の先取特権の目的物
・債務者の総財産
 
〇区分所有法の先取特権の優先権の順位及び効力
・民法の共益費用の先取特権とみなす。
※共益費用の先取特権は、一般の先取特権の一つで、特別の先取特権には劣後するが、一般の先取特権の中では第一順位となる。
 
●民法第319条の即時取得の規定
・債務者である区分所有者(他の区分所有者)が借りている動産(家具)を、債権者である区分所有者が債務者である区分所有者の所有物と誤信し、かつ誤信したことに過失がなかった時には、債権者である区分所有者は、その動産に対して区分所有法第7条1項の先取特権を取得する。
・債務者が第三者から借り受けていた家具についても先取特権を行使できる。
特定承継人の責任(8条)
・上記の先取特権の対象となる被担保債権は、特定承継人に対しても継承される。

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