マンションの給排水管の更正工事の概要

マンションの給排水管の更正工事に関する技術情報をまとめました。
 
※目次をクリックすると目次の下部にコンテンツが表示されます。
給水管の更生
(1)給水管更生の概要
 
・既存配管をそのままで施工ができるため、専有部内の工事等に活用されている。
・一般的にはエポキシ樹脂ライニング工法(既存管内の錆を双方向研磨しエポキシ樹脂を2回塗布する)がよく用いられる。
・配管内のさびを削り取るサンドブラストなどに既存配管が耐えられることが必要。
 
(2)保全技術審査証明取得済みの給水管更生技術
 
マンションの給水管を更生する場合、工法を選定する際には、( 財) 建築保全センター、( 財) 日本建築センターの保全技術審査証明を取得しているかどうかを一つの目安すると言われています。
 
1)給水管の更生
 
●( 財) 建築保全センターの審査証明
・モバイル リボン工法(M・R工法):いずみテクノス㈱
・New Tube工法:㈱東京ライニング
・ダブルライニング工法Ⅱ:㈱サニーダ
・モバイル リボンⅡ工法(M・RⅡ工法):いずみテクノス㈱
・SRCT工法:㈱植木組、㈱関原工業所
・P・C・G VacL工法: ㈱P・C・Gテクニカ
・NPLⅢ工法」:京浜管鉄工業㈱
・NPBⅡ工法:京浜管鉄工業(株)
・Eco.NR給水管更生工法」:㈱Ecoエンジニアリング
・New-Tube-Ⅲ(NT-Ⅲ)工法:㈱東京ライニング
・アクア シャトルライニングII工法(ASLⅡ工法):大阪ガス㈱
・NPBラピッド工法:京浜管鉄工業(株)
 
2)給湯管の更生
 
●( 財) 日本建築センターの審査証明
・HSC(Hot Super Coat)工法:(株)タイコー
・キュート シャトル ライニングⅡ工法(CuteSLⅡ工法):大阪ガス(株)
 
(3)給水管更生工事の工程、注意点
 
●共用給水管の水抜き、乾燥
・既存の水を抜き、配管内を乾燥する。
 
●共用給水管内 研磨工事
・研磨機に研磨剤を投入して、配管内に挿入し、給水管内の錆を除去する
・研磨後、配管内に穴が開いていないかを確認する。
→空気圧(リーク)テスト作業
 
●共用給水管内 塗装工事
・塗料の混合比率が正しいかを確認する。
・対象配管の距離に対して塗料量が正しいか確認する。
・塗料が回収口に到達しているか確認する。
 
●塗装状況の確認作業
・各給水管内の塗料硬化(H 硬度以上)に到達していることを確認する。
・予め決めた場所でファイバースコープを入れ、塗りムラ、ダレ等が無いことを確認する。
・ピンホールテスターを使用して塗膜にピンホールが無いか確認する。
・膜厚計を使用し、塗膜厚さが規定以上あるか、テストピースで確認する。
 
●工事箇所の復旧・通水作業
・配管内に漏水が無い事の確認のため、水圧テストを行う。
・取外し箇所及び量水器まわり給水管復旧・更新工事作業
・量水器まわり更新箇所、取外し箇所の復旧部より漏水が無いことを確認する。
 
●通水後の試験作業
・簡易検査(残留塩素、色度、濁度、味、臭気)を行い、水質に問題無いか確認する。
・残留塩素は、0.1㎎/l以上か確認する。
・水質検査(11項目)を専門機関に提出して、水質に問題が無いか確認する。
給水管の更生工事
●ライニング工法
 
・二液性エポキシ樹脂塗料をパイプ内に塗って塗膜を形成して更生する。
 
○吸引方式ライニング作業手順
①診断・調査
②管内の汚れや錆除去
③ライニング作業
④温風乾燥
⑤検査
排水管の更生
(1)保全技術審査証明取得済みの排水管更生技術
 
マンションの排水管を更生する場合、工法を選定する際には、、( 財) 建築保全センター、( 財) 日本建築センターの保全技術審査証明を取得しているかどうかを一つの目安すると言われています。
 
