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塗膜防水の概要
1)塗膜防水とは?
・液状の樹脂・合成ゴムなどをハケやヘラ、ローラーなどで下地に塗布するか、吹付機により施工して成膜・硬化させ、シームレスな防水層を形成する工法。
・ウレタンを原料にしたものやFRPを素材にしたもの、アクリルゴム系、ゴムアスファルト系などがある。
・アクリルゴム系の用途はほとんどが外壁防水で、ゴムアスファルト系は土木関連用途が多くなっている。塗膜防水と言えばウレタンか最近需要が伸びているFRPを指すことが多い。
・現在は、工法、価格面も含め、ウレタン防水の需要が多い。
2)塗膜防水の特徴
〇性能面
・凹凸部でも膜厚を均一にでき、平坦で美しい仕上がりになる。
・つなぎ目の無い(シームレス)防水膜を形成する。
・塗り重ねができて塗膜厚さを自由に設定できる。
〇施工性、用途
・液状材料のため、複雑な形状にも納まりやすく、他の防水に比べ施工しやすい。
・バルコニーやベランダ等の小面積防水に用いられることが多い。
〇デメリット
・下地のひび割れなどの変形に追従しにくいことや、下地面に高い平滑度が要求されるなどのデメリットもある。
・他の防水に比べ多少コストがかかるのがデメリット。(次期改修時にはコストダウンできる)
3)塗膜防水の原料
●基材
・ウレタンゴム,アクリルゴム,クロロプレンゴム,ゴムアスファルト、オルガノポリシロキサンなど。
●鉱物質充填剤
・炭酸カルシウム,クレー,カーボンブラック,微粉末シリカなど。
●添加剤
・顔料,増粘剤,老化防止剤,界面活性剤,希釈剤など。
4)製品形態による区分
●1成分形
・あらかじめ施工に供する状態に調製したもので,必要によって硬化促進剤,充填剤,希釈剤などを混合して使用する防水材。
●2成分形
・施工直前に主剤,硬化剤の2成分に,必要によって硬化促進剤,充填剤,着色剤,希釈剤などを混合して使用するように調製した防水材。
・液状の樹脂・合成ゴムなどをハケやヘラ、ローラーなどで下地に塗布するか、吹付機により施工して成膜・硬化させ、シームレスな防水層を形成する工法。
・ウレタンを原料にしたものやFRPを素材にしたもの、アクリルゴム系、ゴムアスファルト系などがある。
・アクリルゴム系の用途はほとんどが外壁防水で、ゴムアスファルト系は土木関連用途が多くなっている。塗膜防水と言えばウレタンか最近需要が伸びているFRPを指すことが多い。
・現在は、工法、価格面も含め、ウレタン防水の需要が多い。
2)塗膜防水の特徴
〇性能面
・凹凸部でも膜厚を均一にでき、平坦で美しい仕上がりになる。
・つなぎ目の無い(シームレス)防水膜を形成する。
・塗り重ねができて塗膜厚さを自由に設定できる。
〇施工性、用途
・液状材料のため、複雑な形状にも納まりやすく、他の防水に比べ施工しやすい。
・バルコニーやベランダ等の小面積防水に用いられることが多い。
〇デメリット
・下地のひび割れなどの変形に追従しにくいことや、下地面に高い平滑度が要求されるなどのデメリットもある。
・他の防水に比べ多少コストがかかるのがデメリット。(次期改修時にはコストダウンできる)
3)塗膜防水の原料
●基材
・ウレタンゴム,アクリルゴム,クロロプレンゴム,ゴムアスファルト、オルガノポリシロキサンなど。
●鉱物質充填剤
・炭酸カルシウム,クレー,カーボンブラック,微粉末シリカなど。
●添加剤
・顔料,増粘剤,老化防止剤,界面活性剤,希釈剤など。
4)製品形態による区分
●1成分形
・あらかじめ施工に供する状態に調製したもので,必要によって硬化促進剤,充填剤,希釈剤などを混合して使用する防水材。
●2成分形
・施工直前に主剤,硬化剤の2成分に,必要によって硬化促進剤,充填剤,着色剤,希釈剤などを混合して使用するように調製した防水材。
主要原料による分類
1)ウレタンゴム系
・液状のウレタン樹脂などの高分子材料を下地に所定量を塗布し、所定の厚さの防水層をを形成する工法。
