遮音性能、防音対策

〇過去問
・管理業務主任者 
・マンション管理士 
 
 
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空気伝搬音と固体伝搬音
●空気伝搬音(空気音)
・空気音は空気中を伝わり、壁面や開口部を透過して室内に達する音。
・一般に、隣接住戸の話し声や屋外での騒音などは、このような伝わり方をしている。
 
●固体伝搬音(固体音)
・固体音は、建物の各部位を伝わる振動によって室内各面から放射される音。
・靴音、足音、扉を閉める音、水道の流水騒音などは、いずれも建物に直接加振力が作用して発生する固体音。
・固体音の中で代表的な騒音として床衝撃音が挙げられるが、それは音源の種類により重量床衝撃音(歩行音やとびはね音など)と軽量床衝撃音(机を引きずる音や軽量物を落す音など)に二分される。
 
●鉄筋コンクリート造の集合住宅の場合
・壁面の質量が大きいために、質量則から考えても、壁面を透過する空気音の遮断については他の構造(木造、軽量鉄骨造など)に比べ有利であるといえるが、一方、振動を伝えやすい構造、材料であるために建物の広い範囲に固体音としての問題を起しやすいという性質を併せ持つ。
床衝撃音、界壁・外壁開口部からの透過音
1)床衝撃音
 
●床衝撃音レベル
・衝撃源の衝撃力特性、床構造の振動特性、下室の音響特性の3要因に依存している。
 
①重量床衝撃音
・重量で柔らかい衝撃源によって発生する音。
・床歩行音等の床衝撃音。
 
〇コンクリートスラブの仕様、梁で囲まれた面積
・床の材質が固くて重いほど遮音性はよい。
・床のコンクリートスラブの仕様や厚さ、梁で囲まれた面積などで決まる。
・床のスラブの影響を受けるが、同じ厚さのコンクリート床の場合、梁で区画されたスラブ面積を小さくすると、重量床衝撃音に対する遮音性能は「高く」なる。
 
〇床仕上げ材
・コンクリート床の厚さ、密度、剛性等によって決まり、床仕上げ材による遮音効果は小さい。
・人のとびはねや走り回り時等に床に及ぼす衝撃力は、その絶対値が大きくかつ低音域にピークを有する特性を持つ。
→コンクリート床上に直接カーペットを敷いたような床は、カーペットが床衝撃時に圧密され硬くなり、衝撃に対して緩衝性を発揮できず、床衝撃音はほとんど改善されない。
 
〇床の重量床衝撃音に対する遮断能力の調査方法
・対象とする床がこの種の衝撃音に対し、どの程度の遮断能力を有するかを調べる方法としては、標準重量衝撃源(重量床衝撃音発生器)を用いる床衝撃音遮断性能の測定方法(JIS A1418-2)がある。
 
②軽量床衝撃音
・軽量で硬い衝撃源によって発生する音。
・椅子の移動音や物の落下音等の床衝撃音。比較的軽めで高音域の音。
・床の構造や表面仕上げによって変わり、仕上げ材はカーペットのように吸音性が高いものほど遮音性能は高い。
 
〇床仕上げ材
・軽くて硬いスプーンやフォークなどの落下時の衝撃力は小さく高音域まで成分を有する。
→カーペット等の床表面材の緩衝効果が働き、大きな床衝撃音改善量を得ることができる。
・軽量床衝撃音の性能は床仕上材の緩衝性に依存するところが大きい。
例)
畳→ニードルパンチカーペット→発泡塩化ビニールシート→木質フローリング
※ニードルパンチカーペット
不織布を伸ばして重ね合わせ、多数のニードル(針)を突き刺してフェルト状にしたもので、裏面はラテックスコーティングがされている。カットが自由。価格も安い。
※発泡塩化ビニールシート
中間層に発泡塩化ビニールを使って、クッション性を高めたシート状の床材。キッチンや洗面所などで使われている。
 
〇床の軽量床衝撃音に対する遮断能力の調査方法
・対象とする床がこの種の衝撃音に対し、どの程度の遮断能力を有するかを調べる方法としては、標準軽量衝撃源(軽量床衝撃音発生器:通称タッピングマシン)を用いる床衝撃音遮断性能の測定方法(JIS A 1418-1)がある。
 
2)界壁からの透過音
 
・界壁を介する隣接住戸居室で発生する音(話し声、テレビなどの音楽、楽器演奏音など)が、界壁を透過・伝搬する空気伝搬音。
・界壁からの透過音Leは、次式で表される。
Le = Ls – TL + 10log(S/A)
 Ls:音源室内音
 TL:界壁の空気伝搬音遮断性能である透過損失
 S:界壁の面積
 A:受音室の吸音性能
 
