給水設備、配管設備の構造、管理、点検

〇過去問
・管理業務主任者 
・マンション管理士 
 
 
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関係法令
・平成9年厚生省令14号”給水装置の構造及び材質の基準に関する省令”
・建築基準法施行令129条の2の5″給水、排水その他の配管設備の設置及び構造”
・昭和50年建設省告示1597号”建築物に設ける飲料水の配管設備及び排水のための配管設備を安全上及び衛生上支障のない構造とするための基準”
貯水槽
●浸水の検知
・最下階の床下その他浸水によりオーバーフロー管から水が逆流するおそれのある場所に給水タンク等を設置する場合にあっては、浸水を容易に覚知することができるよう浸水を検知し警報する装置の設置その他の措置を講じること。
 
●タンクの構造
・貯水槽内は清掃作業が容易な構造とし、底部には1/100を標準とする勾配及び集水ピット等を設け、完全な水抜きができる構造とすることが必要。
・ほこりその他衛生上有害なものが入らない構造とし、金属性のものにあっては、衛生上有害なさび止めのための措置を講ずること。
・給水タンク及び貯水タンクは、内部の保守点検を容易かつ安全に行うことができる位置に、直径”60cm”以上の円が内接することができるマンホールを設ける必要がある。
・受水槽の点検用マンホール面は、受水槽上面より”10cm”以上立ち上げる必要がある。
・圧力タンク等を除き、ほこりその他衛生上有害なものが入らない構造の通気のための装置を有効に設けること。
 
●メンテナンススペース
・外部から給水タンク又は貯水タンクの天井、底又は周壁の保守点検を容易かつ安全に行うことができるように設けること。
※飲料用の受水槽は、周囲4面と上下2面の外面6面のすべてについて点検ができるように設置する。
・飲料用受水槽の内部の保守点検が容易に行えるように、周囲4面と上下2面の計6面には、スペースが必要。
 建設省告示1924号により”水槽は天井、底または周壁の保守点検を容易かつ安全に行うことができるよう設置されなければならない”と規定されており、周囲4面と下面では、60㎝以上、点検用マンホールが取り付けられる受水槽の上面については、”100㎝”の距離を点検スペースとして確保する必要がある。
・給水タンク等の天井、底又は周壁は、建築物の他の部分と兼用しないこと。
 
●オーバーフロー管
・”給水管への逆流”を防ぐために、給水管の流入口端からオーバーフロー管下端までに吐水口空間を設ける必要があり、吐水口空間の寸法は、一般に”給水管径の2倍以上”を確保する必要がある。
・越流管の大きさは、給水管呼び径の40%増し以上とする。
・オーバーフロー管及び通気管は、常時大気に解放されているので、防虫網を設ける必要がある。
 
●オーバーフロー管及び水抜き管、排水口空間
・オーバーフロー管及び水抜き管には、水槽への排水の逆流を防ぐために、排水管との間に一定の垂直距離をおいて排水口空間を設ける必要がある。
・受水槽の底部に設置する水抜き管とその排水を受ける排水管との間に設ける排水口空間の垂直距離は最小”150㎜”とされている。
・オーバーフロー水の逆流を防止するために、オーバーフロー管の管端部は間接排水(機器や装置からの排水を排水管に直結しないで、所要の排水口空間を設けて、ホッパーや漏斗等の水受け容器に排水する)とする必要がある。
 
※排水口空間とは
・間接排水管の管端と、一般の排水系統に直結している水受け容器又は排水器具のあふれ縁との間の垂直距離をいい、排水の逆流を防ぐ。
 
●定水位弁
・一般的に貯水槽(受水槽)の水量を適量に保つ役割を持つバルブを指す。
・主弁(本体)と副弁(ボールタップや電極)により構成され、主弁は貯水槽の外部に、副弁は貯水槽の内部に設置されている。主弁が槽の外部にある為メンテナンスが容易であることから、広く利用されている。
・仕組みとしては、貯水槽内の水位が下がった場合、ボールタップが下り、これにより副弁が開き、副弁に連動して主弁が作動し、貯水槽へ給水する。
 水が一杯になり、ボールタップが上がり、副弁が停止すれば主弁も停止し、水位を一定に保つ。
・マンション等の容量が多い貯水槽は水の流量が多い為、定水位弁を使用しないと部屋内の水圧低下や水圧の急激な変化によるウォーターハンマー発生の原因になってしまう。
 定水位弁はバルブ内にある調整弁の開閉が緩やかに作動する為、これらを防止することができる。
 
