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外壁タイルの劣化
(1)タイルの浮き
1)タイルの張り付け方法
・タイルは裏面に”張り付けモルタル”を塗って張られている。
①モルタル下地がある場合
・躯体コンクリート-下地モルタル-張り付けモルタル-タイル
・表面が凸凹であったり、水平や垂直で無かったりして補修が必要な場合は、モルタル等で下地調整を行ってからタイルを張る。
②直張り
・躯体コンクリート-張り付けモルタル-タイル
・躯体コンクリートの精度が良い場合。
2)劣化の原因
・タイルが張られていたりモルタルが塗られていると、躯体保護機能という点では非常に有効だが、躯体との収縮率の違いや地震などの外力を受けることによって躯体から浮いてしまったり、場合によってははく落してしまうこともある。
・タイル自体の浮きと下地モルタルの浮きの場合がある。タイル自体の浮きは、タイル裏面の張り付けモルタルの充填不足や、暑さ等で水分が急激に蒸発して張り付けモルタルが硬化しない”ドライアウト”現象によって起こる。
3)タイルの浮きの状況
〇モルタルからの浮き ・モルタルとコンクリート境界面の接着が不良となり、隙間が生じ、部分的に分離した状態。
・表面上は分かりにくいので、打診による調査が必要となる。
〇タイル自体の浮き
・タイルとモルタル又はコンクリートの境界面の接着が不良となり、隙間が生じ、部分的に分離した状態。
・タイル目地の接着力が高ければ落下は免れる。
4)タイル浮きに関する施工上の不良
・ほとんどが新築時の躯体に目荒らしを行わず、タイルをモルタルで貼り付けた場合に起こる不具合で、m2単位の大きな面積で浮きを生じる。
→型枠にパネコートというコンクリートから外しやすい板を使用した場合や、離型剤を型枠に塗っていた場合で、躯体に目荒らしがされていない場合は特に不具合が起きやすい。
(2)欠損
・タイルやモルタルなどが部分的にかけた状態。
・落下につながるので、注意が必要。
・内部の応力によるものと、外部の衝撃によるものがある。
1)タイルの張り付け方法
・タイルは裏面に”張り付けモルタル”を塗って張られている。
①モルタル下地がある場合
・躯体コンクリート-下地モルタル-張り付けモルタル-タイル
・表面が凸凹であったり、水平や垂直で無かったりして補修が必要な場合は、モルタル等で下地調整を行ってからタイルを張る。
②直張り
・躯体コンクリート-張り付けモルタル-タイル
・躯体コンクリートの精度が良い場合。
2)劣化の原因
・タイルが張られていたりモルタルが塗られていると、躯体保護機能という点では非常に有効だが、躯体との収縮率の違いや地震などの外力を受けることによって躯体から浮いてしまったり、場合によってははく落してしまうこともある。
・タイル自体の浮きと下地モルタルの浮きの場合がある。タイル自体の浮きは、タイル裏面の張り付けモルタルの充填不足や、暑さ等で水分が急激に蒸発して張り付けモルタルが硬化しない”ドライアウト”現象によって起こる。
3)タイルの浮きの状況
〇モルタルからの浮き ・モルタルとコンクリート境界面の接着が不良となり、隙間が生じ、部分的に分離した状態。
・表面上は分かりにくいので、打診による調査が必要となる。
〇タイル自体の浮き
・タイルとモルタル又はコンクリートの境界面の接着が不良となり、隙間が生じ、部分的に分離した状態。
・タイル目地の接着力が高ければ落下は免れる。
4)タイル浮きに関する施工上の不良
・ほとんどが新築時の躯体に目荒らしを行わず、タイルをモルタルで貼り付けた場合に起こる不具合で、m2単位の大きな面積で浮きを生じる。
→型枠にパネコートというコンクリートから外しやすい板を使用した場合や、離型剤を型枠に塗っていた場合で、躯体に目荒らしがされていない場合は特に不具合が起きやすい。
(2)欠損
・タイルやモルタルなどが部分的にかけた状態。
・落下につながるので、注意が必要。
・内部の応力によるものと、外部の衝撃によるものがある。
診断方法
1)打診法
・診断者がパールハンマーという打診棒で壁面を打診し、打った際の音の高低などで異常な箇所を調べる。
・タイルの浮きとタイルの下層にあるモルタルの浮きの二つを区別して判断できる。
・一番信頼できる診断法と考えられているが、外壁を全面打診するには足場やゴンドラの仮設が必要になる。
2)赤外線サーモグラフィー法
・赤外線カメラで外壁を撮影し、赤外線画像から浮いている箇所と健全な箇所との温度差を測定する方法。 ・浮き部のタイルは、タイルとコンクリート壁間の空気層に遮られて熱が逃げないのでタイル温度が高い。健全部のタイルは空気層がなく、熱が逃げるのでタイル温度は低い。 ・熱を検出しているので、気象条件や日射量、撮影角度、測定距離などの影響を受ける。
