区分所有法 小規模滅失、大規模滅失の復旧

〇建物の区分所有等に関する法律:61条
〇過去問
・管理業務主任者 H14問35、H17問38、H18問33、H19問37、H24問37
・マンション管理士 H14問10、H16問4、H18問9、H19問9、H20問9,10、H22問9、H29問9
 
 
※目次をクリックすると目次の下部にコンテンツが表示されます。
小規模滅失
●小規模滅失とは?
・建物の”価格”の1/2以下に相当する部分が滅失した場合。
・滅失とは、火災、地震、水害等の偶発的な事故による建物の損傷。
 
●共用部分の復旧
・区分所有者単独でも可能だが、復旧決議または建替え決議があった場合は不可。
・工事に要した費用の償還を、共用部分の持分の割合に応じて他の区分所有者に対して請求できる。
 上記の場合において、裁判所は、この償還義務を負う区分所有者の請求により、償還金の支払について、相当の期限を許与することができる。(集会決議があった場合は請求できない)
・上記ルールは規約で別段の定めができる。
例)単独では不可で、集会の決議が必要との規約の定め。
※標準管理規約では総会決議事項。
 
○集会の決議による場合
・普通決議で可。
 ただし、形状の著しい変更を伴う場合には、共用部分の重大変更となり、区分所有者及び議決権の各3/4以上の特別決議が必要。
大規模滅失時の復旧決議
●大規模滅失とは?
・建物の価格の1/2を越える建物の部分が滅失した場合。
 
●共用部分の復旧
・集会の決議(特別決議)が必要。
・議事録には、その決議についての各区分所有者の賛否を記載し、または記録しなければならない。
買取請求
(1)復旧決議が成立した場合
 
・復旧決議から2週間経過したときは、賛成者以外の区分所有者は、決議賛成者の全部又は一部に対し、建物及びその敷地に関する権利を時価で買い取るべきことを請求することができる。
※専有部分が失われている場合でも、敷地の買取請求権を行使することができる。
 
〇買取指定者
・復旧決議の賛成者の”全員”の合意により、買取指定業者を指定することができる。(復旧決議から2週間以内)
 
①買取指定者を定めた場合
 
〇非決議賛成者からの買取請求
・買取指定者に対してのみ、買取請求することができる。
※買取指定者の請求により、裁判所は代金の支払について、相当の期限を許与することができる。
・買取指定者が買取請求に基づく売買の代金に係る債務の全部又は一部の弁済をしないときは、決議賛成者(買取指定者となったものを除く)は、”連帯”してその債務の全部又は一部の弁済の責めに任ずる。
 ↓
〇非決議賛成者への催告
・買取指定者は、決議賛成者以外の区分所有者に対し、4ヶ月以上の期間を定めて、買取請求をするか否かを確答すべき旨を書面で催告することができる。
 この催告を受けた区分所有者は、一定の期間が経過したときは、買取請求をすることができなくなる。
 
②買取指定者を定めなかった場合
 
〇非決議賛成者からの買取請求
・決議賛成者の全部または一部に対して、買取請求をすることができる。
※決議賛成者の請求により、裁判所は代金の支払について、相当の期限を許与することができる。
 ↓
買取請求を受けた決議賛成者は、その”請求の日”から2ヶ月以内に、他の決議賛成者の全部または一部に対し、決議賛成者以外の区分所有者を除いて算定した共用持分の割合に応じて買い取るべきことを請求することができる。
 
〇非決議賛成者への催告
・”集会の招集者”は、決議賛成者以外の区分所有者に対し、4ヶ月以上の期間を定めて、買取請求をするか否かを確答すべき旨を書面で催告することができる。
 この催告を受けた区分所有者は、一定の期間が経過したときは、買取請求をすることができなくなる。
 
(2)復旧決議が不成立の場合
 
・大規模滅失があった日から6ヶ月以内に、復旧決議または建替え決議がされなかったときは、各区分所有者は、他の区分所有者に対して、建物および敷地利用権を時価で買取請求することができる。
※買取請求された他の区分所有者の請求により、裁判所は代金の支払について、相当の期限を許与することができる。

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