3)外壁開口部からの透過音
 
・外部騒音が外壁を透過して居室内に伝搬する空気伝搬音。
・外部騒音に対する検討は、一般に外壁を構成する部位(サッシ等、換気口や設備用のスリーブ類、袖壁・腰壁等)の中で、空気伝搬音遮断性能が低くかつ面積が大きい外壁開口部に設けられるサッシ及びドアセットの空気伝搬音遮断性能について行われている。
・サッシ等からの透過音Leは、下式で表される。
Le = Ls – TL + 10log(S/A)
 Ls:屋外での音圧レベル
 TL:サッシ等の空気伝搬音遮断性能である透過損失
 S:サッシ等の面積
 A:受音室の吸音性能、
遮音等級、遮音性能
●遮音等級
 
・建物がどれだけの騒音を遮ることができるかを表す数値のこと。
・音には、空気の振動で伝わる空気音と固体を振動させ伝わる固体音がある。遮音等級では空気音はD値、固体音はL値で表わされる。
・固体音には、床衝撃音があり、比較的軽くて高い音の軽量床衝撃音をLL、重くて鈍い音をLHで表わす。
 
●遮音性能、D値(空気音の遮音を表す数値)空気音
 
隣戸間界壁、ピアノ、ステレオなどの大きい音
・特級D-55;かすかに聞こえる
・1級(標準)D-50:小さく聞こえる
・2級(許容)D-45:かなり聞こえる
・3級(最低)D-40;曲がはっきり分かる
 
●衝撃音性能、L値(上階の衝撃音が下階で聞える大きさを示す数値)固体音
 
①重量床衝撃音
・特級LH-45:聞こえるが意識することはない。
・1級(推奨)LH-50:小さく聞こえる。
・2級(標準)LH-55:聞こえる。
・3級(許容)LH-60・65:よく聞こえる。
②軽量床衝撃音
・特級LL-40:ほとんど聞こえない。
・1級(推奨)LL-45:小さく聞こえる。
・2級(標準)LL-55:気になる。
・3級(許容)LL-60:かなり聞こえる。
対策
・問題を起す可能性のある音源については、なるべく音源自身か、その近傍で騒音防止対策をすることが基本であり、最も大きな効果が期待できる。
・空気音は、透過や回折、固体音は振動透過や放射により伝搬するが、伝搬途中で対策を行うのは難しく、限度がある場合が多い。
 
1)空気音の対策
 
・外部騒音による生活への影響を低減するためには、開口部の遮音が重要となるので、遮音型サッシ、遮音ドア、消音タイプの換気スリーブの採用等が有効である。
 
〇建物の気密性を上げる
 
〇サッシの形状
・ジャロジーなどの、浴室や洗面脱衣などの水廻りによく使用されるガラスルーバー窓は、遮音性能はまったくない。
・引き違いサッシよりも、縦辷り出し窓(開き窓)などカムラッチハンドルやグレモンハンドルのサッシの方が遮音性能は高い。
 
〇換気扇
・外壁やサッシの遮音性能を上げても、換気扇や設備用の開口から音の浸入がある。
・防音換気扇やフードを設け開口部からの音の浸入にも注意する。
 
〇重く厚い材料
・天井や床、壁の遮音性能は、使用材料の単位面積当たりの重量(面密度)によって決まってくる。重いほど遮音性能はアップ。
・一般的に壁や天井に多用されるプラスターボードを2重に張ることも効果的。
 
〇断熱材の厚みを厚くする
 
〇排水管に遮音シートを設ける
・2階トイレなどから聞こえてくる排水音も無視できない。
・防音シート貼りで2階の排水遮音対策も配慮。
 
〇2重壁
・コンクリートの壁に石膏ボードなどを貼り付けた2重壁は、同じ面密度の一重壁よりも遮音性能は優れているが、すべての音域ではなく、低周波域においては、共振現象がみられ(太鼓現象)遮音性能が悪くなる。
 
2)固体音の対策
 
〇構造体の剛性
・構造が強いほど遮音性能もアップするので、木造よりもコンクリート造の方が剛性が高く遮音性が高いといえる。
 
〇階上の床(下階の天上含む)仕様の遮音性を上げる
・クッション性のある床仕上材を使用する。(カーペット等)
・床下地に遮音シート・硬質石膏ボードなどの捨て貼りを行なう。
・下地合板の厚みを上げる。
・下階の天井に吸音材を設ける。
・防振吊り木を設ける。
・下階の天井を2重張りとする

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