マンションでアスベストが含有していた場合の工事手順

2006年(平成18年)9月1日以前に”着工”したマンションでは、アスベストを含んだ建材が使われている可能性があるため、大規模修繕などの工事を行う際、事前調査が必要です。事前調査の結果、アスベストが含有していた場合、アスベスト対策工事が必要となります。アスベストが含有していた場合の工事手順をまとめました。
 
※目次をクリックすると目次の下部にコンテンツが表示されます。
解体・改修工事開始前の届出
〇建設工事計画届
・対象:レベル1(吹付け石綿)、レベル2(保温材等)
・着工14日前(アスベスト対象工事実施の14日前ではなく、足場設置開始の14日前)
・施工者→労働基準監督署
 
〇特定粉じん排出等作業実施届出書
・対象:レベル1(吹付け石綿)、レベル2(保温材等)
・着工14日前(アスベスト対象工事実施の14日前ではなく、足場設置開始の14日前)
・発注者(管理組合)→各自治体(区・市町村)
 
〇特別管理産業廃棄物管理責任者設置報告書
・自治体によって異なる
 
〇その他自治体の条例による届出書
・自治体によって異なる
使用工具、作業環境
●使用工具
 
・防塵マスク
※より微細な粉塵をろ過する特殊なフィルター(HEPAフィルター)を装着したものを使用する。
・防護眼鏡
・手袋
 
●作業環境
 
〇レベル1(吹付け石綿)、レベル2(保温材等)における隔離作業
・アスベストを除去する作業場所を完全に囲って外部と隔離し、内部を負圧にして外気へのアスベストの流失を防ぐ。
・作業箇所と外部との出入りはクリーンルームという前室を通り、タイベックという専用着に付着したアスベストを完全に除去する。
 
〇レベル3(非飛散性)における作業
・クリーンルームは必要ない。
・湿潤養生、飛散防止対策、作業員以外の立入り禁止措置が義務となる。
廃棄物の処理、工事完了の届出
●廃棄物の処理
 
〇特別管理産業廃棄物の保管(産業廃棄物処理法)
・飛散した塗膜や養生材は”特別管理産業廃棄物”として飛散しないように回収し、指定の黄色い袋に入れる。更に透明の袋で二重に梱包し、鍵の掛かる倉庫で仮置きする。
・自治体によって飛散の恐れの無いと決められたものは、”石綿含有産業廃棄物”として処理することが可能。
 
〇特別管理産業廃棄物の搬出・処理
・集積した石綿含有廃棄物は、特別管理産業廃棄物”廃石綿等”の許可を有している会社に委託して収集・運搬し、適正に処分する。
 
●工事完了の届出
 
〇レベル1、レベル2
・作業完了後は30日以内に”石綿搬出作業完了届出書”を自治体(区・市町村)に発注者(管理組合)名義で提出する。
・労働基準監督署への提出義務はない。

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