マンションの外壁タイルの劣化・調査診断

マンションの外壁タイルの概要、調査、改修に関する技術情報をまとめました。
 
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タイルの特徴、分類
●タイルの特徴
 
・タイルは、粘土を焼成して作られるセラミックス系の材料。
・耐久性に優れ、自然環境に対して、劣化、変色、変質がほとんどない。
・耐熱性、耐火性、防水性に優れている。
・色・デザイン性にバリエーションがある。
・重量が重く、他の仕上げ材料と比べると高価。
 
●タイルの分類
 
①内装タイル
・室内の壁、天井の仕上げに使用される。
・陶器質のものが多い。
 
②外装タイル
・高強度で吸収率が低く、耐候性・耐久性に優れた磁気質のものを使用する。
 
③床タイル
・強度と耐磨耗性が要求される。
 
④モザイクタイル
 
●タイルの張り方
 
○改良圧着張り
・モルタル下地面とタイルの両方に、張り付けモルタルを塗り、張り付ける工法。
・ばらつきが少なく安全性が高い。
 
○接着剤張り
・平滑な下地面に有機質接着剤でタイルを張り付ける工法。
・施工は比較的容易で作業性がよい。
タイルの浮き、はく落
●タイルの張り付け方法
 
・タイルは裏面に”張り付けモルタル”を塗って張られている。
 
①躯体コンクリート-張り付けモルタル-タイル
・躯体コンクリートの精度が良い場合は直張り(じかばり)。
 
②躯体コンクリート-下地モルタル-張り付けモルタル-タイル
・表面が凸凹であったり、水平や垂直で無かったりして補修が必要な場合は、モルタル等で下地調整を行ってからタイルを張る。
 
●タイル、モルタルの浮き、はく落
 
・タイルが張られていたりモルタルが塗られていると、躯体保護機能という点では非常に有効だが、躯体との収縮率の違いや地震などの外力を受けることによって躯体から浮いてしまったり、場合によってははく落してしまうこともある。
 
・タイル自体の浮きと下地モルタルの浮きの場合がある。タイル自体の浮きは、タイル裏面の張り付けモルタルの充填不足や、暑さ等で水分が急激に蒸発して張り付けモルタルが硬化しない”ドライアウト”現象によって起こる。
 
●タイルの浮きの判別方法
 
・パールハンマーという打診棒による音の違いで判断する。
タイルの浮きの調査
●打診法
 
・作業員がパールハンマーという打診棒で壁面を打診し、打った際の音の高低などで判断する方法。
 
・タイルの浮きとタイルの下層にあるモルタルの浮きの二つを区別して判断できる。
 
●打音法
 
・検査用のハンマーで外壁を打ち、その反射音によって評価する。内部に空隙があると振動の度合いが変わる事によって判断できる。
 
・人の聴力で判断する方法と音をマイクロフォンで録音して波形解析する方法がある。
 
●赤外線サーモグラフィー法
 
・赤外線カメラで外壁を撮影し、赤外線画像から欠陥を検出できる。
 
・打診法や打音法のように直接接触する必要が無く、広い面積を短時間に調査できるメリットがある。
 
・熱を検出しているので、気象条件や日射量、撮影角度、測定距離などの影響を受ける。

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