民事訴訟法 少額訴訟、支払督促

〇民事訴訟法:368~396条
〇過去問
・管理業務主任者 H13問10、H14問9、H16問10、H17問11、H18問11、H19問11、H21問10、H22問10、H23問10、H24問10、H27問11、H28問10、H29問10、H30問10、R2問11
・マンション管理士 H14問11、H15問30
 
 
※目次をクリックすると目次の下部にコンテンツが表示されます。
支払督促
●債務名義
・強制執行するには債務名義が必要。
・勝訴判決、支払督促、小額訴訟
 
〇連帯保証人との関連
・主たる債務者に対する債務名義を取得した場合、連帯保証人に対して強制執行することは可能か?
・主債務者に対する債務名義が支払督促、確定判決の場合ともに、強制執行のためには、連帯保証人から再度債務名義を取得する必要がある。
 
●支払督促
○誰が
・管理組合が法人の場合:理事
・管理組合が法人でない場合:集会の決議による管理者、規約に定めのある場合はそれによる。
○誰に対して
・原則として、金額に関わらず債務者の所在地を管轄する簡易裁判所の書記官に対して行う。
○何をどのようにして
①裁判所書記官は、債務者の言い分を聞かず、債務者に対して支払い督促を発する。
②送達後2週間以内に債務者から異議申立てがない(異議があれば通常の訴訟に移行)
③それから30日以内であれば債権者は”仮執行宣言付支払督促の申立て”をすることができる。
 
〇仮執行宣言前の異議(390条)
・この督促異議の申立てがなされると、通常訴訟へ移行される(第395条)。
→支払督促は、その”督促異議の限度で”効力を失い、支払督促に対して仮執行宣言を付して執行力を生じさせることはできない。
・”異議の限度で”というのは,例えば1000万円の支払督促のうち500万円の部分についてのみ異議を申し立てた場合,その500万円の部分についてのみ効力が失われるということ。
 
〇仮執行の宣言の申立てをしなかった場合の時効中断(392条)
・債権者が仮執行の宣言の申立てをすることができる時(債務者が支払督促の送達を受けた日から2週間以内に督促異議の申立てをしないとき)から30日以内にその申立てをしないときは、支払督促は、その効力を失う(民事訴訟法392条)。
・そして、支払督促は、債権者がこの期間内に仮執行の宣言の申立てをしないことによりその効力を失うときは、時効の中断の効力を生じない。
小額訴訟
・原則として、相手方の所在地を管轄する簡易裁判所に訴状を提出する。ただし、管理規約に合意管轄の定めがあるときはそれによる。
 
〇少額訴訟の要件等(368条)
・簡易裁判所においては、訴訟の目的の価額が”60万円以下”の金銭の支払の請求を目的とする訴えについて、少額訴訟による審理及び裁判を求めることができる。
・同一年内に利用回数10回まで。
・少額訴訟による審理及び裁判を求める旨の申述は、訴えの提起の際にしなければならない。
 
〇反訴の禁止(369条)
・少額訴訟においては、反訴を提起することができない。
・反訴とは、民事訴訟の進行中に、被告から逆に原告を相手として、本訴との併合審理を求めて起こす訴え。
 
〇通常の手続への移行(373条)
・被告は、被告が最初にすべき口頭弁論の期日において弁論をし、又はその期日が終了するまでは、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができる。
・原告が少額訴訟による審理及び裁判を求めても、被告は、訴訟を通常の手続に移行させる旨の申述をすることができるので、原告及び被告が少額訴訟によることを望まなければ少額訴訟は開始されないことになる。
 
〇支払猶予、分割払い(375条)
・裁判所は、特に必要と認める場合には、判決の言い渡しの日から、3年を超えない範囲で、支払猶予、分割払い、訴え提起後の遅延損害金の支払免除などをすることができる。
 
〇一期日審理の原則(370条)
・少額訴訟の当事者は、第1回口頭弁論期日前又はその期日において、すべての攻撃又は防御の方法を提出しなければならない。
・原則として一回の期日で審理を終了し、口頭弁論終結後即日判決が出される。
終局判決に対しては控訴することができないが、一定の期間内に判決をした簡易裁判所に異議申し立てをすることはできる。
 
〇控訴の禁止(377条)
・少額訴訟の終局判決に対しては、その判決をした裁判所に異議を申し立てることができるが、控訴をすることはできない。
その他滞納の督促関連
●内容証明郵便
・文書で督促する場合に、内容証明郵便と普通郵便では、法的な意味では同じであるが、内容証明郵便は、郵政官署にその文書が残るので、訴訟になったときの証拠としての価値は高い。
 
●滞納者が破産
・区分所有者が破産宣告を受け免責を受ければ、以前の滞納していた管理費を免れることはあり得るが、破産宣告の日以降の管理費の支払義務を免れることはできない。
・区分所有者が破産宣告を受けたとしても、当該宣告の日以降の管理費の支払義務を免れることはできない。なお、破産の効力は、破産宣告の時より生じるものとされる。(破産法第1条参照)
 
●簡易裁判所
・訴訟の目的の価額が140万円を超えない請求(行政事件訴訟に係る請求を除く。)については、簡易裁判所が第一審の裁判権を有する。

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