消防法 住宅用防災機器の概要

〇消防法:9条の2,
〇消防法施行令:5条の6~8
〇消防法施行規則:
〇過去問
・管理業務主任者 H21問21
・マンション管理士 
 
 
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住宅用防災機器の設置・維持
●消防法9条の2
・住宅の用途に供される防火対象物の関係者は、住宅用防災機器の設置及び維持に関する基準に従って、住宅用防災機器を設置し、及び維持しなければならない。
 
〇住宅用防災機器の設置及び維持に関する基準
・令5条の6~8
・平成16年総務省令138号”住宅用防災機器の設置及び維持に関する条例の制定に関する基準を定める省令”
・平成17年総務省令11号”住宅用防災警報器及び住宅用防災報知設備に係る技術上の規格を定める省令”
住宅用防災機器の概要
1)住宅用防災機器とは(令5条の6)
 
〇住宅用防災警報器
・住宅における火災の発生を未然にor早期に感知・報知する警報器をいう。
・火災を検出する感知部と警報を発する警報部とが1つのケースに収められた一体構造のもの。
・火災による煙や熱を自動的に感知し、音or音声で知らせることで、火災を早期に発見し、早く非難することに役立つ。
 
〇住宅用防災報知設備
・住宅における火災の発生を未然にor早期に感知・報知する火災報知設備であつて、感知器、中継器、受信機及び補助警報装置で構成されたものをいう。
・感知器自体は警報音を発しないため”受信機”の設置が必要で、それぞれの感知器と受信機が配線or無線によりつながっている。
※住宅の間取りなどによっては”補助警報装置”の設置が必要となる場合もある。
 
2)種類
 
①煙式
・煙を感知して火災の発生を警報音or音声で知らせる。
 
〇イオン化式住宅用防災警報器
・周囲の空気が一定の濃度以上の煙を含むに至ったときに火災が発生した旨の警報を発する住宅用防災警報器で、一局所の煙によるイオン電流の変化により作動するものをいう。
 
〇光電式住宅用防災警報器
・周囲の空気が一定の濃度以上の煙を含むに至ったときに火災警報を発する住宅用防災警報器で、一局所の煙による光電素子の受光量の変化により作動するものをいう。
 
※虫の侵入防止
・イオン化及び光電式の感知部は、目開き1mm以下の網、円孔板等により虫の侵入防止のための措置を講ずること。
 
②熱式
・熱を感知して火災の発生を警報音or音声で知らせる。
 
〇定温式住宅用防災警報器
・一局所の周囲の温度が一定の温度以上になつたときに火災警報を発する住宅用防災警報器をいう。
 
③複合型警報器
・ガス漏れなども感知するものもある。
・耳の不自由な方は、光を発する機器などを取り付けることにより、音以外の方法で火災を知ることも可能。
 
●作動方式
 
①単独式
・1台の住警器が単独で警報するタイプ。
 
②連動式
・複数の住警器を相互に配線して、いずれかの住警器が感知したときに、全ての住警器が鳴動するタイプ。
 住警器間の配線が必要になるが、住警器が設置された各部屋に一斉に知らせるため、離れた部屋の火災がより早期に発見できるメリットがある。
・主に新築住宅で、設計段階から配線を考慮した上で採用される。
 
③無線連動型
・電波などのワイヤレス信号で相互連動を行い、電源を電池式にすることにより、配線不要で連動型の機能を実現したもの。
 
●電源の種類
 
①外部電源方式
・家庭用コンセント(100V)や分電盤の開閉器、附属装置の電源から電源を供給される住警器。
・電池交換が不要。
 
②電池式
・電源が電池の住警器。
・リチウム電池で5年や10年間動作するものが主流となっており、電池寿命を音声やブザー音で知らせる。
※住宅用防災警報器を有効に作動できる電圧の下限値となったことを72時間以上点滅表示等により自動的に表示し、又はその旨を72時間以上音響により伝達する。
・電池交換が可能なタイプと、不可能なタイプがあり、電池交換不可能なタイプは機器寿命と共に住警器自体を取り替える必要がある。
 