●( 財) 建築保全センターの審査証明
・CSC(サイクロンスーパーコート)工法:(株)タイコー
・Re-FLOW工法:日本設備工業(株)、㈱東京ライニング
・モバイル ハイブリッド工法(M・H工法):いずみテクノス㈱
・TT―SLトルネード:(株)東京トルネード、(株)タイコー
・リノベライナー工法:積水化学工業㈱
・リビバール工法:ライノセラス総業㈱
・SRCTⅡ工法;㈱植木組、㈱関原工業所
・UPL工法;有信㈱
・P・C・G マルチライナー工法(FRPライニング):(株)P・C・G テクニカ
・P・C・G マルチライナー工法(パラシュートライニング):(株)P・C・G テクニカ
・ドレン シャトルライニング工法(DSL工法):大阪ガス㈱
・Eco.BM排水管更生工法;㈱Ecoエンジニアリング
・P・C・G FRPサポーター工法;㈱P・C・Gテクニカ
 
●( 財) 日本建築センターの審査証明
・DREAM工法:東京ガス(株)、(株)カンドー、(株)協和日成
・マルライナー工法:(株)マルナカ
 
(2)排水管更生工事の工程、注意点
 
●施工可否判断の実施
・抜管によるサンプル管で、更生工事の施工可否を判定する。
・排水管はさび、付着物により、漏水に至らないケースがある。
・さびを落とした段階であちこちに穴が空く場合は、更生工事は適用できず更新工事となりえる。
 
●入居者への事前説明、入室確認
・排水更生工事の場合、対象の共用立管のうち1軒でも入室出来ない場合、工事が出来ない。
・事前に各戸との連絡、返信方法を確認する。
・排水管更生工事は玄関扉開放での作業が主体となる。
 
〇最上階、最下階の本管切断及び高圧ホースの接続
・最上階、最下階の壁の解体は、復旧方法を居住者に説明しておく。
 
●排水管高圧洗浄
・排水系統を確認する。
・配管内部状況を確認して洗浄方法を決定する。(洗浄圧力、洗浄自具等)
・洗浄後の状況を確認する。
※配管内の油脂分、付着物は研磨材、機械的な研磨だけでは除去しづらく、直前に高圧洗浄が必要。
 
●管内の研磨、検査
・研磨後、配管内を内視鏡、CCDカメラ等により検査し、錆びこぶ、付着物がない事を確認する。
・研磨が不十分な場合、どんなに高性能な塗料でも剥離の可能性がある。
 
●研磨後の漏洩検査
・研磨後の漏洩をデジタル圧力計等により確認する。
・更生工事では、どの工法の塗料でも配管の穴あきは埋まらない。
→排水管は通水後の漏水発見が1週間、1ヵ月後のケースもありえる。
→研磨後の漏洩防止試験が必須。
 
●ライニング工事
・ライニング用塗料は2液性であり、配合比のムラ、混合不足は塗膜品質に重大な影響が出る。
→塗料の配合比チェックと記録、テストプレートによる色むら確認等を行う。
 
●ライニング後の塗膜検査
・ライニング後、内視鏡・CCD カメラによる塗膜検査をする。
 
●通水時の検査
・排水更生工事は毎日通水して、工事完了を繰り返す。
・通水前の塗料硬化度(H 硬度以上)を確認する。
・通水後の漏水確認と工事完了確認をする。
・隠蔽部分は研磨後に気密試験を実施する。
・流し台等、接続部分の漏水確認はチェックシート等で各居住者立会いのもと、完了確認が必要。
 
●テストピースによる塗膜品質検査
・塗膜厚を測定する。
・ピンホール試験をする。
・硬化度試験をする。
※通常、塗膜厚測定とピンホール試験は外部での検査となり、竣工図書での確認となる。
排水管更生工法の分類
1)管内清掃方法
 
・高圧洗浄
・サンドブラスト
・電動冶具
 
2)塗料
 
・エポキシ樹脂
・ビニールエステル樹脂
・ガラスフレーク
・ガラスクロスホース等
 
●塗料の注意点
・ふたつの液体を現場で混ぜ合わせて使うが、、季節や気温によって樹脂が硬化する速度が異なる。
→適切な工程管理をしないと、樹脂がうまく配管に塗布されない場合があるので、現場で対応する作業員はきちんと研修を受けているかどうかについても確認する。
・工法によっては、無機抗菌剤を塗装することで、施工後数年間は高圧洗浄をほとんど実施しなくても良くなるような工法もある。
 