・紫外線からの保護や滑り防止などの目的に応じて専用の保護塗料(トップコート)を塗布して仕上げる工法
・ポリイソシアネート,ポリオール,架橋剤を主な原料とするウレタンゴムに充填剤などを配合したウレタンゴム系防水材。
2)FRP系
・ポリエステル樹脂を塗布した上にガラスマットを貼り、その上から防水用ポリエステル樹脂を含浸・硬化させ、さらにポリエステル樹脂を塗布して防水層を構成する。
・ウレタンゴム系防水層の上にFRP系防水層を積層する複合工法もある。
・露出仕上げで表面の歩行が可能。
・非常に硬く、下地への接着力が強いため下地の動きに追従できない欠点もある。
3)ゴムアスファルト系
・高濃度のゴムアスファルトエマルションを専用硬化剤により反応硬化させた塗膜防水材であり、そこに改質アスファルト系シートを組み合わせ、信頼性の高い積層タイプの複合防水を形成した後、コンクリートやモルタルを表面に打設し、防水層を保護する工法。
4)アクリルゴム系
・液状のアクリル樹脂などの高分子材料を下地に塗布し、防水層を形成する工法。
・紫外線からの保護や滑り防止などの目的に応じて専用の保護塗料(トップコート)を塗布して仕上げる。
・主成分は高級アクリル酸エステルであり、防水層の伸び性能は良好で下地の動きに追従できる。
・液状のウレタン樹脂などの高分子材料を下地に所定量を塗布し、所定の厚さの防水層をを形成する工法。
・紫外線からの保護や滑り防止などの目的に応じて専用の保護塗料(トップコート)を塗布して仕上げる工法
・ポリイソシアネート,ポリオール,架橋剤を主な原料とするウレタンゴムに充填剤などを配合したウレタンゴム系防水材。
2)FRP系
・ポリエステル樹脂を塗布した上にガラスマットを貼り、その上から防水用ポリエステル樹脂を含浸・硬化させ、さらにポリエステル樹脂を塗布して防水層を構成する。
・ウレタンゴム系防水層の上にFRP系防水層を積層する複合工法もある。
・露出仕上げで表面の歩行が可能。
・非常に硬く、下地への接着力が強いため下地の動きに追従できない欠点もある。
3)ゴムアスファルト系
・高濃度のゴムアスファルトエマルションを専用硬化剤により反応硬化させた塗膜防水材であり、そこに改質アスファルト系シートを組み合わせ、信頼性の高い積層タイプの複合防水を形成した後、コンクリートやモルタルを表面に打設し、防水層を保護する工法。
4)アクリルゴム系
・液状のアクリル樹脂などの高分子材料を下地に塗布し、防水層を形成する工法。
・紫外線からの保護や滑り防止などの目的に応じて専用の保護塗料(トップコート)を塗布して仕上げる。
・主成分は高級アクリル酸エステルであり、防水層の伸び性能は良好で下地の動きに追従できる。
ウレタン塗膜防水
(1)ウレタン塗膜防水の概要
・ウレタンゴムなど液状の防水材を塗り重ねて、硬化させ防水層にし、表面にトップコートを塗る。
・材料には2成分形、湿気硬化型の1成分形、スプレー方式による超速硬化形などがある。
2成分形では、施工場所で主剤と硬化剤を化学反応させてゴム弾性のある塗膜を形成する。
・塗料状のウレタンゴムを屋上やベランダなどに刷毛、金ゴテ、ゴムべら、吹付機械などで塗って防水層を形成する工法なので、突出物の多い屋上の改修工事の際に、施工が容易なため採用されることが多い。
・狭い場所や、バルコニーや廊下の床、排水溝、屋根のパラペット(手すり壁)、ひさしなどで採用される。
●長所と短所
〇長所
・施工現場で塗布硬化させるため下地になじみやすく、密着性に優れる。
・弾性があり、伸びが大きい。原則として揮発減量成分を含まないので塗膜の収縮がほとんどない。
〇短所
・下地の形状や施工技量により仕上がりに差が出る場合がある。
・材料が硬化するまで時間が必要となる。
・気温や施工直後の天候によって品質にばらつきが出る可能性がある。
〇ウレタン防水の工期の目安
・一般的には一工程で1日の硬化養生時間が必要となる。