●警報方式
 
①警報音タイプ
・”ピー”音などの警報音のみで知らせるタイプ。
 
②音声警報タイプ
・警報音のあと、”火事です”などと音声で知らせるタイプ。
・他の家電機器のブザー音にまぎれることなく、火災であることを知らせるため、子供や高齢者にとってより安全であり、普及が進んでいる。
※特に、高齢者と若年者では耳に良く感知する音の周波数帯域が異なるため、低音から高音をスイープさせた音や、交互に男女の声で警報するなど、各製品に工夫がなされている。
 
3)付加機能
 
〇自動試験機能
・機能が適正に維持されていることを、自動的に確認することができる装置による試験機能をいう。
・警報器の機能に故障が生じたときは、音or表示によって知らせてくれる。
 
〇手動停止、自動で監視再開
・住宅用防災警報器の構造及び機能として、住宅用防災警報器にあっては、当該スイッチの操作により火災警報を停止したとき、15分以内に自動的に適正な監視状態に復旧するものであることが必要である。
設置方法
1)設置場所(令5条の7第1項1号)
 
イ)就寝の用に供する居室
ロ)イに掲げる住宅の部分が存する階(避難階を除く)から直下階に通ずる階段(屋外に設けられたものを除く)
ハ)イorロに掲げるもののほか、火災予防上特に必要であると認められる住宅の部分として総務省令で定める部分
 
●平成16年総務省令138号4条
 
一)寝室が存する階(避難階から上方に数えた階数が2以上である階に限る)から下方に数えた階数が2である階に直上階から通ずる階段の下端
二)寝室が避難階のみに存する場合であつて、居室が存する最上階(避難階から上方に数えた階数が2以上である階に限る)から直下階に通ずる階段の上端
三)上記規定により住宅用防災警報器or感知器が設置される階以外の階のうち、床面積が7m2以上である居室が5以上存する階の次に掲げるいずれかの住宅の部分
イ)廊下
ロ)廊下が存しない場合にあつては、当該階から直下階に通ずる階段の上端
ハ)廊下及び直下階が存しない場合にあつては、当該階の直上階から当該階に通ずる階段の下端
 
※他の住宅との共用部分については上記基準の対象外
・共同住宅の廊下、階段、エレベーター、エレベーターホール、機械室、管理事務所その他入居者の共同の福祉のために必要な共用部分。
 
●設置義務の例外
・住宅用防災警報器の設置が義務付けられる場合でも、住宅の部分にスプリンクラー設備を設置した場合において、当該設備の有効範囲内の住宅の部分について住宅用防災警報器を設置しないことができる場合がある。(令5条の7第1項)
・共同住宅用スプリンクラー設備、共同住宅用自動火災報知設備又は住戸用自動火災報知設備を、それぞれ省令に定める技術上の基準に従い、又は当該技術上の基準の例により設置したときは、当該設備の有効範囲内の住宅の部分について住宅用防災警報器又は住宅用防災報知設備を設置しないことができる。
 
2)設置方法
 
〇階段
・令5条の7第1項第1号ロに定める階段の場合、住宅用防災警報器は、当該階段の上端に設置すること。
〇天井、壁
・住宅用防災警報器は、天井or壁の屋内に面する部分の次のいずれかの位置に設けること。
イ)壁orはりから0.6m以上離れた天井の屋内に面する部分
ロ)天井から下方0.15m以上0.5m以内の位置にある壁の屋内に面する部分
〇換気口
・住宅用防災警報器は、換気口等の空気吹出し口から、1.5m以上離れた位置に設けること。
〇設置場所と住宅用防災警報器の種類
・居室5以上の階の廊下:イオン化式or光電式
・上記以外:光電式

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