●貯水槽(受水槽、高置水槽等)の容量
・マンションに用いる貯水槽の有効容量は、居住者1人当たりの1日の使用水量は、200~350リットルを基準として算出する。
・受水槽の有効容量は、マンション全体の1日使用水量の1/2程度、高置水槽の場合は10分の1程度で設定されている。
 
●緊急遮断弁
・地震を感知する感震器が地震を感知すると、弁閉信号を出力して受水槽出口に取り付けた遮断弁を閉止して受水槽内の水を確実に確保する。
・地震等で本管が破損した場合、緊急遮断弁が作動し、管路を遮断して貯水槽内の水を確保。受水槽の水を非常用水として利用できるようになる
・遮断弁を閉止させる動力源は、電気モータ(電磁石)やスプリングの力などを利用している。
 
●2槽式、中間仕切り方式
・給水タンクを区画し、中間で仕切る中間仕切り方式にすると、清掃・保守・点検時にも断水が生じないようにすることができる。
ウォーターハンマー対策
●ウォーターハンマー現象
・配管内の水の流れを給水栓等により急閉すると、運動エネルギーが圧力の増加に変わり急激な圧力上昇(水撃作用)が起こる。
 水撃作用の発生により、配管に振動や異常音がおこり、頻繁に発生すると管の破損や継手の緩みを生じ、漏水の原因ともなる。
・水撃圧は流速に比例するので、給水管における水撃作用を防止するには基本的には管内流速を遅くする必要がある。(一般的には1.5~2.0m/sec)。
 
●発生しやすい箇所
1)開閉時間が短い給水栓等は、過大な水撃作用を生じるおそれがある。
①レバーハンドル式(ワンタッチ)給水栓
②ボールタップ
③電磁弁
④洗浄弁
⑤元止め式瞬間湯沸器
 
2)以下の場所では、水撃圧が増幅されるおそれがある注意が必要。
①管内の常用圧力が著しく高い所
②水温が高い所
③曲折が多い配管部分
 
●対策
①給水圧が高水圧の箇所
・減圧弁、定流量弁等を設置し給水圧又は流速を下げる
②水撃作用発生のおそれのある箇所、水撃作用の増幅を防止
・その手前に近接して水撃防止器具(エアーチャンバーなど)を設置
・空気の停滞が生じるおそれのある鳥居配管等はさける
③ボールタップ、定水位弁
・比較的水撃作用の少ない複式ボールタップ及び副弁付き定水位弁から、その給水用途に適したものを選定する
・貯水槽等にボールタップで給水する場合は、波立ち防止板等を施す
 
※エアチャンバー
・空気室ともいい、水配管におけるウォータハンマを防止するため設けられる空気をためておく部分で、給水栓、ボールタップなどの水を閉止するバルブの上流側で、バルブにできるだけ近い位置に設け、バルブ閉止時に水の慣性力をチャンバ内の空気を圧縮させることにより吸収しウォータハンマを防止する。
吐水口空間、逆流防止
・貯水槽、流し、洗面器、浴槽等に給水する場合は、給水栓の吐水口と水受け容器の越流面との間に必要な吐水口空間を確保すること。
 
●逆流防止措置
・吐水口空間の確保が困難な場合、あるいは給水栓などにホースを取付ける場合、断水、漏水等により給水管内に負圧が発生し、吐水口において逆サイホン作用が生じた際などに逆流が生じることがあるため、逆流を生じるおそれのある吐水口ごとに逆止弁、バキュームブレーカまたは、これらを内部に有する給水用具を設置すること。
・なお、吐水口を有していても、消火用スプリンクラーのように逆流のおそれのない場合には、特段の措置を講じる必要はない。
 
●バキュームブレーカー(逆止弁、真空遮断弁)
・給水管系の洗浄弁(大便器、小便器、散水栓)に設ける汚染防止装置。
・バキュームブレーカーは、給水管内に負圧が生じたとき、逆サイホン作用により使用済みの水その他の物質が逆流し、水が汚染されることを防止するため、負圧部分へ自動的に空気を取り入れる機能を持つ給水用具。
・圧力式は給水用具の上流側(常時圧力のかかる配管部分)に、大気圧式は給水用具の最終の止水機構の下流側(常時圧力のかからない配管部分)とし、水受け容器の越流面から150mm以上高い位置に取り付けるものとされる。
給水配管
●クロスコネクションの禁止
・給水系統の配管とそれ以外の配管は、給水の汚染防止のために、連結してはならない。
・飲料水の給水系統と消防用水の系統を直接連結することもこれに該当する。
 