・バルコニーで一般的に使用されている例だと、プライマーで1日、ウレタン防水2層で各1日、保護仕上げ塗料で1日、合計4日間程度が必要となる。
※その他、下地処理の工程が1日以上必要となる。また、施工時期や環境、材料特性により要する時間が変わる。
(2)工法の種類
1)絶縁工法(通気緩衝工法)
・通気性能を有するシートを全面接着させた上にウレタン塗膜防水を塗布する工法。
・ふくれの原因となる下地水分の水蒸気は、通気緩衝シート裏面を経由し脱気装置から排出されるため、ふくれにくい構造になっている。
・破断の原因となる下地コンクリートのクラックに対しては、通気緩衝シートが緩衝効果を発揮する。
●材料
〇通気緩衝シート(例、サラセーヌAVシート)
・ポリエステルフィラメントの長繊維不織布に、千鳥格子状に孔を空けた通気緩衝シート。
〇通気緩衝シート張付け用接着剤(例、サラセーヌAVボンド)
・ウレタン系
〇防水材補強用クロス(例、サラセーヌクロス#4000)
・ポリエステル繊維織布
●工程例
①接着剤塗り、通気緩衝シート張り、脱気装置取り付け(50~100m2に1箇所)
・通気緩衝シート張付け用接着剤塗布直後、通気緩衝シートを隙間なく張る。
・張り仕舞いは、立上り部より30mm程度離し、通気緩衝シート端末部の上に防水材補強用クロスを100mm重ねて張る。
②ウレタンゴム系塗膜防水材塗り
・防水材の塗り継ぎの重ね幅は100mm以上とし、補強用クロスの重ね幅は50mm以上とする。 ③ウレタンゴム系塗膜防水材塗り
④仕上塗料塗り
2)密着工法
・ウレタン塗膜防水を直接既存下地に塗布する工法。
・納まりの良さを生かした狭小部位や複雑な形状部位、既存下地がウレタン塗膜防水の場合の改修に適している。
●工程例
①プライマー塗り
②ウレタンゴム系塗膜防水材塗り、補強布張り
・防水材の塗り継ぎの重ね幅は100mm以上とし、補強用クロスの重ね幅は50mm以上とする。 ③ウレタンゴム系塗膜防水材塗り
④ウレタンゴム系塗膜防水材塗り
⑤仕上塗料塗り
(3)注意点
●膜厚の確保、補強メッシュシート
・基本的にはウレタン主剤を2度塗りして膜厚を確保。
・パラペット部分や基礎架台周りなどの立上がり部分では、塗膜が垂れて流れることが無いように、補強メッシュシートを入れて適切な膜厚を確保する。
●施工時間
・こて押さえ型のウレタン樹脂塗膜防水工法は、施工時間を要する。
→長い時間、使用制限しにくい開放廊下の防水改修工法としてふさわしくない。
→超速硬化型のウレタン塗膜防水(吹き付け工法)などを検討したほうがよい。
・コンクリート直仕上げのバルコニーは、速乾性のウレタン塗膜防水を施工するのが一般的。
・ウレタンゴムなど液状の防水材を塗り重ねて、硬化させ防水層にし、表面にトップコートを塗る。
・材料には2成分形、湿気硬化型の1成分形、スプレー方式による超速硬化形などがある。
2成分形では、施工場所で主剤と硬化剤を化学反応させてゴム弾性のある塗膜を形成する。
・塗料状のウレタンゴムを屋上やベランダなどに刷毛、金ゴテ、ゴムべら、吹付機械などで塗って防水層を形成する工法なので、突出物の多い屋上の改修工事の際に、施工が容易なため採用されることが多い。
・狭い場所や、バルコニーや廊下の床、排水溝、屋根のパラペット(手すり壁)、ひさしなどで採用される。
●長所と短所
〇長所
・施工現場で塗布硬化させるため下地になじみやすく、密着性に優れる。
・弾性があり、伸びが大きい。原則として揮発減量成分を含まないので塗膜の収縮がほとんどない。
〇短所
・下地の形状や施工技量により仕上がりに差が出る場合がある。
・材料が硬化するまで時間が必要となる。
・気温や施工直後の天候によって品質にばらつきが出る可能性がある。
〇ウレタン防水の工期の目安
・一般的には一工程で1日の硬化養生時間が必要となる。
・バルコニーで一般的に使用されている例だと、プライマーで1日、ウレタン防水2層で各1日、保護仕上げ塗料で1日、合計4日間程度が必要となる。