●塗布後の検査
・塗膜の厚さ
・硬度
・ピンホールが出来ていないか
 
3)塗布方法
 
●気流方式(吸引式):DREAM工法、TT-SLトルネード工法
・ライニング用樹脂を気流に乗せて搬送・塗布
・配管内の空気を吸引して負の圧力を発生させる負圧(吸引)方式
●ピグ式
・樹脂をピグ/パラシュートで押しながら搬送・塗布
●噴射・吹付方式:Re-FLOW工法
・噴射ノズルを移動しながら樹脂を塗布
・配管内に圧力を掛ける正圧(噴射)方式
●パイプ・イン・パイプ式(反転工法、引込工法)
・樹脂を含浸させた筒状繊維を管内に挿入・硬化
〇反転工法
・専有部の横引き管ではなく、共用部の立管に用いられる工法。
・共用部の立管と専有部の横引き管との接続部分については、遠隔操作のロボットによる施工や、横引き管を更新する際に、手作業で施工するといった方法が用いられる。
 
●塗布回数
・主流の工法の多くは2回実施。
・特殊継手等に対しては3回塗布する工法もある。
 
●選定の注意
・噴射(正圧)方式では、配管にピンホール等があると、塗料がピンホールから漏れ出てしまう。
→ピンホール部分の配管を取替える必要がある。
・築年数が30年以上で、配管の劣化が進んでいるマンションでは、吸引(負圧)方式を選択するのが望ましい。
・排水管には、ソベント継手、セクスチュア継手、コアジョイント継手といった特殊な継手があり、ピグやパラシュートを用いるほうが、そういった特殊な継手に対応可能なケースが多い。
 
4)塗布、研磨手段
 
・圧縮空気方式
・吸引方式
・機械方式
 
●研磨方法の注意点
〇研磨 1方向、2方向
・”1方向のみ”の場合、研磨後も配管に錆がかなり残ってしまう場合がある。
→配管の表面は残った錆びで凸凹になっているので、上から樹脂を塗布しても、樹脂は剥がれやすくなってしまう。
・工法によっては、研磨は1方向からのみしか行わない場合があるので注意する。
 
〇研磨材
・珪砂やセラミックス、天然石を用いるが、研磨材がもろいと、錆びの硬さに負けて十分に研磨できない場合もある。
・工法によっては、研磨を十分に行うために専用の研磨用ノズルを使用する場合もある。
 
〇研磨終了後の検査
・配管の状態を内視鏡で検査する工程が入っているのかチェックする。
排水管更生・気流方式(吸引式)
(1)DREAM工法
 
1)DREAM工法の特徴
 
・工事は1日で終了。立主管と専有部横枝管を同日施工。(5階建ての場合)
・排水管の内面塗膜に適した”ビニルエステル樹脂”を使用。
→優れた耐久性、耐熱性、耐薬品性、耐磨耗性。
・負圧を利用した独自のクリーニング&ライニング工法の開発により、排水トラップを傷めない。
・自前に行う居住部排水設備の取り外し工事も最小限ですむ。
 
2)作業工程
 
①準備工程
・配管の調査診断
・施行計画の作成(工程表・工事説明書・施工管理組織表・断水のお知らせ等々・・・)
 
②作業工程
・工事に必要となる機材等の搬入:大型発電機、吸引装置、改修装置(ホッパー/フィルター)
 
③研磨準備工程
・最上階及び最下階の立主管を切断(研磨・ライニング材の投入及び回収部位確保のため)
 
④研磨工程
・立主管→横枝管の順で行う。
・吸引風速を測定
→最上階の立主管切断箇所からウェットサンド(水+セラミック)を投入
→管内乾燥
→ドライサンド(乾燥セラミックを投入)
→CCDスコープにて管内状況確認
→管内水洗い
→管内乾燥
 