〇利用できない状況
・雨天又は雲天で日中の気温較差が少ない、風の強い日
・軒裏、出隅、入隅、庇などの突起部位、樹木、雨樋、日蔭になる部分、凹凸の激しい部分
・空気層(浮き代)がない、反射率の高い材質、障害物
〇誤検知を生ずる恐れがある状況
・光沢や凹凸のあるタイル、複数色のタイル、深目地貼
・タイル下地モルタルが厚い、外壁の一部の汚れ
・周囲環境からの影や反射、冷暖房機器の熱的な影響
3)打音法
・検査用のハンマーで外壁を打ち、その反射音によって評価する。内部に空隙があると振動の度合いが変わる事によって判断できる。
・人の聴力で判断する方法と音をマイクロフォンで録音して波形解析する方法がある。
4)調査費用の参考例
●赤外線劣化診断
〇事例1
・外壁面積2,000m2:約50万
・外壁面積3,000m2:約75万
〇事例2(外壁面積1,000m2)
・赤外線劣化診断作業費:20万
・画像解析費:15万
・損傷図面作製費:10万
・諸経費:5万
・合計:50万
●外壁全面打診(外部足場、高さ20m・外壁面積1,000m2)
・外部足場費:約130万
・外壁打診調査費:約80万
・現場経費:約20万
・諸経費:約20万
・合計:約250万
●打診法(ロープブランコ方式)
・外壁面積1,000m2:約30万
・外壁面積2,000m2:約50万
・外壁面積3,000m2:約75万
・診断者がパールハンマーという打診棒で壁面を打診し、打った際の音の高低などで異常な箇所を調べる。
・タイルの浮きとタイルの下層にあるモルタルの浮きの二つを区別して判断できる。
・一番信頼できる診断法と考えられているが、外壁を全面打診するには足場やゴンドラの仮設が必要になる。
2)赤外線サーモグラフィー法
・赤外線カメラで外壁を撮影し、赤外線画像から浮いている箇所と健全な箇所との温度差を測定する方法。 ・浮き部のタイルは、タイルとコンクリート壁間の空気層に遮られて熱が逃げないのでタイル温度が高い。健全部のタイルは空気層がなく、熱が逃げるのでタイル温度は低い。 ・熱を検出しているので、気象条件や日射量、撮影角度、測定距離などの影響を受ける。
〇利用できない状況
・雨天又は雲天で日中の気温較差が少ない、風の強い日
・軒裏、出隅、入隅、庇などの突起部位、樹木、雨樋、日蔭になる部分、凹凸の激しい部分
・空気層(浮き代)がない、反射率の高い材質、障害物
〇誤検知を生ずる恐れがある状況
・光沢や凹凸のあるタイル、複数色のタイル、深目地貼
・タイル下地モルタルが厚い、外壁の一部の汚れ
・周囲環境からの影や反射、冷暖房機器の熱的な影響
3)打音法
・検査用のハンマーで外壁を打ち、その反射音によって評価する。内部に空隙があると振動の度合いが変わる事によって判断できる。
・人の聴力で判断する方法と音をマイクロフォンで録音して波形解析する方法がある。
4)調査費用の参考例
●赤外線劣化診断
〇事例1
・外壁面積2,000m2:約50万
・外壁面積3,000m2:約75万
〇事例2(外壁面積1,000m2)
・赤外線劣化診断作業費:20万
・画像解析費:15万
・損傷図面作製費:10万
・諸経費:5万
・合計:50万
●外壁全面打診(外部足場、高さ20m・外壁面積1,000m2)
・外部足場費:約130万
・外壁打診調査費:約80万
・現場経費:約20万
・諸経費:約20万
・合計:約250万
●打診法(ロープブランコ方式)
・外壁面積1,000m2:約30万
・外壁面積2,000m2:約50万
・外壁面積3,000m2:約75万
目視点検時のポイント、注意点
1)点検個所
〇斜壁
・躯体の施行が難しく、浮き故障が生じやすい個所。
〇開口部の周囲・上部
・開口部は鉄筋のかぶり厚の不足や降雨後の水滴の影響があり、剥離が生じやすい個所。
〇庇鼻先、コーナー下端、パラペット・笠木
〇手摺壁、手摺支柱廻り、鉄部取合い
2)点検のポイント
●ひび割れ、タイルやモルタルの剥落
→雨水の侵入がコンクリート内の鉄筋を腐食
〇目地モルタルだけがひび割れ
・構造上や防水上の問題はないケースが多く、緊急の補修や詳細調査までは必要ない。要経過観察。
〇タイルひび割れ
・タイル面が剥離しタイルのみが割れた、躯体のクラックに影響してひび割れが起こった、など様々なケースがある。
●タイル目地の細かい穴(ピンホール)
・この程度の穴でも雨水の浸入箇所になる。
・シール処理か目地の再施工が必要になる。
●エフロレッセンス
・どこから雨水が侵入して発生したのか?