●給水管の施工
・構造耐力上主要な部分を貫通して配管する場合においては、建築物の構造耐力上支障を生じないようにすること。
・エレベーターの昇降路内に設けないこと。ただし、エレベーターに必要な配管設備および構造はこの限りではない。
・給水立て主管からの各階への分岐管等主要な分岐管には、分岐点に近接した部分で、かつ、操作を容易に行うことができる部分に止水弁を設けること。
 
●さや管ヘッダー方式の給水配管、水道用架橋ポリエチレン管や水道用ポリブデン管
・従来工法の給湯機から一本の給湯配管が伸びて、途中で台所や浴室に分岐する工法とは異なり、さや管ヘッダー方式は、ヘッダー(一本の配管と多数の配管を分岐・合流させる装置)を給湯器やパイプシャフト周辺に設け、予めヘッダーから各給水栓までタコ足状に敷設したサヤ管(中に給湯管を通すための管)に、後から樹脂管を通管する工法をいう。
・”ヘッダー”で分岐するため、在来工法に比べて、複数の水栓を同時使用したときの流量変動が小さいという特徴がある。
・各給湯管は細いので、給湯栓を開いてから適温の湯が出るまでの湯待ち時間が短い。
・さや管ヘッダー方式とは、施工時にあらかじめ樹脂製の刀のさやのように、中身を保護するためにかぶせる”さや管(CD管)”を敷設し、あとでそのさや内に軟質の管材(架橋ポリエチレン管やプリブテン管など軟質鋼管)の給水管を差し込んで給湯器と浴室のシャワーや台所の温水栓と結びつける。
・水道用硬質塩化ビニル管は耐衝撃性はそれほど高くなく、高温にも弱いので、住戸内に使用されるさや管ヘッダー方式の給水配管には、架橋ポリエチレン管などが使われる。
・耐食性・耐熱性に富み、施工性がよい水道用架橋ポリエチレン管や水道用ポリブデン管等が使用される。
・給湯管に樹脂管を使用するので、金属管より曲げ半径を”大きく”できる。
・内装工事後に樹脂管を通管するため、釘打ちによる漏水がほとんどなく、サヤ管が樹脂管保護の役目をするため、直接樹脂管を痛めるトラブルを防ぐことができる。
給水器具の圧力
●給水器具の最低必要圧力
・専有部分の一般給水栓(蛇口)において、給水に支障が生じないようにするため、給水圧力は30kPaとされている。
・一般の給水栓の30kPaに比べ、ガス給湯器(22~30号)の80kPaの方が高い。
 
●専有部分の給水管の給水圧力の上限値
・一般に300~400kPaとされている。
・20階以上の超高層マンションでは、一般的に住戸内の給水管の給水圧力の上限値を300~400 kPaの範囲になるように、減圧弁を設置したり、一定階数ごとに区分するゾーニングを行い、給水圧力を調整する。
 
●浴室のシャワー
・給水に支障が生じないようにするために、必要給水圧力は40kPa~160kPa
 
●大便器の給水栓の最低必要圧力
・ロータンク式の大便器の場合は、低い給水圧力でも使用できるが、ロータンクを持たない洗浄弁(フラッシュバルブ)方式の大便器は高い給水圧力が必要である。
・ロータンク式水洗方式とは、洗浄水を便器より1m以内の高さで便器奥に設けたロータンクに貯水し、排水弁を一気に抜いて洗浄する方式。
 水圧が低いため、洗浄管を太くして抵抗を減らし短時間で大量給水できるようにしてある。利点としては、水洗時の音が小さく、修理が容易だが、連続使用する場合はロータンク内に水が貯まるまで洗浄できない。住宅で採用されているのは、ほとんどがこの形式。
・洗浄弁(フラッシュバルブ)方式の大便器では、便器に接続された給水管の水圧をそのまま利用してフラッシュバルブで給水して洗浄する。水を貯めるタンク(ロータンク)が不要のため省スペースで連続使用が可能だが、水圧も一般の30kPaよりも70kPaと高くする必要がある。
給水設備の管理・点検
●給水ポンプ
・給水ポンプに空気が入るとポンプが空転して送水しなくなり、電流計の値及び圧力計器の値が正常値より”低く”なるので、あらかじめ正常値を把握しておく。
 
●給水配管が水道メーターやバルブなどの砲金製部材と接触する部分
・異種金属電池を形成し腐食しやすく、漏水が発生しやすい場所なので、注意して確認する。

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