⑤ライニング工程
・横枝管→立主管(最上階の立主管切断箇所からライニング樹脂を投入)
・最下階の各横枝管の排水口から調合したライニング樹脂を投入
→順次上階へ。
・CCD管内検査
 
⑥管内乾燥
・強制温風乾燥 約2時間程度で硬化。
 
(2)TT-SLトルネード工法
 
①事前調査
・施工を行う前に、対象となる排水管の残存肉厚や腐食の状況などを確認する。
・各部屋の排水器具の状況・リフォーム状況等を確認する。※1住戸 15分程度
 
②事前工事
・工事内容によっては、作業用の投入口(点検口)設置する。
・竪管最上部に特殊治具・研磨材・塗料を投入する為に開口する。
 
③準備作業
・排水禁止の連絡。
・作業場所が傷や汚れが付かないように、養生シートで保護する。
・機材を設置し、排水器具の取り外し、通気管の切り離しを行う。
〇基準階
・各部屋の作業場所を全て養生する。
・各器具(トラップ)の取外しを行う。(トイレ・洗面・流し・お風呂)
〇最上階
・各部屋の作業場所を全て養生する。
・各器具(トラップ)の取外しを行う。(トイレ・洗面・流し・お風呂)
・排水竪管の切断をする。(MB内及び最上階該当)
 
④乾燥工程
・前処理として、管内を吸引車にて汚れを取ると同時に乾燥させる。
 
⑤研磨・洗浄
・最上階から順に最下部までの竪管を研磨・洗浄する。
・超強力吸引車の負圧の力を利用し、高速回転する特殊治具で、排水管内のサビやスケールを除去する。
・各住戸の排水枝管内を研磨・洗浄する。
・研磨材でより滑らかに仕上げた後、研磨度・漏洩・乾燥度を検査する。
※研磨・洗浄終了後に管内の研磨度をCCDカメラを使用して確認をする。
 
⑥ライニング
・一次塗膜形成:腐食の進行をおさえ、また二次塗膜形成との密着を高めるための塗料を投入する。
・二次塗膜形成:耐熱性、耐摩擦性、耐薬品性にすぐれた耐久性のある仕上げ塗料をライニングする。管内の表面を均一にするために、ライニング治具を投入する。
・各住戸の横枝管内をプライマーにて下処理。
・竪主管内をプライマーにて下地処理。
・各住戸の横枝管内を仕上げ塗料にてライニング。
・竪主管内を仕上げ塗料にてライニング。
 
⑦乾燥工程
・ライニング作業完了後、自然放置させる。(1時間~1時間半)
・気候等の条件により、温風ヒーターで乾燥させる場合もある。
※乾燥工程終了後に管内の塗膜状態をCCDカメラを使用して確認する。
 
⑧塗膜検査
・施工が全て終了した段階で排水管内のライニング状況を検査・確認。
・エポキシ樹脂が完全に塗膜が形成されているかを検査。
・後日発注者立会のもと、硬度測定、及び塗膜厚測定を行う。
 
⑨器具復旧・通水試験
・各器具の復旧及び通水試験をする。
※漏水が発生した場合は、直ちに修復する。
排水管更生・噴射方式
(1)Re-FLOW工法
 
1)Re-FLOW工法の特徴
 
●研磨
・立管:2方向2回研磨
→管内のサビやブリスターをより確実に除去する。
・枝管:1方向2回研磨
 
●塗布
〇主管(立管、横主管):噴射式
・先端ライニング装置により管内面に塗料を噴射して、均一な厚い塗膜を形成する。
・最上階の配管を切断し、噴射式塗布引上げ装置を使用。
・主管用塗料機、ホース巻き取り機を使用。
〇枝管:気流式
・専有部枝管は気流式塗布。
・枝管用塗料機に塗料を投入し、コンプレッサーを使用して高圧空気で塗布。
 
