エレベーターの管理

〇過去問
・管理業務主任者 
・マンション管理士 
 
 
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エレベーターの保守点検
1)エレベーターの保守点検
 
・保守会社は、各部位の点検に際しては、一般的に日本工業規格の”昇降機の検査基準”に基づいて行っている。
 
2)エレベータの保守契約
 
●フルメンテナンス契約
・定期点検、調整、修理・部品の取替を状況に合わせて行うことを内容とした契約。
・乗場ドア及び三方枠の塗装、かご内の張物、塗装及び床材の修理、意匠変更による改造、新しい機能の追加、新規取替等は、原則として含まれないので計画修繕工事として行う。
 
●POG契約
・消耗部品付き契約のことで、定期点検及び管理仕様範囲内の消耗品の交換を含み、それ以外の部品の取替及び修理は原則として含まれない契約。
・契約外の修理費等を予算計上しておく必要がある。
昇降機の適切な維持管理に関する指針
※「昇降機の適切な維持管理に関する指針」等を公表 – 国土交通省
 
1)策定の背景
 
●昇降機の維持管理に係る課題
 
・適切な知識や技術力を持った保守点検業者を選定すること
・保守点検の業務内容や責任範囲を明確にした契約をおこなうこと
・不具合情報等を把握し、確実に保守点検業者へ引き継ぐこと
→昇降機の知識に乏しい所有者・管理者が、昇降機を常時適法な状態に維持するための指針等が必要。
 
2)所有者等、保守点検業者及び製造業者の役割
 
○所有者等
・製造業者による保守・点検に関する情報を踏まえ、昇降機を常時適法な状態に維持するよう努めること。
・必要な知識・技術力等を有する保守点検業者を選定し、保守点検契約に基づき保守点検業者に保守・点検を行わせること。
・機器の劣化等により昇降機の安全な運行に支障が生じるおそれがある場合その他昇降機の安全な運行を確保するために必要である場合は、速やかに自ら保守その他の措置を講じ、又は保守点検業者に対して当該措置を講じさせ、昇降機の安全性の確保を図ること。
・標識の掲示、アナウンス等により昇降機の利用者に対してその安全な利用を促すこと。
 
○保守点検業者
・定期的な保守・点検の実施
・点検結果の報告・アドバイス等
 
○製造業者
・部品の供給、維持管理に必要な情報の提供等
 
3)昇降機の適切な維持管理のために所有者等がなすべき事項
 
○定期的な保守・点検
・保守点検契約に基づき、昇降機の使用頻度等に応じて、定期的に、保守・点検を保守点検業者に行わせるものとする。
・保守点検業者に保守・点検に関する作業報告書を提出させるものとする。
 
○不具合の発生時の対応
・昇降機に不具合が発生したことを確知した場合は、速やかに当該昇降機の使用中止その他必要な措置を講じ、又は保守点検業者に対して当該措置を講じさせるものとする。
・保守点検業者に不具合に関する作業報告書を提出させるものとする
 
○事故・災害の発生時の対応
・人身事故が発生した場合は、応急手当その他必要な措置を速やかに講じるともに、消防及び警察に連絡するものと。
・前項の人身事故が昇降機における死亡若しくは重傷又機器の異常等が原因である可能性のある人身事故に相当する場合は、昇降機事故報告書により速やかに特定行政庁対して報告するものとし、当該報告書の作成に当たって必要に応じて保守点検業者の協力を求めるものとする。
・事故・災害が原因で昇降機の運行に影響を及ぼすような故障が発生した場合は、当該昇降機の使用を中止し、点検及び必要な修理によりその安全性が確認されるまで使用を再開しないものとする。
・保守点検業者に事故・災害に関する作業報告書を提出させるものとする。
 
○昇降機の安全な利用を促すための措置
・標識の掲示、アナウンス等によって昇降機の利用者に対してその安全な利用を促す措置を講じるものとする。
 
○定期検査等
・定期検査報告済証の掲示など定期検査等を行った旨の表示その他昇降機の安全性に関する必要な情報提供(戸開走行保護装置又は地震時管制運転を設した場合にあっては、その旨表示を含む。)に努めるものとする。
 
○文書等の保存・ 引継ぎ等
・製造業者が作成した保守・点検に関する文書等及び昇降機に係る建築確認・検査の関係図書等を当該昇降機の廃止まで保存するものとする。
・過去の作業報告書等、定期検査報告書等の写しその他保守点検業者が適切に保守・点検を行うため必要な文書等を3年以上保存するものとする。
・建築物の維持管理に関する計画、共同住宅の長期修繕計画等において昇降機に関する事項を盛り込むとともに、その使用頻度、劣化状況等踏まえ、必要に応じて見直しを行うものとする。
・保守点検業者に依頼して、機械室及び昇降路の出入口の戸等のかぎ、モータハンドル、ブレーキ開放レバーその他の非常用器具並びに維持管理用の器具を、場所を定めて第三者が容易に触ることできないよう厳重に保管するとも、使用に当たって支障がないよう適切に管理するものとする。(保守点検マニュアル、作業報告書等の文書の保存、安全標識等による利用者への注意喚起等)
 
4)所有者等が保守点検業者の選定に当たって留意すべき事項
 
・契約金額だけでなく、業務仕様や担当者の能力、会社概要等を総合的に評価
例)
・遠隔監視・点検装置の活用はあるか。
・緊急通報から現場までの到達目標時間が示されているか。
・事故発生時、災害発生時、故障発生時の緊急時における対応のための設備その他の体制が整っているか。
・保守点検契約しようとする昇降機の部品の在庫が十分に確保され、又は調達先が確保されているか。
 
5)保守点検契約に盛り込むべき事項のチェックリスト
 
・所有者は、保守点検契約に付随する仕様書としての項目又頻度、部品の修理又は交換の範囲、緊急時対応等に関する技術的細目が規定されていることを確認するものとする。
例)
・故障発生時その他緊急対応方法が明示されているか
・保守点検契約に含まれる部品の修理や交換範囲が明示されているか。
・昇降機に事故や重大な不具合が発生した場において、迅速かつ有効再防止対策げるという公益性の観点から所有者が特定行政庁に報告する上で、保守点検業者の立場から所有者に対して必要な協力を行うことが明示されているか。
エレベーターの改修・更新
●完全撤去方式
・既存エレベーターのすべての構成機器を撤去し、最新式の機種に更新する。
・マシンルームレス仕様等の採用も可能となるが、工期は長期間を要する。
 
●準撤去方式
・建物に固定された機器(ガイドレール、乗場三方枠等)を再利用し、巻上機や制御盤等を最新機種に取り替える。
・リレー制御からインバーター制御へ変更することもでき、工期も短くてすむ。
 
●仕様の追加
・耐震性能及び防犯性能の向上、地震時管制運転装置、停電時自動着床装置及び戸開走行保護装置の設置、車いす仕様への変更等も追加することができる。

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