※その他、下地処理の工程が1日以上必要となる。また、施工時期や環境、材料特性により要する時間が変わる。
(2)工法の種類
1)絶縁工法(通気緩衝工法)
・通気性能を有するシートを全面接着させた上にウレタン塗膜防水を塗布する工法。
・ふくれの原因となる下地水分の水蒸気は、通気緩衝シート裏面を経由し脱気装置から排出されるため、ふくれにくい構造になっている。
・破断の原因となる下地コンクリートのクラックに対しては、通気緩衝シートが緩衝効果を発揮する。
●材料
〇通気緩衝シート(例、サラセーヌAVシート)
・ポリエステルフィラメントの長繊維不織布に、千鳥格子状に孔を空けた通気緩衝シート。
〇通気緩衝シート張付け用接着剤(例、サラセーヌAVボンド)
・ウレタン系
〇防水材補強用クロス(例、サラセーヌクロス#4000)
・ポリエステル繊維織布
●工程例
①接着剤塗り、通気緩衝シート張り、脱気装置取り付け(50~100m2に1箇所)
・通気緩衝シート張付け用接着剤塗布直後、通気緩衝シートを隙間なく張る。
・張り仕舞いは、立上り部より30mm程度離し、通気緩衝シート端末部の上に防水材補強用クロスを100mm重ねて張る。
②ウレタンゴム系塗膜防水材塗り
・防水材の塗り継ぎの重ね幅は100mm以上とし、補強用クロスの重ね幅は50mm以上とする。 ③ウレタンゴム系塗膜防水材塗り
④仕上塗料塗り
2)密着工法
・ウレタン塗膜防水を直接既存下地に塗布する工法。
・納まりの良さを生かした狭小部位や複雑な形状部位、既存下地がウレタン塗膜防水の場合の改修に適している。
●工程例
①プライマー塗り
②ウレタンゴム系塗膜防水材塗り、補強布張り
・防水材の塗り継ぎの重ね幅は100mm以上とし、補強用クロスの重ね幅は50mm以上とする。 ③ウレタンゴム系塗膜防水材塗り
④ウレタンゴム系塗膜防水材塗り
⑤仕上塗料塗り
(3)注意点
●膜厚の確保、補強メッシュシート
・基本的にはウレタン主剤を2度塗りして膜厚を確保。
・パラペット部分や基礎架台周りなどの立上がり部分では、塗膜が垂れて流れることが無いように、補強メッシュシートを入れて適切な膜厚を確保する。
●施工時間
・こて押さえ型のウレタン樹脂塗膜防水工法は、施工時間を要する。
→長い時間、使用制限しにくい開放廊下の防水改修工法としてふさわしくない。
→超速硬化型のウレタン塗膜防水(吹き付け工法)などを検討したほうがよい。
・コンクリート直仕上げのバルコニーは、速乾性のウレタン塗膜防水を施工するのが一般的。
塗膜防水の改修
●トップコートの再塗装
・トップコートは、防水層が光や風雨などによる磨耗によって劣化するのを防ぐ。
・トップコート自身も劣化するため、定期的にトップコートの再塗装を行う。
●かぶせ工法でウレタン防水を行う場合の下地処理
・既存露出防水層の表面は,ゴミ等の異物を取り除き,水洗いを行う。乾燥後,層間接着用プライマーを塗布し,新規防水層との接着性をよくする。
・既存防水層の破断,穴あき箇所の浮き部分及びふくれ部分は,切除し,ポリマーセメントモルタルで平滑に補修する。既存防水層の劣化によるチョーキング部は,デッキブラシ等で水洗いを行う。
※その他の注意点
・防水材の種類によっては接着不良を起こす危険があるため、事前にプライマーで接着試験を行う。
・トップコートは、防水層が光や風雨などによる磨耗によって劣化するのを防ぐ。
・トップコート自身も劣化するため、定期的にトップコートの再塗装を行う。
●かぶせ工法でウレタン防水を行う場合の下地処理
・既存露出防水層の表面は,ゴミ等の異物を取り除き,水洗いを行う。乾燥後,層間接着用プライマーを塗布し,新規防水層との接着性をよくする。
・既存防水層の破断,穴あき箇所の浮き部分及びふくれ部分は,切除し,ポリマーセメントモルタルで平滑に補修する。既存防水層の劣化によるチョーキング部は,デッキブラシ等で水洗いを行う。
※その他の注意点
・防水材の種類によっては接着不良を起こす危険があるため、事前にプライマーで接着試験を行う。