2)作業工程
 
①調査診断
・本工法の適用可否を調査・診断。
 
②作業準備
・各種届出。
・事前説明会。近隣対策。
・機材の現場搬入。
 
③配管洗浄
・汚れの度合いにより事前に管内を高圧洗浄。
 
④配管切断
・工事に必要な箇所の配管を切断
 
⑤乾燥
・配管内の水分を除去してサビや汚れを乾燥。
 
⑥研磨
・配管内のサビや汚れを高圧空気で研磨剤を圧送して除去。
・研磨度確認
 
⑦管内確認
・管内洗浄度を確認。
・漏洩気密試験
 
⑧枝管ライニング
・塗料配合比確認。
・塗布サンプル作成
・温度確認(塗料、配管)
・塗料分岐到達確認
 
⑨塗膜乾燥
・施工管、塗布サンプルを乾燥確認
 
⑩主管ライニング、塗膜乾燥
 
⑪塗膜硬化確認
・塗膜品質検査(外観、硬化度、たれ限界、塗膜厚、ピンホール)
・塗布サンプル浸潰試験
 
⑫配管復旧
・切断箇所の復旧。
・器具等を取付。
 
⑬通水・検査
・通水後の漏洩チェック。
・完成検査。
排水管更生・ピグ式
(1)UPL(Ultra Pig Lining System)工法
 
1)UPL工法の特徴
 
●クリーニング
・高圧ジェット水クリーニング装置で加圧されたジェット水流で管内を洗浄。
・先端ノズルは用途によって使い分け、水圧も調節(通常は20MPa)。
・管内状況に応じて、回転数、先端工具を取り替え、機械的にスケールを除去する。
・モーター、ワイヤー等は管径に応じたものを使用する。
 
●ライニング
・ライニング用ボールピグ(発泡ウレタン製)を管内へ挿入し減圧吸引すると、ボールピグは収縮し、ボールピグと管内壁の間に空気薄膜が形成され、滑らかに走行する。
→ボールピグの進行前部の塗料は、吸引による展開と旋回気流効果によって、管内壁に平滑で均一に塗布され、ライニングは行われる。
 
〇ライニングの工程
①塗料を投入後、ボールピグを挿入。
②キャッチャー側より強力吸引し、ボールピグを移動させ、管内をライニング。
③キャッチャーまでボールピグは移動(ボールピグは2回打つ)。
④立て管は、ボールピグを往復運動させる。
 
●特徴
・ボールピグにより、上下左右均一な塗膜厚が得られる。配管の水平部、立ち上がり部も施工可能で、ベンド、T字、異径管部も一貫して施工が可能である。
・減圧工法のため、塗膜の脱泡が促進され、塗布面に気泡痕が生じにくい。
・管内が負圧なので作業の安全性が高く、施工作業も容易である。
・高速塗布(2~10 m/秒)が可能である。
 
2)使用機器
 
●クリーニング
・機械洗浄:メカニカル式洗浄装置
・水流洗浄:高圧ジェット式洗浄装置
 
●ライニング
・ライニング用ピグ
・ランチャー、キャッチャー
・強力減圧吸引車
 
●検査
・超音波内厚測定器
・内視鏡
 
3)作業工程
 
①事前診断
・一次診断および二次診断により、工法適用の可否を判定。
 
②工事準備
・施工計画書を提出、必要機材等の準備を行う。
 
③研磨工程
・管内状況により選定された工法で研磨施工し、内視鏡で研磨度を調査検証する。
 
④管内清掃
・スケールの払い出しと乾燥を、吸引エアーと洗浄用ピグ等で行う。
 
⑤塗布工程
・塗料を選定し混合確認後、吸引ボールピグにより管内塗布、規定の塗膜を確保する。
 
⑥養生復旧
・塗料仕様による養生(エポキシ樹脂の場合;指触硬化20℃-4時間)。
・条件によっては温風乾燥。
 
⑦完成検査
・発注者立会の下、膜圧測定、管内検査、漏洩検査を実施する。
排水管更生・パイプ・イン・パイプ式
(1)P・C・G FRPサポーター工法
 
1)P・C・G FRPサポーター工法の特徴
 
・ライニング材を浸み込ませたチューブ状のスーパータフネスクロスを、配管の内面に空気圧で張り付ける工法。
・塗装方式と違い、穴の開いた老朽管でも2重管に再生。
・塩ビ管の数倍の強度があるエポキシFRP管を形成。
・本管も枝管分岐部もFRP仕上げ。枝管分岐部を切らずに再生。
・3層のFRPに加え、ウレタンホースを貼り付け加工。
・ロボット工法の採用により中間階への入室が不要。
 