→上階からの漏水が原因で発生した可能性がある。
→エフロレッセンスを拭き取って隙間をシールするだけでは、原因を除去したことにはならない。すぐ補修するのではなく、その前に原因を特定する詳細調査が必要になる。
・タイルを接着したモルタルから発生しているのであれば、応急的な補修で済むが、躯体コンクリートがひび割れて浸入した水分によって発生している可能性もあるので、補修の前に詳細調査を行う必要がある。
●タイルの浮き
・タイル裏への浸水が凍結融解でタイルの浮きの原因となる。
3)立地条件による影響
〇寒冷地
・寒冷地では、凍結・氷結などの影響を受ける場所、部位がある。
〇沿岸域
・海岸近くでは、潮風による塩害を受ける場所や部位がある。
〇風の影響
・風の強い地域の建物では、風が直接当たる面よりその裏側の面が影響される例がある。
〇日照条件
・立地条件によって終日日射を受ける外壁面とそうでない外壁面があると、経年劣化の症状に差異が生じる場合がある。
〇交通量の多い道路沿い
・車輛の排気ガスの成分による汚れの付着が顕著になる事例もある。
〇斜壁
・躯体の施行が難しく、浮き故障が生じやすい個所。
〇開口部の周囲・上部
・開口部は鉄筋のかぶり厚の不足や降雨後の水滴の影響があり、剥離が生じやすい個所。
〇庇鼻先、コーナー下端、パラペット・笠木
〇手摺壁、手摺支柱廻り、鉄部取合い
2)点検のポイント
●ひび割れ、タイルやモルタルの剥落
→雨水の侵入がコンクリート内の鉄筋を腐食
〇目地モルタルだけがひび割れ
・構造上や防水上の問題はないケースが多く、緊急の補修や詳細調査までは必要ない。要経過観察。
〇タイルひび割れ
・タイル面が剥離しタイルのみが割れた、躯体のクラックに影響してひび割れが起こった、など様々なケースがある。
●タイル目地の細かい穴(ピンホール)
・この程度の穴でも雨水の浸入箇所になる。
・シール処理か目地の再施工が必要になる。
●エフロレッセンス
・どこから雨水が侵入して発生したのか?
→上階からの漏水が原因で発生した可能性がある。
→エフロレッセンスを拭き取って隙間をシールするだけでは、原因を除去したことにはならない。すぐ補修するのではなく、その前に原因を特定する詳細調査が必要になる。
・タイルを接着したモルタルから発生しているのであれば、応急的な補修で済むが、躯体コンクリートがひび割れて浸入した水分によって発生している可能性もあるので、補修の前に詳細調査を行う必要がある。
●タイルの浮き
・タイル裏への浸水が凍結融解でタイルの浮きの原因となる。
3)立地条件による影響
〇寒冷地
・寒冷地では、凍結・氷結などの影響を受ける場所、部位がある。
〇沿岸域
・海岸近くでは、潮風による塩害を受ける場所や部位がある。
〇風の影響
・風の強い地域の建物では、風が直接当たる面よりその裏側の面が影響される例がある。
〇日照条件
・立地条件によって終日日射を受ける外壁面とそうでない外壁面があると、経年劣化の症状に差異が生じる場合がある。
〇交通量の多い道路沿い
・車輛の排気ガスの成分による汚れの付着が顕著になる事例もある。