2)作業工程
 
①立管洗浄、下地処理研磨、乾燥
・吸引タービンカッター洗浄
 吸引気流で高速回転。
・高圧洗浄車から付属の洗浄ホースを屋上にいったん引上げ、管内に挿入。
→吐出圧力20~30MPaで高圧洗浄し、管内の汚れ、錆を除去。
→吸引車で廃水を吸引。
 
②立管 FRPライニング
〇クロス準備
・ガイドロープ
・インナーチューブとなるフィルムチューブ
・タフネスクロス
〇FRPライニング剤準備
・主剤と硬化剤を配合→攪拌
〇FRPライニング剤含浸作業
・真空ポンプでクロス内を排気
・含浸装置の上に脱気済みのタフネスクロスを伸ばし、ライニング剤を流し込み含浸を行う。
・含浸済みのタフネスクロスは、次工程まで冷水槽に入れて硬化反応を遅延させる。 〇反転機に装填(巻き取り作業)
・含浸後のタフネスクロスの一端を反転機内の温水ホースと連結して反転機内に巻き取る。 〇パイプ形成機を使ってライナーを反転挿入
・パイプ形成機にエポキシ樹脂含浸ライナーを充填し、下階から上階に向けて管内へ反転挿入。
・コンプレッサーから圧縮空気を供給し、0.04~0.05MPaの圧力で管内に反転挿入する。
・内部からの空気圧の圧力で強固に貼り付ける。
・反転完了後、0.03~0.04MPaの圧力で保持し、65~75℃温水を供給する。
・均一な厚みで塗りの残しなくライニング加工ができる。
・排水合流部もいったん塞ぐ。
〇硬化後、インナーチューブ除去
・硬化確認後、温水から冷水に切替え、ポンプ等を停止し、残流水をエアーブローした後に、エアーの供給を停止し、ライニング材の両端を切断し、温水ホースとインナーチューブを抜き取る。
 
③枝管分岐部穿孔・洗浄
・たて管最下部で、最上部に設置したウインチから降ろしたワイヤーに削孔機を取り付けて挿入し、管内に引き上げ、順次、TVカメラによる遠隔操作により、枝管接続部の削孔を行う。
・ロボットをワイヤーでつる。
・上部から管内カメラを入れモニターで確認する。
・遠隔操作で約5~15分で穴あけが可能。
 
④枝管分岐部研磨作業
・管内カメラで確認しながら、所定の枝管合流部にワイヤーの先端を挿入した後、エアモーターにコンプレッサーからの圧縮空気を供給しワイヤーを回転させる。その後、枝管合流部を洗浄する。
・枝管分岐部の錆こぶをトーラーで削り取る。
 その後、高圧洗浄にて洗い流しながら吸引車にて除去した物を吸引する。
 
⑤枝管分岐部反転ライニング
・専用のつば付きクロスにライニング剤を含浸させ、同クロスを装着(装填)した治具を最下部から挿入し、所定の位置まで引き上げ、管内カメラモニターで確認しながら治具を加圧しクロスを反転挿入する。(0.08~0.09MPaの圧力で保持)硬化後、エアーを抜き治具を回収する。
・特殊樹脂調合、含浸後、クロスを反転機にセット
→最下階から管内へ
→管内部よりロボット施工。
 
3)使用機器
 
・含浸(タフネスクロス)
・枝管穿孔機、枝管反転機
 立管FRPライニング後、枝管穿孔及び専有部枝管へ、つば付きクロスを挿入し(ライニング剤含浸済)管内にクロス圧着させ枝管のFRPライニングを行う。
・反転装置(クロスの巻き取り・打込みに使用)
・加熱装置(硬化促進の為使用)
・高圧洗浄車
 付属の洗浄ホースを屋上にいったん引上げ、管内に挿入し管内の汚れ、柔らかい錆を除去。
・吸引車
 高圧洗浄の際、洗浄廃液を枡側で吸引回収。
・コンプレッサー
 管内研磨、枝管穿孔、タフネスクロス反転挿入
・管内カメラ

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